JPS589322B2 - 溶融スラグによる蒸気発生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶鉱炉から放出される、高温状の溶融スラグ
のもっている大量の熱によって、高圧の蒸気を発生する
装置に関する。

従来、溶鉱炉から放出された溶融状のスラグはこれに水
をかけて冷却固化し、それを破砕して粒状にし、投棄し
ていた。

したがって、溶融スラグの保有している大量の熱エネル
ギは、水蒸気となって大気中に放散してしまい、省エネ
ルギの観点からみて、これは極めて遺憾なことであった
。

また、冷却して固化したスラグを取扱いを容易にするた
めに、粒状に破砕するのに別個の動力を要するため、そ
れだけ余分にエネルギを消費することになり、省エネル
ギ化の点からみて、好ましくない○ 本発明は、上記した現状を打破しようとするものであっ
て、溶融スラグの保有する大量の熱エネルギを、高圧蒸
気の形態で回収しようとするものであり、本発明は、回
転ドラムの周面上に蒸気発生管を密接したコイル状に捲
回し、その（蒸気発生管）外周上に、溶融スラグを薄く
付着させ、これが蒸気発生管内の給水と熱交換すること
によって冷却固化して薄板状となったスラグを回転ドラ
ムの回転によって、スクレーパで破砕しながら蒸気発生
管の外周上から剥離するようにした点を特長とするもの
で、本発明によれば、溶融スラグの保有している熱エネ
ルギは、蒸気発生管内の給水に伝えられてこれを蒸気と
すると共に、溶融スラグ自体は冷却固化し、次いでスク
レーパによって、破砕されるため、溶融スラグの熱は高
圧蒸気の形で回収されて動力源として利用でき、また冷
却して固化したスラグの破砕が、それほど大きな動力を
用いることなく行えるという作用、効果を奏することが
できる。

次に、図面により、本発明の実施例を説明する。

１は円筒状の回転ドラムで、その周面上には蒸気発生管
６が密接したコイル状に捲回されている。

回転ドラム１は回転可能に装架部材（図示せず）によっ
て装架されており、モータ１５上のピニオン１６により
駆動される。

１７は、そのために、ドラム１に刻設した歯形で、ピニ
オン１６に噛合する。

蒸気発生管６の給水流入口１８は、給水管１４端に回動
シール１２を介して連っており、また同蒸気取出口１９
は蒸気取出管１３端に、同様の回動シール１２を介して
、それぞれ回転可能に連っている。

回転ドラム１の上方には、溶融スラグを蒸気発生管６上
に供給するホツパ２が設けられており、スラグ３は薄い
フイルム５の状態で、蒸気発生管６上に供給される。

１０はスクレーパで、その刃先が蒸気発生管６の外周に
摺接状に配置されている。

回転ドラム１は、モータ１５により、矢印９の方向に回
転する。

これと同時に、ホツパ２を介して、溶融状のスラグを蒸
気発生管６上に、フイルム５の状態で流出させ、蒸気発
生管６に給水を送る。

なお、給水流入口１８と蒸気取出口１９とが回転ドラム
１の軸線上にない場合には、蒸気取出管１３および給水
管１４は回転ドラム１の回転につれて回動することにな
るが、これには蒸気取出管１３の他端に設けた蒸気弁や
給水管１４の他端に設けた給水弁の箇所でそれぞれの管
を回転自在に支持すればよい。

高温の溶融スラグは、フイルム状で蒸気発生管６の外周
面上に直接接触するから、能率よく熱を給水に伝達する
と共に迅速に冷却して固化する。

給水管１４から送られる給水は、蒸気発生管６内を、矢
印７で示すむきに流れながら、フイルム５状のスラグか
ら熱をうけて蒸気となる。

即ち蒸気発生管６は一種の貫流式ボイラで形成している
ことになり、蒸気発生管６で発生した蒸気は、蒸気取出
管１３から、外部に取出される。

一方蒸気発生管６内の給水に熱を与えて冷却し固化した
スラグは、薄い板状となり、回転ドラム１と共に回転し
、スクレーパ１０により、蒸気発生管６の表面から剥離
され、破砕されて、粒状１１となる。

このように、本装置では溶融スラグを薄いフイルム状態
で蒸気発生管上に放出し、これにより蒸気発生管内の給
水を加熱して高圧蒸気を発生すると共に、スラグは薄い
板状に固化しスクレーパにより粒状に剥離されるから溶
融スラグの保有していた大量の熱エネルギが高圧の蒸気
の形で回収されると共に、冷却固化したスラグの破砕を
も同時に達成できるため、省エネルギとして極めて効果
的であり、また、本装置は小型の割には、大量の溶融ス
ラグの処理が可能であるから、据着け面積をあまり必要
とせず、極めて、実用性に富んだ装置であるということ
かできる。

前述の例では、蒸気発生管６に直接溶融スラグが接触す
るようになっていたが、第３図に示すように、蒸気発生
管６の外周に、伝熱性の良好な、例えば銅材８を被覆す
るようにしてもよく、また蒸気発生管６を、区割用板体
２０と外板２１とで構成するようにしてもよい。

このように、本発明によれば、溶融スラグの熱を、小型
の高圧蒸気発生装置によって回収でき、また、冷却固化
したスラグの破砕が同時に行うことができるため、省エ
ネルギの促進が可能となりまた、工場の敷地を有効に利
用することができる等の、実用的効果を期待することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すもので、第１図は断面正面図
、第２図は断面図である。 第３，４図は他の実施例の部分図である。 １……回転ドラム、２……ホッパ、３……溶融スラグ、
６……蒸気発生管、１０……スクレーパ、１３……蒸気
取出管、１４……給水管、１５……モーク、１６……ピ
ニオン、１７……歯形。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転ドラムを回転可能に装架し、該回転ドラムの周
   面上に蒸気発生管を密接したコイル状に捲回し、その外
   周上に溶融スラグをフイルム状に流出するホッパを設け
   、蒸気発生管には給水管と蒸気取出管とをそれぞれ回動
   シールを介して回転可能に接続し、薄い板状に固化した
   スラグを蒸気発生管の外周上から破砕状に剥離するスク
   レーパを設けた溶融スラグによる蒸気発生装置。