JPS5910438Y2 - エンジンマウント装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複合エンジンマウント装置に関するものである
。

近年自動車の振動騒音の低減を計るために種々の研究が
なされているが、振動と騒音の周波数域は大きく異なり
、■方を満足させると他方に不具合が発生することにな
る。

この不具合を解消するために、弾性部材と液圧式緩衝手
段とを組合せたエンジンマウント装置が提案されている
。

第１図はそのエンジンマウント装置の１例を示し、シャ
シ側のブラケット固定用ボルト１に固定されたプレート
２と、エンジン側のブラケット固定用ボルト３側のプレ
ート４との間に固着された弾性部材５には、室６が形戒
されており、前記ボルト３に固定されボルト７にてプレ
ート４に固着されたキャップ８内に設けられた室９と前
記室６とは、オノフイス１０を有するプレート１１で区
分されている。

そして室６には作動媒体が満され、室９の下方部にも作
動媒体がオリフイス１０を経て侵入し、室９の上方部は
変形の体積補正室となっていて、必要に応じ高圧ガスを
封入できるようになっている。

１２は弾性部材５の中央部周囲に固着された金属製の外
部変形防止用プレートである。

ここで第１図に於いて振動が入力されると、弾性部材５
が変形することにより室６内の作動媒体の体積が減少し
、仕切プレート１１のオリフイス１０を経て作動媒体が
室９内に流入する。

従って減衰力が発生して振動入力の緩衝を行なうことが
できる訳である。

ところがオリフイス１０は小径であるので、エンジンに
急激な振動が発生した時には、室６内の作動媒体が仕切
プレーＩ・１１の上方へ急速に逃げることができないた
め、急激な振動に対しては対処できるが、比較的振巾の
大きな急激でない振動が入力された場合、室６の変形は
急激には出来ないため、振動入力の緩衝を行なうことは
出来なかった。

一方エンジンマウント装置と緩衝器を並列に設けること
により前記不具合を解消する提案がなされたが、この場
合はエンジンルームのスペースの制限上緩衝器の設置は
困難であり、更に緩衝器がマス効果、即ち緩衝器自体の
重量により別体の弊害が発生する欠点があった。

本考案は前記従来の欠点を、極めて簡単な構戒を付加す
るだけで充分除去することができるエンジンマウント装
置を提供せんとするもので、その実施例を第２図及び第
３図について説明する。

なお、第２図に於いて第１図の従来と同一部分は同一の
符号にて示すことにする。

さて第２図及び第３図に於いて１はシャシ側のブラケッ
ト固定用ボルト、２はプレート、３はエンジン側のブラ
ケット固定用ボルト、４はプレート、５は弾性部材、６
は室、７はボルト、８はキャップ、９は室、１２は金属
製の外部変形防止用プレートであり、これらの構造は第
１図と同じで゛ある。

１３は第１図の仕切プレート１１に相当する仕切プレー
トで、該プレート１１のオリフイス１０より大径の孔１
４が設けられている。

１５は中央部がピン１６により前記仕切プレート１３の
下側に固定されたプレートで、オリフイス１７を有し、
両側縁部１８を曲げることによりスプリング１９の上端
をかかえるようにして該スプリング１９に固着されてい
る。

スプリング１９は下端は室６の底部に接触しており、常
時はプレート１５の両側部が仕切プレート１３から離れ
て孔１４を開放するように湾曲している該プレート１５
の両側部を上方に押上げるように付勢している。

第４図〜第６図は弾性部材５と仕切プレート１３及びキ
ャップ８とのシール構造を示すもので、弾性部材５をプ
レート４の内周部上側に形威した切欠き部４ａまで延長
して仕切プレート１３とのシール面２０を形或すると共
に、その周縁部に突出縁２１を形威しておく。

そして仕切プレート１３を介してキャップ８を第２図の
如く取付けると、該突出縁２１はつぶれてシールを確実
にする。

従って室６内の作動媒体は孔１４を通る以外には室９に
は流入できず、又キャップ８とプレート４との接合部か
ら外部に作動媒体が漏洩するようなこともない。

第６図は弾性部材５の内周面に仕切プレート１３との間
のシールを確実にする突出部２２を設けたものである。

次に以上説明した第２図の実施例について作用を説明す
る。

先ずエンジン又はシャシ側がらの振動が入力されると、
弾性部材５が変形することにより仕切プレート１３も下
方に下るが、孔１４は閉塞されない。

従って室６内の作動媒体は大きな孔１４を経て室９内に
入り、これにより減衰力が発生して振動入力の緩衝を行
なうことができる。

次に比較的振巾の大きい急激でない振動が発生した場合
、弾性部材５が変形し仕切プレート１３も下方に下る。

仕切プレート１３が下方に下ると、ピン１６を介してプ
レート１５の中央部が下方に押下げられる。

この下方変位が所定値以上になると、プレート１５の湾
曲している両側部はスプリング１９により上方に押上げ
られ、平面状となって仕切プレート１３に接触し、孔１
４を塞ぎ室６と室９の連通はオリフイス１７のみで行な
われるようになる。

従って室６内の作動媒体はオリフイス１７のみから逃げ
るだけであるため、室６の体積は急激には変化しないか
ら、比較的振巾の大きい急激でない振動にも充分対処で
きる。

以上詳細に説明した如く本考案は、高周波、低周波の何
れの振動に対しても充分対処でき、従来装置のように何
れか一方のみと云うような欠点はなく、しかも従来装置
に簡単な機構を付加するだけであるから、格別コスト高
を招くようなこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエンジンマウント装置の１例を示す縦断
面図、第２図は本考案の実施例を示すエンジンマウント
装置の縦断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４
図は第２図に於いて仕切プレートとキャップを取外した
状態を示す断面図、第５図は第４図のＢ部拡大図、第６
図は第５図と異なる実施例を示す断面図である。 図の主要部分の説明、１・・・・・・シャシ側のブラケ
ット固定用ボルト、３・・・・・・エンジン側のブラケ
ット固定用ボルト、５・・・・・・弾性部材、６・・・
・・・室、８・・・・・・キャップ、９・・・・・・室
、１３・・・・・・仕切プレート、１４・・・・・・大
径の孔、１５・・・・・・プレート、１６・・曲ピン、
１７・・・・・・オリフイス、１９・・・・・・スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シャシ側のブラケットに固定された弾性部材と、エンジ
   ン側のブラケットに固定されたキャップとを仕切プレー
   トを介して連結し、前記弾性部材とキャップ間に設けら
   れた室を前記仕切プレートにより王室と千室とに分割し
   、かつ下室に充満された作動媒体の１部が上室の下方部
   にも侵入するようにしたエンジンマウント装置に於いて
   、前記仕切プレートに大径の孔を設けると共に、その下
   方に中央部にて固着され、両側部が該仕切プレートから
   離れるように湾曲し、かつ該湾曲部にオリフイスを設け
   たプレートを有し、該プレートの両側端は下室に装着さ
   れたスプリングの上端に固定されて該スプリングにより
   上方に付勢されており、前記弾性部材が所定以上弾縮変
   形した際には前記プレートの湾曲部が平面状となって仕
   切プレートに接触し、上下室はプレートのオリフイスを
   介してのみ連通することを特徴とするエンジンマウント
   装置。