JPS5916412Y2 - 軒樋止まり - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軒樋止まりに関するものである。

軒樋止まりは、軒樋の端に固定し、軒樋の端から雨水の
流出することを防ぐために用いられる。

軒樋止まりは、それが一つだけ離れて付設されている場
合には、そのまま軒樋に付設しただけで足りる。

しかし、建物の構造によっては、第１図に示すように、
二つの軒樋ａ、ｌ）をほは゛同じ高さのところに近接し
て付設し、それぞれの軒樋の端に、樋止まりｃ、ｄを別
々に取付けなければならないことが起る。

このような場合には、二つの軒樋の間にエキスパンショ
ンｅと呼ばれるさしわたして、その間から雨水の垂れ落
ちるのを防止する。

上述の場合には、一般に二つの樋止まりを正確に同じ高
さに揃えることが、水勾配の関係から困難である。

従って、二つの樋止まりの間には、成る程度の高低差の
できるが普通である。

高低差があれば、その間にさしわたすエキスパンション
が傾くことになるから、甚だしく美観を損ねる。

そこで、今までは、二つの樋止まりのうち、高い位置に
ある樋止まりの上部を切り取り、エキスパンションを水
平にさしわたすようにして来た。

ところが、樋止まりの付設に際し、樋止まりの上部を水
平に切り取ることは甚だ厄介である。

なぜならば、水平に切断しようとするとき、縁に折曲縁
があるため、鋸を入れにくいからである。

そこで、この点を改良する必要があった。

この考案は、この必要を充たすために生れたものである
。

樋止まりとしては、軒樋の横断面形状を備えた板の、上
縁を除く周縁に折曲縁を設け、折曲縁を上記板に対して
、同一方向にほぼ垂直に起立させた構造のものが知られ
ている。

この樋止まりは、折曲縁の内側に軒樋の端を挿入し、軒
樋の端を折曲縁に密接させ、この状態に接着剤で固定す
る。

公知の樋止まりでは、軒樋の横断面形状を備えた板が、
全体にわたり、はぼ一様な厚みをもっており、特に一部
を割れやすくするということはなかった。

ところが、この考案は、この板に予じめ溝状の切れ目を
刻設しておいて、切れ目を沿って手で折ることができる
ようにしたことを、骨子とするものである。

この考案は、軒樋の横断面形状を備えた板の、上縁を除
く周縁に折曲縁を設け、折曲縁を上記板に対して同一方
向にほぼ垂直に起立させた軒樋止まりにおいて、上記板
面上にその上縁に平行な方向にのみ延びる溝を刻設し、
溝の底を薄肉としたことを特徴とする、軒樋止まりに関
するものである。

図面を参照しながら、この考案の実施例について説明す
ると、次のとおりである。

第２図は、この考案に係る軒樋止まりと軒樋との斜視図
である。

第３図は、この考案に係る軒樋止まりの使用過程を示す
斜視図である。

第２図において、１はこの考案に係る軒樋止まりである
。

２は軒樋ａの横断面形状をもった板であり、３は板２の
上縁、４は折曲縁、５は溝、６は突起である。

軒樋止まり１は、板２の上縁３を除く周縁に折曲縁４を
設け、折曲縁４を板２の面に対して、同一方向にほぼ垂
直に起立させたものである。

また、その内部にはところどころに突起６を設け、折曲
縁４と突起６との間には、軒樋ａの肉厚に相当するだけ
の隙間が設けられている。

板２には上縁３と平行に数条の溝５が刻設され、溝５の
底は薄肉となっている。

この考案の樋止まりは、従来の樋止まりと同様に、軒樋
に固定する。

すなわち、樋止まり１を軒樋ａの端に当接すると、軒樋
ａは、折曲縁４に沿って嵌まり込み、折曲縁４と突起６
との間に挾まれて固定される。

この状態で接着剤により固定する。この樋止まり１が、
このように軒樋に固定される限りでは、従来のものと変
りがない。

この考案の樋止まりが、従来のものと異なるのは、エキ
スパンションを付設するのに便利だ、という点である。

すなわち、第１図に示したように、エキスパンションを
付設するため、樋止まりの上部を切断しなければならな
い場合に、この考案の樋止まりは、容易に美麗に切断で
きるという点で、すぐれた効果をもっている。

切断は水のようにして行なう。

まず、第３図に示すように、折曲縁４に沿って、切断を
必要とする部分まで鋸ｆで切り込む。

この切込みは、上縁から縦に切り込むだけであるから容
易に行なうことができる。

両側に切り込み７を設けたのち、上部を手でこじると、
上部は切り込み７の先端近くの溝５に沿って割れる。

こうして、容易に上部を切断することができる。

しかも、こうして切断されたあとには、溝５に沿った切
り口が残るから、切断面は必ず水平になる。

従って、切り口が美麗である。

この点で、この考案の軒樋止まりは、実用上の価値が大
きい。

また、この考案の軒樋止まりは、溝が上縁と平行な方向
にのみ延びているから、上縁から板の内部へ延びる溝が
ないため、取扱い中に溝のところで切断されるというこ
とがなく、従って商品の破損がないという利点を持って
いる。

この考案においては、必要により色々な場所で切断でき
るように、数本の溝５を何れも、上縁３に平行に設けて
おくことが望ましい。

また、溝は、横断面をＶ字状とすることが望ましい。

溝の底の厚みは、樋止まりを構成している材料の物性を
も考えて、手で折り曲げ切断できる程度の厚みとする。

この考案の樋止まりは、第２図及び第３図に示したよう
に、角樋について使用した場合に効果があり、とくに大
型角樋に使用して最も効果が太きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る軒樋止まりが、とくに必要と
される軒樋の配置状態を示した立面図である。 第２図は、この考案に係る軒樋止まりを、軒樋の一部と
ともに示した斜視図である。 第３図は、この考案に係る軒樋止まりの使用過程を示す
斜視図である。 図において、ａ、ｌ）は軒樋、ｃ、ｄは軒樋止まり、ｅ
はエキスパンションである。 また、１はこの考案に係る軒樋止まり、２は軒樋の横断
面形状を備えた板、３は板２の上縁、４は折曲縁、５は
溝、６は突起、７は切り込みである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋の横断面形状を備えた板の上縁を除く周縁に折曲縁
   を設け、折曲縁を上記板に対して同一方向にほぼ垂直に
   起立させた樋止まりにおいて、上記板面上にその上縁と
   平行な方向にのみ延びる溝を刻設し、溝の底を薄肉にし
   たことを特徴とする、軒樋止まり。