JPS586820Y2 - 粉粒体繰出装置に於ける繰出量調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は育苗用播種機や施肥機等の粉粒体繰出装置に於
ける繰出量調整装置に関する。

例えば、播種機等の粉粒体繰出装置に於いては、繰出ロ
ールの回転によって、該ロールの外周に設けた凹状粉粒
体受部から催芽籾等の粉粒体を育苗箱等に一定量宛繰出
すように構成しているが、従来の繰出装置に於いては、
繰出量の調整が不可能乃至は極めて困難であって、品種
や催芽状態あるいは水分含有率等の各種条件に応じて繰
出量を調整しようとすれば、繰出ロールを粉粒体受部内
容積の異なる別のロールに交換しなければならなかった
のが実情である。

本考案は上記実情に鑑み、鋭意研究の結果、繰出ロール
を交換することなく、粉粒体繰出量を容易に調整できる
ようにした粉粒体繰出装置に於ける繰出量調整装置を提
供することを目的とし、この目的を達成するために、支
持部材に軸支した回転ブラシを繰出ロールに摺接させる
ことにより繰出量を調整するようにした粉粒体繰出装置
に於ける繰出量調整装置に於いて、上記回転ブラシを支
持する軸受体を回転ブラシの軸心と偏心させた正多角形
に形成し、これに対応して、上記支持部材に軸受体受部
を構成し、該受部に前記軸受体を、軸受体の各辺部を他
の辺部位置に位置変更自在とすべく脱着自在に内嵌状に
備えたことを特徴とするものである。

以下、本考案をすじ普き式育苗用播種機に適用した第１
実施例を第１図乃至第４図の図面に基き説明するが、本
考案はその他の播種機や施肥機等にも適用可能である。

第１図は育苗用播種機の内部構造を示し、１は左右一対
の支持枠で、これには育苗箱２をａ矢示方向に搬送する
搬送コンベヤ３を備えると共に、両支持枠１には左右一
対の固定枠４を立設し、これら固定枠４に、一対の側枠
５を介して、催芽籾にて例示する粉粒体６を貯留するホ
ッパー７を備えがある。

８は回転によりホッパー７内の粉粒体６を下方側へ定量
宛繰出供給する供給ロールで、該ロール８の外周面には
、ロール軸心方向に溝状に形成した凹状繰出供給部９を
周方向等間隔に多数設け、該ロール８をホンパー７の下
端開口を下方から閉塞するように位置させて、ロール８
の軸１０を左右の側枠５に回転自在に支架すると共に、
該軸１０に固設したスプロケット１１を、第１チエン１
２を介して、搬送コンベヤ３側のスプロケット（図示省
略）に連動連結している。

１３はホッパー７の供給ロール８回転方向側に備えた繰
出供給量調整ブラシで、一方の側枠５外側に備えた調整
装み１４の回動操作により、調整軸１５を介して、供給
ロール８外周面に対して進退調整自在としてあり、供給
ロール８の繰出供給量を任意に設定可能としている。

１６は第１落下案内板で、調整軸１５に係脱自在に係合
して垂設してあり、供給ロール８により繰出供給された
粉粒体６を下方側へ案内する。

１７は左右一対の可動枠で、それらの前端部側を両固定
枠４間に駆動軸１８を介して可動枠１７が上下揺動自在
となるように枢支すると共に、後部側には、供給ロール
８の下方側に位置する繰出ロール１９を、両端の取付鍔
２０及び繰出ロール軸２１を介して、回転自在に支架し
ており、駆動軸１８に固設した２枚のスプロケッ）２２
．２３の内一方を第１チエン１２の部側に噛合わせ、他
方を繰出ロール軸１８に固設したスプロケット２４に第
２チエン２５を介して連動連結して、繰出ロール１９を
回転駆動可能としている。

前記繰出ロール１９の外周面には、ロール軸心方向に溝
状とし、且つ、抜き勾配を持たせた凹状粉粒体受部２６
を周方向等間隔に多数設けてあり、ロール１９の回転に
より粉粒体受部２６から粉粒体６を育苗箱２の床±２７
上に繰出して播種する。

なお、繰出ロール１９は育酢箱２がその下方にある場合
には、繰出ロール軸２１に固設したゲージ輪２８が育苗
箱２の側線上を摺動することにより、床上２１との間に
若干の間隙（約２ｍ）ができるように規制され、普た、
育苗箱２がその下方にない場合には、図外のストッパー
機構にょｂ繰出ロール１９が搬送コンベヤ３に接触しな
いようにしである。

２９は繰出ロール１９の粉粒体受部２６に入った粉粒体
６を下端の播種位置オで案内する粉粒体案内板で、同案
内板２９は繰出ロール１９の前面に沿って彎曲状に構成
され、且つバネ３０により繰出ロール１９側に付勢しで
ある。

３１は供給ロール８によって繰出供給された粉粒体６を
繰出ロール１９の外周面と共同して必要量貯留する板状
受部材で、両可動枠１１間に渡設して、繰出ロール１９
の後方に連設しであるが、受部材３１の後方側は屈曲し
て立上がらせである。

３２は受部材３１の後方側に連設した固定橋で、可動枠
１１間に渡設してその両側の側部係止部３３を各可動枠
１７の上端に係脱自在に係止し、曾た、前部開口縁部を
下方側に屈曲して前部係止部３４として、この保止部３
４を受部材３１の後端部に係脱自在に係止しており、受
部材３１と繰出ロール１９外周面間に粉粒体６が必要量
以上貯留された場合に、余剰の粉粒体６が固定橋３２側
に溢れ出るようにしである。

なお、固定橋３４には図外に排出口を設けてあり、固定
橋３２内の粉粒体６を人力又はスクリュウフィーダー等
で排出口から排出するようにしである。

３５は固定橋３２に備えた第２落下案内板で、第１落下
案内板１６で案内されてきた粉粒体６を受部材３１と繰
出ロール１９外周面間に案内する。

３６は繰出ロール１９外周面に摺接して、粉粒体受部２
６に収納された粉粒体６表層を受部材３１側へ除去可能
な回転ブラシで、繰出ロール１９の上方側に該ロール１
９に沿って横設してあり、ブラシ３６と同一軸心とした
回転ブラシ軸３７の両端部を両可動枠１７に一対の軸受
体３８を介して回転自在に支持すると共に、ブラシ軸３
７に固設したスプロケット３９を第２チエン２５に係脱
自在に噛合わせて回転ブラシ３６を矢印方向に回転駆動
可能としている。

４７は回転ブラシ３６の上方に備えた飛散防止板である
。

前記両軸受体３８は回転ブラシ軸３７及び回転ブラシ３
６の軸心から偏心させた正方形に対応して形成して、該
軸心から軸受体３８各辺部普での距離を各々異なるもの
としてあり、回転ブラシ軸３７の各端部を回転自在に挿
通すると共に、両軸受体３８を回転ブラシ軸３７の各端
部に、平座金４０及びβピン４１．又は、カラー４２、
前記スプロケット３９及びナツト４３等により軸心方向
に関して脱着自在に固定しである。

一方、両可動枠１７の軸受体３８と対応する個所の中央
部には捷ず正方形孔を形成し、次に、該正方形孔の各辺
部を外側に切起して保持部４４とすると共に、切起した
残りの部分を接当部４５として軸受体受部４６を軸受体
３８に対応して構成している。

そして、各軸受体３８を保持部４４内に外側から嵌脱自
在に嵌合し接当部４５に接当させた状態で各軸受体受部
４６に軸受体３８の各辺部を他の辺部位置に変更自在と
すべく脱着自在に備えて固定し、回転ブラシ３６を所定
位置に備えている。

ここに於いて、回転ブラシ３６の軸心から軸受体３８各
辺部に対する距離を各々異ならせているから、両軸受体
３８のどの辺部を下側にして両軸受体受部４６にセット
するかにより、回転ブラシ軸３１と繰出ロール軸２１両
者間の距離を遠近４段階に調整できるのであるが、第３
図に示すように、回転ブラシ３６の軸心から最長距離に
ある辺部を下側にして両軸受体３８を両軸受体受部４６
に備えた場合に、回転ブラシ３６がオーバーラツプ量零
で繰出ロール１９の外周面に摺接するようにしである。

この場合に於いて、繰出ロール１９はその回転により粉
粒体受部２６で、ロール１９と受部材３１間に貯留され
た粉粒体６を掬い取っていくのであるが、粉粒体受部２
６に入り得すに繰出ロール１９外周面と同行する粉粒体
６は回転ブラシ３６により受部材３１側へ除去され、こ
れにより、繰出ロール１９は粉粒体受部２６内容積の分
量宛粉粒体６を繰出して育酢箱２の床土２７上に播種す
るのである。

そして、繰出ロール１９の繰出量を上記の場合より少な
くする際には、回転ブラシ軸３７の一端部側に備えたβ
ピン４１及び平座金４０を取外し、該端部側にある軸受
体３８を軸端側に移動させながら軸受体受部４６から離
脱させ、次に回転ブラシ３６を、そのスプロケット３９
を第２チエン２５との噛合から離脱させながら、一方の
可動枠１７側に寄せて、スプロケット側の軸受体３８を
軸受体受部４６から離脱させる。

次に、回転ブラシ３６を原位置に戻しながら、スプロケ
ット側の軸受体３８を、例えば第４図に示すように、前
記の辺部と異なる辺部を下側にして、軸受体受部４６に
セットし直すと共に、スプロケット３９に第２チエン２
５を噛合わせ、また、もう−側の軸受体３８もスプロケ
ット側の軸受体３８と対応させて軸受体受部４６にセッ
トし直して、βピン４１及び平座金４０を回転ブラシ軸
３７に再度備えれば、回転ブラシ３６と繰出ロール１９
をオーバーラツプ状態に構成できるのである。

この場合に於いて、回転ブラシ３６は、粉粒体受部２６
に入り得すに繰出ロール１９と同行する粉粒体６を受部
材３１側へ除去するのみならず、粉粒体受部２６内の粉
粒体６表層もオーバーラツプ量に対応する分量だけ受部
材３１側に除去するのであり、これにより、繰出ロール
１９は前記の場合より減少された繰出量で粉粒体６を一
定量宛繰出して育苗箱２０床±２Ｔ上に播種するのであ
る。

このようにして、第１実施例に於いては、軸受体３８の
軸受体受部４６に対する４種類のセットの仕方により、
回転ブラシ３６と繰出ロール１９のオーバーラツプ量を
零を含む大小４段階に調整でき、これによって、繰出ロ
ール１９の繰出量を４種類の繰出量に調整変更できるの
である。

第５図は本考案の第２実施例を示すもので、軸受体３８
を回転ブラシ３６の軸心と偏心させた正六角形に形成し
て、該軸心から軸受体３８の各辺部１での距離を各々異
ならせである。

一方、軸受体受部４６も軸受体３８と対応する形状とし
てあり、該受部４６を、第１実施例の場合と略同様にし
て形成した周方向等間隔の３個宛の保持部４４と接当部
４５により構成している。

なお、第２実施例に於いても、第１実施例の場合と同様
に、回転ブラシ３６の軸心から最長距離にある辺部を下
側にして両軸受体３８を両軸受体受部４６に備えた場合
に、回転ブラシ３６がオーバーランプ量零で繰出ロール
１９外局面上と摺接するようにしである。

第２実施例によれば、軸受体３８の軸受体受部４６に対
する６種類のセットの仕方により、回転ブラシ軸３Ｔと
繰出ロール軸２１の両者間の距離を遠近６段階に調整で
きて、回転ブラシ３６と繰出ロール１９のオーバーラツ
プ量を零を含む大小６段階に調整でき、これによって、
繰出ロール１９の繰出量を６種類の繰出量に調整変更で
きるのである。

なお、実施例に於いては、軸受体を回転ブラシの軸心か
ら偏心させた正方形又は正六角形に形成したが、軸受体
を回転ブラシの軸心から偏心させた正ｎ角形（ｎ）３）
に形成して、回転ブラシの軸心から軸受体の各辺部筐で
の距離が各々異なるようにしてもよく、このようにする
ことにより、回転ブラシと繰出ロールのオーバーラツプ
量ヲ大小ｎ段階に調整可能とすることもでき、これによ
って、繰出ロールの繰出量をｎ種類の繰出量に調整変更
できるのである。

このようにｎを大きくする程、繰出ロールの繰出量を細
かく調整できるので好ましい。

本考案は、回転ブラシの軸受体を回転ブラシの軸心から
偏心させた正多角形に形成し、これに対応して構成した
支持部材の軸受体受部に軸受体を、軸受体の各辺部を他
の辺部位置に位置変更自在とすべく脱着自在に内嵌状に
備えているから、軸受体の軸受体受部に対するセットの
仕方により、回転ブラシと繰出ロールの両者の軸心間距
離を調整できて、両者のオーバーラツプ量を調整できる
のであり、この調整によって、繰出ロールの粉粒体繰出
量を調整できるのである。

本考案は上記のように、繰出ロールを交換することなく
、各種条件に応じて容易な操作で繰出ロールの繰出量を
調整でき、実益大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を具備する育苗用播種機の
縦断正面図、第２図は第１図の■矢視図、第３図は第２
図の要部縦断面図、第４図は第３図とは異なる回転ブラ
シと繰出ロールの状態を示す要部縦断面図、第５図は本
考案の第２実施例を示す要部、縦断面図である。 ６・・・・・・粉粒体、１Ｔ・・・・・・可動枠（支持
部材）、１９・・・・・・繰出ロール、２６・・・・・
・凹状粉粒体受部、３１・・・・・・受部材、３６・・
・・・・回転ブラシ、３８・・・・・・軸受体、４６・
・・・・・軸受体受部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材に軸支した回転ブラシを繰出ロールに摺接させ
   ることにより繰出量を調整するようにした粉粒体繰出装
   置に於ける繰出量調整装置に於いて、上記回転ブラシを
   支持する軸受体を回転ブラシの軸心と偏心させた正多角
   形に形成し、これに対応して、上記支持部材に軸受体受
   部を構成し、該受部に前記軸受体を、軸受体の各辺部を
   他の辺部位置に位置変更自在とすべく脱着自在に内嵌状
   に備えたことを特徴とする粉粒体繰出装置に於ける繰出
   量調整装置。