JPS5916526Y2 - 燃料ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、リターン装置を有するテコ駆動式燃料ポン
プの改良に関するものである。

従来、自動車の燃料系統は、その系統内で発生するペー
パー（ガソリン蒸気）によって生ずるペーパーロックな
どの不都合を防ぐため気化器の入口や燃料ポンプなどに
リターン通路を設け、燃料系統内の燃料流速を速め、温
度上昇を防ぐとともに、ペーパーと余剰燃料を燃料タン
クに戻す方式がとられているものがある。

この燃料ポンプにリターン通路を設ける方式として燃料
ポンプの出口室にリターン通路を開口するものがある。

この方式にあっては室内においてペーパーと液状燃料が
分離された後、リターン側へペーパーがより多くリター
ンされるという効率の良い面があるが、従来、この種の
機構にあって、第１図に示す如く、リターン通路１３の
開口端１３′を出口室１６内の逆止弁もしくは他の噴出
口１４′と直接に見合って位置させたものにあっては、
ポンプ作用により、逆止弁より出口室内に噴出された燃
料が直接リターン通路の開口よりリターン通路に流入し
、十分な効果を得ることができない。

この第１図に示す従来例について説明する。

本体７とケース８の間に膜４を取付ることによって、膜
４とケース８の間にポンプ室１８を形成すると共に膜４
は上下ディスク５，６と共にロッド３の一端に取付けら
れ、しかもロッド３の他端は、支持ピン２に保持される
レバー１の一端に係合されている。

そして膜４には、常時ばね１５が働くように取付けられ
ている。

またポンプ室は逆止弁９゜１０を介して各々入口室１７
及び出口室１６に連絡し、しかも入口室１７には、吸入
用パイプ１１が、そして出口室１６には吐出用パイプ１
２が連絡開口するとともに出口室１６の上方にはリター
ン通路１３が開口している。

また、レバー１の他端はカムなど（図示せず）に係合さ
れている。

更に、この側温においては、出口室１６に噴出筒１４が
設けられている。

そして、この第１図に示すように従来用いられているも
のは、リターン通路１３の出口室１６内の開口端１３′
は出口室１６への噴出、すなわち逆止弁１０もしくは、
この例によれば噴出筒１４の噴出口１４′とその開口端
１３′が見合う状態におかれている。

このため機関運転にともなってポンプが運転されるとき
、すなわち、カム（図示せず）の運転に併ってレバー１
がピン２を支点として運動すると、ロッド３ならびに膜
４がばね１５との相互作用によって上下動してポンプ作
用をする。

従って燃料はパイプ１１より入口室１７を経て逆止弁９
を介してポンプ室１８に吸入し、逆止弁１０を介して噴
出筒１４から出口室１６に噴出される。

そして−坦出口室１６にたまった燃料は、機関の要求に
応じて出口バイブ１２がら気化器（図示せず）側に送ら
れるとともに出口室１６内にて上方にたまったペーパー
と余剰燃料がリターン通路１３がら燃料タンク（図示せ
ず）へ戻される。

ところが、かかる従来技術によるとき、燃料流を増すこ
とによってペーパー発生を減少するなどの効果は一応見
られるものの燃料系の温度がより高くなり、ペーパー量
が増大したこときは、混合気容量が増大し、燃料流速は
さらに早くなるので、逆止弁１０や噴出筒１４より噴出
する速度も速くなり、噴出燃料は出口室の土壁に当るよ
うな動きを示し、噴出筒１４の噴出口１４′と直接見合
う状態におがれたリターン通路１３に直接液状燃料が流
入しやすくなるなどの不都合を有している。

以上のことに鑑み、この考案は、上記のような不都合を
解消することを目的とするもので、すなわち、出口通路
１２を有する出口室１６の上方にリターン通路１３を開
口したテコ駆動膜式燃料ポンプにおいて、前記リターン
通路１３の出口室側端部を出口室１６内深くしがも前記
出口通路１２より上方に突出させ、前記リターン通路１
３の室内開口端１３′を出口室壁より離間した室内中空
部に位置させるとともに、該開口端１３′を前記出口室
１６への燃料噴出部と見合うことのない方位に開口させ
たことを特徴とするものである。

リターン通路１３の出口室内への開口端１３′を、出口
室１６内に突出し、周壁より離間した空間内に位置させ
、しがちリターン通路の開口端が燃料の噴出部に対して
見合うことがないようにするには、例えば、第２図に示
す如く、リターン通路１３の出口室側を噴出口１４′の
上部を通過する位置迄出口室内に進入させ、その先端に
開口端１３′を設ける。

また、その開口端１３′は第３図に示す如く絞ってもよ
い。

また、第４図Ａ（平断面図）、Ｂ（側断面図）に示す如
く、開口端１３′を出口室内において、側方へ曲折突入
して形成してもよく、更に、第５図に示す如く、開口端
１３′を出口室内において上方へ曲折突入して形成して
もよい。

この考案によれば、リターン通路の出口開口端１３′を
出口室内に突入させて出口室内周壁と離間された室内中
空部に位置させ、しがも燃料噴出部と交叉する方向に指
向させたがら、ポンプ作用によって逆止弁１０から噴出
筒１４を介して噴出した燃料は、直接リターン通路１３
より流出し難くなり、出口室１６の土壁や突入されたリ
ターン通路１３に当り、出口室下方にたまって後、上方
のペーパーもしくはそれとともに余剰燃料がリターンさ
れる。

そのためこの排出は、出口室の圧力に応じて行われ、ペ
ーパーの発生量や、燃料噴出量に適したリターンとなり
、しかも効率よくペーパーが分離され、気化器に対して
は液状燃料を送ることができ、ガソリン機関の高温時に
おけるペーパーロックによる不都合を解消し、その性能
を良好にすることがリターン通路の出口端を単に延長す
るのみの極めて簡単な構造で期待できるもので実用上極
めて有効なものである。

なお、図面に示す実施例は、噴出筒を逆止弁の先の出口
室に設置したものを示したが、この噴出筒は必ずしも設
ける必要はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテコ駆動膜式燃料ポンプの一例を示す断
面図、第２図乃至第５図はこの考案の実施例を示す要部
の断面図である。 １３・・・・・・リターン通路、１３′・・・・・・開
口端、１４・・・・・・噴出筒、１４′・・・・・・噴
出口、１６・・・・・・出口室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出口通路１２を有する出口室１６の上方にリターン通路
   １３を開口したテコ駆動膜式燃料ポンプにおいて、前記
   リターン通路１３の出口室側端部を出口室１６深く突入
   させ、前記リターン通路１３の室内開口端１３′を出口
   室内周壁より離間した室内中空部に位置させるとともに
   、該開口端１３′を前記出口室１６への燃料噴出部に対
   し交叉する方向に指向させたことを特徴とする燃料ポン
   プ。