JPS5854649Y2 - 動いている加工物の寸法を測定するための加工工程用ゲ−ジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえばグラインダーのような工作機で機械
加工中に、動いている加工物の寸法を測定するための加
工工程用ゲージに関するものである。

特に、本考案は、加工物の表面の不連続性のために、あ
るいは機械加工の種類によって、測定中にゲージの接触
部材が加工物に断続的に接触することによって加工物の
寸法を測定するゲージに関するものである。

角栓を施された軸や、リーマ−のような不連続な表面を
有する動いている加工物を測定するゲージは知られてい
る。

たとえば西ドイツ特許第１３０３８１４号明細書には、
接触子を保持する可動アームの部位とゲージのフレーム
との間に連結されるシリンダと相対ピストンとにより構
成される油圧ダンパーが設けられているゲージが開示さ
れている。

このダンパーは、たとえば溝のような凹部にきて接触子
がその凹部の中に落ちようとする時に、接触子の動きを
制限して接触子が弾な上がるのを阻止し、または弾ね上
がりの度合を減少させる。

前記明細書には、接触子により接触されている加工物の
部分の測定値を検出するのに適当な、成る電気回路が記
載されている。

これらの測定値は接触子の位置に依存する電気信号を発
生する位置トランスデユーサにより供給される信号を処
理することにより得られる。

これら従来のゲージは非常に有効ではあるが、使用でき
なかったり、正確さを減じさせるような欠点や限界を時
には示すことに本願考案者は気がついていた。

たとえば、工作機で成る加工を行っている間に、その工
作機の構造や加工物の形状、寸法のために、ゲージを取
りつける空間が非常に狭いことがあるので、ダンピング
させるための油圧シリンダーと油圧ピストンの使用がで
きなくなる。

したがって、従来のゲージはしばしば使用不能となる。

他の多くの場合にも、被測定物の慣性９寸法または測定
し易さのために可動アームは比較的薄くて長く、ダンパ
ーの反作用力が局限される時には可動アームは容易に曲
がることになる。

更にダンパーは大きな応力を受けて破損を起こすことが
ある。

別の欠点はダンパーシリンダー内に要求される液体（通
常は鉱油）を充填する前に、そのシリンダー内を非常な
高真空にする必要があり、もしそうしないとダンパー作
用が正しく行われなくなる。

したがって、このような操作を要求された精度で行うた
めには特殊な工具と、熟練した作業者を必要とする。

また、ダンパーへの液体の充填は液体の洩れによるもの
ばかりでなく、機械加工によってダンピング係数を変え
るために粘度の異たる油を使用するために必要となるこ
とがある。

本考案の目的は、たとえば非常に小さな寸法のゲージを
要する測定のような非常に困難な条件においても使用で
きる、動いている加工物を測定するためにダンピング機
構を有する加工工程用ゲージを得ることである。

本考案の別の目的は、誤測定をさけるために用途に応じ
がダンピング係数を容易に変えることができ、ゲージの
破損を防ぐために可動部材に歪や応力を加えるダンピン
グ力を与える、ダンピング機構が設けられたゲージを提
供することである。

本考案によれば、これらの目的を遠戚するために、内部
空間を画定する外殻であって、前記内部空間をその外殻
の外部空間に連通させる孔を有する外殻と、前記内部空
間内に配置されて前記外殻に取りつけられた支持部材と
、前記内部空間内に配置された第１セクシヨンおよび前
記孔を通して前記外殻の外部に突出する第２セクシヨン
を含み、前記支持部材によって枢着支持された可動アー
ムと、前記第２セクシヨンに取りつけられた、被測定加
工物に直接接触するための接触子と、前記可動アームの
前記第１セクシヨンに取りつけられた可動要素を含む、
前記可動アームに連結された位置トランスデユーサと、
測定信号を取出すために前記トランステ゛ユーサに接続
された電気ユニットと、前記可動アームが揺動している
場合であっても前記内部空間をシールできるシール装置
とを含んでいる、動いている加工物の寸法を測定するた
めの加工工程用ゲージにおいて、前記内部空間に粘性液
体が充填され、前記第１セクシヨンおよび前記トランス
テ゛ユーサのうちの少なくとも一方が、不連続表面を有
する加工物の測定および前記接触子と加工物との間の間
欠的接触を伴う測定を可能にするために、パドル作用に
より前記可動アームの揺動に応じて多量の粘性液体を移
動させて前記可動アームにダンピング効果を与えるよう
な形状を持つものとする。

以下、図面を参照にして本考案を詳細に説明する。

中空円筒状ボテ゛−２はゲージの測定ヘッド１の外殻を
形成する。

縁部にネジ山が設けられている円板状支持要素３はボデ
ー２に設けられている対応するネジ溝４にねじ込まれる
。

支持要素３の一方の面にはバー６がボルト５により固定
される。

支持要素３の孔９，１０を貫通する２本のアーム７．８
がバー６の両端に固定される。

アーム７．８の一端はボテ゛−２から外方へ突出し、そ
れらの端部には小さなアーム１１．１２が固定され、ア
ーム１１．１２には接触子１５．１６がそれぞれ取りつ
けられる。

アーム７．８の他端部には電気的測定トランスデユーサ
１９の２つの要素１７．１８が取りつけられる。

バー６の両端近くに孔２０．２１が形成され、その部分
を支点として動作する弾力のある薄肉部２２にする。

このようにすると２本のアーム７．８はそれらの支点を
中心にして僅かに揺動できる。

２本のアーム７．８の間には戻しばね２３が張られてい
る。

ボデー２の側壁に形成されている２つの貫通ネジ孔には
ネジ２４．２５がそれぞれねじ込まれる。

ボデー２の前方部分には円板３２が設けられ、この円板
にはガスケツ）−３３，３４，３５が取りつけられてボ
デー２の内壁と２本のアーム７．８を封止する。

外部保護薄板３６は外部や外からの衝撃に対する機械的
な保護を十分に行う。

ボテ゛−２の後方はボテ゛−２のネジ溝４２にねじ込ま
れるキャップナツト３７により封止される。

ボデー２の封止を確実にするためにキャップナツト３７
に形成される特殊なシート４３の中に取りつけられる。

キャップナツト３７は２枚の円板３８．３９により形成
される。

内側の円板３８にはガスケット４４か゛取りつけられ、
外側の円板３９にはネジ山が形成さる。

円板３８．３９は円筒形連結部４０により連結される。

連結部４０の直径はボテ゛−２の直径よりも適度に短い
から、キャップナツト３７がボテ゛−２の中にねじ込ま
れると、キャップナツト３７とボデー２との間に環状空
間４５が得られる。

環状空間４５は外部に向って開かれているから、環状空
間４５の内部は大気圧に保たれる。

円板３８に設けられる貫通孔の中に絶縁スリーブ４７を
介して挿入される４本のピン４６の一端は環状空間４５
の中に突出し、他端は測定ヘッドの内部空間４８の中に
突出する。

トランスデユーサ１９の導電リード５０は測定ヘッド１
の内側に突出するピン４６の一端に溶接される。

ピン４６の他端部には他の導電リード５１が溶接される
。

このリード５１は測定ヘッド１を電源並びに検出装置５
２に接続される。

ピン４６と絶縁スリーブ４７を使用することによって、
以下に説明するように内部空間４８の中に充填されてい
る流体の洩れが防がれる。

リード５１は円板３７に設けられる軸心方向の孔５３と
、２つの半径方向５４と、円筒形連結部４０とを通じて
引き出される。

力゛スケツｌ−３３，３４，３５，４４および４７によ
り封止される測定ヘッド１の内部空間４８には所要の粘
度を持つシリコン油が孔２６．２７を通して充填される
。

シリコン油は有機シリコン誘導体により構成される液体
で、市販されている。

図面では測定ヘッド１は、加工物６２の孔６０の内面が
といし車６３により研削されている間に、その孔６００
表面の測定位置にあるのが示されている。

アーム７．８が薄肉部２２を支点として揺動するので、
接触子１５．１６は孔６０の表面に良好に接触する。

内部空間４８の中に大きな向い合う表面が形成されるこ
とを防ぐために適切な形状にされる。

このようにするとアーム７．８により動かされる液体の
量は比較的大きくなるから、液体のパドル作用に基づく
非常に有効なダンピング効果が得られ、そのために溝が
形成されているような孔の測定も精密に行える。

測定ヘッドのこのような良好なダンピング性によって、
といし車と測定ヘッドが測定すべき孔に出入りするよう
な機械加工（すなわち往復研削）の場合にも有効に利用
できる。

そのような測定に使用される測定ヘッドには、接触子が
孔から出た時に接触子の開きを小さくし、孔の中に入っ
た時に接触子の開きを大きくさせる機構が設けられるの
が普通である。

本考案の測定ヘッドのダンピングによって接触子は孔の
表面に再び良好に接触できる。

接触子の２つの変位方向のうちの一方に対するダンピン
グを特に大きくすることもよく用いられる。

内部空間４８の中に収められる部品、すなわち可動アー
ム７．８と、トランスデユーサ１９の要素１７．１８を
非対称的な形に配置することによりこのような結果が得
られる。

この目的のために、大きなダンピングを必要とする移動
方向にたとえば凹面状の表面またはフィンを使用するこ
とが可能である。

ダンピングを変えるためには内部空間４８を空にし、そ
れから粘度の異なるシリコン油を再充填することが必要
である。

粘度の異なる非常に多くのシリコン油が市販されており
、それらのシリコン油を混合して使用することもできる
から、ダンピングを非常に広い範囲にわたってほぼ連続
的に変えることができる。

シリコン油を使用すると異なる動作条件の中でもダンピ
ング率が一定に保たれ、しかも測定ヘッド内の部品、特
に最もデリケートな要素であるガスケットや電気部品を
破損しないから、シリコン油は鉱油よりもはるかに優れ
ていることが見出されている。

シリコン油の交換は非常に簡単であり、内部空間４８の
中を予め真空にしておく必要はない。

このことは非常に重要な特徴である。

従来のゲージでは液体の洩れによりダンピングを行わせ
ていたから、液体中に空気のあわが存在することによっ
てダンピングの効果が著しく変化するために、液体を充
填する際には充填部を予め真空にしておく必要があった
。

本考案のゲージではダンピングは可動要素の動きにより
行われるから、空気のあわにより著しい影響を受けるこ
とはない。

保護薄板３６を使用することも非常に重要である。

保護薄板３６はなるべくバチの巣状構造にすると、非常
にたわみやすくなるとともに衝撃に対して強くなり、と
いし車６３の破裂によってガスケット３３．３４が破損
を受けることを防ぐ。

本考案者によって、適切にダンピングされる可動要素が
設けられている非常に小型で、従来のゲージでは得られ
なかった精度で測定できるゲージを作ることができる。

実際にはボテ゛−２の直径は３Ｑ ｍｍよりも短く、そ
れによりゲージを加工機のスピンドル内に収めなければ
ならないような内面研削機などの場合のように、利用で
きるスペースが非常に小さい場合にゲージを取りつける
ことができる。

以上説明した実施例は本考案の要旨を逸脱することなし
に改変することができる。

たとえば、本考案は単一接触子ゲージや外部寸法測定用
ゲージに応用することもで゛きる。

以上本考案を詳細に説明したが、以下に本考案の主な実
施の態様を列挙する。

１、実用新案登録請求の範囲に記載のものにおいて、粘
性液体がシリコン油であることを特徴とするゲージ。

２、実用新案登録請求の範囲に記載のものにおいて、ガ
スケットの外側にそれらのガスケットを保護するたわみ
易い薄板が設けられていることを特徴とするゲージ。

３、実用新案登録請求の範囲に記載のものにおいて、絶
縁スリーブの中に収められた導電ピンが導体を通すため
の孔の中に挿入され、前記絶縁スリーブはトランスデユ
ーサを接続するワイヤと、ピンの端部に固定される電気
的装置とを前記孔に対して封止することを特徴とするゲ
ージ。

４、実用新案登録請求の範囲に記載のものにおいて、ボ
テ゛−の中に収められる可動部品が接触子の変位の向き
に依存するダンピング特性を得るために非対称的な形状
を有することを特徴とするゲージ。

５、実用新案登録請求の範囲に記載のものにおいて、可
動アームが支点を中心にして回転でき、前記支点は粘性
流体が充填されている空間の中に収められていることを
特徴とするゲージ。

６、上記態様３に記載のものにおいて、導体を通すため
の孔がボテ゛−の一端を閉じるようになっているキャッ
プの板に形威され、前記キャップは孔が貫通している円
筒形連結部により連結される２′枚の板により構成され
、前記連結部の直径は前記ボデーの直径よりも小さく、
内部をワイヤが通される大気圧に保たれる空間を形威し
、前記ワイヤは前記連結部とキャップの第２の板とに形
成される孔を通じて前記空間から引き出されていること
を特徴とするゲージ。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のゲージの一実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・測定ヘッド、２・・・・・・ボデー、７
，８，１１．１２・・・・・・可動アーム、１５．１６
・・・・・・接触子、１７．１８・・・・・・可動要素
、１９・・・・・・位置トランスデユーサ、３３，３４
．３５・・・・・・ガスケット、４８・・・・・・空間
、５２・・・・・・電気ユニット、６３・・・・・・加
工物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部空間を画定する外殻であって、前記内部空間をその
   外殻の外部空間に連通させる孔を有する外殻と、前記内
   部空間内に配置されて前記外殻に取りつけられた支持部
   材と、前記内部空間内に配置された第１セクシヨンおよ
   び前記孔を通して前記外殻の外部に突出する第２セクセ
   シヨンを含み、前記支持部材によって枢着支持された可
   動アームと、前記第２セクシヨンに取りつけられた、被
   測定加工物に直接接触するための接触子と、前記可動ア
   ームの前記第１セクシヨンに取りつけられた可動要素を
   含む、前記可動アームに連結された位置トランスデユー
   サと、測定信号を取出すために前記トランスデユーサに
   接続された電気ユニットと、前記可動アームが揺動して
   いる場合であっても前記内部空間をシールできるシール
   装置とを含んでいる、動いている加工物の寸法を測定す
   るための加工工程用ゲージにおいて、前記内部空間に粘
   性液体が充填され、前記第１セクシヨンおよび前記トラ
   ンスデユーサのうちの少なくとも一方が、不連続表面を
   有する加工物の測定および前記接触子と加工物との間の
   間欠的接触を伴う測定を可能にするために、パドル作用
   により前記可動アームの揺動に応じて多量の粘性液体を
   移動させて前記可動アームにダンピング効果を与えるよ
   うな形状を持っていることを特徴とする動いている加工
   物の寸法を測定するための加工工程用ゲ・−ジ。