JPS5855133Y2 - 紙箱における内容物取出機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、密接状態に収納包装した内容物を容易に取り
出すことができるように構成した紙箱における内容物取
出機構の改良に関するものである。

内容物が取り出せるように箱の稜線部分に切込みを設け
て手掛りとした構成のものは実公昭４５２７５５５号公
報に開示された通り公知である。

この公知の手掛構成は、側板と蓋板にわたり、蓋板の折
曲稜線に直角に２本の切込みを設けたものであって、こ
の切込みによって分離された部分が側板と蓋板とにわた
って帯状を呈しており、１本の指しか入らないため重量
のある物品は取り出せないし、又この分離された部分が
箱体と離れて外側に突出する形状に形成されており、輸
送中にこの部分が引掛って引きちぎれる虞れが大である
と共に平行な２本の切込みが紙箱の側面に対して平行に
形成されているため、外部応力即ち、剪断応力に弱いば
かりでなく、ツイストにも弱く箱全体の強度を著しく低
下させ、包装機能が失われると云う欠点がある。

本考案はこのような実情に鑑みなされたものであって、
この目的は手が入れ易く内容物が容易に取出せると共に
剪断応力及びツイスト等の外部応力に対して強く、包装
機能を失わない内容物取出機構を提供しようとするもの
である。

この目的を遠戚するためになされた本考案は、相対向す
る側板とこれらに夫々連設折目を介してつなげた蓋板と
に亙って設けた切込と折目とからなる内容物取出機構に
おいて、前記切込を弧状に形成すると共に、該切込みの
各端部から前記連設折目に向けて弧状の内側方向に折目
を設けたことを特徴とする紙箱における内容物取出機構
であって、弧状の切込みと折目によって横方向に拡がる
開口部が形成され、それによって手が入れ易いばかりで
なく切込みが１個であり、しかもこれが直線ではなく弧
状であるため外部応力に対して強く、包装機能が低下し
ないのである。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説明すると
、紙箱は一枚の厚紙素材、即ち段ボール紙により形成さ
れ、胴部となる側板１，２と妻面３，４とを横方向に連
設折目５，６．７を介して交互に連設し、端部の側板１
の自由端に糊代８が設けである。

これら側板及び妻面の下端には、夫々底蓋９，１０゜１
１．１２が連設折目１３，１４，１５．１６を介して連
設され、上端には連設折目１７．１８．１９ 、２０を
介して蓋板２１．２２，２３．２４が連設され、両側板
１，２とそれに連設した蓋板２１，２３に亙り連設折目
１７．１９を横切って弧状の切込み２５．２６を設け、
これら切込みの両端部から連設折目に向けて切込みとは
反対方向に向けて斜めの折目２７．２８．２９．３０を
設け、切込みと折目とがアーチエリ−形状を呈するよう
にする。

このように形成した紙箱は一方の側板に設けられた糊代
８を他方側の妻面４の自由端に貼着して箱形状を形成し
、底蓋も内側に折り畳み、一部を隣接部同志で貼着させ
て折畳み代の紙箱を形成する。

そして紙箱の内径に略等しい大きさの被包装物品３１を
収納して通常の箱と同じように包装する。

この場合、側板１，２と蓋板２１，２３との稜線には夫
々１個の弧状の切込み２５．２６が存在するのみである
から、輸送、持運び等において外部応力が掛っても切込
み部が開かず、引っかかり等が生じないばかりでなく、
弧状であることからして剪断及びツイスト等にと強く、
包装機能が低下しないのである。

被包装物品３１を取り出す場合に、蓋板２１，２２゜２
３．２４を開き、蓋板２１，２３を立てた状態で側板１
，２及び蓋板２１，２３に設けである切込み２５．２６
を夫々外側に押すと、折目２７．２８，２９．３０によ
って、切込みと折目とによって囲まれたアーチエリ−状
の部分が外側に押し開かれて開口部３２．３３となる。

この開口部内に夫々手を差し込んで被包装物品を両側か
ら押えるようにし、上方に引き出せば良いのである。

この場合、アーチエリ−状の部分は横に拡がっているた
め手を差し込むことが極めて容易であり、被包装物品の
取り出し作業が容易になるのである。

そして、再使用する場合でも蓋板を被着させれば、元通
りに稜線に沿ってぴったりとフィツトするのである。

以上説明したように本考案に係る内容物取出機構は、側
板と蓋板に亙る弧状の切込みと折目を設けただけの構成
であるため、包装用箱として使用した場合に、剪断及び
ツイスト等の外部応力に対して強く、包装用箱としての
機能低下は全くない。

又、弧状の切込みと折目とでアーチエリ−状に形成され
た部分が外側に開くため、横方向に拡がった状態で開口
し、手及び指を深く差込むことができ被包装物が重量物
であっても容易に取り出すことができると云う優れた効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙箱の展開平面図、第２図は被包
装物を収納する状態の斜視図、第３図は包装完了状態の
斜視図、第４図は被包装物を取り出す時の断面図である
。 １．２・・・・・・側板、３，４・・・・・・妻面、５
，６，７，１３，１４，１５，１６゜１７．１８，１９
．２０・・・・・・連設折目、８・・・・・・糊代、９
，１０，１１゜１２・・・・・・底蓋、２１．２２，２
３．２４・・・・・・蓋板、２５．２６・・・・・・弧
状の切込み、２７ 、２８．２９．３０・・・・・・折
目、３１・・・・・・被包装物、３２．３３・・・・・
・開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対向する側板とこれらに夫々連設折目を介してつなげ
   た蓋板とに亙って設けた切込と折目とからなる内容物取
   出機構において、前記切込みを弧状に形成すると共に該
   切込みの各端部から前記連設折目に向けて弧状の内側方
   向に斜めに折目を設けたことを特徴とする紙箱における
   内容物取出機構。