JPS5915109Y2 - 電子機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマイクロホンが着脱自在に設けられている電子
機器に関し、特に、トランシーバ−等に適用して好適な
ものである。

従来より、ハンディ−マイタが機器本体のキャビネット
に対して着脱可能に構成されたトランシーバ−が広く利
用されている。

此種のトランシーバ−のハンディ−マイタに関しては、
その形状や寸法等が各種に構成されている。

そしてこのハンチ゛イーマイタの形状や寸法に応じて、
各種のマイク取付は方式が採られている。

例えば、小型のハンディ−マイクの場合には、このマイ
クに鉄等の強磁性体を取付けると共に機器本体のキャビ
ネットに磁石を取付け、この磁石と強磁性体との間に働
く吸引力によってマイクをキャビネットに保持するよう
にしたものである。

また丸型のマイクの場合には、機器本体のキャビネット
に設けられた一対の弾性片の間にこのマイクを嵌め込む
ようにしたいわゆる嵌め込み式に構成されているものが
ある。

また角型のマイクの場合には、案内溝を有する案内部材
を機器本体のキャビネットに取付け、この案内溝内にマ
イクのキャビネットに設けたスライド部材を挿入するよ
うにしたいわゆるスライド式に構成されているものがあ
る。

上述のようにマイクの取付は方法には各種の方式がある
が、磁石を用いるようにした場合或いは嵌め込み式に構
成した場合には、衝撃や振動等によってマイクがキャビ
ネットから脱落し易いという欠陥がある。

一方、スライド式に構成した場合には、一般に、衝撃や
振動等が加わってもマイクはキャビネットから外れ難く
、シかもマイクの取付は部が外から見えないので外観上
のデザイン性が良い。

従って、使い易さ及びデザイン性等を考慮すれば、機器
本体のキャビネットとマイクとの取付は構造をスライド
式に構成するのが好ましい。

しかしながらこのような場合には、例えば第１図に示す
ように、トランシーバ一本体１のキャビネット２の側壁
２ａに、Ｔ字状溝部４ａを有しかつアルミ製の押出材或
いは引抜材から成る案内部材４を取付け、ハンディ−マ
イク５の側壁５ａに前記溝部４ａに嵌合する嵌合部材７
を取付ける必要がある。

そして案内部材４の取付けに際しては、第２図に示すよ
うに、タップによってねじが切られたねじ孔９ａを有す
る板状部材９をキャビネツト２の内側に配し、板状部材
９、案内部材４及びキャビネット２をねじ１０によって
ねじ止めするようにしていた。

従って、部品点数及び組立工数が多くなす、シかも案内
部材４の取付けが可成り面倒なので、製造コストが高く
なってしまうという欠点があった。

またマイクの取付は方法を上述のようにスライド式とす
れば、たとえば前記磁石を用いた場合などに較べて、マ
イクはキャビネットから簡単に着脱しにくいことになる
。

したがってこれは、マイクの着脱頻度がトランシーバの
ように極めて高い電子機器の場合に、機器の使用上、無
視できぬ欠点になる。

本考案は上述の如き実状に鑑み考案されたものであって
、マイクロホンが着脱自在に設けられている電子機器に
おいて、合成樹能より戊りかつ弾性を有する保合部材を
前記電子機器に回動自在に取付けまたこの係合部材と係
脱できる被係合部を前記マイクロホンに設けてこれら係
合部材と被保合部との間にクリップ係合手段を配し、前
記マイクロホンが前記電子機器に対し所定の回転位置に
配されたときに前記係合部材と前記被係合部とが互いに
摺接して係合されまたこれらの保合部材と被保合部とが
保合部材の上記弾性に抗しさらに相対的に摺動させられ
たときに互いにクリップ係合されるように構成した電子
機器に係るものである。

本考案はこのように構成することによって、マイクロホ
ンを電子機器に着脱する構造が著しく簡略化され、その
結果部品点数や組立て工数の削減、あるいは製品コスト
の低減が可能になる。

また電子機器へのマイクロホンの着脱が、極めて容易に
できるようになったにも拘らず、マイクロホンの電子機
器への装着は確実となり、それ故マイクロホンが、振動
や衝撃などにより電子機器から脱落するおそれは全くな
い。

以下本考案をトランシーバ−に適用した一実施例に付き
第３図〜第５図を参照して説明する。

第３図に示すように、トランシーバ−１２は機器本体１
３とハンディ−マイク１４（以下においてマイクと記載
する）とから構成され、これらはカールコード１６によ
って互いに電気的に接続されている。

また機器本体１３及びマイク１４は、例えばＡＢＳ樹脂
から成るキャビネット１８．１９をそれぞれ具備してい
る。

そして機器本体１３のキャビネット１８の側壁１８ ａ
には、例えばＡＢＳ樹脂から成る側板２１が固着されて
いる。

またこの側板２１には、その一端に弾性片２３ ａが一
体的に設けられているナイロン製のマイクバンガー２３
が回動可能に取付けられ、この弾性片２３ ａの上端に
は側板２１側に突出している爪部２４が一体成形されて
いる。

そして第３図及び第５図に示すように、側板２１の所定
個所にほぼ扇形状の凹部２２が設けられ、この凹部２２
内にマイクバンガー２３の他端に形成されている基部２
３ ｂの一部が収納された状態でセルフタップねじ２５
が第４図に示すように前記基部２３ ｂの貫通孔２７を
介してキャビネット１８の側壁１８ Ｈに形成されてい
る突柱２８にねじ込まれている。

なお第４図において、セルフタップねじ２５のゆるみ止
めのためにワッシャー２６が配置されている。

そしてこのねじ２５のねじ込み位置は、はぼ扇形状の凹
部２２の上記用の要の部分である。

従って、マイクバンガー２３はセルフタップねじ２５を
中心として前記扇形状凹部２２の中心角に相当する角度
だけ回動可能になっている。

また第４図に示すように、マイクバンガー２３の基部２
３ ｂには突起２９が一体的に設けられかつ前記扇形状
凹部２２にはさらにこの突起２９に対応する穴部３０が
設けられており、マイクバンガー２３が第３図に示すよ
うに直立状態に置かれた時に前記突起２９と穴部３０と
が互いにクツツク係合する。

これによって、マイクバンガー２３が所定の係合力で側
板２１に係止されるようになっている。

一方、マイク１４のキャビネット１９の側壁１９ ａに
は、はは゛中央部から底壁１９ｂまで延びる直方体状の
案内溝３２が一体的に設けられている。

そしてこの案内溝３２の終端部付近には案内溝３２の両
側壁に跨がるクリップ板３４が一体的に設けられ、案内
溝３２の終端部分に連通しているクリップ孔３６が前記
クリップ板３４によって形成されている。

なお第３図において、３８はカールコード１６の取出し
用孔であり、３９はトランシーバ−携帯用ベルト（図示
せず）の支持部である。

次にマイク１４の着脱操作に付き説明する。

先ずマイク１４を機器本体１３に装着する場合には、マ
イクバンガー２３を第５図において仮想線で示すように
その弾性片２３ ａが機器本体１３の前面側に向く方向
に傾ける。

しかる後に、マイク１４を機器本体１３の側壁２１に押
しつけながら斜め上方から斜め下方へ移動してマイクハ
ンガー２３の弾性片２３ ａをマイク１４の底壁１９
ｂ側の案内溝３２内に収納すると共に、この案内溝３２
をマイクハンガー２３に対して摺動移動させる。

そして摺動移動させ続けると、マイクハンガー２３の爪
部２４がマイク１４のクリップ板３４に当接する。

そしてさらにこのマイク１４を摺動方向に押圧すると、
マイクハンガー２３の弾性片２３ ａが弾性変形してこ
の弾性片２３ ａの爪部２４がクリップ板３４の内面に
もぐり込み、この状態のままこの内面が前記爪部２４に
摺接しながら移動する。

そして最終的に、マイク１４のクリップ孔３６が前記爪
部２４の位置に達すると、弾性片２３ ａの弾性復元力
によって爪部２４がクリップ孔３６にクリック係合され
る。

これによって、マイク１４は機器本体１３にガタッキな
く装着されることになる。

しかる後に、トランシーバ−１２の外観上の体裁を良く
するために、マイク１４をマイクハンガー２３と共にセ
ルフタップねじ２５を中心として第５図において矢印Ａ
方向に回動して直立状態にする。

またマイク１４を機器本体１３から取外す場合には、マ
イク１４をマイクハンガー２３と共にセルフタップねじ
２５を中心として第５図において矢印Ｂ方向に回動して
から、このマイク１４を斜め上方へ引っ張る。

これによって、マイクハンガー２３の爪部２４とマイク
１４のクリック孔３６との嵌合が解除され、さらに引っ
張り続けることによってマイクハンガー２３と案内溝３
２との保合も解除される。

この結果、マイク１４は機器本体１３に対して自由状態
になり、マイク１４を所望の使用場所に移動することが
できる。

このように構成したトランシーバ−１，２によれば、マ
イク１４のキャビネット１９のクリップ板３４とマイク
ハンガー２３の爪部２４とのクリック係合によって、マ
イク１４を機器本体１３にガタッキなく確実に装着する
ことができる。

またマイク１４のクリップ板３４を一体成形により設け
、機器本体１３にはマイクハンガー２３を取付けるだけ
で済むので、部品点数及び組立工数の削減が可能である
。

その上マイクハンガー２３の取付けが非蕾に容易なので
、製品のコストダウンを図ることができる。

またマイクハンガー２３を回動可能に構成したので、マ
イク１４を着脱する際にこのマイクハンガー２３を第５
図の仮想線で示す如く傾ければ、上方にあるベルト支持
部３９等にマイク１４が衝突してしま□う危険がない。

また上記着脱操作は、側板２１と側壁１９８間の接触状
態をほとんど考慮することなく、単にマイクハンガー２
３と案内溝３２間の係合状態を確めながら行なえばよい
から、着脱操作は、極めて容易かつスムーズに行なうこ
とができる。

以上本考案を一実施例に付き説明したが、本考案はこの
実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的思想
に基いて更に変形が可能である。

例えば、機器本体１３とマイク１４とをクリック係合す
るための構造は各種に変更してよい。

また本考案はトランシーバ−に限らず、マイクを備えた
各種の電子機器にも適用が可能である。

以上の如く本考案は、電子機器の保合部材とマイクロホ
ンの被係合部とを互いに摺接させて係合するようにした
から、電子機器がたとえ振動や衝撃に曝されても、たと
えば磁石などを用いた従来の係合方式のごとく保合が不
確実なために、マイクロホンが不測に脱落するようなこ
とがない。

さらに上記係合部材と被係合部とは、最終的にはクリッ
ク係合されるから、マイクロホンは電子機器にガタッキ
なく確実に取付けられることになる。

したがってマイクロホンは、電子機器から一層脱落しに
く・なるだけでなく、振動や衝撃のためにガタッキ、そ
の結果損傷を受けるおそれもない。

また上記係合部材は電子機器に回動自在に取付けられて
いるため、マイクロホンを電子機器に着脱する場合は、
このマイクロホンを電子機器に対し所定の回転位置に配
するようにして行なうことができる。

したがって着脱の際には、はとんど係合部材と被保合部
間の保合状態のみを確めて行なえばよいから、上記着脱
の操作は極めて容易かつスムーズに行なうことができる
。

さらに上記係合部材は、従来のようにしっかりと電子機
器に固着されるようなことがなく、回動自在に電子機器
に取付けられるだけであるから、その取付は構造は簡単
となり、部品点数の縮減や組立て工数の簡略化に寄与す
るところが大きい。

【図面の簡単な説明】 第１図及び第２図は従来のトランシーバ−を示すもので
あって、第１図はトランシーバ−の要部の斜視図、第２
図は第１図のＩＩ −ＩＩ線断面図、第３図〜第５図は
本考案を適用したトランシーバ−の一実施例を示すもの
であって、第３図はトランシーバ−の要部の斜視図、第
４図はマイクを機器本体に装着した状態を示す要部の縦
断面図、第５図は同側面図である。 なお図面に用いられている符号において、１２・・・・
・・トランシーバ−１１８，１９・・・・・・キャビネ
ット、２３・・・・・・マイクバンガー、２４・・・・
・・爪部、３２・・・・・・案内溝、３４・・・・・・
クリック板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マイクロホンが着脱自在に設けられている電子機器にお
   いて、合成樹脂より戒りかつ弾性を有する係合部材を前
   記電子機器に回動自在に取付けまたこの保合部材と係脱
   できる被係合部を前記マイクロホンに設けてこれら係合
   部材と被保合部との間にクリック係合手段を配し、前記
   マイクロホンが前記電子機器に対し所定の回転位置に配
   されたときに前記係合部材と前記被保合部とが互いに摺
   接して係合されまたこれらの保合部材と被保合部とが係
   合部材の上記弾性に抗しさらに相対的に摺動させられた
   ときに互いにクリック係合されるように構成した電子機
   器。