JPS587437Y2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子楽器の鍵盤装置に関し、鍵スィッチを取付
けたプリント基板を容易に取付けるようにするとともに
、複数の鍵スィッチのオンタイミングのばらつきも確実
に防止するようにしたものである。

従来より電子楽器においては、第１図に示すように鍵盤
シャーシ１の上面に複数の白鍵２および黒鍵３を回動自
在に並設し、一方鍵盤シャーシ１の下面にアクチュエー
タ４を配置し、上記白鍵２または黒鍵３の押鍵操作に応
じて突起２ａまたは３ａでアクチュエータ４を下方に押
圧し、可動接片５を固定接点６に接触させるようにした
鍵盤装置が使用されている。

ところが、この場合には可動接片５も固定接点６も共に
金属で構成されているため、閉じる瞬間に衝撃音が発生
し、また突起２ａ、３ａもアクチュエータ４も共にＡＢ
Ｓ樹脂等の硬質材料で構成されているため、この両者間
でも衝突音が発生し、極端な場合には著しく演奏効果を
損うという欠点がある。

このような問題を除去するために、近年第２図に示すよ
うな鍵盤装置が使用されるようになってきた。

すなわち、スペーサ７．８を介してビス９゜１０でプリ
ント基板１１を鍵盤シャーシ１の下面に取付け、このプ
リント基板１の上面に、内部に導電性ゴム（図示せず）
を有する椀状のゴムスイッチ１２を取付け、押鍵操作に
応じて突起２ａｔ３ａでゴムスイッチ１２を押し潰すこ
とにより、プリント基板１１上に対向して設けられた銅
箔（図示せず）間を上記導電性ゴムで短絡するようにし
たものである。

なお、１３はプリント基板１１の後方に取付けられた回
路部品である。

この場合には鍵スィッチがゴムスイッチ１２とプリント
基板１１上の銅箔によって構成されるから、第１図のよ
うな衝撃音が発生することはなく、しかも複数の鍵２，
３に対応する複数のゴムスイッチ１２や銅箔は一体にあ
るいは同時に形成することができるため、製造も容易に
行なえるという利点がある。

ところが、このような構造においては、シャーシ１やプ
リント基板１１の、横方向の幅、すなわち第２図の紙面
と直交する方向の幅が広いため、シャーシ１やプリント
基板１１に反りが生じ易く、このため各鍵スィッチのオ
ンタイミングにばらつきが発生し易いという問題がある
。

これを防止するためには、ビス９，１００本数を多くし
、隣接するビス９，９間又は１０，１０間の間隔をつめ
てビス止めしなければならず、このためプリント基板１
１の取付作業が著しく煩雑になると同時に、部品点数や
コストの増加にもなるという欠点がある０ 本考案はこのような従来の欠点を除去するようにした電
子楽器の鍵盤装置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例について第３図とともに説明す
る。

第３図において第１図、第２図と同一符号の部分は同一
機能を有している。

モして１４は鍵盤シャーシ１の前面板１ａにビス１５で
取付けられた保持具であり、この保持具１４には２つの
保持片１４ａ、１４ｂが突設され、これらの保持片１４
ａ、１４ｂによって鍵盤シャーシ１の主平面１ｃに対し
て略平行な断面コ字状の溝１４ｃが形成されている。

そしてプリント基板１１の前端部は上記保持片１４の溝
１４ｃ内に挿入され、その後方（この実施例では略中央
油）はビス１６によって鍵盤シャーシ１の後端部１ｂに
固着されている。

なお、上記保持具１４はアルミや樹脂等の比較的強度の
大きい材料な押出成型したものであり、この保持具１４
は並設された複数の鍵２，３に対応する程度の長さく第
３図の紙面に直交する方向の長さ）を有している。

このようにすれば、プリント基板１１の前端部を保持具
１４の溝１４ｃに挿入し、後方を鍵盤シャーシ１の後端
部１ｂにビス止めするだけで良いから、プリント基板１
１の取付けはきわめて簡単に行なえ、また部品点数も少
なくて済む。

しかもプリント基板１１の前端部は、その全域に亘って
保持片１４の溝１４ｃに保持されているから、たとえプ
リント基板１１の横方向の幅が大きくても、プリント基
板１１０反りは溝１４ｃの作用によって確実に矯正され
る。

したがって、ゴムスイッチ１２と銅箔で構成した複数の
鍵スィッチを用いた場合にも、鍵盤シャーシ１やプリン
ト基板１１の反りによって生じる各鍵スィッチのオンタ
イミングのばらつきを確実に防止することができる。

な釦、プリント基板１１の後方は鍵盤シャーシ１以外の
取付基板にビス止めするようにしてもよい。

第４図は他の実施例の要部を示すものであり、溝１４ｃ
を鍵盤シャーシ１の主平面１ｃに対してわずかに傾斜さ
せ、プリント基板１１の前端部を挿入した状態ではこの
プリント基板１１が水平方向から角度αだけ下方に傾斜
するようにしたものである。

このようにすれば、プリント基板１１を水平方向にまで
回動してその後方をビス１６で固着することになるから
、プリント基板１１はより強固に取付けられる。

第５図はもう一つの実施例を示すものであり、一方の保
持片１４ａを他方の保持片１４ｂより長く形成したもの
である。

このようにすれば保持片１４ａをガイドとしてプリント
基板１１を挿入することができるから、その挿入作業を
容易にすることができる。

また、第３図〜第５図にも示しているように、保持片１
４ａ、１４ｂの前端部を溝１４ｃの底面に向けて傾斜す
るテーパ面１４ ｄ 、 １４．ｅで構成すれば、プリ
ント基板１１の挿入作業はより簡単に行なえる。

なお、保持片１４は鍵盤シャーシ１の一部に直接構成し
てもよいし、鍵盤シャーシ１以外の基板に設けたり、あ
るいはそこに取付けるようにしてもよく、要は鍵盤シャ
ーシ１の前端部下方に配置されていれば足りる。

以上のように、本考案は複数の鍵スィッチを並設したプ
リント基板の前端部を鍵盤シャーシの前端部下方に設け
た溝に挿入し、その後方を取付基板にビス止めするよう
にしたものであるから、プリント基板の取付作業がきわ
めて容易に行なえ、しかもプリント基板の反りは溝によ
って完全に矯正されるから、複数の鍵スィッチのオンタ
イミングにばらつきが生じるのを防止することができる
実用価値の犬なるものである。

特に本考案は溝の奥行方向を鍵盤シャーシの主平面に対
してわずかに傾斜させておき、プリント基板の一端をこ
の溝に挿入した後、プリント基板全体を上記傾斜を矯正
するように反らせてその他端をビス止めするようにして
いるから、プリント基板の取付状態が−層強固なものと
なり、またプリント基板自身の溝の長手方向の反りも十
分に矯正できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の電子楽器の鍵盤装置を示す側面
図、第３図は本考案の一実施例を示す側面図、第４図、
第５図は他の実施例の要部を示す側面図である。 １・・・・・・鍵盤シャーシ、 ・・・・・・アクチュエータ、１ １２・・・・・・ゴムスイッチ、 ・・・・・・保持具、１４ａ 、 １ ・・・・・・溝。 、３・・・・・・鍵、２ａ、３ａ ・・・・・・プリント基板、 ３・・・・・・回路部品、１４ ｂ・・・・・・保持片、１４ｃ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）鍵盤シャーシの上面に複数の鍵を並設するととも
   に、上記鍵盤シャーシの前端下方にその長手方向が上記
   鍵盤シャーシの主平面に対して略平行な断面コ字状の溝
   を設け、上記複数の鍵によってそれぞれ開閉制御される
   複数の鍵スィッチを並設したプリント基板の前端部を上
   記溝に挿入し、このプリント基板の後方を上記鍵盤シャ
   ーシの後端部または他の取付基板にビス止めするように
   構成するとともに、上記溝の奥行方向を上記鍵盤シャー
   シの主平面に対してわずかに傾斜させたことを特徴とす
   る電子楽器の鍵盤装置。
2. （２）コ字状の溝を形成する上下の保持片のうち一方の
   保持片を他方の保持片より長くしたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第（１）項記載の電子楽器の鍵盤
   装置。
3. （３）コ字状の溝を形成する上下の保持片の前端部を溝
   の底面に向けて傾斜するテーパ面で構成したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第（１）項または第（２
   ）項記載の電子楽器の鍵盤装置。