JPS59152890A - 発泡性皮膜の転写方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微細な気泡を無数に有する発泡性皮膜を他の物
体に転写する方法に関するものであり、更に詳しくは基
材上に発泡性塗料層と加熱粘着性塗料の層な積層して設
けたシートを転写ノートとして、加熱後転写方式により
、加熱時に発泡させた発泡性塗料層を加熱粘着性塗料層
の粘着性により他の物体に転写する方法に関するもので
ある。

従来より物体の表面にクッション性を有する層をｓｙけ
て緩衝効果を持たせたり、物体の表面の手触りを良くし
たり、あるいは意匠性を高めて高級感を持たせたりする
目的で、物体の表面に短繊維を林立させた層、いわゆる
植毛層を設けるフロック加工が一般に行なわれている。

フロック加工の方法としては、接着剤を塗布した基材上
にただ単に短繊維を散布する散布式、接着剤を塗布した
面に圧縮空気により短繊維を吹き句ける吹伺式、接着剤
を塗布した基材に一定の機械的振動を与え、その振動に
よって短繊維を植えイづけろと同時に立毛させる振動式
高圧静電界における静電吸引力を利用し短繊維を飛昇さ
せ、静電界内に置いた基材接着剤塗布面に短鍼維を植え
付ける静電気弐等の方法があるが、散布式の場合には接
着強度、密集度、立毛状態が劣り、吹付式の場合には均
一な付着面が得られず、振動式の場合には矧繊維の長さ
により撮動回数、振巾等の条件を微妙に調整することに
高い熟練を要するという問題点があり、静電気式の場合
には作業に６０〜５０ｋＶの高電圧を使用するために特
殊な装置を必要とする上に危険性を伴ない、また短繊維
の長さにより電極と被着体の間隔、電圧等の条件を微妙
に調整することに手間がかかる等の問題点がある、とい
う様にいずれの方式によっても加工の均一性あるいは装
置の調整の安定性等に問題点が多いという短所がある。

さらに、通常のフロック加工においては、対象となる被
加工物は布帛、プラスチックフィルム等の平面状シート
に限定されるのが一般的であり、成形品等の曲面を有す
る物体に加工するには、成形品に吊り下げるようにして
行なわれなければならず、非常に作業能率が悪いという
問題がある。

本発明者らは上記した事情を考慮し、植毛層と同様の機
能性、外観、あるいは意匠性を有する層を平面状物体の
みならず曲面を有する物体をも対象被着体としてその上
に簡便に、かつ安定して設ける方法について種々検討を
重ねた。その中で、いわゆる発泡性塗料の塗布皮膜が、
加熱することによりその層中に無数の微細な気泡を発生
し、植毛層と同様の効果を与え得ることに着目し、発泡
性塗料塗布層を発泡状態で被着体上に設ける方法を検討
した。最も簡単な方法としては、被着体上に発泡性塗料
を直接に塗布した後に加熱発泡させる方法が考えられる
が、この場合は塗布皮膜が被着体より剥離しやすく、ま
た曲面上に塗布する場合には塗布方法が限定され、塗布
量の管理をしにくい等の問題点を有する。

そこで本発明者らはかかる問題点を解決する方法として
、いわゆる加熱粘着性塗ｆ＋を発泡性塗料と共に組み合
わせて使用し、塗布技術及び転写技術を組み合わせるこ
とにより、発泡状便の発泡性塗料塗布層を粘着状態の加
熱粘着性塗料により被着体に強固に固着させる方法を発
明するに至り、物体上に植毛層を設けるのと同様の効果
を簡便に、かつ安定して付与することを可能にした。

以下に本発明の発泡性皮膜の転写方法についで図面を用
いて詳細に説明する。まず本発明の発泡性皮膜の転置方
法において転置を行なう前の段階の転写シートについて
、その構成及び製造方法等を説明する。本発明におけろ
転写シートは第１図（ａ）及び（ｂｌにその断面図を示
すように、基材（１）の上に直接に、あるいは中間に剥
離剤層（２１乞介して未発泡状態の発泡性塗料の層（３
）を設け、かつその上に未粘着状態の加熱粘着性塗料の
層（４）を設けた構成より成る。

基材（１）としては、転写作業時において発泡性塗料の
層から剥離しやすいように表面が平滑であり、かつ発泡
性塗料の発泡のために加えられろ熱により収縮したり溶
融したりすることがないものが好ましく、たとえばポリ
エチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、あ
るいは金属箔等が使用され、その厚さとしては剥離時に
基材の破壊２起こさない程度のものであれば良く、通常
１２μ〜７０μの厚さのものが適用され得る。

（３）の未発泡状態の発泡性塗料の層は、加熱により蒸
気あるいはガスを発生する発泡剤、たとえばフロパン、
ブタン、石油エーテル、フレオン等σ）加熱により気化
し、蒸気を発生する物理的発泡剤、あるいはジアゾアミ
ノ誘導体、アゾニトリル、アゾジカルボン酸誘導体、ジ
ニトロペンタメチレンテトラミン、ベンゼンモノヒドラ
シール等の加熱により化学変化を起こして分解ガスを発
生する化学的発泡剤を塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体等の物質で被覆したマイクロカプセルを塗布して成
る層である。このマイクロカプセルは、常温においては
蒸気あるいはガスを発生しないが、ある一定温度以上に
加熱すると、蒸気あるいはガスを発生し膨張することに
より、塗布皮膜中に無数の微細な気泡を形成し、あたか
も植毛層と同様の外観、機能性を呈するものである。

発泡性塗料の塗工液としての性状は、上述したマイクロ
カプセルが水あるいはその他の溶剤中に分散して成るデ
ィスパージョン状の液体であり、この塗工液を基材上に
塗布する方法としてはグラビアコーチインク、ロールコ
ーティング、フレー、トコ−ティング、スクリーン印刷
等の通常行なわれている方法が適用され得る。これらの
塗布方法により発泡性塗料を塗布した後、熱風等により
水あるいは溶剤を発揮させ塗布面を乾燥させて（３）層
を形成するが、乾燥時に塗布層が発泡してしまうと表面
の凹凸が大きくなり、後工程においてその上に加熱粘着
性塗料を塗布することが困難となるため、乾燥条件につ
いては、上述したマイクロカプセルが発泡することがな
いように過剰な熱を加えないようにし、かつ塗布面を十
分に乾燥させるように温度、風情、ラインスピード等の
条件？適切に設定することが望ましい。

また、発泡性塗料の塗布量については、塗布量が多いほ
ど発泡後の皮膜の厚さが太きく、緩衝効果がｉ１〜し、
意匠的にも重厚感が増すといつ関係があるので、最終的
に製品に要求される性能？考慮して適宜塗布量を設定す
ることが望ましい。

未発泡状態の発泡性学科の層（３）は纂１図（ａｌに示
す様に基材）１）上に直接に設けても艮いし、転写作業
時の基材の剥離を更に容易にする目的で第１図（ｂ）に
示す様に（１）と（３）の間に剥離剤＠（２）を設けて
も良い。剥離剤としてはアクリルｒ唆エステル、メタク
リル酸エステル系 る。いずれの構成を選択すべきであるか１は、暴利の材
質、転写作業の機械的条件等により異なり、これらの条
件を′Ａ慮して適宜にいずれかの構成を選択することか
望まれる。

（４）の未粘着状態の加熱粘着性塗料の層はゴム系、ア
クリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、あるい
はシリコン系等の粘着剤の微小粒子をパラフィンワック
ス、ポリエチレンワックス、石油系ワックス等の比較的
低温の加熱で浴鯉する物質で被覆したマイクロカプセル
を塗布して成る層である。このマイクロカプセルは、常
温においては粘着剤粒子がワックス系の被覆剤によって
完全に被われているために粘着性を示さないが、ある一
定温度以上に加熱すると、ワックス系被覆へ１］か溶融
し、粘着剤か表面に現われることにより粘着性を発揮す
る性質を有するものである。

加熱粘着性塗料の塗工液としての性状は、通常の場合上
述した加熱粘着性のマイクロカプセルが水あるいはその
他の溶剤中に分散して成るディスパージョン状の液体で
ある。この塗工液を（３）の未発泡状態の発泡性塗料の
層の上に塗布する方法としては、グラビアコーティング
、ロールコーティング、ブレードコーティング、スフ）
ノーン印刷等の通常行なわれている方法が適用され得る
。こ１”Ｌらの塗布方法により塗工液を塗布した後、熱
１虱等により水あるいは溶剤等を揮発させ塗布面を乾燥
させ（４）層を形成するか、乾燥時に塗布面が粘着性を
帯びてしまうとシートを重ねて保管する場合にシート同
士が固着してしまう、いわゆるブロッキング現象を起こ
すので、乾燥条件については、マイクロカプセルの被覆
剤が溶融しての布面が粘着性を示すことがないようＫＡ
剰な熱を加えないようにし、かつ塗布面を十分に乾燥さ
せろように、温度、風量、ラインスピード等の条件を適
切に設定することが望ましい。

また、加熱粘着性塗料の塗布量については、塗布量が多
いほど加熱後の粘着力が太きいと（゛つ関係があるので
、転写の対象となる被着体の拐質、形状、及び使用目的
等を考慮して適宜塗布量を設定することが望ましい。

以上に述べたようにして製造された転写シートは、加熱
粘着性塗料層がまだ粘着性を示さないので、互いに重ね
た状態で放置したり、ロール状に巻き取った状態で放置
してもブロッキング現象を起こすことがないので、転写
作業を行なう前に転写シートを多量に保管することが容
易である。

以上において、転写を行なう前の段階の転写シートの構
成及び製造方法を説明したが、次にこの転写シートを他
の物体に転写する方；ｘ二’ｖ説明する。

転写シートを、オーブン中に置く、あるいは電熱ヒータ
ーに直面させる等の方法にて加熱し、（３）の発泡性塗
料の層を発泡させ、（４）の加熱粘着性塗料の層に粘着
性を発揮させた後に、被転写体（４）層を密着させ、基
材（１）を剥離し、無数の微細な気泡を有する発泡状態
の発泡性塗料の層をｔ／ＩＩ層の粘着性により被転写体
に固着させ、転写が完了する。

その際、加熱温度としては、発泡性塗料に使用される発
泡剤の種類、及び加熱粘着性塗料の種類により多少の差
異はあるが、通常転写シートの表面温間が９０〜１７０
Ｃになる条件で行なわれる。

また、被転写体としては、シート状平面体、あるいは成
形品等の曲面を有する物体等、いかなる形状の物体も適
用可能である。転写な行なった後の被転写体の状態の一
例を第２図に示す。

また、被転写体をシート状平面体に限定する場合には、
第６図にその方法を模式的に示すように、未加熱の転写
シートを、（４）層が被転写体に面するように被転写体
シートに重ねた状態で、両シートを加熱ロールと、それ
に圧着させたバックアップロールのニップに通すことに
より、＋３１＠を発泡させると同時に粘着性を発現した
（４）層乞介して被転写体シートに固着させ、直ちに基
材（１＋を剥離する、という方法も適用可能である。

ｖ上、発泡性塗料及び加熱粘着性塗料の塗布と塗布層の
転写により、被転写体上に植毛様の層を設ける方法に関
して説明したが、次に本発明の方法が適用される用途、
適用形輯等について説明する。

本発明の発泡性皮膜の転写方法は、植毛を施した品物が
有するのと同様な意匠性、あるいは緩衝効果を任童の物
体に付与するために適用される。

たとえば意匠性付与の分野としては、紙箱、木箱等の外
装容器の表面に発泡層を転写して植毛様の模様を施すこ
とで意匠性を増したり、壁材、天井材等の建装材の表面
ＶＣ発泡層を転写して高級感を増したり、あるいは布地
の表面に発泡層を転写して植毛様の布地と為し、これを
以て衣類を縫製して意匠性と保温性を兼備した差別化衣
料を製造すること等が挙げら才する。また、緩衝効果を
付与する分野としては、電子機器、精密機器等の衝撃や
振動により障害を受けやすい機器類を収納する箱の内面
に発泡層を転写しで、輸送運搬時の振動等の障害原因を
回避したり、あるいは直示天秤等の極くわずかな振動に
よっても測定誤差を生じるおそれのある精密測定機器類
の底部に転写発泡層を設けることにより、振動が機器本
体に伝播することを防止したりする用途が挙げられる。

以上、詳細に述べたように、本発明の発泡性皮膜の転写
方法は、従来より一般に使用されている植毛製品の特長
であるところの、意匠性を高めて高級感を持たせたり、
クッション層を設けて緩衝効果を持たせたりする機部を
有する層をあらゆる形状、材質の物体の表面に簡便に、
かつ安定して設けることを可能とする方法であり、しか
も一般に用いられている塗布技術、転写技術を組み合わ
せた簡便な方法であり、包装、建装材、衣料、産業資材
等、適用可能な分野も非常に広範間に亘る様に数多くの
長所を有する技術として提供される。

以下に、本発明の実施例について説明する。

〈実施例〉 ポリエチレンテレフタレートフィルム５０μ（ルミラー
、東し製）Ｋ、水性エマルジョン型発泡性塗料ニー、−
ダイホームＥＸ−’６ｓ２０（犬日精化工業製）　１ｏ
Ｍ量部と褐色着色剤Ｎ歴ＩＡｑｕｊ１ｍｌｎｅＣｏｌｏ
ｒ　ＢｒｏｗＴｈ　Ｆ　Ｌ　Ｂ　−Ｎ　　（犬日精化工
業製）１重量部を攪拌混合した液をブレードコーティン
グ方法により塗布し、オーブン中で熱風により水分を発
揮させ塗布面を乾燥した。ただし、この時の乾燥条件は
温ｆｊ１７６０ｃ、ラインスピード１０ｍ／分であり、
塗布層は未発泡状態であり、塗布厚は５３μであった。

さらにその上に水性エマルジョン型加熱粘着性塗料第１
１バインＢＰＷ４５００−８　（東洋モートン製、固型
分濃度５０％）を原液のままでブレードコーティング方
法により塗布し、オーブン中で熱風により水分を揮発さ
せ塗布面を乾燥して転写シートと為した。ただし、この
時の乾燥条件は温１ｉ５５Ｃ、ラインスピード１２ｍ／
分であり、塗布面は粘着性を示していす、塗布厚は１５
μであった。

この転写シートを温度１６０Ｃのオーブン中ＶＣ２分間
放置した後に、オリバインＢＰＷ４５００−８の塗布面
を天井材用木製板に重ね合わせ、ゴムローラーを使用し
て転写シートを密着させた後に基材のポリエチレンテレ
フタレートフィルムヲ剥離除去した。

この時、発泡性塗料の層は発泡状態を呈しておリ、層の
厚さは６６０μに膨張しており、また加熱粘着性塗料の
層は粘着性を有して木製板に強□固に固着していた。

このようにして、表面に褐色の植毛様発泡皮膜層を有す
る木製板が得られ、この木製板を天井材として使用した
ところ、一般に使用されている木目調の天井とは外観が
全（異なる、深みがあり、かつやわらかみな感じさせる
従来にない天井が性成された。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａｌ及び第１図（ｂ）は本発明において用いら
れる転写シートの断面図であり、第２図は発泡性塗料層
を被転亙体に転置した状態の一例であり、第３図は転互
方式の一例である。 （１１・・・基材 （２）・・剥離剤層 （３）・・未発泡状態の発泡性塗料の層（３）′・・・
発泡状態の発泡性塗料の層（４）・・・未粘着状態の加
熱粘着性塗料の層（４）′・・・粘着状態の加熱粘着性
塗料の層（６）・加熱ロール ＋７１・・・バックアップロール 特許出願人 凸版印刷株式会社 代表者鈴木和夫

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 基材上に直接に、あるいは剥離剤の層を中間１（介して
   発泡性塗料（塗布後ある一定温度以上に加熱することに
   よりＩ衾布皮膜内に無数の微細な気泡を発生する塗工剤
   ）の層を未発泡状態で設け、かつその上に加熱粘着性塗
   料（塗布後ある一定温度以上に加熱することにより粘着
   性を示す塗工剤）の層を未粘着状態で設けた構成より成
   るシートを作成し、該シートをある一定温度以上に加熱
   することにより、発泡性塗料の層を発泡させ、かつ加熱
   粘着性塗料の層に粘着性を発揮させた後、加熱粘着性塗
   料の面を他の物体に固着させ、基材を除く全層を該物体
   に転層することを特徴とする発泡性皮膜の転写方法。