JPS5912045Y2 - ビニルハウスの谷部用角パイプ支持金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はビニルハウスの谷部用角パイプ支持金具に係
り、各種野菜、果実の温室栽培に利用される。

例えばかまぼこ型ビニルハウスを連棟式に配置構戒する
場合、隣接されて配置されるハウス構築部材であるパイ
プ状の屋根フレーム相互を強固に連結したり、更には柱
部のみの交換を可能としたり、またハウス相互間の谷部
に配置する樋部材支持用の角パイプを確実に支持したり
するのに使用され、取扱いが容易で簡易迅速に取付作業
を遂行でき、しかも強固に支持、連結できるビニルハウ
スの谷部用角パイプ支持金具に関するものである。

従来、ビニルハウスを連棟式に配置構或する場合は、隣
接するそれの屋根フレームを強固に連結すべく、またハ
ウス相互間の谷部に配置される樋部材を固定すべく種々
の金具が提供され、使用されていた。

ところが、それらの金具の多くは取扱いが面倒である等
の手間と時間とを要し、更には屋根フレームの傾斜部分
基部に配置される樋部材支持用の角パイプを固定すると
きには、屋根フレーム相互の連結用の金具と、角パイプ
固定用の金具とを別個に使用する必要があることも、そ
の煩わしさを増大させていたものであった。

そればかりでなく、屋根フレーム下端は、通常ハウス設
置面の土中に埋設されることが多いが故に、永年の使用
により腐蝕し、それを交換しなければならないが、腐蝕
した柱部のみを取替えるとしても屋根部を適宜支持して
おかなければならず面倒であることから、屋根部が充分
使用可能であるにもかかわらず、全体を取替えており、
無駄が多く費用も嵩む等の欠点を有していた。

そこでこの考案は、叙上の点に鑑み、それらの欠点を解
消すべく種々の実験、試作の結果、その案出に戒功した
ものであり、所要のビニルハウスの屋根フレーム傾斜部
分に被嵌する断面略半円形状に彎曲させた嵌合片を形或
し、この嵌合片開口端両側に翼設させた連繋片上下部に
、互いの嵌合片をそれらの開口が対向するよう逆向きに
、かつ上方が広く開放されて傾斜配装させた状態で互い
に平行して配置面に対し鉛直になる締結部を形或した１
対の受け具と、この受け具相互間に配置した所定の角パ
イプ上下で、前記上下の締結部夫々に貫挿されるボルト
及び締結部外側面に当接されてボルトにネジ止めされる
ナットから或る締結具とから構或したことを要旨とする
ものである。

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明すると
次の通りである。

図において示される符号１は適宜肉厚の鈑材をプレス戊
形して得た１対の受け具夫々であり、所要のビニルハウ
ス（図示せず）の丸パイプ製の屋根フレームＦ傾斜部分
に被嵌する断面略半円形状に彎曲させた嵌合片２を形或
し、この嵌合片２開目端両側に翼設させた連繋片３上下
部に、互いの嵌合片２をそれらの開口が対向逆向きに、
かつ上方が広く開放されて傾斜配装させた状態で互いに
平行する締結部４Ａ，４Ｂを形或したものである。

しかして、屋根フレームＦ自体は、ハウス設置面に立設
され、下部は直線状の柱部、上部は彎曲状ないし傾斜状
の屋根部となっており、連棟式に隣接されて配置される
ハウスにおいて相互にその柱部にて接合され、その状態
において屋根部基部は互いに反対方向に上方への末広が
り状で傾斜している。

この傾斜部分に、その内側から受け具１が嵌合片２にて
被嵌されるようになっており、傾斜部分夫々に装着され
た受け具１は、互いにそれらの連繋片３が傾斜部分側方
に張出し状に、かつ対向されたものとなっている。

連繋片３は、その上下部において形或された締結部４Ａ
，４Ｂが夫々平行するように折曲され、上位置の締結部
４Ａ下端から下位置の締結部４Ｂ上端に至るまでの中央
部は締結部４Ａ，４Ｂに対し適宜な角度で傾斜されたも
のとしてあり、締結部４Ａ，４Ｂはハウス設置面に対し
鉛直なものとしてある。

すなわち、これを側面からみると、連繋片３端縁は、角
波形状を呈し、中央部を介しての上下の締結部４Ａ，４
Ｂは夫々逆方向にへ字形に新曲されている。

また、受け具１全体は適宜肉厚の方形鈑材をプレス或形
して得られるも、上位置の締結部４Ａ下端部位、すなわ
ち中央部との連続部位におげる嵌合片２の溝状深さは、
下位置の締結部４Ｂ上端部位、すなわち中央部との連続
部位におけるそれより若干浅く、更に一体或形によるが
故に、上位置の締結部４Ａ下端部位における連繋片３の
幅員は、．下位置の締結部４Ｂ上端部位におけるそれよ
り若干広幅なものとされる。

６は締結具であり、受け具１相互間に配置した所定の樋
部材Ｄ支持用の角パイプＰ上下で、前記上下の締結部４
Ａ，４Ｂ夫々に貫挿されるボルト７及び締結部４Ａ，４
Ｂ外側面に当接されてボルト７にネジ止めされるナット
８から或るものであり、また５は締結部４Ａ，４Ｂ夫々
に開穿された貫挿孔である。

図示例におけるボルト７は、先端に雄ネジ部が刻設され
た長短２種のＵ字形のそれがら或るものであり、そうし
たならば、一方の受け具１外側がらその先端にて貫挿孔
５に順次挿入し、他方の受け具１外側へ外出した雄ネジ
部にナット８をネジ止めさせればよく、そのネジ止め操
作、部品管理の容易性が得られ、更には締結後にあって
の一層の確実性を図ることも可能である。

もとより、互いに対面している締結部４Ａ，４Ｂの貫挿
孔５毎に各別に１本の長ボルトを挿入させてナット締め
すること、頭付長ボルトを使用すること、ダブルナット
とすること、等当業者において適宜採用されるネジ止め
構造への変更も勿論可能であり、差し支えないものであ
る。

そして、角パイプＰの確実な固定を図るため、角パイプ
Ｐ高さ（径、幅）に対応して上下のボルト７相互の間隔
が設定されており、締結後にあってボルト７が角パイプ
Ｐを上下方向から挾持させるようにしておくとよい。

次にこれが使用を図示例に基づき説明すると、隣接配置
されるビニルハウス夫々における屋根フレームＦを接合
させた状態にしておいて、Ｕ字形のボルト７が外側から
締結部４Ａ，４Ｂに貫挿された状態にある一方の受け具
１を、その嵌合片２にて一方の屋根フレームＦの傾斜部
分に当てがい、また他方の受け具１を他方の屋根フレー
ムＦに同様に、高さ位置を対応させて当てかうと共に、
上下のボルト７にて扶持する如くして受け具１相互間に
角パイプＰを配置し、ボルト７の雄ネジ部を他方の受け
具１における締結部４Ａ，４Ｂがら貫挿外出せしめてナ
ット８にてネジ止め締め付けるものである。

したがって、隣接配置されるハウスにおける接合された
屋根フレームＦをその傾斜部分にて確実に連結させ、ま
たハウス相互間の谷部に配置される樋部材Ｄを保持する
ための角パイプＰも確実に支持させ、その堅牢性を増大
させるがら、極めて優れた組立、設置の安定性を得るこ
とができる。

受け具１における嵌合片２は、断面略半円形状に彎曲さ
れており、また、互いに開口が対向するよう逆向きにさ
れたときで上方が広く開放されるから、連棟構造とされ
るビニルハウス相互間での、互いに逆方向で傾斜されて
いる丸パイプ製の屋根フレームＦにしっくりと被嵌させ
ることができ、嵌合片２開目端両側に連繋片３を翼設さ
せ、この連繋片３上下部に形或した締結部４Ａ，４Ｂに
て受け具１相互を連結するから、屋根フレームＦに対す
る特別な加工は要せず、迅速簡易な作業を担保している
。

また、締結具６にて受け具１相互を連結した後は、受け
具１が屋根フレームＦ傾斜部分に装着されていることと
相俟ち、その傾斜部分を互いに上方へ付勢させるように
引き締めることになるから、屋根フレームＦ、ひいては
ビニルハウス自体の組立堅牢性を増大させる。

そればかりでなく、屋根フレームＦの傾斜部分相互を引
き締める如く１対の受け具１、締結具６にて連結するか
ら、屋根フレームＦにおける柱部のみを切除するもハウ
ス全体が倒壊することは全くなく、したがって、永年使
用により土中或分その他にて下端埋設部分が腐蝕した柱
部を切除交換すること、その後に新しい柱部と適宜連結
すること等の作業も極めて容易となり、また上下のボル
ト７相互間に角パイプＰが配置されていることも、この
ような場合でのハウス全体の倒壊防止に有効に役立ち、
ハウス構築維持費用の低減化に寄与することができる。

更に、連繋片３上下部に形或した締結部４Ａ，４Ｂは、
受け具１における互いの嵌合片２をそれらの開口が対向
するよう屋根フレームＦ傾斜部分に傾斜配装させた状態
で互いに平行して設置面に対し鉛直になっているから、
締結部４Ａ，４Ｂ夫々に貫挿されるボルト７は、ナット
８とネジ止めされるに際して全くガタつくことはなく、
確実、安定した状態で行なわれ、しっかりと締結するこ
とができる。

すなわち、これは、締結部４Ａ，４Ｂは互いに平行し、
鉛直となっていることで、ここ４Ａ，４Ｂで貫挿配置さ
れるボルト７の頭部及びナット８自体は互いに平行した
ものとなり、ネジ止め締結するも締結内側面全域が締結
部４Ａ，４Ｂ面にしっくりと当接するからである。

しかも、その締結状態が弛緩しても再度ナット８をネジ
込むことによりその確実な締結となすと共に、下位置に
おける締結部４Ｂ上端を屋根フレームＦの傾斜部分より
若干上方へ突出させておくことで、締結部４Ｂ相互間で
角パイプＰを扶持固定でき、その支持安定性を極めて大
きくすることが可能となる。

また、受け具１自体は、適宜肉厚の鈑材による一体或形
が可能であるから、大量生産に適して安価に製作できる
と共に、１対の受け具１は全く同構造であるから重ねて
保管、運搬ができて、部品管理を容易なものとし、便利
なものである。

以上説明したようにこの考案によれば、隣接配置されて
いるビニルハウスにおけるその構築部材である屋根フレ
ームを接合状態で相互に連結でき、またハウス相互間の
谷部に配置する樋部材支持用の角パイプをも同時に支持
でき、しかもその支持、連結は確実で堅牢、安定的なも
のであると共に、ネジ止め式で締結させるもネジ止め面
相互が互いに平行、鉛直となるよう矯正されていること
で全くガタつかず、また弛緩するも再度のナット締めに
よりその強度の維持が図れるばかりでなく、腐蝕した柱
部のみの交換に際してもハウス全体の倒壊の虞れがなく
て便利であり、更には構造も簡単で取扱いに優れ、迅速
な取付作業を実現でき、安価である等の実用上極めて優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は分解
斜視図、第２図は使用状態の一部切欠正面図である。 Ｆ・・・・・・屋根フレーム、Ｄ・・・・・・樋部材、
Ｐ・・・・・・角パイプ、１・・・・・・受け具、２・
・・・・・嵌合片、３・・・・・・連繋片、４Ａ，４Ｂ
・・・・・・締結部、５・・・・・・貫挿孔、６・・・
・・・締結具、７・・・・・・ボルト、８・・・・・・
ナット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所要のビニルハウスの屋根フレーム傾斜部分に被嵌する
   断面略半円形状に彎曲させた嵌合片を形或し、この嵌合
   片開口端両側に翼設させた連繋片上下部に、互いの嵌合
   片をそれらの開口が対向するよう逆向きに、かつ上方が
   広く開放されて傾斜配装させた状態で互いに平行して設
   置面に対し鉛直になる締結部を形或した１対の受け具相
   互間に配置した所定の角パイプ上下で、前記上下の締結
   部夫々に貫挿されるボルト及び締結部外側面に当接され
   てボルトにネジ止めされるナットから或る締結具とから
   構威したことを特徴とするビニルハウスの谷部用角パイ
   プ支持金具。