JPS5916191Y2 - 包装用複合フイルム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は非常に柔軟でコラプシブル （Ｃｏｌｌａｐｓｉｂｌｅ）及びフレキシブル性に優れ
、しかもガスバリヤ−性、水蒸気バリヤー性に優れ、な
おかつヒートシール強力及びピンホール強力の強い包装
材料を提供するものである。

本考案による包装材料は主としてバッグインボックス、
バッグインドラム等の内袋として使用する場合にその特
徴を最大に発揮するものであるが、用途としてこれに限
定するものではない。

バイゲインボックス用の内袋に要求される性能として、
内容物の保存性をよくするためにはガスバリヤ−性、水
蒸気バリヤー性が、輸送中での液もれかないためには耐
ピンホール性、耐フレックスクラツク性、耐破袋性が要
求され、更に液を注ぎ口から出す際には液の流出に応じ
て袋内に空気が入らず袋が縮むこと、すなわちフレキシ
ビリテイーコラプシビリテイーが要求される。

我々はバッグインボックス用内袋としてこれらの要求性
能を全て満たす包材構成を探すべく種々検討した結果、
本考案に達したものである。

最近はトラック積載量の点からも重量の重いビン、罐は
敬遠される傾向にあり、バッグインボックスが見直され
ている。

バッグインボックスには各種のタイプがあるが、ワイン
、酒、ジュース、醤油、ソース等に多く使用され今後も
期待できるものである。

従来、これらの内袋に使用されている包材としてはポリ
エチレン、二軸延伸ナイロンとポリエチレンの積層品、
ポリエチレンとポリ塩化ビニリデンコートニ軸延伸ナイ
ロンフィルムの積層品、ポリエチレンとポリ塩化ビニリ
デンの積層品等が使用されているが、まだまだガスバリ
ヤ−性が不足であり、コラプシビリテイーはそのままに
してガスバリヤ−性の向上が強く要望されている。

非常にガスバリヤ−性にすぐれた包材としては、まずア
ルミ箔が挙げられる。

アルミ箔を用いてガスバリヤ−性、水蒸気バリヤー性、
光遮断性をもたせた袋の例としてはお茶、コーヒー等の
包装あるいはレトルト用の包材等数多く使用されている
。

しかし、アルミ箔の場合には非常に腰が強くなり、バッ
グインボックス用内袋としてはコラプシビリテイーがな
く、液の流出性を悪くする欠点がある。

アルミ箔も厚くなるとバリヤー性は完壁になるが、薄い
ものではピンホールの欠点があり完壁ではない。

ここ数年来アルミ蒸着膜のバリヤー性も注目をあびてき
ているが、これは平滑な表面のフィルムの生産が可能に
なったことに依存している。

本考案は金属（主としてアルミニウム）蒸着膜のバリヤ
ー性を利用してコラプシビリテイーをもたせ、アルミ箔
の欠点を改良したものである。

本考案の特徴を列挙すると、 （１）バッグインボックス用内袋としての基本である耐
ピンホール性、柔軟性に富む二軸延伸ナイロンフィルム
を利用したこと。

二軸延伸ナイロンフィルムの各種ピンホール強力（突き
刺し、屈曲、摩耗等）の強さはよく知られているが、一
例としてバッグインボックスでのテスト結果を次表に示
す。

テストはＪＩＳ Ｚ−０２３２に従って縦、横、高さそ
れぞれ２８０ ｍｍの段ボール箱に各種構成の内袋を配
し、水２０ ｋｇを詰めて２０℃の雰囲気中でＩＧで３
０分間上下振動をくり返して内袋のピンホールをみたも
のである。

（２）アルミ箔と同等あるいはそれに近いバイバリヤー
性をもたせるために金属蒸着膜を利用してコラプシビリ
テイをもたせたこと。

この場合基材として使用する二軸延伸ナイロンフィルム
の表面は平滑なもので、鏡面光沢度で表わすと１３０％
以上のものを使用することが望ましい。

鏡面光沢度とは表面平滑性の指標であり次の通りである
。

すなわちＡＳＴＭ Ｄ −２４７５−６５Ｔに規定さ
れているように入射角２０°での光線の反射率を屈折率
１．５６７の表面研摩した黒ガラスを１００％としてフ
ィルムの場合は表裏両面からの反射率を％で表わす。

表面が粗である程光沢度は低下し、蒸着膜にも欠陥が生
じバリヤー性も低下する。

以下に各種ラミネート構成物のバリヤー性を比較する。

（３）金属蒸着膜をシーラントと反対面に配置してシー
ル強力をもたせること（第３図参照）。

通常基材フィルムとシーラントとの間に蒸着膜を配置す
ると剥離強力が弱くシール強力も小さい。

例えば二軸延伸ナイロンフィルムに金属蒸着を施しその
上にシーラントであるポリエチレンをラミネートしくＯ
Ｎ−ＶＭ／ＰＥと略す）、そのＰＥをヒートシールする
と、そのシール強力はＰＥの厚みに、よっても若干具な
るが、大体１．５〜２．５ ｋｇ／１５ ｍｍ□程度で
ある。

それと逆にＶＭ−ＯＮ／ＰＥの構成の場合のヒートシー
ル強力は４〜６ｋｇ７１５ｍｍと非常に良好である。

（４）金属蒸着膜の保護材としてコラプシビリテイを失
なわないようにポリオレフィンフィルムをラミネートし
たこと。

これは保護材だけが目的であれば他のフィルム、例えば
ポリエステルフィルム、セロファン等でもよいがコラプ
シビリテイーを損つ。

（５）金属蒸着膜の耐水性をもたせるためには蒸着の際
にナイロンフィルムにプライマーコートを施すことがで
きること。

等から成立っている。

更に図に従ってもう少し詳しく説明する。

第１図は金属蒸着を施した二軸延伸ナイロンフィルムの
両面にポリオレフィンをラミネートした図である。

すなわち、外面からポリオレフィンフィルム（５’ ：
ＰＯ） 、金属蒸着膜（３：ＶＭ）、二軸延伸ナイロ
ンフィルム（１：ＯＮ）、ポリオレフィンフィルム（５
： ＰＯ）から戊立っており、４．４’はＰＯをラミネ
ートする際の接着剤あるいはアンカーコート剤を示して
いる。

５′のポリオレフィンはポリエチレン（ＰＥ）、エチレ
ン−酢ビ共重合体（ＥＶＡ） 、無延伸ポリプロピレン
（ＣＰＰ）等があげられる。

５′は金属蒸着膜の保護が目的であり、コラプシビリテ
イーを失なわないよフ比較的薄いものがよく、１０〜４
０μ程度でよい。

また５′は二軸延伸ポリプロピレン（ｏｐｐ）も使用可
能ではあるが、コラプシビリテイの面から無延伸フィル
ムが望ましく、更には他のフィルム、例えばポリエステ
ルフィルム（ＰＥＴ）も使用可能であるが、かなり薄い
フィルムを使用しないとコラプシビリテイーを損う。

３の金属蒸着膜は主としてアルミが使用される。

厚みはバリヤー性をもたせるため３００〜１０００Ａ程
度がよく、通常５００〜７００ ｆｉのものが使用され
る。

１は二軸延伸ナイロンフィルムであり、フレキシピノテ
ィー、コラプシビリテイーに富み、ピンホール強度が強
く、シーラントである５との接着性がよく、本考案のよ
うな用途には最適である。

厚みは１０〜３０μ程度がよく、通常はフレキシビリテ
ィ−と蒸着効率を考えると１２μあるいは１５μが適し
ている。

５はシーラント用ポリオレフィンでＰＥ。ＥＶＡが適し
ている。

ＣＰＰはシール部の衝撃強度及び耐寒性から好ましくは
ないが、内容物少量で耐油性を必要とする場合には使用
可能である。

５はヒートシール強度を出すためには４０〜１００μ程
度が必要であり、通常５０〜７０μ程度でよい。

第２図は二軸延伸ナイロンフィルムに耐水性のあるプラ
イマーコート（２： ＰＣ）を施した後にその上に金属
蒸着したものをベースフィルムとして使用し、その両面
に第１図と同じくポリオレフィンフィルムをラミネート
した図である。

二軸延伸ナイロンフィルムは吸湿性があるため第１図の
構成物を水中に浸すと時間の経過と共に端部から金属蒸
着膜とナイロンフィルムとの間で剥離してくる。

もつと単純にＯＮ−ＶＭ、／ＰＥ（／はラミネート部分
を示す）のような構成物を水中に浸すとＯＮとＶＭの間
で剥離しあたかも蒸着ポリエチレンを作ったかの如く分
離する。

このような欠点を改良したものが第２図である。

この場合には水に浸しても全く剥離を生じない。

この場合の蒸着用アンカーコート剤はウレタン系、ビニ
ル系、アクリル系等が使用できる。

バッグインボックスのように内容物が液体の場合には万
一事故がおきて一袋が破袋して他の袋が液に浸されるよ
うなことを想定するとナイロンフィルムにアンカーコー
ティングした後に金属蒸着を施す第２図の構成が望まし
い。

第３図は第２図の構成のフィルムを製袋したヒートシー
ル部の断面図である。

【図面の簡単な説明】

第１図は金属蒸着した２軸延伸ナイロンフイルムの両側
にポリオレフィンをラミネートした構成のフィルム。 第２図は２軸延伸ナイロンフイルムにプライマーコート
を施し、その上に金属蒸着したものの両側にポリオレフ
ィンをラミネートした構成のフィルム。 第３図は第２図のラミネートフィルムをヒートシールし
た図で゛ある。 図中の記号は次の通りである。 １：二軸延伸ナイロンフィルム、２：蒸着用プライマー
コート層、３：金属蒸着膜、４．４’ ：ラミネート用
接着剤層またはアンカーコート層、５，５′：ポリオレ
フィンフィルム等のシーラント層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属蒸着を施した二軸延伸ナイロンフィルムの両面にポ
   リオレフィンフィルムをラミネートしてなる、ガス遮断
   性、水蒸気遮断性に富みがっ柔軟性に優れたバッグイン
   ボックス内袋に適した包装用複合フィルム。