JPS5915731Y2 - 車両用ワイパ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用ワイパの構造に関する。

通常車両用ワイパでは、車両ボディーに揺動可能に取付
けられたワイパ支持部にワイパアームの一端部を枢着し
、ワイパアームの他端部とワイパ支持部間に引張りばね
を張設してこの引張りばねのばね力によりワイパブレー
ドをガラス窓上に押圧せしめるようにしている。

この引張りばねのばね力を強くしすぎるとワイパブレー
ドの早期摩耗を招き、一方弱くしすぎると良好な掃拭作
用を得ることができない。

従ってこの引張りばねのばね力はこれらのことを考慮し
て最適なばね力に設定されている。

しかしながらこのように最適なばね力に設定したとして
も車両走行時、フロントウィンドに衝突した空気はフロ
ントウィンドの中央部から両側に向かって流れ、この両
側に向かう空気流によってワイパ作動時にワイパブレー
ドをフロントウィンドから浮き上がらせるような力が発
生せしめられる。

この力は車両速度が速くなれば速くなるほど大きくなる
がこのように大きな力が加わった場合でもワイパブレー
ドの浮き上りを阻止して良好な掃拭作用を確保できるよ
うに引張り力のばね力を強くすると上述のようにワイパ
ブレードの早期摩耗をひき起こすという問題が生じる。

本考案はワイパブレードの早期摩耗を回避しつつ車両高
速運転時或いは強風下におけるワイパブレードの浮き上
がりを阻止することのできるワイパを提供することにあ
る。

以下、添附図面を参照して本考案を詳細に説明する。

図面を参照すると、１は車両のフロントウィンド、２は
アウターパネル、３はアウターパネル２に揺動可能に取
付けられたワイパ支持部、４はワイパアーム、５はワイ
パアームに固定されたワイパブレード支持アームを示す
。

ワイパアーム４の一端部はピボットピン６を介してワイ
パ支持部３に回動可能に枢着され、一方ワイパブレード
支持アーム５の先端部にはワイパブレード７を担持する
ワイパブレードリテーナ８がピボットピン９を介して枢
着される。

ワイパアーム４の先端部にはワイパアーム４に固定され
たフック部１０が形成され、一方ワイパ支持部３にはフ
ック部１１が形成される。

これらのフック部１０とフック部１１との間にはコイル
状の主引張ばね１２が張設され、この主引張りばね１２
のばね力によってワイパブレード７は常時フロントウィ
ンド１上に押圧せしめられる。

なお、この主引張りばね１２のばね力は車両速度が比較
的遅く、従ってワイパブレード７にさほど大きな浮き上
がり力が加わらないときに良好な掃拭作用を確保できる
と共にワイパブレード７が早期摩耗することのないばね
力に設定されている。

更に、この主引張りばね１２内には主引張ばね１２のコ
イルの径よりも小さな径を有するコイル状の補助引張り
ばね１３が挿入され、この補助引張りばね１３は主引張
りばね１２と同様にフック部１０．１１間に張設される
。

この補助引張りばね１３は車両速度が遅く、従ってワイ
パブレード７にさほど大きな浮き上がり力が加わらない
ときに引張り力を発生しない最大収縮状態にあり、車両
速度が速くなってワイパブレード７が多少でもフロント
ウィンド１から浮き上がると大きな引張り力を発生する
ように設定されている。

従がって車両速度が遅いときにはワイパブレード７は主
引張りばね１２のばね力のみによってフロントウィンド
１上に押圧せしめられ、それによって上述したように早
期摩耗することなしに良好な掃拭作用が行なわれる。

一方、車両速度が速くなるか、或いは強風下においてワ
イパブレード７がフロントウィンド１から浮き上がろう
とすると補助引張りばね１３のばね力によってワイパブ
レード７がフロントウィンド１上に強力に押圧されるた
めにワイパブレード７はフロントウィンド１から浮き上
がることができず、斯くして良好な掃拭作用が行なわれ
ることになる。

なお、この補助引張りばね１３の引張り力はワイパブレ
ード７が浮き上がろうとしたときに始めて作用するので
補助引張りばね１３が車両速度の比較的遅い通常走行時
にワイパブレード７の摩耗を促進させることはない。

以上述べたように本考案によればワイパブレードの早期
摩耗をひき起こすことなく車両の運転状態に拘らずに常
時良好な掃拭作用を確保することができる。

また、従来より用いられている主引張りばねのコイルの
内部に補助引張りばねを挿入するようにしているのでワ
イパアームの断面寸法を増大させることなく補助引張り
ばねをワイパアーム内に挿入することができ、更に従来
より設けられているフック部を利用して補助引張りばね
を取付けることができるので従来のワイパアームを設計
変更することな〈従来のワイパアームに即座に適用でき
るという利点がある。

また、補助引張ばねは通常最大収縮位置にあるので引張
り力が加わらず、斯くして補助引張りばねの寿命を増大
させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るワイパの側面断面図である。 １・・・・・・フロントウィンド、３・・・・・・ワイ
パ支持部、４・・・・・・ワイパアーム、６，９・・・
・・・ピボットピン、７・・・・・・ワイパブレード、
１０．１１・・・・・・フック部、１２・・・・・・主
引張りばね、１３・・・・・・補助引張りばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両ボテ゛イーに揺動可能に取付けられたワイパ支持部
   にワイパアームの一端部を枢着し、ワイパアームの先端
   部に形成したフック部とワイパ支持部に形成したフック
   部間にコイル状の主引張ばねを張設して該主引張ばねの
   ばね力によりワイパブレードをガラス窓上に押圧せしめ
   るようにしたワイパにおいて、上記主引張ばねのコイル
   の径よりも小さな径を有しかつ車両の通常走行時には最
   大収縮状態にあって引張り力を発生せずワイパブレード
   が浮き上ったときに引張り力を発生するコイル状の補助
   引張りばねを上記主引張ばねのコイル内に挿入し、該補
   助引張りばねを上記ワイパアームの先端部に形成したフ
   ック部とワイパ支持部に形成したフック部間に張設した
   車両用ワイパ構造。