JPS5854530Y2 - 錠前 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車や自動２輪車の車輪にチェノ又はワイヤ
ーを通して錠止する錠前に係り、その目的は丈夫で使い
やすいチェノ又はワイヤ一式錠前を提供することにある
。

ロック本体にシリンダ錠を組込んだチェノロツク（実開
昭５５−８５４６９号）はすでに公開されているが、こ
の先行技術はロックバーの頭片をロック板に引掛けて錠
止状態とし、シリンダ錠のプラグに設けた作動レバーで
ロック板を押上げて解錠する構成となっており、このよ
うな構成ではロックバーを強くこじるとロック板が曲っ
て案内溝からはなれ、錠前が破損して不正に解錠される
おそれがある。

本考案はロック本体のほぼ全長に空洞を刺抜いてシリン
ダ錠のプラグと係止筒及び戻しばねを装入し、ロック本
体の側端寄りに錠孔をあけて錠杆を挿込み、錠杆の頭片
を係止筒に引掛けて錠止し、プラグに設けた斜面カムで
係止筒を後退させて解錠するように構威し、シリンダ錠
を組込んだチェノ又はワイヤ一式錠前において、ロック
本体をつぶさない限り錠杆が抜出さない構造となし、こ
れにより丈夫で使いやすい自転車錠を開発することに成
功したのである。

図面の実施例において、１は横長のロック本体で、はぼ
全長にわたる空洞２を右端面（前面という）から別抜き
、側面の左端寄りに円形の薄い受座３を連設してロック
本体に錠孔４をあけ、これを空洞２の奥部に連通させる
。

５は約４０ｃｍの長さをもつチェノで、ロック本体の左
端部６を截頭円錐形に縁取って割溝７を切り、これにチ
ェノの一端を入れてピン８で連結する。

１０は錠孔４に挿込む短小な錠杆で、先細テーパ面の挟
小部１１とこれに続く頭片１２を有し、頭片１２は背面
を真直ぐにして先端の周縁を丸く縁取り、基部１３を受
座３と同じ太さにして体裁を良くし、この基部を截頭円
錐形に縁取って割溝１４を切り、これにチェノ５の他端
を入れてピン１５で連結する。

Ｓはシリンダ錠で、プラグ１６をロック本体の空洞２の
前半部に装入し、ロック本体１に打込んだノックピン１
７をプラグの周面の扇形溝１８に入れてプラグの抜出し
を止め、空洞の入口に切取った扇形溝にプラグの突起１
９を嵌めてプラグ１６の回動位置を規制する。

このシリンダ錠はプラグ１６の内端に短い芯枠２０とこ
れを囲む３つの環状の斜面カム２１を有し、プラグのキ
一孔（図示なし）に所定のキーＫを挿込むと４枚のタン
ブラ片２２が空胴の上溝２３から下溝２４に入ったのち
プラグ１６の周面に揃い、キーＫを回わすとプラグ１６
が芯枠２０と斜面カム２１を伴って回動する。

２５はロック本体の空洞２の奥部に装入した係止筒で、
両側縁の突片２６，２６を空胴の側溝２７．２７に入れ
て回り止めを施こし、背面と空洞２の奥端との間に竹の
十形の戻しばね２８を介装して常にシリンダ錠側へ押し
、上面から錠杆の挟小部１１と頭片１２を受入れる係止
孔３０を別抜き、係止孔の角縁３１に頭片１２の背面を
引掛けて錠杆１０の抜出しを阻止する。

この係止筒２５はシリンダ錠前にあけた通孔３２にプラ
グの芯枠２０を挿入してその端縁を係止孔２７に覗かせ
、シリンダ側の周縁に３つの斜面カム３３を環状に形成
してプラグの斜面カム２１を嵌め合せる。

こ・に係止筒２５は常時戻しばね２８に押されて斜面カ
ム３３をプラグの斜面カム２１に密接させ、突片２６．
２６で回り止めされて係止孔３０をロック本体の錠孔４
に向わせ、プラグ１６を囲わすとその斜面カム２１が係
止筒２５を押して係止孔の角縁３１が錠杆の頭片１２か
らはずれるように設定する。

又係止孔３０は係止筒２５の後退分を見込んで前後方向
の長孔に作る。

本考案の一実施例は以上の構成から戊り、チェノ５を自
転車の車輪に通して錠杆１０をロック本体の錠孔４に挿
込み、その頭片１２を係止孔３０の傾斜面に当てて戻し
ばね２８に抗して係止筒２５を後退させ、錠杆を一杯に
挿込むと係止筒２５がばね２８の弾力で復帰して挟小部
１１と頭片１２を係止孔３０に納め、係止孔の角縁３１
が頭片１２の背面に引掛って錠杆１０を錠止する。

なお錠杆１０をロック本体の錠孔４に挿込む際頭片１２
のシリンダ錠側かプラグの芯枠２０の端縁を摺擦するの
で、錠杆１０は係止孔の角縁３１にこじられることなく
真直ぐに係止孔３０へ進入する。

解錠する場合はキ一孔にキーＫを挿込んでプラグ１６を
回わすと、斜面カム２１が係止筒２５を後退させて係止
孔の角縁３１を錠杆の頭片１２からはずすので、錠杆１
０を抜取ることができる。

その後係止筒２５は戻しばね２８の弾力で復帰し、その
斜面カム３３がプラグ１６を回動させてタンブラ片２２
を上溝２３と下溝２４に向わせるので、キーＫをプラグ
１６から抜取ることができる。

このときプラグの突起１９が扇形溝の側端に当ってプラ
グを安定させ、タンブラ片２２を上溝２３と下溝２４に
確実に向わせるので、キーＫをプラグ１６から抜取りや
すく、キーの挿込みも容易に行うことができる。

以上は本考案の一実施例を説明したもので、本考案はこ
の実施例に限定されることなく考案の要旨内において設
計変更でき、例えばチェノの代りにワイヤーを用いても
よい。

本考案においてはロック本体のほぼ全長に空洞を刺抜い
てシリンダ錠のプラグと係止筒及び戻しばねを装着し、
ロック本体の側端寄りに錠孔をあけて錠杆を挿込み、錠
杆の頭片を係止筒に引掛けて錠止し、プラグに設けた斜
面カムで係止筒を後退させて解錠するように構成してお
り、シリンダ錠を組込んだチェノ又はワイヤ一式錠前に
おいて、錠杆の頭片を係止筒に引掛けるから確実に錠止
することができ、ロック本体をつぶさない限り錠杆が抜
出さないから不正解錠のおそれがなく、数字合わせ錠に
比較して解錠しやすい利点があり、丈夫で使いやすいチ
ェノ又はワイヤ一式錠前を提供しうる効果を有す。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を説明したもので、第１図はそ
の要部を縦断した正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面
図、第３図は係止筒の平面図である。 なお、１はロック本体、２は空洞、４は錠孔、５はチェ
ノ、１０は錠杆、１１は挟小部、１２は頭片、１３は基
部、Ｓはシリンダ錠、１６はプラグ、２１は斜面カム、
２５は係止筒、２６と２７はその回り止め手段、２８は
戻しばね、３０は係止孔、３１はその角縁、３３は斜面
カムで゛ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. はぼ全長にわたって空洞を刺抜いたロック本体の側端寄
   りに錠孔をあけて空洞の奥部に連通させ、この錠孔に挿
   込む錠杆に先細テーパ面の挟小部とこれに続く頭片を設
   け、ロック本体の側端と錠杆の基部にチェノ又はワイヤ
   ーを連結し、プラグの内端に斜面カムを有するシリンダ
   錠を空洞の前部に装入し、空洞の奥部にプラグの斜面カ
   ムに係合する斜面カムを設けた係止筒とこれの戻しばね
   を装入し、この係止筒に回り止め手段を設けると共に錠
   杆の挟小部と頭片を受入れる係止孔を刺抜き、係止孔の
   角縁に頭片の背面を引掛けて錠杆を錠止し、プラグの回
   動により斜面カムが係止筒を押して係止孔の角縁を錠杆
   の頭片からはずすように設定したことを特徴とする錠前
   。