JPS5855301Y2 - 熱風発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バーナによって熱風を発生し、しかもこのバ
ーナから噴射される火焔を利用して乾燥汚泥等の被焼却
物を焼却することにより高いエネルギーの熱風が得られ
るようにした熱風発生装置に関する。

廃水処理に伴なって生ずる汚泥等は一般に加熱乾燥され
るが、乾燥汚泥中には有害成分が含有されているため肥
料等として使用し得ないものがあるので、通常は有害成
分の除去、化学的性質の安定化および減量などのために
焼却する場合が多い。

このような焼却に際しては、まず汚泥等に含有されてい
る水分を除去して乾燥させ、この乾燥後の汚泥を焼却す
る手段が採用される。

従来においては、汚泥等を乾燥し、しかるのちこれを焼
却する手段として、実公昭４８−４５２４５号公報に示
す技術が知られている。

このものは焼却炉の煙道にスクリューコンベアを挿通さ
せ、この煙道から放出される排熱を利用して上記スクリ
ューコンベア内の被焼却物を乾燥するようにし、この乾
燥された被焼却物を上記焼却炉の炉床に導びいてこれを
焼却するものである。

しかしながらこのものは基本的には焼却機能が主体とな
っており、スクリューコンベアによる乾燥機能は単に排
熱を利用しただけのものであって、焼却作用を停止する
と乾燥も停止されるものである。

そしてまた上記公報のものは大量の焼却を対称としたも
のであるため大形の構造となり、設備費および運転費が
高くつくため不経済である。

本考案は上述のような事情に基づいてなされたもので、
乾燥機へ熱風を供給するために熱風を発生させる熱風炉
を有効に利用し、この熱風炉に焼却室を付設し、汚泥等
を乾燥するための熱風を生成する火焔により乾燥汚泥等
の被焼却物を焼却するようにして、汚泥等の乾燥用熱風
発生と焼却とを１つの装置で行なうことができて高エネ
ルギーの熱風を発生させることができるとともに燃料費
を節約することもでき特に比較的少量の汚泥処理に好適
な熱風発生装置を提供しようとするものである。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

図面において１は熱風炉であり、この熱風炉１は断面が
ほぼ円筒状をなしてその軸線が横方向に設置された炉室
６を備えている。

炉室６の一端には中心線上に位置してバーナ２が設けら
れているとともに、他端には同じく中心線上に位置して
吐出口３が開口されている。

上記バーナ２は、ブロア２ａと、このブロア２ａの噴出
口中央に位置した燃料噴射ノズル２ｂと、上記ブロア２
ａの噴出口に対向して旋回ガイドとしてのテ゛イフユー
ザ２Ｃとを備えている。

テ゛イフユーザ２Ｃは詳図しないが周方向に間隔を存し
て噴射孔２ｄ・・・・・・を有するとともに切り起こし
成形などによる案内フィン２ｅ・・・・・・もしくはベ
ーンを有している。

ブロア２ａによって吐出された空気は、テ゛イフユーザ
ー２Ｃ・・・・・・の噴射孔２ｄから炉室６の軸方向に
向って噴射されるが、この際フィン２ｅ・・・・・・に
よって噴出空気が旋回させられ、この旋回流は上記ノズ
ル２ｂから噴射された燃料を攪拌混合するとともに、炉
室６の内周面に沿って、矢線５で示すように旋回される
。

このため上記燃料に点火することによって発生した火焔
は上記旋回流により矢線５で示すように炉室６の内周面
に沿って旋回される。

上記のごとく、バーナ２によって強制的に旋回流を与え
られた火焔は、炉室６の内面が断面円形であるため、そ
の旋回を維持し、この旋回によって炉室６内で熱風を発
生する。

このようにして発生された熱風は、炉室６の他端に設け
た障壁４の開口４ａを経て吐出口３から炉外に吐出され
、図示しない乾燥機に導かれるように構ｔされている。

なお熱風炉１は、上記乾燥機から排出される排気を導入
して、排気中に含まれる悪臭ガスを燃焼、脱臭させるよ
うに構成してもよい。

熱風炉１には、バーナ２側の端部付近下方に位置して焼
却室７が設けられている。

この焼却室７の上端開口は上記炉室６に連通されており
、この焼却室７の開口幅は第２図に示されるように、炉
室６の幅に一致させられている。

これにより、炉室６内で周方向に旋回される火焔は、焼
却室７内にも到達する。

焼却室７の下面には一側に第２図に示すごとき傾斜炉床
９を有している。

傾斜炉床９はその一側が、火焔の旋回流に沿うように上
方に向って傾斜している。

そしてこの傾斜炉床９の上端部と対向してこの上方には
、炉室６の壁に開口された投入口８が設けられており、
この投入口８から乾燥された汚泥等のごとき被焼却物が
投入されるようになっている。

投入口８から投入された被焼却物は上記傾斜炉床９の上
面に堆積され、上記旋回火焔がこの傾斜炉床９に沿って
旋回されることからこの被焼却物は燃焼される。

傾斜炉床９の下端には複数の回転炉床板１０が、階段状
に配置されて隣接されている。

これら回転炉床板１０・・・・・・はそれぞれに固着さ
れた駆動軸１１・・・・・・を備えており、これら駆動
軸１１・・・・・・は相互にほぼ平行をなすとともに、
各両端部が焼却室７の側壁を貫通して回動自在に支持さ
れている。

これら駆動軸１１・・・・・・の各一端は駆動機構１２
に連結されている。

駆動機構１２は駆動軸１１・・・・・・を所定の位相差
を有して往復回動させ、回転炉床板１０・・・・・・を
上段に位置するものから順に、第２図において実線で示
すほぼ水平をなす位置と、鎖線で示す前傾位置とに交互
に回動変位させるとともに、それぞれ所定時間各位置に
保持し得るように構成されている。

また焼却室７には、傾斜炉床９と対向する壁部に灰分取
出口１３．１４が開切されるとともに、これら取出口１
３．１４を開閉自在に閉鎖する炉扉１５，１６が設けら
れている。

なお上記駆動軸１１・・・・・・は、これを管状材料か
ら形成するとともに、回転炉床板１０・・・・・・の上
面に沿って開口する複数の小孔を開切し、これら小孔か
ら空気を噴出可能に構成することが望ましい。

上述のように構成された装置においては、バーナ２から
噴射される火焔により生成された熱風が、従来の熱風発
生装置におけるとほぼ同様に吐出口３から吐出され、汚
泥乾燥機に導かれる。

また汚泥乾燥機からの排気は必要に応じて熱風炉１に導
かれ、悪臭ガスの燃焼、脱臭が行なわれる。

乾燥された汚泥等の被焼却物を焼却する場合には、この
被焼却物を投入口８から投入すると、傾斜炉床９に落下
する。

この傾斜炉床９上の被焼却物は、炉室６内で旋回された
火焔がこの焼却室７にも達して傾斜炉床９に沿って旋回
されるため、この旋回火焔により焼却が促される。

そして傾斜炉床９で燃焼されまたは未燃焼状態の被焼却
物はこの傾斜炉床９の斜面に沿ってすべり落ち、最上段
に位置する回転炉床板１０上に移る。

最上段の回転炉床板１０は所定時間経過するごとに水平
位置から前傾して被焼却物を第２段の回転炉床板１０に
転送させ、所定時間経過後に復帰する。

第２、第３・・・・・・の各回転炉床板１０・・・・・
・もそれぞれ所定の位相差を有して最上段の回転炉床板
１０とほぼ同様の動作を繰返す。

被焼却物は、上述のようにして上段から下段に転送され
るごとに上層部と下層部とが交互に反転され、旋回火焔
にほぼ均等にさらされ、旋回火焔の輻射熱および炉室６
の内壁面からの反射熱等を受け、最下段の回転炉床板１
０に達するまでの間に完全に焼却される。

また焼却に際して発生した悪臭ガスは熱風炉１内におい
て燃焼、脱臭され、焼却残滓としての灰分は取出口１３
．１４から適時に取出される。

このような構成の装置は汚泥等を乾燥させるための熱風
を生成オる火焔を利用して乾燥汚泥等の被焼却物を焼却
するので、焼却のための装置を別に設ける必要がなく、
かつ被焼却物の燃焼時に発生する熱を熱風の生成に無駄
なく利用することができる。

すなわち、傾斜炉床９および各回転炉床板１０上で、旋
回火焔によって被焼却物が燃焼されると、この燃焼によ
り発生した熱は対流によって上昇しこれは旋回火焔の流
れに乗る。

しかも傾斜炉床９は旋回火焔の方向に沿って立上がり傾
斜しているので、上記燃焼熱を旋回の方向に案内する。

このため、バーナ２によって発生された旋回に、上記燃
焼による熱の旋回が相乗的に作用して旋回を一層促し、
かつバーナ２によって発生した熱エネルギーに燃焼によ
って発生した熱エネルギーが加えられ、したがって高エ
ネルギーの熱風が発生する。

このことはバーナ２のノズル２ｂから噴射される燃料を
節約できることにもなる。

したがって従来装置に比し燃料の消費量が少なくてよく
、また焼却室７は焼風炉１に併設したので、別個に設け
るものに比し設備費用が少くてすむ。

さらに焼却に伴なう悪臭を除去することができ、かつ被
焼却物は少量の無害な灰分として取出されるので、その
取扱いが簡単かつ容易になる。

また上述した実施例の場合には駆動軸１１・・・・・・
を管状材から形成して回転炉床板１０・・・・・・の上
面に沿う複数の小孔を設け、これら小孔から空気を噴出
させるようにすれば、被焼却物の反転し、移送をより効
果的に行ない得るとともに、回転炉床板１０・・・・・
・を冷却してその寿命を長くすることもできる。

以上述べたように本考案によれば、本来的に乾燥機へ熱
風を送るための熱風炉に焼却室を付設したので、汚泥等
を乾燥するための熱風の生成と乾燥汚泥等の焼却とを１
つの装置で行うことができる。

この場合、バーナの火焔を炉室内で強制的に旋回させ、
この旋回火焔を炉室の下面に連設した焼却室に到達させ
、焼却室の傾斜炉床に堆積された被焼却物を該旋回火焔
で燃焼させるので、本来的に熱風を生成させるようとす
るバーナの火焔を有効に利用でき、被焼却物の燃焼のた
めに格別な燃料を必要としない。

しかも傾斜炉床で燃焼された被焼却物から放出される熱
は、火焔の旋回を促す方向に流れるので旋回を阻害せず
、被焼却物の燃焼が効果的に行われるとともに、この被
焼却物から発生した熱で熱風が生成されるのでバーナに
より発生した熱に加えられて高エネルギーの熱風を発生
し、これが旋回さＩ°シることにより熱風の温度分布も
均等化して乾燥能力の向上が可能になるとともに、バー
ナにより燃焼される燃料を節約することができ、経済的
な運転を可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す切欠側面図、第２図は
第１図の■Ｉ−ＩＩ線に沿う断面図である。 １・・・・・・熱風炉、２・・・・・・バーナ、２Ｃ・
・・・・・ディフューザー（ガイド部材）、３・・・・
・・吐出口、６・・・・・・炉室、７・・・・・・焼却
室、８・・・・・・投入口、９・・・・・・傾斜炉床、
１０・・・・・・回転炉床板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも上面が曲面をもつ筒形の炉室と、この炉室の
   一端中央部に設けられこの炉室内に火焔を噴射するとと
   もにこの火焔をガイド部材により上記炉室内で周方向に
   旋回させるバーナと、上記炉室の他端中央部に開口され
   て乾燥機に連結される吐出口と、上記炉室のバーナ側の
   端部下方に設けられ上端開口部がこの炉室幅と同等の幅
   をもって上記炉室に連通された燃焼室と、この燃焼室の
   底部に設けられ一端が上記火焔の旋回方向に沿って上方
   に傾斜された炉床と、この炉床の上記傾斜上端部と対向
   して前記炉室に開口された被焼却物の投入口とを具備し
   、上記炉床に投入された被焼却物を上記火焔の旋回によ
   って燃焼させることを特徴とする熱風発生装置。