JPS5854347B2 - 蒸発器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、冷媒を流通させるパイプをフィンに対して
直交させて取付け、フィンの下部にドレンパンを設置し
、ホットガスバイパス方式で除霜を行う蒸発器に関する
ものである。

つぎに、この種の従来の蒸発器の一例を第１図ないし第
３図により説明する。

並列させた多数のフィン２には、冷媒を順次流通させる
パイプ３が直交させて取付けられており、フィン３の下
部にはドレンパン４が設置されている。

ドレンパン４の底面部にはドレンパンヒータ５が取付け
られており、底部の側方部には排水口６が設げられてい
る。

７はパイプ３の冷媒入口、８はパイプ３の冷媒出ｌ」を
表わし、矢印Ｃは冷媒の流れを表わし、矢印Ａはフィン
２に対する空気の流れ方向を表わす。

冷媒穴ロアから流入１−た冷媒は、最下段の一つのパイ
プ３から順次上段の一つのパイプ３を通過したのち、最
上段のパイプ３から順次下段の−つのパイプを通過し、
冷媒出口８から流出する。

このような蒸発器１では、冷却運転中、冷媒の蒸発温度
が０℃以下となり、フィン２およびパイプ３に着霜が生
じる場合、冷媒穴ロアに近い部分が最も低温となり、そ
の部分に発生する着霜と、絶対湿度の大きい最初に接触
する蒸発器１の空気入口部に発生する着霜が太くなる。

そのため、フィン２に付着した霜により通風抵抗が増大
し、また、霜の断熱性により冷却能力がいちじるしく低
下する。

一定時間冷却運転をした後ホットガスバイパスにより除
霜を行なう場合には、冷媒穴ロアから高温冷媒ガスが流
入することになるが、高温冷媒ガスの温度は冷媒穴ロア
で最大であり、冷媒穴ロアのパイプ列から霜が溶は始め
る。

このため、冷媒出口８付近の霜は、冷媒穴ロア付近の霜
が溶けてしまった後に溶は始めるので、最初に霜が溶け
てしまった部分のフィン２およびパイプ３に残っている
水分が蒸発し、蒸発器１から上方へ向かって流れ出し、
冷蔵庫内の温度を上昇させるとともに、冷蔵庫内の天井
に触れて凝縮し、再冷却運転時に霜および氷の発生する
原因となる。

そればかりか、一つの冷蔵庫に複数台の冷却装置を設置
した場合には、一台の除霜運転により発生した蒸気が他
の装置に吸込まれ、着霜量の増大をもたらし、除霜の不
良の原因となることもある。

前述した着霜による通風抵抗の増大により蒸発器を通過
する空気量の減少にもとづく冷却能力の低下を防止する
方法として、第３図に示すように、蒸発器１の空気入口
側のフィン２のピッチを大きくするスタガーフィンを採
用し、このフィンピッチの大きい部分を貫通するパイプ
３を冷媒人ロア側のパイプとしく第２図参照）、その部
分で冷媒の温度が低いことにより、フィンピッチの大き
い空気入口部で集中的に蒸発器通過空気の除湿を行なう
方法がとられている。

しかし、この方法を採用した場合には、除霜時にフィン
ピッチの大きい部分から大量の霜がドレンパン４の一部
に集中的に落下する。

そのため、ドレンパン４に取付するドレンパンヒータ５
は大容量のものが必要となり、かつ、ドレンパン４に落
下した霜を溶かすために、蒸発器１の除霜終了後も相当
な時間が必要であり、除霜時間が長くかかり、また、霜
の塊による排水口６の凍結をまね（こともある。

この発明は、ホットガスバイパス除霜時における蒸発器
からの水分蒸気の発生を抑制するとともに、ドレンパン
の一部に集中的に霜が落下するのを防止することを目的
とするものである。

本発明は上記の目的を達成するために、冷媒通路を同一
段の全通路を流通させてから他殺に流入するように接続
するとともに、除霜時にはホットガスを最初に最下段列
の冷媒通路に流入し、該最下段列の冷媒通路を全て流通
し終えた後、その上段列の通路へ順次流入させるように
構成した特徴を有する。

まず、第４図に示すこの発明の一実施例を説明する。

同図において、第１図ないし第３図と同じ符号をつげた
ものは、同じもの、もしくは相当するものを表わす。

蒸発器１の冷媒人ロアは最下段のパイプ３Ａに対して設
げられ、そこから流入した冷媒は最下段のパイプ３Ａ、
３Ｂを経て順次上段のパイプ３に導かれる。

その他は従来のものと同様である。冷却運転中には、蒸
発器１の冷媒入ロアおよび最下段のパイプ３Ａ、３Ｂに
多く着霜することになる。

一定時間後、除霜運転にはいると、冷媒人ロアから高温
冷媒ガスが流入し、最下段のパイプ３Ａ、３Ｂ側の着霜
が最初に溶かされることにより、ドレンパン４には除霜
の初期にほぼ均一に霜が落下する。

したがって、ドレンパン４上で霜を溶かす時間が十分得
られる。

また、ドレンパン４に近い面、すなわち、最下段のパイ
プ３Ａ、３Ｂの部分を温度低下の少ない高温ガス冷媒が
流れるので、その熱がドレンパン４上の霜に与えられる
量も多くなり、ドレンパン４上の霜の融解を促進する。

それゆえ、除霜時間を短縮し、ドレンパンヒータ５の容
量を小さくすることができる。

かつ、蒸発器１の除霜が、その下部から上部に向かって
進行するので、蒸発器下部から発生する水蒸気が蒸発器
上部に付着している霜に与えられるため、蒸発器外部に
洩れる水蒸気が少なくなる。

第５図は最上段のパイプ３を経て順次中間のパイプ３ま
で冷媒を流通させ、中間のパイプ３に冷媒人口８を設け
たこの発明の他の実施例を示す。

この実施例のものは、第４図の実施例のものと同様の作
用効果が得られるとともに、第１図のものと同様に、蒸
発器上部に、パイプ内の冷媒が過熱蒸気となる。

冷媒出口近くのパイプが集中することなく、蒸発器の伝
熱面積を有効に利用することができる。

以−ヒ説明したように、この発明によれば、除霜運転時
に蒸発器からドレンパンに落下した霜を溶かすために高
温冷媒ガスを有効に利用でき、除霜時間の短縮およびド
レンパンヒータの小容量化をはかることができるととも
に、蒸発器から発生する水蒸気の量を減少することによ
り、庫内温度の上昇を抑制することができる。

また、蒸発器から発生する水蒸気が原因となる冷蔵庫天
井での霜付、氷結を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、従来の蒸発器を示す断面側面図、第
３図は第２図の平面図、第４図、第５図はこの発明の異
なる実施例を示す断面側面図である。 ２・・・フィン ３・・・パイプ、３Ａ、３Ｂ・・・最
下段のパイプ、４・・・ドレンパン、５・・・ドレンパ
ンヒータ、７・・・冷媒入口、８・・・冷媒出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数枚の並設フィンを貫通して冷媒通路を複数列か
   つ複数段設け、除霜時にはホットガスを上記冷媒通路に
   流入させて除霜を行なうようにした蒸発器において、冷
   媒通路を同一段の全通路を流通させてから他殺に流入す
   るように接続するとともに、除霜時にはホットガスを最
   初に最下段列の冷媒通路に流入し、該最下段列の冷媒通
   路を全て流通し終えた後、その上段列の通路へ順次流入
   させるようにしたことを特徴とする蒸発器。