JPS5855977Y2 - 水洗式塗装ブ−スにおける塗料スラツジ処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は水洗式塗装ブースにおける塗料スラッジ処理
装置に関するものである。

水洗式塗装ブースにおいて塗料を噴霧塗布する場合、被
塗物に付着しなかつ−た過剰の塗料を水洗水で洗い流し
たときタンク内の水洗水の表面に浮遊するスラッジを処
理するための装置として英国特許第１３０９７３７号が
あり、タンク内の水洗水の表面に浮遊するスラッジがタ
ンクの水面下に設けられたベンチュリーポンプに流入し
たときに、ベンチュリーポンプの作用によってスラッジ
を水洗水中に分散させるものが開示されている。

しかしながら前記のベンチュリーポンプを水洗式塗装ブ
ースのタンク内に組込むに当っては、スラッジがベンチ
ュリーポンプの設置位置まで誘導されなければ水洗水の
表面のスラッジは増加するのみで、分散の効果もなく、
むしろ核となって次第に大きく成長することになり洗浄
の支障となるので、そのタンクの内部は、ベンチュリー
ポンプの能力を充分発揮するように構成される必要があ
る。

従来前述のベンチュリーポンプを組み込んだ水洗式塗装
ブースには第１図に示すスクラバ一方式のもの、第２図
に示すバックシャワ一方式のもの等があるが、その何れ
の塗装ブースのタンクＡにも水洗水の流れを制御するた
めの仕切板が設けられておらず、そのためタンク内のベ
ンチュリーポンプの受水口周辺の水洗水の流れのみが良
くて全体的に水洗水の表面に浮遊するスラッジが積極的
にベンチュリーポンプの設置位置に誘導されるものでは
ないのでスラッジの処理が不均一になったり、また、水
洗水の表面部がウォーターカーテン裏側上方に設けられ
た排気ファンの風圧によってベンチュリーポンプの受水
口から逆に離れて行こうとする流れが起きるのでベンチ
ュリーポンプへのスラッジの吸引を妨害し好ましいもの
ではなかった。

本考案は前述の問題を解消するためになされたもので、
本考案による塗料スラッジ処理装置は、水洗式塗装ブー
スのタンクをそれぞれ適当な位置に開口を有する少なく
とも一つの仕切板とその仕切板の開口の底部流路を所望
の大きさに画成する上方邪魔板とによって複数の区画室
に仕切り、タンクの水面下に設けられたベンチュリーポ
ンプの受水口を塗装噴霧側の第１の区画室内に位置させ
、吐出口を前記第１の区画室に隣接する第２の区画室内
に突出させ、前記第１の区画室以外の水洗水が旋回流れ
の状態で流れて前記第１の区画室に誘導されるように配
置し、それによって塗装作業中タンク内に流下して水洗
水の表面に浮遊するスラッジが積極的にベンチュリーポ
ンプの設置位置に誘導されるようにしたものである。

本考案の実施例を第３図乃至第７図を参照して説明する
。

第３図は第１図のスクラバ一方式の水洗式塗装ブースに
適合するタンクを示したもので、１はタンクであって、
タンクはそれぞれ適当な位置に開口を有する仕切板２
ａ 、２ ｂと、その仕切板の開口の底部流路を所望の
大きさに画成する上方邪魔板３ ａ 、３ ｂ 、３
Ｃとによって第１乃至第３の区画室１Ａ、ＩＢ、ＩＣに
仕切られている。

また４は下方邪魔板であって、タンク１内の所望の部分
、例えば第３の区画室１Ｃの下流側端部における水洗水
表面部の流速を増大させるために設けることができる。

５はベンチュリーポンプであって、噴霧塗装側の第１の
区画室１Ａ内の側端部にあってタンク１の水面下に設置
されており、ベンチュリーポンプ５の吐出口５ｂは第２
の区画室１Ｂ内に突出されている。

６は水洗水循環ポンプ、７は吸水口、８は送水管であっ
て、タンク１内の水洗水が水洗水循環ポンプ６によって
吸水ロアから吸水され、送水管８を介してベンチュリー
ポンプ５の尾端部に圧送されるように接続されている。

ベンチュリーポンプの受水口５ａはタンク１内の水洗水
の表面下方に配置されている。

本装置の作動については、水洗水循環ポンプ６を駆動し
て、吸水ロアから吸込んだタンク１の第１の区画室１Ａ
内の水洗水を送水管８を介してベンチュリーポンプ５の
尾端部に圧送し、そのベンチュリーポンプの吐出口５ｂ
から第２の区画室１Ｂ内に噴出せしめると、ベンチュリ
ーポンプの作用によって第１の区画室内の水洗水の表面
に浮遊していた塗料スラッジはベンチュリーポンプの受
水口５ａから吸込まれ、水洗水中に分散される。

第２の区画室１Ｂ内に吐出された水洗水は仕切板２ｂが
あるため第２の区画室１Ｂ内に流線Ｙで示す水流を発生
させると共に、吐出水の一部は上方邪魔板３ａによって
画成された底部流路を経て第３の区画室１Ｃ内に流線Ｚ
で示す水流をも発生させる。

水洗式塗装ブースにおいて塗装作業中、第２及び第３の
区画室ＩＢ、ＩＣの水洗水の表面に新たな塗料スラッジ
が流下するが、沈降性のスラッジはタンクの底に沈降し
、浮遊性のスラッジは水洗水の表面に浮遊する。

仕切板２ ａ 、２ ｂと上方邪魔板３ａ、３ｂ、３Ｃ
との間の底部流路を適当な大きさに画成し、必要に応じ
て下方邪魔板４を適当な高さ及び設置角度に設けると、
第２の区画室１Ｂ及び第３の区画室１Ｃ内の前記の浮遊
性のスラッジの適当な量が水流に乗って第１の区画室１
Ａに移動する。

第１の区画室の下流側端部にはベンチュリーポンプの受
水口５ａ及び水洗水循環ポンプ６の吸水ロアがあるので
水洗水はその方向に移動する。

従ってスラッジはベンチュリーポンプ５へと積極的に誘
導されることになる。

第４図は第２図のバックシャワ一方式の水洗式塗装ブー
スに適合するタンクを示したもので、第３図と共通のも
のは同一参照番号を付している。

この場合はタンクの中央区画室が不必要のため設けてい
ないが、作動については第３図のものと概ね同様で゛あ
る。

上述の実施例においては、第３図にタンク１を第１乃至
第３の区画室Ｉ Ａ、Ｉ Ｂ、Ｉ Ｃに仕切ったものを
例示し、第４図に二つの区画室ＩＡ、ＩＢに仕切ったも
のを例示したが、水洗式塗装ベースの型式、容量などに
応じて適当な複数の区画室に仕切るようにすることがで
きる。

本考案は上述のように水洗式塗装ブースのタンクをそれ
ぞれ適当な位置に開口を有する仕切板とその仕切板の開
口の底部流路を所望の大きさに画成する上方邪魔板とに
よって複数の区画室に仕切りベンチュリーポンプの受水
口が塗装噴霧側の第１の区画室内に位置され、吐出口が
前記第１の区画室に隣接する第２の区画室内に突出され
ているので゛ベンチュリーポンプの吐出口から吐出され
たスラッジは直ちに受水口に吸引されることなく、沈降
性のスラッジは時間的余裕をもって沈降し、沈降しなか
ったスラッジのみが再びベンチュリーポンプで処理され
ることになり、ベンチュリーポンプの処理効果を充分ひ
き出させることができる。

また、第１の区画室以外の水洗水が旋回流れの状態で流
れて第１の区画室に誘導されるようになっているので、
ウォーターカーテン裏側上方に設けられた排気ファンの
風圧によってウォーターカ−テン裏側方向へ引寄せられ
ようとする第２の区画室内の浮遊スラッジはベンチュリ
ーポンプの吐出力による水流に乗り、また第１の区画室
内の浮遊スラッジは仕切板及び上方邪魔板によりウォー
ターカーテン裏側方向へ引寄せられることはなく、タン
クの水洗水の表面に浮遊する塗料スラッジをベンチュリ
ーポンプによって水洗水中に充分に分散させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスクラバ一方式の水洗式塗装ブースの線図的縦
断面側面図、第２図はバックシャワ一方式の水洗式塗装
ブースの線図的縦断面側面図、第３図は本考案によるス
クラバ一方式の水洗式塗装ブースのタンクの平面図、第
４図は本考案によるバックシャワ一方式の水洗式塗装ブ
ースのタンクの平面図、第５図は第３図および゛第４図
の仕切板のＶ−■線による断面側面図、第６図は第３図
および第４図の上方邪魔板のＶＩ−ＶＩ線による断面側
面図、第７図は第３図および第４図の下方邪魔板のＶｌ
ｌ−Ｖｌｌ線による断面側面図である。 １・・・・・・タンク、１Ａ・・・・・・第１の区画室
、１Ｂ・・・・・・第２の区画室、１Ｃ・・・・・・第
３の区画室、２ａ、２ｂ・・・・・・仕切板、３ａ、３
ｂ、３Ｃ・・・・・・上方邪魔板、４・・・・・・下方
邪魔板、５・・・・・・ベンチュリーポンプ、５ａ・・
・・・・受水口、５ｂ・・・・・・吐出口、６・・・・
・・水洗水循環ポンプ、７・・・・・・吸水口、８・・
・・・・送水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗式塗装ブースのタンク内の水・沈水表面に浮遊する
   塗装スラッジを前記タンクの水面下に設けられたベンチ
   ュリーポンプに流入させることによって水中に分散させ
   るようにした処理装置において、前記タンクはそれぞれ
   適当な位置に開口を有する少なくとも一つの仕切板と前
   記仕切板の開口の底部流路を所望の大きさに画成する上
   方邪魔板とによって複数の区画室に仕切られ、前記ベン
   チュリーポンプの受水口は塗装噴霧側の第１の区画室内
   に位置され、吐出口は前記第１の区画室に隣接する第２
   の区画室内に突出され、前記複数の区画室は前記第１の
   区画室以外の水洗水が旋回流れの状態で流れて前記第１
   の区画室に誘導されるように配置されていることを特徴
   とする水洗式塗装ブースにおける塗料スラッジ処理装置
   。