JPS5918113Y2 - 気化器のバタフライシヤフト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、吸気道内に配置したチョークバルブスロット
ルバルブ等のバタフライバルフヲ回動自在に支持するチ
ョークシャフト、スロットルシャフト等のバタフライシ
ャフトを備えた気化器に関するものである。

従来、一般に使用される気化器のバタフライシャフト１
は第１図に示す如く、鉄鋼及び非鉄金属よりなる丸棒の
中央部にバタフライバルブ２を平面上で確実に固定保持
するための平取り部３をフライス盤等にて切削加工を行
ない、次いでネジ孔４の加工を行なうものであった。

然しなから、かかる従来の構造によるとフライス加工に
よる平取り部３の加工工程に多くの時間を要すると共に
、加工の際においてバタフライシャツ１へ１のシャフト
長手方向軸心部に対して直角方向の力が働きジャワ１へ
１に歪みを与える場合があり、この歪みが特に大きい場
合においては気化器本体に設けたバタフライシャツ）・
孔５にバタフライシャツ１〜１を嵌合した際に回動不良
を生起する場合があり、この回動不良は特に気化器にお
いて、機関の暴走等に直接つながり致命的欠陥となる場
合がある。

又、角柱状の軸の外面を包絡するように屈曲してこの軸
に固定されたバルブ板と、この軸に嵌合しバルブケース
に回転自在に取り付けられた円筒形状のブツシュからな
るバタフライバルブの構造は実開昭５３−１１４１１号
にも開示されているように公知であるが、この場合、角
柱状の軸がブツシュの角穴に挿入されているものであり
、軸とブツシュとの軸方向のずれを防止できないという
欠点か゛あった。

又、角形の軸体の両端の軸承部に円筒状の軸承子を着脱
自在に嵌着してなる気化器の絞弁軸の構造は実公昭３２
−４４０７号公報にも開示されているように公知である
が、この場合も軸体と軸承子との軸方向のずれを防止で
きないという欠点か゛あった。

更に、絞弁体の両面に交互に連続して突出部を形威し、
それ等の裏面の凹部に帯状板を絞弁体に平行に挿入して
なる気化器の絞弁の構造は実公昭３２−３４０２号公報
にも開示されているように公知であるが、この場合も軸
受部の円筒子に対して帯状板の軸を挿入しているもので
あるため、円筒子と軸との軸方向のずれを防止できない
という欠点があった。

本考案は、かかる点に鑑み威されたもので、その目的と
するところは、バタフライシャフトの加工工程が少なく
、その製造が安価で且つ歪みが少なく作動性が良好であ
り、且、バタフライバルブの支持軸部と回転軸部との軸
方向のずれを防止する嵌合手段を設けたことを特徴とす
る気化器を提供することにある。

以下本考案の一実施例を第２図、第３図により説明する
と、バタフライシャフト１１は、バタフライ支持軸部１
２と回転軸部１３とにより構成される。

バタフライ支持軸部１２は黄銅、快削鋼、アルミニウム
等の鉄鋼、非鉄金属の平板をプレス等にて打抜き加工す
ることによりその両端近傍部に嵌合孔１４を設けると共
にその中央にネジ孔１５を穿設する。

バタフライ支持軸部１２の両端に各嵌合孔１４を介して
ナイロン、テフロン等の合成樹脂、アルミニウム、亜鉛
等の非鉄金属等を円筒状に成形して回転軸部１３を一体
的に形成する。

以上のように構成したバタフライシャフト１１を気化器
本体１６の吸気道１７に貫通して設けたバタフライシャ
ツ１ｉＬ１８内に摺動自在に嵌合すると共に、バタフラ
イ支持軸部１２の平面部にバタフライバルブ１９を載せ
ると共にバタフライバルブ１９の締付は孔２０とバタフ
ライシャフト１１のネジ孔１５を対応させ、しかる後に
締付はビス２１を締付けることにてバタフライバルブ１
つをバタフライシャフト１１に締結するものである。

以上のようにこの実施例では、バタフライシャフト１１
を鉄鋼及び非鉄金属の平板を打抜くことによりバタフラ
イ支持軸部１２を形成すると共にその支持部の両端に合
成樹脂等の円筒状よりなる回転軸部１３を一体に成形し
たので、その製作は打抜きと成型という極めて簡単な作
業で然も一度に多量に生産することができたので製作費
用が安価で且つその品質の保持が容易となるものである
。

またバタフライシャフト１１の軸心方向に対して直角方
向はもとより、あらゆる方向に対して特に大きな機械的
な力を加えることがないのでバタフライシャフト１１が
歪むということがなく、バタフライシャブト孔１８内に
嵌合した際においてバタフライシャフト１１の作動性が
悪化することがない 更に又回転軸部１３を合成樹脂にて成形した際はバタフ
ライシャフト１１の重量が軽減でき、特に気化器全体の
重量を有効に軽減できるものである。

そして、バタフライ支持軸部１２と回転軸部１３とが互
いに軸方向へずれるのを防止する嵌合手段として嵌合孔
１４を設けたので、長期間の気化器の使用に際してもバ
タフライ支持軸部１２と回転軸部１３とが軸方向にずれ
ることが解消される。

このため、前述した先行技術（実開昭５３−１１４１１
号公報、実公昭３２−４４０７号公報、実公昭３２−３
４０２号公報）では得られない本考案特有の効果を有す
るものである。

すなわち、バタフライバルブの特に全閉時および低開度
時に、回転軸部１３とバタフライ支持軸部１２とが軸方
向へずれた場合（従来技術の場合）回転軸部１３の吸気
道側端面とバタフライバルブの外周面との間にエアーリ
ーク（即ちバタフライ支持軸部に沿ってまわり込んだエ
アーが回転軸部の端面とバタフライバルブの外周面との
間隙を通って漏れ込むというエアーリーク）を生じ、機
関へ供給される空気量が変動するため空燃比が変化し、
機関の最適燃焼が損なわれ、機関の排気ガス公害、燃料
消費率の低下、機関の不調を発生するものであったが、
本考案では、長期間の使用あるいは強振動の使用（乗用
車、二輪車、船、チェーンソー等）に当ってもバタフラ
イバルブの軸方向へのずれを生じないので従来の欠点を
解消できる。

なお、上記実施例では、バタフライ支持軸部１２と回転
軸部１３とが互いに軸方向にずれるのを防止する嵌合手
段として嵌合孔１４をバタフライ支持軸部１２に穿設し
これに回転軸部１３を嵌合させたが、本考案の嵌合手段
は、この実施例に限定されることなくバタフライ支持軸
部と回転軸部とを嵌合し、軸方向のずれを防止する技術
的手段を意味し、実施例の修正が可能であることは当業
者にとって明らかで゛あろう。

以上、詳述したように、本考案は、吸気道内に配置した
バタフライバルブ１９を回動自在に支持するバタフライ
シャフト１１を備えた気化器において、板状部材にてバ
タフライ支持軸部１２を形成し、該バタフライ支持軸部
の両端に円筒状の回転軸部１３を配置すると共に、バタ
フライ支持軸部１２と回転軸部１３とが軸方向へずれる
のを防止する嵌合手段を設けたので、バタフライシャフ
トの加工工程が少なくその製造が安価で且つ歪みが少な
く作業性が良好であり、且、バタフライバルブの支持軸
部と回転軸部との軸方向のずれを防止し、長期間あるい
は強振動の使用に対して耐久性に秀れ、エアーリークが
無いので空燃比の変動が無く、従って排気ガス公害や燃
料消費率の低下を解消できる気化器を提供できたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の気化器のバタフライシャフトを示す要部
断面図、第２図は本考案のバタフライシャフトを示す斜
視図、第３図は本考案のバタフライシャフトを気化器に
組込んだ要部断面図である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）吸気道内に配置したバタフライバルブ１９を回動
   自在に支持するバタフライシャフト１１を備えた気化器
   において、板状部材にてバタフライ支持軸部１２を形成
   し、該バタフライ支持軸部の両端に円筒状の回転軸部］
   ３を配置すると共に、バタフライ支持軸部１２と回転軸
   部１３とが軸方向へずれるのを防止する嵌合手段を設け
   たことを特徴とする気化器。
2. （２）前記回転軸部１３を合成樹脂にて形威してなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の気化器。
3. （３）前記バタフライ支持軸部１２を金属板にて成形し
   てなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の気化器。