JPS5855895B2 - 射出吸込成形方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明ばコア周囲に射出成形したパリソンをコアと共
に吹込金型に移送して中空成形品に成形する方法及びそ
の装置に関するものである。

従来から実施されている射出吹込方法は、パリソンをコ
アと一緒に吹込金型に移送し、コア内部を通してコア先
端部あるいはネック部分下側に臨１せたスリットから空
気をパリソン内に圧送し、ネック部分を除いて吹込用の
キャビティ全面にわたり膨張させ、中空成形品とするも
のである。

また移送に際してはパリソンをコアの温度調節によって
吹込成形に適した温度に調節している。

したがって、コアには以下のごとき条件が必要とされて
いた。

（イ）ハリソン射出戒形時の樹脂充填圧力に耐える強度
を有すること、 （ロ）温度調節が可能なこと。

（ハ）吹込成形用の気体を送り込む機能を有すること。

に） コアの径は成形品口部の径より小さいこと。

などである。

しかしながら、空気路を内部に有するコアに耐圧強度を
持たせることはその肉厚分布から困難なことであり、ま
たコアの直径にも限度があって、口径が数ミリの細い中
空成形品を射出成形することはできなかった。

さらに渣た空気路があることによって、コアの温度調節
にも特別な技術を要した。

この発明は上記従来の欠点を排除した新たな射出吹込成
形方法とその装置とを提供しようとするものであって、
その最も特徴とするところは、吹込金型内に釦いてテー
パーコアとパリソンとを軸方向に相対的にずらせて空隙
を形成し、その空隙よりパリソン内に空気を吹込んで中
空成形品となすことにある。

以下この発明を図示の例により詳細する。

図中１は先細り状に形成したテーパーコア１ａの基部に
気密用のフランジ２を突設したパリソン成形用のコアで
、昇降自在に配設した型台３に取付けである。

４はテーパーコア１ａを中心にして型閉じし、テーパー
コア１ａの段部から先端の周囲にパリソン５を成形する
一組の分割金型４ａｓ４ｂからなる射出金型、６は射出
ノズル、７は吹込金型で、テーパーコア１ａと共にパリ
ソン５を受入れるキャビティ８と、キャビティ上部のパ
リソン挟持部に接続したコア包囲部９及びコア包囲部上
に連続して設けたフランジ２の収容部１０とをそれぞれ
備えた一組の分割金型７ａ、７ｂとからなり、かつ一方
の分割金型７ｂの内部には上記コア包囲部９の側面にて
開口した空気路１１が設けである。

１２は中空成形品、１３は温度調節用の熱媒体の流路を
形成するコア内の仕切部材である。

次に成形工程を順に説明する。

第１図 テーパーコア１ａを中心にして分割金型４ａ、
４ｂを閉じ、テーパーコア１ａの段部下の射出成形キャ
ビティに、射出ノズル６から溶融樹脂を注入°シ、テー
パーコア１ａの周囲にパリノン５を成形したのち、射出
ノズル６を後退する。

第２図 射出金型４から吹込金型Ｔのパーティングライ
ン上にパリソン５をテーパーコア１ａと共に移送し、分
割金型７ａ、７ｂを閉じてパリソン５の開口部を挾持す
るとともに、コア包囲部９の上方を収容部１０に位置す
るフランジ２のＯリングをもって気密に閉鎖する。

第３図 型台３を所要寸法だけ上昇させてコア１を引き
上げ、テーパーコア１ａとパリソン５とを軸方向に相対
的にずらせる。

このずれによって、テーパーコア１ａが先細り状である
ために、テーパーコア１ａの周囲に空隙が形成されろ。

またこノ空隙はパリソン５の内からコア包囲部９に１で
及び、パリソン内の空隙は上記空気路１１と連通ずるよ
うになる。

第４図 空気路１１から空隙に空気を吹込み、パリソン
５をキャビティ８の型面一杯に膨張させて中空成形品１
２を成形する。

吹込成形後、吹込金型７を開き、中空成形品１２を離型
してからコア１を射出成形へと戻す。

なか上記実施例ではテーパーコア１ａに段部を形成し、
この段部によってコア包囲部９に空隙が生スるようにし
ているが、フランジ部分から先端捷でテーパーコアとし
た場合には、段部がなくともテーパーコアの相対的移動
により空隙が生ずるので、特に段部を設ける必要はない
。

また相対的移動は吹込金型側を移動してもよく、コア側
の移動のみに限定するものではない。

さらにまた図示の例は１個取りであるが、同様な手段に
よって同時に複数個を成形することもできる。

この発明は上述のように、テーパーコアとパリソンとの
相対的移動により形成されたテーパーコア周囲の空隙を
利用して、金型側からの空気の吹込を可能とし、コアを
利用して吹込成形を行う場合の欠点を排除したものであ
るから、下記のごとき効果を有する。

（１）コア内に空気路を設けたり、弁体を取付ける必要
がないことから、コアの構造が簡単となる。

（２）コア内に熱媒体を通して温調することができる。

（３）コアのパリソンを成形する部分を従来より細くす
ることができるため、口径の小さな中空成形品の射出吹
込成形が可能となった。

（４）コアのパリソン成形部分の肉厚を充分に確保でき
るので強度が増し、射出圧による曲りがなく、精度が向
上した。

（５）空気路を吹込金型側に設けることができるので、
各コアに設ける場合よりも空気路の配置が容易となり、
装置の設計を合理的に行うことができる。

などである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明を実施する場合に用いる装置の一例を略
示したもので、第１図はパリソン成形後の射出金型の縦
断側面図、第２図は型閉じ時に釦げる吹込金型の要部縦
断側面図、第３図はコア相別移動時の吹込金型の要部縦
断側面図、第４図は中空成形品を成形した際の吹込金型
の要部縦断側面図である。 １・・・・・・コア、ｌａ・・・・・・テーパーコア、
２・・・・・・フランジ、４・・・・・・射出金型、５
・・・・・・パリソン、７・・・・・・吹込金型、８・
・・・・・キャビティ、９・・・・・・コア包囲部、１
０・・・・・・収容部、１１・・・・・・空気路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 気密用のフランジを基部に突設した先細り状のテー
   パーコアの周囲にパリソンを射出成形し、そのパリソン
   をテーパーコアとともに吹込金型のパーティングライン
   上に移送し、該吹込金型の型閉じによりパリソン開口部
   をキャビティ上部にて挾持するとともに、パリソン挾持
   部に接続したコア包囲部を、コア包囲部上の収容部に位
   置する上記フランジにより気密に閉鎖したのち、上記テ
   ーパーコアとパリソンとを軸方向に相対的にずらせて、
   コア包囲部側面にて開口した金型内の空気路と連通ずる
   空隙をテーパーコアの周囲に形威し、その空隙に金型側
   から空気を吹込んでパリソンを中空成形品に成形するこ
   とを特徴とする射出吹込成形方法。 ２ 先細り状に形成したテーパーコアの基部に気密用の
   フランジを突設したコアと、そのコアを中心にして型閉
   じし、テーパーコアの周囲にパリソンを成形する射出金
   型と、一対の分割金型によりキャビティを形威し、その
   キャビティ上部のパリソン挾持部に接続してコア包囲部
   と上記フランジの収容部とを順に備え、かつコア包囲部
   側面にて開口した空気路を一方の分割金型内に有し、上
   記パリソンを付着したテーパーコアと共にフランジを型
   閉じした状態にて、テーパーコアとパリソンとの相対的
   移動により空気吹込用の空隙をテーパーコアの周囲に形
   成可能とする吹込金型とからなることを特徴とする射出
   吹込成形装置。