JPS5853637B2 - コンクリ−ト製の浮体構造物 - Google Patents

コンクリ−ト製の浮体構造物

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JPS5853637B2
JPS5853637B2 JP14011279A JP14011279A JPS5853637B2 JP S5853637 B2 JPS5853637 B2 JP S5853637B2 JP 14011279 A JP14011279 A JP 14011279A JP 14011279 A JP14011279 A JP 14011279A JP S5853637 B2 JPS5853637 B2 JP S5853637B2
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正己 村山
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、浮遊式海洋構造物を構成する鋼製の上部構造
体を支持するコンクリート製の浮体構造物に関する。
近年、海洋開発が盛んとなり、たとえば海上スペースの
有効利用施設としての海上空港、海上プラント、海上都
市などに浮体工法を採用し、多数の浮体群により支持さ
れる浮遊式海洋構造物が研究開発されるに至っている。
そして、この種の浮遊式海洋構造物において、海面上に
常に晒される上部構造体として鋼製のものを、またこの
上部構造体を支持する多数の脚柱である半潜水型の要素
浮体として略筒状をなすプレストレストコンクリート製
のものを採用し、これにより上部構造体においては製作
の容易さと重量の軽減化を図り、またそのほとんどを水
没して常に海水の影響を受ける要素浮体にあっては海水
に対する耐耐食性が大きく、維持管理が簡単でしかもそ
の費用が嵩まないようにすることが各方面において種々
検討されている。
ところで、この種の構造物において、最も注目すべき点
は、鋼製の上部構造体とコンクリート製の要素浮体の結
合部の構造およびその施工法であり、この結合部には簡
単かつ確実に結合することができ、しかも強度上におい
ても構造物に加わる種々の外力に対し十分な耐荷力を有
することが要求される。
特に、要素浮体は波浪などにより繰り返し荷重を受けそ
の疲労強度が問題となるもので、このような点において
も十分に耐え得る構造とすることが必要である。
したがって、従来この種の構造物において、要素浮体の
コンクリート部を成形した後その端面に接着剤を塗布し
プレストレスを導入して鋼製の上部構造体に結合させる
ようにした構造のものが知られているが、このような構
造では、結合部の一部に空隙が生じ、この空隙にモルタ
ルグラウトを注入するといった作業が必要となるもので
、構造物の大きさから要素浮体の数が増加したとえば子
板上の数量ともなるとその工費、工数の点で無視できな
いものである。
さらに、上述した構造では、上部構造体と結合するとき
に、要素浮体に対し円周方向はともかく垂直方向へのプ
レストレスを導入するもので、その施工が繁雑であるば
かりでなく、プレストレスが完全に導入されていない要
素浮体を上部構造体との結合作業を行なう工事現場に搬
送しなけれはならす、このときに不測の衝撃荷重を受け
るとクラックなどが発生し易く、耐荷力の点で不具合で
ある。
そして、上述した構造のものでは、鋼とコンクリートと
の合成構造、たとえば橋梁の合成桁、建築構造物のコノ
クリート製床構造の鋼製桁への取付は等に従来から採用
されて十分に実績のあるずれ止めのような機械的結合法
がとられていないため強度的に完全なものとは言えず、
このような点を考慮して十分な強度を有する結合部構造
とすることが望まれている。
また、上述した従来の構造では、プレストレス導入用の
定着部がコンクリート内に埋め込まれておらず、単に塗
装などの手段が施こされた定着具などが厳しい海洋気象
条件下において露呈されており、この部分が海中に水没
して海水の影響を直接受けることはないが、腐食防止の
面からは問題であり、このような点においても伺らかの
手段を講じる必要がある。
本発明はこのような点に鑑み、プレストレストコンクリ
ート製の浮体本体の上端部に、鋼製の上部構造体側に固
着される鋼製の筒状部材と、この筒状部材の内壁部に横
架される同じく鋼製の接合板材とをずれ止め手段を介し
て一体的に接合させるように構成するとともに、前記接
合板材の所定個所に金属製の定着部型枠を着脱自在に嵌
入する切欠を穿設し、この切欠を利用して鋼製の部材側
には影響を及ぼすことなくプレストレスを導入し、さら
に定着部箱抜き内に後打ちコンクリートを充填して定着
部を完全に包め込み、これにより構造が簡単で、上部構
造体に要素浮体を簡単かつ確実に結合することができ、
その結合部構造の強化および施工性の向上を図るととも
に、合わせて浮体本体における定着部の耐腐食性をも考
慮したコンクリート製の浮体構造物を提供するものであ
る。
以下、本発明を図面に示した実施例を用いて詳細に説明
する。
第1図A、Bは本発明に係るコンクリート製の浮体構造
物を要素浮体群として用いた浮遊式海洋構造物の概略構
成を示し、同図において、この浮遊式海洋構造物1は、
略長方体状をなしその上部あるいは内部に構造物1の用
途に応じた各種の施設が塔載される鋼製の上部構造体2
を備え、この上部構造体2は、第2図に示すような状態
で配置される略有底筒状をなす多数のプレストレストコ
ンクリート製の要素浮体3により海面上に平均して支持
されている。
この場合、上部構造体2は上述した長方体状のものに限
定されずどのような形状のものでもよく、その下部に上
端部が結合された多数の要素浮体3により海上に浮遊し
て支持されておればよい。
また、要素浮体3の数はそれ自身の大きさおよび上部構
造体2の大きさなどに応じて適宜選定される。
前記要素浮体3は、第3図から明らかなように、全体が
略円筒状をなしかつその下側にやや大きな径をもった大
径部10aとこれに連続して底部を密封するごとくわず
かな曲率をもって形成された底面部10bを有するプレ
ストレストコンクリート製の浮体本体10を備え、この
浮体本体10はその内部に形成された空洞部10cによ
りそれ自身半潜水状態で海上に浮遊し、前記上部構造体
2を海面上から所定間隔おいて支持するように構成され
ている。
そして、この浮体本体10の上部は上方に開口され、さ
らにその上端部10dにはその外周を取り囲むごとく配
置される部製の円筒板11と、この円筒板11の内壁部
11aに横架されかつ浮体本体10の端面に対向して配
置される同じく鋼製の環状板12がそれぞれ接合して設
けられている。
これらの円筒板11および環状板12は本発明を特徴づ
ける部分であり、プレストレストコンクリート製の浮体
本体10と鋼製の上部構造体2とを簡単かつ確実に結合
するためのもので、この場合に、円筒板11の上端部1
1bが上部構造体2の下側部2aに溶接などにより固着
される。
以下、上述したように構成されている要素浮体3の詳細
を、その施工法と共に説明する。
すなわち、要素浮体3は、第4図および第5図から明ら
かなように、鋼製の円筒板11と環状板12とを溶接な
どにより連結し、さらにこれらを逆向きにしてドックあ
るいは船台などに用意された要素浮体製作架台13上に
載置し、しかる後内外から型枠14,15を順次組立て
てコンクリートを打設することにより製作される。
なお、図中16は円筒板11と環状板12との間に介在
される鋼製の補剤板で、円周方向に所定間隔おいて配置
されている。
ここで注意することは、打設されたコンクリート17が
円筒板11の内壁部11aと環状板12の下側部12a
(第5図においては上方に位置している)に確実に接合
して設けられることであって、このために、本発明では
、第6図に示すように、円筒板11の内壁部11aおよ
び環状板12の下側部12aにずれ止め手段として多数
のスタッドジベル18を適宜立設し、これらのスタッド
ジベル18の機械的結合作用により上述した鋼製の円筒
板11および環状板12と打設コンクリート17(すな
わち浮体本体10)とを所望の強度をもって一体化して
いる。
この場合、環状板12側のスタッドジベル18は主に水
平方向のせん断力を受は持ち、円筒板11側のスタッド
ジベル18は長さ方向の曲げ、および浮体本体10の自
重、その他長さ方向の軸力に抵抗するものであり、これ
により構造物に加わる種々の荷重に対し十分に安全性の
高いものである。
また、スタッドジベル18は第7図に示すような定着部
19を原則として避けて円周方向にわたって外力条件に
応じて配置されているものとする。
なお、本実施例では、スタッドジベル18は製作、コス
トの面からスタッド形状を考慮しているが、場合によっ
ては一般的な既成の別のジベルでもよく、要するに、コ
ンクリート製と鋼製との両部材を機械的結合作用により
一体化させ、その耐荷力を向上させ得るずれ止め手段で
あればよい。
また、コンクリート製の浮体本体10と鋼製の円筒板1
1および環状板12との接合部分の形状は外力条件によ
り適宜変更できるもので、たとえば浮体本体10の接合
部分の壁厚を厚くし、これに合せて円筒板11および環
状板12の形状を変更することは自由である。
また、本発明によれば、プレストレストコンクリート製
の浮体本体10において、垂直方向へのプレストレスを
導入するための定着部を、前記環状板12に穿設した矩
形状の切欠20を利用して形成している。
すなわち、第5図から明らかなように、環状板12には
その周方向に所定間隔おいて複数の切欠20が穿設され
、この切欠20には、第8図ないし第11図に示すよう
に、頭載角錐台状をなす金属製の定着部型枠21が着脱
自在に嵌入される。
この場合、定着部型枠21は、頂板部21aとこの頂板
部21aから徐々に外方に拡がるよう形成されたテーパ
側板部21bと、その外縁に設けられた取付フランジ部
21Cとからなり、コンクリート打設中にあっても変形
しない堅牢なもので、前記環状板12の上側部に立設さ
れたボルト22に取付フランジ部21Cの孔を嵌入させ
、ナツト23で締め付けることにより環状板12に対し
不動の状態で取付は固定される。
したがって、これらの定着部型枠21を取付けた状態で
、第4図に示すように、コンクリートを打設すると、打
設中に型枠21が移動するといった不具合がなく、その
結果成形される定着部端面の仕上りを良好なものとする
ことができる。
特に、この部分の仕上りはプレストレスが偏圧を生じる
ことなく設計通りに正しく導入されるためには重要な部
分で、前記定着部型枠21の使用により所望の定着部を
得ることが可能である。
なお、定着部型枠21の取付は時においては、第10図
および第11図に示すように、プレストレス導入用のP
C鋼材を布設するためのシース24を型枠14,15間
にそれぞれ所望の状態で配置させておくことは言うまで
もない。
また、上述した定着部型枠21は堅牢なもので、しかも
ボルト22およびナツト23により着脱自在に取付けら
れているため、これを転用して何度でも使用することが
できるもので、この種の浮遊式海洋構造物1では要素浮
体3が子板上にも及ぶことが考えられ、その有用性を十
分に発揮できるものとある。
そして、上述したように定着部型枠21を取付けた状態
でコンクリートを打設することにより浮体本体10全体
を成形し、しかる後定着部型枠21を取外して浮体本体
10に対し垂直方向にプレストレスを導入するわけであ
るが、この場合に、定着部型枠21により形成される定
着部箱抜き19が環状板12の切欠20を介して内側に
嵌入した構成であるため、定着具25によりPC鋼材を
緊張して浮体本体10にプレストレスを導入したとして
もこれに接合されている円筒板11および環状板12に
は作用することはない。
さらに、定着部箱抜き19はプレストレス導入後におい
て後打ち充填コンクリート26により完全に密閉され、
定着具25の耐食性を完全なものとしている。
なお、本実施例では、浮体本体10を成形する場合にあ
たって、円筒板11および環状板12に接合される部分
の成形についてのみ説明したが、残りの部分は同様に型
枠を組立てて全体を一度に打設する方法であっても、あ
るいはプレキャスト工法によりブロック化し接合する方
法であってもよい。
また、浮体本体10には円周方向および垂直方向にプレ
ストレスが所望の状態で導入されているが、この場合に
あたっては従来から行なわれている工法を採用するもの
とする。
また、上述したようにして製作される要素浮体3は次の
ようにして上部構造体2の下側部2aに結合される。
すなわち、浮体本体10の上端部に一体的に結合されて
いる円筒板11の上端部11bを第12図および第13
図に示すように、上部構造体2の下側部2aに位置合わ
せし、単に溶接などにより固着すればよいものである(
第14図および第15図参照)。
このとき、溶接される円筒板11の上端部11bはコン
クリート製の浮体本体10から十分に離れているためそ
の溶接時の熱影響がコンクリート側に直接及ぶことはな
く、これによりコンクリート部分に劣化現象やクラック
発生などの有害な現象が生じることがなく、その耐久性
を損なうことはない。
なお、本実施例では、プレストレストコンクリート製の
要素浮体3を構成する浮体本体10を、略円筒状をなし
しかもその下側にやや大きな大径部10aを有する形状
で形成した場合について説明したが、本発明はこれに限
定されず、たとえば単なる円筒状あるいは断面が多角形
状をなす筒状で形成されているものでもよく、この場合
には、その上端部に接合される鋼製の筒状部材としての
円筒板11および鋼製の接合板材としての環状板12の
形状を適宜変更すればよいものである。
また、要素浮体3のコンクリート部を構成する浮体本体
10の上部は必ずしも開口させておく必要はなく、これ
をコンクリートで覆ったりあるいは接合板材で密閉する
ことも可能で、要するに、要素浮体がそれ自身で浮揚し
得る構造であればよい○ 以上説明したように、本発明に係るコンクリ−1[の浮
体構造物によれば、プレストレストコンクリート製の浮
体本体の上端部に、鋼製の筒状部材および接合板材をず
れ止め手段を介して一体的に接合させ、その筒状部材の
上端部を鋼製の上部構造体に溶接して固着させるように
構成したので、簡単な構造によりプレストレストコンク
リート製の浮体本体を鋼製の上部構造体に簡単かつ確実
に結合させることができ、その施工性を向上させるとと
もに、十分な強度を有する結合部構造とすることができ
る。
また、本発明によれば、鋼製の接合板材に定着部型枠を
着脱自在に嵌入させる切欠を穿設し、この切欠を利用し
て浮体本体に対する垂直方向へのプレストレスの導入に
あたって鋼製の部材にプレストレスが直接加わらず、コ
ンクリート側にのみ導入することができ、しかも導入後
においては切欠を介して定着部箱抜きに後打ちコンクリ
ートを充填し、これによりその耐腐食性を完全なものと
することができ、従来のようなりラック発生が少なく、
さらに耐荷力が向上する等、種々優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
図は本発明に係るコンクリート製の浮体構造物の一実施
例を示し、第1図A、Bはこれを要素浮体群として用い
る浮遊式海洋構造物の概略構成を示す正面図および側面
図、第2図は同じく要素浮遊群の配列状態を示す概略斜
視図、第3図は要素浮体の概略構成を拡大して示す一部
切欠正面図、第4図は要素浮体のコンクリート打設要領
を示す一部省略断面図、第5図は要素浮体を構成する鋼
製の筒状部材および接合板材を示す正面図、第6図は本
発明を特徴づけるずれ止め手段を説明するための拡大断
面図、第7図は同じく定着部を説明するための拡大断面
図、第8図ないし第11図は定着部型枠の取付要領を説
明するための斜視図および断面図、第12図ないし第1
5図は要素浮体の上部構造体に対する取付要領を説明す
るための断面図である。 1・・・・・・浮遊式海洋構造物、2・・・・・・上部
構造体、2a・・・・・・下側部、3・・・・・・要素
浮体、10・・・・・・プレストレストコンクリート製
の浮体本体、11・・・・・・鋼製の円筒板(筒状部材
)、11a・・・・・・内壁部、11b・・・・・・上
端部、12・・・・・・鋼製の環状板(接合板材)、1
2a・・・・・・下側部、16・・・・・・鋼製の補間
板、18・・・・・・スタッドジベル(ずれ止め手段)
、19・・・・・・定着部箱抜き、20・・・・・・切
欠、21・・・・・・定着部型枠、22・・・・・・ボ
ルト、23・・・・・・ナツト、24・・・・・・シー
ス、25・・・・・・定着具、26・・・・・・後打ち
充填コンクリート。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼製の上部構造体の下側にその上端部が固着される
    鋼製の筒状部材と、この筒状部材の内壁部に横架されか
    つ金属製の定着部型枠が着脱自在に嵌入される複数の切
    欠が穿設された鋼製の接合板材と、この接合板材の下側
    部および前記筒状部材の内壁部に立設されたずれ止め手
    段と、このずれ止め手段を介して前記接合板材の下側部
    および筒状部材の内壁部にその上端部が一体的に接合さ
    れかつ前記定着部型枠で形成される定着部により垂直方
    向へのプレストレスが導入された略有底筒状をなすプレ
    ストレストコンクリート製の浮体本体とから構成されて
    いることを特徴とするコンクリート製の浮体構造物。
JP14011279A 1979-10-29 1979-10-29 コンクリ−ト製の浮体構造物 Expired JPS5853637B2 (ja)

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