JPS586607Y2 - 遠心力鋳造用金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金型回転時に振動を発生する遠心力鋳造用金型
に関する。

一般に遠心力鋳造法では鋳型回転時に発生する振動を可
及的防止するのが従来通念となっている。

が、最近本考案者は遠心力鋳造時の振動と遠心力鋳造品
のマクロ組織との間に相関関係を見出し、この相関関係
に基づき耐熱又は耐食鋳鋼管の遠心力鋳造時にその溶湯
に故意に振動を付与して鋳鋼管のマクロ組織を改善する
という新しい遠心力鋳造法を開発した。

すなわち、この方法は耐熱又は耐食鋳鋼管の遠心力鋳造
時にその溶湯に対して適宜振動を加えることによって、
管肉厚内に釦ける柱状晶と粒状晶の比率を適当に制御す
ることができ、これによってこの種鋳鋼管のクリープ損
傷に耐する特性を改善できるようにしたものである（特
願昭５４−４２３４２号参照）。

本考案はこのような遠心力鋳造法に釦いて、溶湯に所要
の振動を簡単に与えることの出来る遠心力鋳造用金型を
提供しようとするもので、本考案に係る遠心力鋳造用金
型は、そのローラ受は部外周面を金型内周面及び外周面
から偏心させたことを特徴とするものである。

以下本考案を図示の実施例に基き説明すると、図に釦い
て１は筒状一定肉厚の遠心力鋳造用金型（金枠）であり
、２は金型の外周面３（半径ｄ。

）の所定位置で凹設された金型全周に亘る溝状のローラ
受は部（半径ｄＲ）、４は金型の内周面（半径ｄｉ）で
ある。

５は金型１を上記ローラ受は部２で支承し且つ回転駆動
するための複数対の回転ローラで、通常第２図に示すよ
うにドライブローラ５ａとアイドルローラ５ｂの一対か
ら成る。

而して、本考案に係る金型１では、第２図示の如く、そ
のローラ受は部２の外周面の中心０を金型１の内周面４
及び外周面３の中心Ｏからａ（通常０．５〜４ｍｍ程度
）丈偏心させて形成されている。

このようにローラ受は部２の外周面中心０′を金型１の
内周面４及び外周面３の中心０から偏心させて形成した
ものでは、回転ローラ５により駆動回転されるとローラ
受は部２の外周面中心０′は定位置に保持されるのに対
し、その内周面４及び外周面の中心０は金型１の回転に
伴い振幅２ａで上下振動する。

即ち、金型１の内周面４に鋳込まれる溶湯には、径方向
に振幅２ａの振動が与えられることになる。

従って、ローラ受は部２の内周面４に対する偏心量ａを
予め適当な値に設計しておけば、遠心力鋳造される溶湯
には所望の振幅で振動を与えることができるのである。

以上説明したように本考案によれば、ローラ受は部外周
面を金型内周面及び外周面から偏心させたことにより、
鋳造時に溶湯に対して故意に振動を与えるという新しい
遠心力鋳造法に用いる遠心力鋳造用金型として、簡単に
所要の振動を与えることのできるものが提供される。

従って、本考案の金型を用いて耐熱又は耐食鋳鋼管を遠
心鋳造するようにすれば、振動付与によるマクロ組織の
改善にもとづいて、そのクリープ損傷性が改善された管
体を鋳造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る遠心力鋳造用金型の一部断面正面
図、第２図は同側面図である。 １・・・遠心力鋳造用金型、２・・・ローラ受は部、３
・・・外周面、４・・・内周面、５・・・回転ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローラ受は部外周面を、金型内周面及び外周面から偏心
   させたことを特徴とする遠心力鋳造用金型。