JPS5854999Y2 - 軽量板状合成材料 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は補強された合成樹脂発泡体からなる軽量な板状
合成材料に関するものである。

従来において板状合成材料としてサンドイッチ構造材が
知られており、例えば表面材に繊維補強合成樹脂板すな
わちＦＲＰ板を使用し、芯材に合成樹脂発泡体やハニカ
ム芯材を使用したものがある。

この様な材料は表面層に剛直なＦＲＰ板を使用するので
切削や釘打ち時の加工性が低く、又比重が大となり軽量
のものが得られに＜＜、さらに衝撃にも弱いという欠点
を有しており、さらに芯材に合成樹脂発泡体が用いられ
たものは圧縮応力により変形しやすく、又芯材にハニカ
ム材が用いられたものは表面材と芯材との接合面積が小
さいのでとくに曲げ応力に対して弱いという欠点を有す
る。

本考案は上記の如き従来の板状合成材料の欠点にかんが
み、軽量であると同時に、耐衝撃性、圧縮強度、曲げ強
度やその他の構造材料として要求される断熱性、耐水、
耐薬品性、加工性等の性能においてすぐれた板状材料を
提供することを目的としてなされたものであり、その要
旨は、繊維材料で補強された合成樹脂発泡体よりなる２
層の表面層と、この２層の表面層の間に設けられた芯材
層とから一体的になるものであり、上記表面層は、コン
ティニュアスストランドマットで補強された発泡層の最
外層とこの最外層に積層された一方向に引き揃えられた
ガラス長繊維で補強された発泡層の２層構造のものであ
り、上記芯材層はハニカム構造の空隙に合成樹脂発泡体
が充填されたハニカム材であることを特徴とする軽量板
状合成材料に存する。

以下図面を用いて、本考案の板状合成材料について説明
する。

第１図は本考案板状合成材料の一例を示す断面図で、図
中１は表面層、２は芯材層である。

そして表面層１はコンティニュアスストランドマットで
補強された発泡層１１と一方向に引き揃えられたガラス
長繊維で補強された発泡層１２の２層構造のものであり
、上記発泡層１１は最外層に位置するようになされてい
る。

又、芯材層２はハニカム材２１と該ハニカム材の空隙に
充填された合成樹脂発泡体２２とからなっている。

表面層１における最外層の発泡層１１の補強に用いられ
る繊維材料はコンティニュアスストランドマット（以下
Ｃ５Ｍと称す）であり、このＣ３Ｍは連続したガラス長
繊維を切断することなく渦巻状になしたものを１層若し
くはそれ以上の層に積み重ね、重なり合う繊維を結合剤
で結合してマット状になしたものである。

そしてこのＣ８Ｍは数インチ以下の長さに切断されたガ
ラス繊維が集められたマット状に形成されたチョップス
トランドマットや、ガラス繊維が布状に織成されたガラ
スクロスに比して樹脂液の含浸性が良好であり、又、含
浸された樹脂液を発泡硬化させた場合の発泡体中に於け
る繊維の分散性も良好なるものである。

又、表面層１における発泡層１２の補強に用ν）、られ
る繊維は一方向に引き揃えられたガラス長繊維であり、
とくにガラス繊維を多数本集合させてロービングとなし
たガラスロービングを用いるのが好ましい。

そして該ガラス長繊維を引き揃える方向は、得ようとす
る合成材料の長手方向であるのが一般的である。

又、表面層１の発泡層１１や１２に用いられる発泡体と
芯材層２に用いられる合成樹脂発泡体２２とは、合成樹
脂の種類が同じであっても異なっていても良・く、又合
成樹脂の種類は特に制限されるものではないが、構造材
として要求される耐熱性や板状材料の製造のしやすさ等
の観点から例えばポリウレタン、フェノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂が好適である。

そして、とくに発泡体を与える素材としては始め液状で
あるが短時間で発泡硬化することの出来る発泡性熱硬化
性樹脂液が好適に使用出来る。

又、本考案に用いられるハニカム材２１についてはその
素材の種類やハニカム構造の形状は特に制限されるもの
ではなく、従来においてサンドイッチ構造材の素材とし
て使用されているハニカム芯材が使用出来、例えばペー
パーハニカム、樹脂含浸ペーパーハニカム、プラスチッ
クハニカム等が好適に使用出来る。

又、本考案においてはハニカム材２１の空隙に充填され
る合成樹脂発泡体２２中に、骨材が混入されてもよく、
その例は第２図に示される。

すなわち第２図は本考案の他の実施例を示す断面図であ
り、図中２３は骨材であり、他の符号は第１図と同じで
ある。

そして骨材としては炭酸カルシウム、タルク、水酸化ア
ルミニウムなどの無機充填剤、シラスバルーン、パーラ
イト、ガラスバルーンなどの軽量骨材、珪砂などが使用
され、該骨材は第１図に示される如き芯材層に於ける合
成樹脂発泡体の圧縮強度等の諸物性の改良とか、低コス
ト化の目的で使用される。

そして本考案において骨材を使用する場合の骨材の使用
量としては、本考案軽量板状合成材料において芯材層が
占める容量の５〜６０容量％に相当する量が好適である
。

本考案の板状合成材料を製造するには、表面層と芯材層
を別々に用意し、これらを貼り合せて一戸体化してもよ
いが、２層のＣ８Ｍの間に２層の一方向に揃えられた長
繊維を置き、該長繊維層の間にハニカム材をおいて積層
物となし、これらに予め供給された発泡性合成樹脂液を
発泡硬化させ、ハニカム材の空隙を生成した発泡体でみ
たすと共にＩＣ５Ｍを構成する繊維や一方向に揃えられ
た長繊維も生成した発泡体中に埋設せしめ、これらの繊
維とハニカム材を一体化させることにより本考案軽量板
状合戒材料を製造する方がより簡単に製造出来、又、表
面層と芯材層との一体化がより強固に行えるので好まし
い。

本考案の軽量板状合成材料は上述の通りの構成を有する
ものであり、表面層が繊維材料Ｃ５Ｍで補強された発泡
層の最外層と一方向に引き揃えられたガラス長繊維で補
強された発泡層との２層構造からなると共に、芯材層が
空隙に合成樹脂発泡体が充填されたハニカム材からなり
、これらが一体化されたものであるので、軽量にして耐
衝撃性にすぐれると共に圧縮強度や曲げ強度などの構造
材料として要求される機械的強度にとくにすぐれたもの
となるのである。

そしてとくに表面がＣ８Ｍで補強された発泡層であるの
で衝撃が発泡樹脂で吸収されると共に、クラックが伝帳
しないという効果を発揮出来るのであり、又、一方向に
引き揃えられた長繊維で補強された発泡層が存在するこ
とによって曲げ強度などの強度が繊維使用量に対比して
効果的に発揮されると共に軽量比にも役立つのである。

さらに本考案板状合成材料は断熱性や耐水、耐薬品性に
もすぐれ、又、加工性も良好なるものである。

そして本考案合成材料は、軽量性や断熱性が要求されさ
らに圧縮強度が要求される構造材の用途に用いられて好
適なものであり、例えば住宅用断熱壁材、床材、ペンチ
又はベランダ用材トラック荷台材、陸上又は海上コンテ
ナー用材、ＦＲＰ船舶用芯材等に用いられてそのすぐれ
た性能を発揮し得る。

次に本考案の実施例について説明する。

実施例 １ 深さ２ｃｍ、巾１０ｃｍ、長さ５０ｃｍの内容積を持ち
、上型に直径９．５ｍｍの穴が２ケ所、ガス抜は用とし
て設けられている鋼製の箱型金型に、１ｍ２当り４５０
ｇの重量を有するコンティニュアスストランドマット
（旭ファイバーグラス社製）を１０１０Ｘ５０の大きさ
に切断したものを敷き、その上に、太さ９μの単繊維を
２００本集めて１ストランドとしたものを６０ストラン
ド集めたガラスロービングを５０ｃｍの切断したものを
１０本、等間隔になるように敷き、その上から発泡性ポ
リウレタン２００ ｇを均一な分散状態になるように流
し込んだ。

上記発泡性ポリウレタンは、官能基数４のプロピレンオ
キサイド付加ポリエーテルポリオール１００重量部、蒸
溜水１５重量部、モノクロロｌ−ＩＪフルオロメタン５
重量部、シリコンオイル０．５重量部、ジブチル錫ジラ
ウレート０．３重量部に粗製ジフェニルメタンジイソシ
アネート１５０重量部が混合されたものである。

次に、その上に１０１０Ｘ５０の大きさに切断された厚
さ１８ｍｍのペーパーハニカム（商品名ハトコアー、本
州製紙社製）を置き、さらにその上に前記と同じ本数の
ガラスロービング及びその上に前記と同じＣ５Ｍを載せ
たのち型を閉じた。

型中の樹脂液の発泡が殆んど完了したのち金型を加熱オ
ープンに入れ１２０℃で３０分間加熱したのち、金型を
取り出し、水冷したのち成型物を取り出した。

表面層が繊維で補強されたポリウレタン発泡体で構成さ
れた第１図で示される如き板状物が得られたが、その物
性値は次の通りであった。

実施例 ２ 実施例１において全型に流し込んだ発泡性ポリウレタン
２００ｇの代りに、ポリオール（実施例１と同じ）１０
０重量部、蒸留水１．５重量部、モノフルオロトリクロ
ロメタン１０重量部、シリコンオイル０．５重量部、ジ
ブチル錫ジラウレート０．３重量部及び精製ジフェニル
メタンジイソシアネート１５０重量部の混合物２００ｇ
に骨材（粒度２．５〜５ｍｍ、見掛は比重０．５９のガ
ラスを主材としたガラス−粘土系発泡体）７５ｇを混合
したものを用いた以外は実施例１と同様にして板状物を
製造した。

得られた製品の物性値は次の通りであった。

（測定方法はいずれも実施例１と同じ） 比重：０．３７５、曲げ強さ： ４５０ ｋｇ／ｃｍ２
、曲げ弾性率： ４． Ｉ Ｘ １０’ｋｇ／ｃｍ２、
圧縮強さ：６０ｋｇ／Ｃｍ２

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案軽量板状合戊材料の一例を示す断面図、
第２図は他の一例を示す断面図である。 １・・・・・・表面層、１１・・・・・・コンティニュ
アスストランドマットで補強された発泡層、１２・・・
・・・一方向に引き揃えられたガラス長繊維で補強され
た発泡層、２・・・・・・芯材層、２１・・・・・・ハ
ニカム材、２２・・・・・・合成樹脂発泡体、２３・・
・・・・骨材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．繊維材料で補強された合成樹脂発泡体よりなる２層
   の表面層と、この２層の表面層の間に設けられた芯材層
   とから一体的になるものであり、上記表面層は、コンテ
   ィニュアスストランドマットで補強された発泡層の最外
   層とこの最外層に積層された一方向に引き揃えられたガ
   ラス長繊維で補強された発泡層の２層構造のものであり
   、上記芯材層はハニカム構造の空隙に合成樹脂発泡体が
   充填されたハニカム材であることを特徴とする軽量板状
   合成材料。 ２、ハニカム構造の空隙に充填された合成樹脂発泡体の
   中に分散された骨材を含むものである第１項記載の軽量
   板状合成材料。