JPS5915326B2 - 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法 - Google Patents

抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法

Info

Publication number
JPS5915326B2
JPS5915326B2 JP4628881A JP4628881A JPS5915326B2 JP S5915326 B2 JPS5915326 B2 JP S5915326B2 JP 4628881 A JP4628881 A JP 4628881A JP 4628881 A JP4628881 A JP 4628881A JP S5915326 B2 JPS5915326 B2 JP S5915326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
heparin
acrylonitrile
polymer
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4628881A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57162704A (en
Inventor
憲侑 杉
嘉昭 似鳥
義雄 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP4628881A priority Critical patent/JPS5915326B2/ja
Publication of JPS57162704A publication Critical patent/JPS57162704A/ja
Publication of JPS5915326B2 publication Critical patent/JPS5915326B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アクリロニトリル系重合体をヘパリン化して
抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体フ5 を製造す
る方法に関する。
現在医用分野において用いられている高分子材料の主た
る問題点の一つに抗血液凝固性があり、この抗血液凝固
性を向上させる方法として、材料にへパリンを固定する
ことが広く試みられている。
ノ0 たとえば、ジー ・シユマー等は、トランザクシ
ヨンズアメリカンソサイエテイフオアアーテイフイシア
ルインターナルオーガンズ、22巻、654頁(197
6年)にセルロース膜をシアン化臭素で処理してへパリ
ンを固定する、共有結合によるノ5 へパリン固定化を
提案しているが、この方法ではヘパリン固定量が少なく
抗血液凝固性が不充分であり、更にシアン化臭素のよう
な毒性の強い物質を使う関係上安全性に問題がある。一
方人工腎臓用の素材として、アクリロニトリル(以下、
ANと略す)系重合体が注目されている。
従来から人工腎臓用材料として使用されている銅アンモ
ニアレーヨンに比較してこのAN系重合体は、限外瀘過
速度と中分子量溶質の透過性、及び強度がすぐれている
のが特徴とされ、今後人工腎臓以外の分野にも用途拡大
されるものと考えられている。このAN系重合体を素材
とする場合にも、種々の抗血液凝固性向上の方法が試み
られている。たとえば特開昭54−34416号公報に
よれば、ANとスルホン酸基またはその塩を有する共重
合性モノマーを共重合させることによつて、該素材に抗
血液凝固性を賦与する試みが示されている。然し乍ら、
単にスルホン酸またはスルホン酸基を導入しても、その
抗血液凝固性は必ずしも十分なものとは言い難い。本発
明者等は、天然の良好な抗凝血剤であるヘパリンとAN
系重合体の結合物の開発をめざし鋭意研究を重ねた結果
、AN系重合体に過酸化水素一Fe′++系或いは、セ
リウム塩等の重合開始剤の存在下、グリンジルアクリレ
ート(以下GAと略す)またはグリシジルメタアクリレ
ート(以下GMAと略す)をグラフト重合し、該反応物
にヘパリンを反応させることによつて良好な医用材料が
得られることを見い出し、既に提案した(特願昭55−
51602)。
さらに種々の検討を重ねた結果、グラフト重合の際GA
及び、またはGMAと同時に他の重合性ビニルモノマー
、例えばN−ビニルピロリドン、アクリルアミド、アク
リル酸等のビニルモノマーを存在させておけば、AN系
重合体にこれ等の共重合体がグラフトした特性の良好な
ものが出来ることが解つた。例えばAN系重合体にGM
AまたはGAの少なくとも何れか一方を必ず含む、2成
分以上の重合性ビニルモノマーを、過酸化水素−Fe+
+系、セリウム塩、または、2,2″−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ハイドロクロライドのような重合開
始剤の存在下に反応させ、該反応によつて得られた反応
物をヘパリン溶液に浸漬してヘパリンを固定化すること
ができる。本発明の要旨とするところは、(a)、アク
リロニトリル系重合体と、(b)、グリシジルアクリレ
ートおよびグリシジルメタアクリレートから選ばれた少
なくとも一つのビニルモノマーと、(c)、(b)のビ
ニルモノマー以外の他のビニルモノマーの少なくとも一
つとを、水系溶媒中で重合開始剤の存在下に反応させ、
該反応によつて得られた反応物にヘパリンを反応させる
ことを特徴とする抗血液凝固性アクリロニトリル系重合
体の製造方法にある。
本発明に用いられるAN系重合体としては、AN含有量
が30重量%は上あれば良い矛く、AN系重合体の特徴
を発現させるには、80重量%以上のANを含有してい
ることが望ましい。
AN系重合体中に含まれる共重合成分としては、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリルアミド、イタコン酸
、塩化ビニル、スチレン、塩化ビニリデン、メタアクリ
ル酸メチル、アリルスルホン酸ソーダ等が使用できる。
AN系重合体の製造は通常工業的に実殉されている方法
、例えば水系懸濁重合、溶液重合等によつて製造するこ
とができる。
本発明に用いられるGAまたはGMAは、グラフト重合
の開始と内蔵するエポキシ基によつてヘパリンを結合す
るために、使用するものであり、1分子内にビニル絨と
エポキシ基を同時に持つものであればGMAまたはGA
に限定されるのではないが、実用的にはGMA、または
GAが良く、特に工業的な点からは取扱いやすいGMA
が望ましい。
本発明に用いられる重合性ビニルモノマーとしては、水
系溶媒中で硝酸第二セリウムアンモニウム、2−2アゾ
ビス(2−アミジノプ山マン)ハイドロクロライド、過
酸化水素一硫酸鉄等の重合開始剤の存在下で重合するも
のであれば良く、親水性であることが望ましい。
その理由は、グラフト重合後、ヘパリンを結合させるに
は、親水性である方がヘパリンの接近が容易であり反応
しやすいためである。然し乍ら、用途によつては親水性
の程度も異るから、適当な複数種のビニルモノマーの共
重合を考えてもよい。
このようなビニルモノマーとしては、アクリルアミド、
アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、
アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、P−スチレ
ンスルホン酸ソーダ、アクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、酢酸ビニル、アリルスルホン酸ソーダ等があ
る。本発明のグラフト重合反応に用いる水系溶媒として
は水が望ましく、モノマーの溶解が不充分な時は、アセ
トン、アセトアミド、メチルエチルケトン、ジオキサン
、NN−ジメチルホルムアミド等の水親和性の良い有機
溶媒を添加することが出来る。
しかし反応後の洗浄の手間を考えれば水のみの方が好ま
しい。本発明のグラフト共重合に用いる重合開始剤の例
としては、硝酸第2セリウムアンモニウムに代表される
セリウム塩系開始剤、過酸化水素一硫酸第1鉄に代表さ
れる過酸化水素一金属塩系開始剤、及び2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等の
水溶液性アゾ化合物等が用いられるが、反応率、毒性等
を考慮すると、硝酸等2セリウムアンモニウム、過酸化
水素一硫酸第1鉄、2,2″−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)ハイドロクロライド等が望ましい。
本発明に用いるAN系重合体は、平膜、中空糸、繊維等
の如く成形されたものが望ましい。
その理由は、未成形品の場合反応溶媒が極めて限定され
ること、成形品への加工をヘパリン結合前にする場合は
、GMAまたはGAのエポキシ基が開環するおそれがあ
ること、また成形品への加工をヘパリン結合後にする場
合は、ヘパリン活性が低下しない条件を選ぶことが難か
しいこと、及び成形品の表面だけにヘパリンが結合して
いれば充分な場合でも、内部まで結合し極めて不経済で
あること等である。本発明の好ましい実帷態様の一つを
示すと、前記水系溶媒中に前記ビニルモノマーの1成分
以上と、GMAまたはGAを溶解する範囲で適当量加え
、これにAN系重合体成形物、たとえば平膜を入れ、窒
素置換を行つて重合開始剤(硝酸第2セリウムアンモニ
ウムの場合は硝酸を少量添加)を加え、もう一度完全に
窒素置換を行つて、マグネチツクスターラ一等の攪拌具
による攪拌下に反応を開始させる。
反応系は予じめ所定の温度に調節しておく。AN系重合
体をGMAまたはGA及び重合性ビニルモノマーとの反
応における仕込比は、溶媒の20℃付近における1重量
部当りを絨準にすると次のようになる。
AN重合体の量は、下限について特に制限はなく任意に
決めればよいが、上限は経験的にいつて4重量部迄可能
である。
GMAまたはGAの量は0.0001〜0.012重量
部の範囲がよい。
下限はヘパリンの固定率から、また上限は溶解性などに
よつて決められる。GMAまたはGA以外の重合性ビニ
ルモノマーの量は、0.0005〜12重量部の範囲が
妥当である。重合開始剤は過酸化水素、セリウム塩、2
,2″−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロク
ロライド等いづれにおいても溶媒1eに対して0.01
〜50mm0I,好ましくは0.05〜5mm01程度
がよい。
また、過酸化水素とセリウム塩に夫々添加する硫酸鉄及
び硝酸は大略夫々の主重合開始剤の1/5〜5倍程度で
ある。AN系重合体が中空糸であつて、その内面にグラ
フト重合しヘパリンを結合しようとする場合には、完全
に密閉可能な中空糸型人工腎臓と同一形態のモジユール
を作り、これに同じく密閉可能なフラスコから上記の反
応液を気密的に、例えばプラスチツクチユーブを用いて
ローラーポンプで導き、循環するようにして反応を行う
勿論、窒素置換、反応温度コントロール等は充分に行う
。反応温度は実質的な凍結温度より上で90゜Cより下
の範囲で行いうるが、一般に温度が高すぎると反応が早
すぎてコントロール性がわるくなること、及びGMAま
たはGAの開環が増加して、次の工程であるヘパリン結
合反応が低下する。より好ましい温度範囲は凍結点以上
60℃以下程度である。反応時間は、温度、ビニルモノ
マーの量と種類、重合開始剤の種類と量等によつて変わ
るが、一般的には5分〜10時間程度である。反応停止
はAN系重合体を大量の水中に入れることによつて行い
得る。得られた反応物は引き続き充分に水洗して、次の
へパリンとの反応を行う。前記グラフト重合反応におけ
るグラフト率は式(1)によつて定義できる。
中空糸または平膜ではl〜100%程度が望ましい。
グラフト率が低すぎるとヘパリンの結合量が少なくなり
、逆にグラフト率が高すぎるとゲル化によりかえつてヘ
パリン結合が少なくなることの他に、たとえば物質透過
膜としての用途であれば、物質透過性が過度に低下する
。例えば、血液透析用の膜としての用途を考えると、グ
ラフト率は一般に1〜15%程度が望ましい。更に反応
表面の面積と、反応溶液との比は、モノマーからグラフ
ト鎖へ転換する割合いを示すグラフト効率にもよるが、
一般に低温程ホモポリマーの生成が遅く、O〜20℃程
度であれば、反応表面の面積1crA当り0.1m1(
約1%のモノマー仕込み溶液として)程度まで、反応溶
液量を下げることが可能である。
次に、上記のグラフト反応で得られたAN系重合体への
ヘパリン固定法について述べる。
AN系重合体にグラフトしたビニル重合体中のGMAま
たはGAのエポキシ?を出来るだけ有効に使い、*この
ようにして、ヘパリンと固定されたAN系重合体は、充
分に洗浄した後、アズールAによつて染色するとメタク
ロマジ一を呈することからヘパリンの存在を確認できる
。かかる本発明の方法によつて得られたAN系重合体は
、1AN系重合体にグラフト重合したビニルモノマー数
個及び数百個に1個の割合いでGAまたはGMAが存在
する構造になつていると考えられ、GMAまたはGAO
)単独のグラフトに比してゲル化も少ないと考えられる
ので、大量に効率良くヘパリンを結合できる。
そのため抗血液凝固性も良好である。2ヘパリンの固定
にエポキシ基を用いているので極めて温和な条件で反応
が行なわれる。
これは生体物質であるヘパリンの活性維持の点で極めて
効果的である。3更に本発明の方法で固定したヘパリン
分子は、GMAまたはGAの存在比が少ないため分子当
りの結合点が少なく、このためにヘパリン活性が極めて
高いと考えられる。
従つて膜としての用途を考えた時、GMAまたはGA単
独でグラフトした場合に比較して、同一*且つヘパリン
をできるだけ大量に結合せしめるためには、GMAまた
はGAのエポキシ基の開環及びそれによるゲル化を防が
なければならない。
このためには上記グラフト反応後直ちに大量の水で洗浄
してヘパリンと接触させるのが好ましい。ヘパリンとの
反応における好ましい媒体は、該反応生成物及びヘパリ
ンに対し不活性であつて、且つヘパリンと溶解できるも
のであれば特に制限はないが、反応後の洗浄の手間を考
えると水が最も望ましい。反応温度としては、ヘパリン
の活性が失なわれない範囲で高い温度が望ましく、常温
〜90℃、望ましくは30度C〜70℃であり、反応時
間は1時間〜50時間程度である。反応効率を上げるた
めに、ピリジンあるいは酢酸等の触媒を添加することも
可能であるが、医用用途であることを考えると無触媒が
好ましい。結合するヘパリン量は式(2)に示すヘパリ
ン化率によつて表わされる。
のグラフト率でより高い活性のヘパリンを固定できるた
め、極めて優れた物質透過性を示すと言える。
次に本発明を更に具体的に説明するため実施例を示すが
その前に本発明の実施例における試験方法を示す。
(1)犬全血による凝固時間測定 リーホワイト法を平膜に適用したものである。
被検試料膜を25%食塩水500m1に約1グラムの割
合いで、10時間浸漬する操作を食塩水を取りかえて2
回繰り返す。その後充分に生理食塩水で洗浄し、これを
肉厚ガラス板上にのせて、中央に2.0?φの孔をあけ
た厚み5m71Lのシリコーンガスケツトで押さえ、更
に同一サイズの孔を有するガラス板で上から押さえて締
めつける。次に犬の頚静脈から最初の0,5m1を流し
すてた後、注射筒のみをとりかえ5m1の血液を採取し
、上記1検体フイルムあたり、0.5m1ずつ滴下して
フイルム上にまんべんなく広げ、最初の20分間は5分
毎に、20分後からは2分おきに、45は傾けて血液が
凝固して動かなくなる迄の時間を測定する。犬3頭につ
いて夫々1回測定し平均値で示す。本法はリンドホルム
セル(LindhOlmCell)を用いて測定するも
のである。(2)物質移動係数の測定 被検フイルムをはさんで両側に50cd程度の被検物質
溶液(尿素100ワ/dl、または、ビタミンBl2l
OTn9/dl、何れも生理食塩水中濃度)と生理食塩
水を満たした密閉した部屋を作り、一定速度の攪拌を3
0分、37℃で続けて、被検物質溶液の中の溶質の生理
食塩水中への移動量を濃度から知り、次の式(3)によ
り物質移動係数U(Cm/Sec)を計算する。
ここで、Aは被検フイルムの透過有効面積(Rri.)
、VA.VBは夫々、被検溶液と生理食塩水の容量(C
d)(−50cd)、t1、T2は夫々測定開始時期と
終了時期(Sec)、△C1、△C2(η/DOは夫々
t1及びT2における被検溶液と生理食塩水における溶
質濃度差を示す。
なお、尿素及びビタミンBl2の濃度は夫々、ミコン法
及び268nmの紫外光吸光度測定により決定した。(
3)透水速度の測定 フイルムの一方側を密閉系に、他方側を開放系にした部
屋を作り、密閉側から圧力をかけ、開放側との圧力差を
30mmHgとなるようにして37゜Cで30分間放置
し、その間にフイルムを通つた水の量を測定し、有効透
過面積を25crAとしておいて水の透過速度の単位で
あるml/HOur−MmHg.m2の単位で示される
よう計算する。
測定は30分間毎に3回行いその平均値とする。(4)
ヘパリン定量 被検サンプル約0.1gをガラスアンプルに入れ、1N
塩酸3m1を入れて密封し、105゜C〜11『Cにて
5時間保つた後、冷却してアンプルを開け、中の溶液の
一定量を試験管に移し、これに塩化バリウムのゼラチン
溶液を加えてよく振り、15分後に濁度を波長500n
mで測定し、予じめ硫黄濃度の知られたサンプルによる
検量線により被検サンプル中のヘパリン結合量を計算し
前記式(2)によつてヘパリン化率を決定する。
実施例 1 アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として、水系
懸濁重合によりANホモポリマー(数平均分子量50,
000)を合成した。
該ポリマーを0℃に保つた70(f)硝酸に溶解した後
、ガラス板上に塗膜し水中に浸漬して凝固させ、脱溶媒
し、更に大量の水道水で洗浄し、最後に蒸留水で良く洗
い一晩真空乾燥した。このフイルムは厚さ約50μmで
あり、これを50mmφの円形に切抜いて反応に供した
。還流コンデンサーを取りつけた500m1の四ツロセ
パラブルフラスコに蒸留水300m1xGMA0.2m
1、アクリルアミド(以下AAmと略す)8グラムを加
え、マグネチツクスターラ一で攪拌してモノマーと溶解
した。
これに上記のANホモポリマーフイルムlグラムを入れ
、窒素置換した。次いで−N硝酸3m1と硝酸第2セリ
ウムアンモニウムを0.2グラム加え、直ちに窒素置換
を行つて反応をスタートした。反応温度は25℃に保ち
、3時間経過後フイルムを取り出して大量の蒸留水中で
洗い、一部はアセトン溶媒に浸漬して完全にモノマー及
び生成ホモポリマーを除き、一晩真空乾燥してグラフト
率の測定を行つた。グラフト率は前記式(1)により計
算した値であり、この場合32.0%であつた。また一
部は上記洗浄後直ちに20%(W/V)ヘパリン(ブタ
腸粘膜由来市販品1501U/η)水溶液に投入し、6
0℃で24時間反応させた。反応後のフイルムを水洗し
た後、前記(1)の犬全血による凝固時間測定に従つて
測定した所、血液凝固時間は120分以上であつた。グ
ラフト重合反応を行わないで、ただヘパリンの20%溶
液に60℃で24時間浸漬しただけのフイルム(コント
ロール)の血液凝固時間は32分であつた。またヘパリ
ン化率を測定した所、23%であつた。更にアズールA
で染色した所、コントロールのフイルムは藍色であつた
のに対し、本発明フイルムは濃藍紫色となり、明らかな
メタクロマジ一が観察された。実施例 2 水系懸濁重合により、表−1に示す各種AN系ポリマー
を合成し、実施例−1と同様な方法でフイルムを作成し
、表−1に示す開始剤系によりGMAまたはGAを含む
ビニルモ/マ一をグラフ卜共重合した。
更に実施例1と同じ方法でヘパリンと反応させた。AN
系ポリマー組成における数値及びGMAまたはGAを含
むビニルモノマー系の組成における数値は共に仕込重量
比を示す。また、ヘパリン(実帷例1と同一品、以下全
実施例について同じ)の活性を測定するため犬全血によ
る凝固時間測定を行つたが、この時のコントロール(グ
ラフト重合しないAN系重合体フイルムをグラフト重合
したフイルムと同一条件でヘパリンと反応させ、洗浄し
たもの)の血液凝固時間は、すべてのAN系重合体フイ
ルムにつき20分〜36分の間にあつた。また重合開始
剤に硝酸第2セリウムアソエニウ,′一を用いた場合に
は1(MmOllOの割合いで硝酸を反応系に加えた。
表−1の結果から本発明技術の有効性がわかる。実施例
3AN/MA/SAS(93/6/1 )の仕込み重
量比で過硫酸カリ/亜硫酸ソーダ系の重合開始剤を用い
、水系懸濁重合により合成したAN系重合体を70%硝
酸に溶解して実施例1と同じ方法で平膜を作つた。
平膜は厚さ4.2μmであり、これを6(V7lφの大
きさに切抜いた。実施例1と同じ方法で、次の2種類の
配合でグラフト重合し、同じく実施例1と同じ方法でヘ
パリンと反応させた。
そのフイルムの測定値を表−’2に示す。反応は(I)
が20℃で1.0時間、(…)が20℃で1.5時間で
あつた。
表−2の結果から、本発明の共重合体のヘパリン化物が
極めて高い抗血液凝固性を示すと共に、血液浄化用の膜
として応用可能性が高いことが解る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)アクリロニトリル重合体、またはアクリロニ
    トリルと、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリルア
    ミド、イタコン酸、塩化ビニル、スチレン、塩化ビニリ
    デン、メタアクリル酸メチル、アリルスルホン酸ソーダ
    から選ばれた少なくとも一つの共重合成分とからなるア
    クリロニトリル系重合体と、(b)グリシジルアクリレ
    ートおよびグリシジルメタアクリレートから選ばれた少
    なくとも一つのビニルモノマーと、(c)(b)のビニ
    ルモノマー以外の他のビニルモノマーの少なくとも一つ
    とを、水系溶媒中で重合開始剤の存在下に反応させ、該
    反応によつて得られた反応物にヘパリンを反応させるこ
    とを特徴とする抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体
    の製造方法。 2 アクリロニトリル系重合体が80重量%以上のアク
    リロニトリルを含有するものである特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。 3 重合開始剤が過酸化水素−Fe^2^+系、硝酸第
    2セリウムアンモニウムまたは2,2′アゾビス(2−
    アミジノプロパン)ハイドロクロライドである特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。 4 水系溶媒が水である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 5 重合開始剤存在下における反応温度が凍結点以上6
    0℃以下の範囲である特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。 6 成分(c)のビニルモノマーがアクリルアミド、ア
    クリル酸または、その塩、2−ヒドロキシエチルメタア
    クリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン
    、パラ−スチレンンスルホンソーダ、酢酸ビニル、アリ
    ルスルホン酸ソーダ、アクリル酸メチル及びメタアクリ
    ル酸メチルから選ばれた少なくとも一つである特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。
JP4628881A 1981-03-31 1981-03-31 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法 Expired JPS5915326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4628881A JPS5915326B2 (ja) 1981-03-31 1981-03-31 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4628881A JPS5915326B2 (ja) 1981-03-31 1981-03-31 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57162704A JPS57162704A (en) 1982-10-06
JPS5915326B2 true JPS5915326B2 (ja) 1984-04-09

Family

ID=12743021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4628881A Expired JPS5915326B2 (ja) 1981-03-31 1981-03-31 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5915326B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6167787U (ja) * 1984-10-11 1986-05-09
JPS61103187U (ja) * 1984-12-13 1986-07-01

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6167787U (ja) * 1984-10-11 1986-05-09
JPS61103187U (ja) * 1984-12-13 1986-07-01

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57162704A (en) 1982-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4279795A (en) Hydrophilic-hydrophobic graft copolymers for self-reinforcing hydrogels
EP0267286B1 (en) Filter medium for selectively removing leucocytes
JP2506611B2 (ja) 被覆多孔質膜の形成方法
US5658561A (en) Method of producing anti-thrombogenic material and material produced thereby
US8303819B2 (en) Separation material
US5270046A (en) Heparin bound anti-thrombotic material
JP2000279512A (ja) 医療用材料および製造方法
EP1518870B1 (en) Separating material
CN111378152B (zh) 一种水凝胶材料催化氧化与功能化修饰的方法
JPS5941656B2 (ja) 再生セルロ−スに抗血液凝固性を賦与する方法
JP3126749B2 (ja) 血液と相容可能な複合材料
JPS5915326B2 (ja) 抗血液凝固性アクリロニトリル系重合体の製造方法
JPS6039688B2 (ja) 血液新和性医療用材料
JPH0311787B2 (ja)
JP3495802B2 (ja) 医療用材料およびホスホリルコリン基を有するポリビニルアルコール系重合体
JPH07184990A (ja) 医療用高分子材料および医療材料
JPS5941647B2 (ja) 抗血液凝固性再生セルロ−スの製造法
JPS5932145B2 (ja) アクリロニトリル系重合体に抗血液凝固性を賦与する方法
JP4033514B2 (ja) 可溶性セルロース誘導体および用途
JP2006124714A (ja) 耐汚染性材料および耐汚染性半透膜
JPS5811224B2 (ja) 抗血液凝固性高分子材料の製造方法
JPH08226920A (ja) グリコヘモグロビンおよびフルクトサミンの定量方法
JP2710444B2 (ja) 医療材料の製造法
JPS5915122B2 (ja) 抗血液凝固性医用材料の製造方法
JPH06190032A (ja) 抗凝血方法および抗凝血性高分子材料