JPS58924Y2

JPS58924Y2 - 密閉式アルカリ電池

Info

Publication number: JPS58924Y2
Application number: JP9988578U
Authority: JP
Inventors: 憲昭坂本; 健一篠田; 康裕石黒; 知也村田; 敬土田
Original assignee: 富士電気化学株式会社
Priority date: 1978-07-20
Filing date: 1978-07-20
Publication date: 1983-01-08
Also published as: JPS5517240U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、ハーメチックシールされた密閉式アルカリ
電池で、特にその封口構造に関する。

一般に、密閉式のアルカリ電池においては、アルカリ電
解液がわずかでも漏出せぬようにすること、すなわち耐
漏液性を高めることが最も重要な関心事である。

アルカリ電解液は、腐蝕性が強く、従って如何なる場合
にもその漏出は防がなければならないが、しかし、その
アルカリ電解液は、滲出性も強いため、その漏出を防止
する封口部は、高度の気密性と耐久性が特に要求される
。

このような要求に応えんとするには、上記封口部のシー
ル部にプラスチックスやゴム等の比較的柔軟性に富む材
質を使用したのでは不十分で、比較的高度の気密性と耐
久性とが得られるガラスやセラミック等の無機固体絶縁
材料をシール材として使用すること、いわゆるバーメツ
チックシールによるのが適当で゛ある。

第１図は、このハーメチックシールによって封止される
密閉式アルカリ電池の一実施例を示したもので、その封
口構造は、一方極の端子を兼ねる金属封口板１に、他方
極の端子を兼ねる金属集電棒２を貫通させるとともに、
この集電棒２と上記封口板１との間を無機固体絶縁材料
からなるシール材３で絶縁およびシールしである。

そして、この絶縁シールされた集電棒２の内端２１には
、皿状金属集電板４が電気溶接されていて、この溶接さ
れた集電板４の周辺部の外縁にある上方開口端４１が。

上記封口板１の内側に配設された電気絶縁性でかつ弾力
性のある環状バッキング５を押圧することにより上記シ
ール材３によるシール部を発電要素Ｇから隔離するよう
になっている。

これにより、発電要素Ｇからのアルカリ電解液の漏出を
上記集電板４と上記シール材３とで二重に阻止するよう
になっている。

しかしながら、このような厳重な封口構造をもってして
も、アルカリ電池においては、そのアルカリ電解液の漏
出を防止する上で、なおかつ改善の余地があった。

上述のような封口構造にしても、アルカリ電解液は、上
記集電板４の内側面まで滲出してくることがあった。

そして、」二重シール部あるいはその周辺部材との境界
等にわずがでもクラックがあると、その滲出した電解液
は、さらにそのクラックを経て電池外部へ滲出すること
があった。

この考案は、以上のようなことを鑑みてなされたもので
゛、その目的とするところは、バーメチ゛ンクシールの
高気密性および高耐久性という利点を括かすとともに、
そのシール部に仮にわずかなりラックが生じていたとし
ても、これによってアルカリ電解液が漏出することがな
いように封止力を高め、これにより確実に漏液を防止す
ることができる密閉式アルカリ電池を提供することがあ
る。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

第２図は、この考案に係る密閉式電池の一実施例を示し
たもので、封口体６９発電要素７．および円板状の金属
対底体８より構成されている。

封口体６は、同図に示すように、−前極の端子を兼ねる
皿状金属封口板６１に、Ｆｅ−Ｎｉ合金で一体に作られ
他前極の端子を兼ねる金属集電棒６２を貫通させるとと
もに、この集電棒６２と上記封口板６１との間をガラス
やセラミック等の無機固定絶縁材料からなるシール材６
３で絶縁およびシールしである。

すなわち、ハーメチックシールが施されている。

また、上記集電棒６２の内端６２ａには、皿状金属集
電板６４が電気溶接されていて、この皿状金属集電板６
４の周辺部の外縁にある上方開口端６４ａが、上記封
口板６１の内側に配設されたポリエチレン等の電気絶縁
性でかつ弾力性のある環状バッキング６５を押圧し、こ
れにより上記無機固体絶縁材料によるシール部を発電要
素７から隔離し密閉している。

そして、上記集電板６４で囲まれた部分であって、かつ
上記シール部およびその周辺部材すなわち封口板６１や
集電棒６２へ跨がる部分に、同図に示すように、耐アル
カリ性でかつ浸透性のある粘性物９を被着せしめである
。

この粘性物９としては、例えば適当に粘度調製された鉱
物油が使用される。

さらに、この実施例では、第２図に示すように、上記皿
状金属集電板６４の内側面にアルカリと反応する物質１
０が被着されている。

この物質としては、例えば、硬化剤を含んでいないエポ
キシ樹脂すなわちエポキシ基を有する有機化合物を使用
することができる。

この硬化剤を含んでいないエポキシ樹脂がアルカリと出
会うと、そのアルカリと反応して硬化する。

さらにまた、この実施例では、第２図に示すように、上
記封目板６１の内側面に配設される環状バッキング６５
の内方に延長部６５ａを設け、この延長部６５ａを
上記シール部と上記集電板６４との間に介在させている
。

上記発電要素７は、上記金属対底体８に陽極物質７１．
セパレータ７２．および陰極物質７３を順次積層してな
るもので、陰極物質７３は、上記皿状金属集電板６４の
外側面に接触するとともに、上記環状バッキング６５の
外方延長部６５ａによって上記封口板６１および封底
体８から絶縁隔離されている。

上記陽極物質７１は、第２図に示すように、その外周囲
の輪郭部分が、上記封底体８の内側面に設けた金属リン
グ８１によって囲まれて保形されている。

そして、この金属リング８１と上記封口板６１の下方開
口部近傍との間に上記環状バッキング６５の外方延長部
６５ｂの先端部が挟圧され、この状態にて、上記封口
板６１の開口端部に形成したフランジ部６１ａが上記
封底体８に電気溶接されることにより、上記発電要素７
を密封入している。

第３図は、上記封口体６の製造過程を示したもので、ス
ポット溶接用の電極Ａ、Ｂにて、上記集電棒６２の内端
６２ａに上記集電板６４を押し当てて通電することに
より両者を互いに電気溶接するのであるが、このとき、
同図に示すように、上記シール部およびその周辺部材に
跨がる部分には耐アルカリ性でかつ浸透性のある粘性物
９が、また集電板６４の内側にはアルカリと反応する物
質１０が、前もって塗着されている。

なお、この溶接に際して、上記粘性物９として、溶接時
の熱によって蒸発するようなもの、好ましくは沸点１０
０〜５００℃の範囲のものを成分とするものを使用すれ
ば、溶接時にその一部が蒸発して周囲から気化熱を奪い
、これにより上記シール部が溶接時の熱から保護される
ようになる。

させ、以上のように、上記集電板６４で囲まれた部分で
あって、かつ上記シール部およびその周辺部材へ跨がる
部分に耐アルカリ性でかつ浸透性のある粘性物９を面状
に被着することにより、上記シール部あるいはその周辺
部材との境界等に微細なりラックが生じたとしても、上
記粘性物９がそのクラックに浸透してクラックを塞いで
しまうため、上記シール部の気密性は依然として保持さ
れる。

しかも、その粘性物９は耐アルカリ性であるため、たと
え内部からアルカリ電解液が滲出して来ることがあって
も変質せず、従って、長期に亙って上記シール部のシー
ル効果を維持させられる。

また、上記皿状金属集電板６４の内側面にアルカリと反
応する物質１０を被着したことにより、仮に上記集電板
６４の内側面に滲出して来たアルカリ電解液は、その物
質１０と反応することにより中和されて減退される。

この結果、上記粘性物９を被着したことと相俟ってアル
カリ電解液の滲出は一層確実に防止される。

さらに、上記環状バッキング６５の内方に延長部６５
ａを設け、この延長部６５ａを上記シール部と上記集
電板６４との間に介在させたことにより、上記シール部
およびその周辺部材へ跨がる部分に被着された粘性物９
と上記集電板６４の内側面に被着された物質１０は、そ
れぞれ互いに混り合う恐れもなく、その被着された位置
に確実に止め置かれるようになり、これにより、内部か
らのアルカリ電解液の滲出は、さらに確実に阻止される
ようになるのである。

なお、粘性物やアルカリと反応する物質は、これらを集
電板でのシール部から多事はみ出る範囲にまで被着して
も、実用上の障害とはならない。

また、上記皿状集電板４は、例えば第４図に示すように
、その周辺部をさらに外方に延長させ、そしてその延長
端を下方に折り返えして、その折り返えし端でもって、
バッキング６５ｂの裾部を押えつけるように構成する
ことができる。

さらに、上記封口体６および封底体８は、前述したもの
のほかに、例えば第５図ａ、ｌ）、ｃ、ｄに示したよう
な形状のものを組み合わせることができる。

第１．２．３表は、それぞれ、この考案による直径１１
、．５ｍｍ高さ５．４ｍｍの密閉式アルカリ電池と、こ
れと同型の従来の密閉式アルカリ電池の耐漏液試験結果
を示したものである。

ここで、Ａは耐アルカリ性でかつ浸透性のある上記粘性
物９を被着したもの、Ｂはさらにアルカリと反応する上
記物質１０を被着したもの、そしてＣはさらに上記環状
バッキング６５に内方延長部６５ａを設けて、これを
上記シール部と集電板６４の間に介在させたものである
。

また、Ｄは従来の密閉式電池である。以上のように、こ
の考案による密閉式アルカリ電池は、一方接の端子を兼
ねる金属封目板に、他前極の端子を兼ねる集電棒を貫通
させるとともに、この集電棒と上記封目板との間を無機
固体絶縁材料からなるシール材で絶縁およびシールし、
さらに上記集電棒の内端に皿状金属集電板を溶接して、
この皿状集電板の開口端でもって上記封目板の内側に配
設された電気絶縁性でかつ弾力性のある環状バッキング
を押圧することにより上記固体無機絶縁材料によるシー
ル部を発電要素から隔離するようにした封口構造を有す
る密閉式アルカリ電池において、上記集電板で囲まれた
部分であって、かつ上記シール部およびその周辺部材へ
跨がる部分に、耐アルカリ性でかつ浸透性のある粘性物
を面状に被着したことにより、ハーメチックシールの高
気密性および高耐久性という利点がそのまま括かされる
とともに、そのシール部に仮にわずかなりラックが生じ
ても、これによってアルカリ電解液が漏出することがな
いように封止力を高め、確実に漏液を防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉式アルカリ電池の一例を示す断面図
、第２図はこの考案による密閉式アルカリ電池の一実施
例を示す断面図、第３図はその製造工程の一部を示す断
面図第４図は集電板の形状の他の実施例を示す断面図、
第５図ａ、ｌ）、ｃ、ｄはそれぞれ封口体と封底部の他
の実施例をそれぞれ示す断面図である。６・・・・・・封口体、６１・・・・・・封口板、６２
・・・・・・集電棒、６３・・・・・・シール材、６４
・・・・・・集電板、６５・・・・・・バッキング、７
・・・・・・発電要素、８・・・・・・封底体、９・・
・・・・粘性物。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

（１）一方極の端子を兼ねる金属封口板に、他方極の端
子を兼ねる集電棒を貫通させるとともに、この集電棒と
上記封目板との間を無機固体絶縁材料からなるシール材
で絶縁およびシールし、さらに上記集電棒の内端に皿状
金属集電板を溶接して、この皿状集電板の周辺部でもっ
て上記封口板の内側に配設された電気絶縁性でかつ弾力
性のある環状バッキングを押圧することにより上記無機
固体絶縁材料によるシール部を発電要素から隔離するよ
うにした封口構造を有する密閉式アルカリ電池において
、上記集電板で囲まれた部分であって、かつ上記シール
部およびその周辺部材へ跨がる部分に、耐アルカリ性で
かつ浸透性のある粘性物を面状に被着した密閉式アルカ
リ電池。
（２）前記皿状金属封目板の内側面にアルカリと反応す
る物質を被着させてなる実用新案登録請求の範囲第１項
記載の密閉式アルカリ電池。
（３）前記封目板の内側面に配設される環状バッキング
の内方に延長部を設け、この延長部を前記シール部と前
記集電板との間に介在させてなる実用新案登録請求の範
囲第１項または第２項記載の密閉式アルカリ電池。