JPS5912572Y2 - 流量検出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は接線流式羽根車流量計に関し、例えば機械膜
式燃料ポンプを使用した自動車エンジン等の脈流を有す
る液体流体の流量を測定する流量計に関するものである
。

従来この種の装置として第１図，第２図に示すものがあ
った。

図において、１は流入パイプ、２は流入パイプ１からハ
ウジング３内に流体を導く流入孔、４は多数の羽根５を
外周付近に有し上記ハウジング３内に収納された羽根車
、６はハウジング内の流体を流出パイプ７へ導く流出孔
、８は上記羽根車４をハウジング３に回転支持するピボ
ット軸受、９は羽根車４の表面付近に埋設された永久磁
石、１０は永久磁石９に対向してハウジング３外部に設
置されたホール素子である。

次に動作について説明する。

被測定流体は流入パイプ１から流入孔２へ流れ、流体流
量に比例した速度で羽根車４の羽根５に対して噴出し、
羽根車４を回転させながら流出孔６から流出パイプ７へ
流れる。

羽根車４はピボット軸受８で支持されているので回転摩
擦トルクは少なく、微少流量で回転し、流量に対する羽
根車回転数の比例範囲は広くなる。

羽根車４の回転数は、羽根車４に埋設された永久磁石９
がホール素子１０の上部を通過する時にホール素子１０
に発生するパルスを計数することにより検出できる。

羽根車４の回転数は流量の適当な範囲内で比例関係にあ
るので、上記パルス数を計数することにより流量を測定
できる。

従来の流量検出器は以上のように構或されているので、
吐出し量の脈動の大きいポンプによる流体移送において
は特に微小流量時において流量の脈動率は大となり、羽
根車の慣性によりその回転数は増加し、実流量に対して
より大きい流量を示すという欠点があった。

又ポンプから送られてくる液体流の中に気泡が混入して
いる場合には羽根車はこの気泡をも含んだ流体の流量を
示す如く回転し、被検出流体である液体の正確な流量を
検出し得ない欠点がある。

本考案は上記のような従来の欠点を除去する為になされ
たもので、羽根車に噴出流を与えるべく配設された流入
孔の上流側と下流側にそれぞれ連通する２つの室を構威
し該２つの室間をダイアフラム等の変位可能な隔壁で隔
絶することにより、流量検出器を流れる流体の脈動をダ
イヤフラム等の隔壁で吸収し、精度の良い流量検出器を
得ることを目的としている。

更に上記上流側の室にはその上方部においてリターン通
路に連通させて液体流体中の気泡を羽根車の上流側で排
出させるように構或することにより、気泡による検出誤
差をなくしより高精度な流量検出を可能にしようとする
ものである。

以下図に示すこの考案の一実施例について説明する。

即ち第３図，第４図において、１１は流入パイプ１が設
けられ開口端がハウジング３によって閉塞されたカバー
で羽根車４に対して噴出流を与える流入孔２の上流側に
流入室Ａを構戊する。

１２は上記カバーの上方部に形成された絞りでこれと対
向してリターンパイプ１３が設けられている。

１４はハウジング３の上部に形威された周壁でこの上端
開口部にはダイヤフラム１５が設けられて上記流入孔２
の下流側に流出室Ｂを構威しており、上記室Ａ，Ｂはダ
イヤフラム１５によって区画されている。

該流出室Ｂは羽根車４を収納した羽根車室Ｃと流出孔６
によって連通されると共に流出パイプ７に連通している
。

次に動作について説明する。

ポンプから吐出される気泡を含む流体は流入パイプ１が
ら流入室Ａに流れ込み、気泡は流入室Ａ内を上昇し、上
部に停留又は絞り１２からリターンパイプ１３へ流れ、
タンク（図示せず）に戻される。

従って流入室Ａは気泡を含まない流体で満され、流入孔
２がら羽根５に対して噴出し羽根軸４を回転させ、流出
孔６がら流出室Ｂ、流出パイプ７へ流れる。

羽根車４の回転により、羽根車４に埋設された永久磁石
９がハウジング外部に設置されたホール素子１０の上部
を通過することによってホール素子１０は回転数に応じ
たパルスを発生し、パルス数を計数して流量を知ること
ができる。

ポンプの吐出し量の脈動による流体の流れは、微小流体
の場合脈動率が大となる。

脈流の一周期において、平均流量以上になれば、流入室
Ａの圧力が流出室Ｂの圧力を越えてダイアフラム１５が
流出室Ｂ側に変形し、流出室Ｂ内の流体が一時的に補給
されて流出パイプ７に流れる。

また平均流量以下では、ダイヤフラム１５は流入室Ａ側
に変形し、流入室Ａから流入孔２、流出孔６を流れて流
出室Ｂに補給される。

従って流入孔２を流れる流体の脈動はダイヤフラム１５
の変形で吸収され、流入７Ｌ２の噴出流の流速の脈動は
抑制されるため実質流量に対応した回転数で羽根車４を
駆動でき、従って正確な流量検出が可能となる。

なお上記実施例では羽根車４の回転数を永久磁石９とホ
ール素子１０で検出したが、永久磁石とコイルによる検
出、発光ダイオードとホトダイオードによる光学的検出
等、非接触で、羽根車４に対して吸引力の少ない方式で
検出してもよい。

以上のように、この考案によればハウジングに収納され
る羽根車に噴出流を与える流入孔の上流側と下流側にそ
れぞれ設けられた２つの室間をダイヤフラム等の変位可
能な隔壁で隔絶するように構威したので、流体の脈動に
対して精度の良い流量検出器が得られる。

又、上記上流側に設けられた室にはその上方部において
リターン通路に連通させて液体流中の気泡を予め排出さ
せる様にしたので気泡による流量の検出誤差をなくしよ
り高精度な流量検出を可能にし得ると共に、上述の如く
流体の脈動を抑制するために形威した室を利用して気泡
の排除をも効果的に行うものであるから何ら構戊も複雑
化しないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は従来の流量検出器の断面図、第３図，
第４図は本考案の流量検出器の断面図である。 １・・・・・・流入パイプ、２・・・・・・流入孔、３
・・・・・・ハウジング、４・・・・・・羽根車、６・
・・・・・流出孔、７・・・・・・流出パイプ、８・・
・・・・ピボット軸受、９・・・・・・永久磁石、１０
・・・・・・ホール素子、１３・・・・・・リターンパ
イプ、１２・・・・・・絞り、Ａ・・・・・・流入室、
Ｂ・・・・・・流出室、１５・・・・・・ダイヤフラム
。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングに収納された羽根車に対して流入孔から噴出
   される噴出流により上記羽根車を回転させ該羽根車の回
   転数を電気的に検出して液体の流量を検出するものにお
   いて、上記流入孔の上流側と下流側にそれぞれ構威され
   た第１，第２の室間を変位可能な隔壁で区画すると共に
   、上記上流側の第１の室をその上方部においてリターン
   通路に連通させて液体中の気泡を排出させるようにした
   ことを特徴とする流量検出器。