JPS587327Y2 - ガラス電極 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ｐＨ測定に用いられるガラス電極に関するも
のである。

ｐＨ測定の検出端は、ガラス電極および比較電極から構
成されている。

被検液温度変化の影響を受けにくい比較電極を得ること
は容易であるが、被検液温度変化の影響を受けないガラ
ス電極を得ることはむずかしい。

すなわち、ガラス電極を構成する内部極、内部液および
ガラス膜のうち、内部液は被検液温度変化の影響を受け
にくいように構成できるが、ガラス膜については、その
起電力が被検液温度変化に伴って変化するので、これを
温度変化の影響を受けないように構成することは不可能
である。

そこで、一般にガラス電極の近くに測温体を配置し、測
温体の出力信号でもってガラス膜起電力の温度補償を行
っている。

この場合、ガラス膜の被検液温度変化に対する追随性は
良好であるから、測温体は、その出力信号が被検液温度
に正確に追随するように設置されねばならない。

ｐＨ測定に用いられる測温体は、従来から、耐食性保護
カバーに収納された状態で被検液中に配置されている。

この測温体と保護カバーとの間隙には通常熱伝導率の高
い充填材がつめられており、この充填材を介して熱伝達
が行われる。

しかし、この伝達速度には限度がある。

したかつて、上記のような配置の測温体から、現実の被
検液温度に対応した信号を得ることは困難である。

本考案の目的は、被検液のｐＨ値に対応した信号だけで
なく被検液の現実の温度に対応した信号をも得られるガ
ラス電極、すなわち、正確な温度補償を施すことができ
るガラス電極を提供することにある。

以下図面によって本考案を詳細に説明する。

第１図は本考案装置の一実施例を示す断面図である。

図において、１はその下端にガラス膜１１を有する支持
管、２は支持管１の内側に配置された内管である。

この内管２の下端は支持管１のガラス膜１１付近に溶着
されており、支持管１と内管２とが隔室３を形成してい
る。

４はガラス関１内側に満たされた内部液、５は内部液４
内に浸された内部極、６は内管２と内部極５との間を封
する充填物、７は内管２と対向する支持管１の壁面に溶
着された測温体、８は支持管１上部に取付けられたキャ
ップである。

このように構成された本考案装置を被検液に浸すと、内
部極５から被検液のｐＨ値に対応すた信号が得られる。

また、ガラス膜１１を有する支持体１そのものに測温体
７が溶着されているため、測温体７から、被検液の現実
の温度に正確に対応した信号が得られる。

このため、測温体７の出力信号を用いれば、高精度の温
度補償を行うことができる。

なお、上記実施例においては、測温体７を支持管１の壁
の表面に溶着したものを示したが、第２図に示すように
、支持管１の壁内に配置されるように溶着しても同様の
効果を得ることができる。

以上説明したように、本考案によれば、正確な温度補償
が可能なガラス電極を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す断面図、第２図は
本考案装置の他の実施例の要部を示す断面図である。 １・・・支持管、１１・・・ガラス膜、２・・・内管、
４・・・内部液、５・・・内部極、７・・・測温体、８
・・・キャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端にガラス膜を有する支持管の内側に内管を配置しこ
   の内管の一端を前記支持管のガラス膜付近に溶着すると
   ともに、前記内管と対向する前記支持管の壁に測温体を
   溶着してなるガラス電極。