JPS5853163Y2 - ダイカスト用金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 く技術分類・分野〉 開示技術はアルミダイカスト等の金型において湯だまり
を環設してその周囲にキャビティを設け、ガス抜きを有
効にした技術分野に属する。

而して、この考案は金型中央に同心状の湯だまりを形成
し、該同心状の湯だまりから正射される溶湯が湯口を介
して周辺形成のキャビティに注湯され所定製品を形成し
、該キャビティ内のガスは別製だまりを介し該別製だま
り接続のガス抜き穴から逸出するようにしたダイカスト
用金型に関する考案であり、特に、下型入子と大型入子
の少くとも下型入子に形成した上記同心状の湯だまりに
連通した湯口が上下型入子の製品の堰折れによる切欠効
果の最も少い部分に対応して設けられ、又、該同心状の
湯だまりから型合せ面にガス抜きノツチを形成して注湯
時に該同心状の湯だまり内のガスを該ガス抜きノツチか
ら抜は易いようにしたダイカスト用金型に係る考案であ
る。

〈従来技術〉 周知の如く、各種合金製品において軽量化、強度維持等
の観点からアルミダイカスト製品等のダイカストが多く
採用されるようになって来ている。

〈従来技術の問題点〉 そして、少品種多量生産等においては同一金型で多数個
、複数個のダイカスト製品を鋳造する必要があるが、そ
の場合湯道を長くして多数個取りを行うと溶湯を多く要
する点で資材、コストの点でデメリットがあるばかりで
なくキャビティ間の製品々質、精度にバラツキが生ずる
欠点がある。

縦型金型においては長行程湯道は湯まわり不良を生じ、
沈圧を高くしてもバラツキが避けられない難点があり、
横型金型においては鋳造圧力を高くしなければ品質向上
が求められず、設備上複雑、高イニシャルコストになる
不具合があった。

更に、湯口を製品にダイカストの設計都合で決めると、
例えば、ロッカーアームのパッド受は面付近に゛湯口を
設けると稼動時の応力集中の関係上湯口を折った場合ロ
ッカーアームの表面に切欠効果が表われて好ましくない
不都合さがあった。

く考案の目的〉 この考案の目的は上述従来技術に基づくダイカスト用金
型の問題点を解決すべき技術的課題とし、低い鋳造圧力
でも湯まわりが良好でしかも多数個取りが高品質同−精
度裡に行なえ、環設湯だまりに連接されるキャビティが
堰折れによる切欠効果を最も少なくし製品の稼動剛性を
維持し、ガス抜きを良好にし鋳造欠陥の無いダイカスト
を行うことができ得るようにし鋳造産業における金型利
用分野に益する優れたダイカスト用金型を提供せんとす
るものである。

く考案の構成〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を要旨とす
るこの考案の構成は、前述問題点を解決するために下型
入子に上型入子を型合せしプランジャにより溶湯を型合
せ部に形成された環設湯だまりに−たん注湯充填し、試
製だまりにより試製だまりに周設連通したキャビティに
射出され、湯口は製品の稼動強度に悪影響を与えない切
欠効果の最も少い部位に形成さ札面して、注湯プロセス
のキャビティ内のガスは製品外側の別の湯だまりを介し
て該別の湯だまり接続のガス抜き穴から逸失されると同
時に、型合せ面に予め形成した上記環設湯だまり接続の
ガス抜きノツチのガス抜き穴から注湯前段で該環設湯だ
まり内のガスを散失して製品欠陥の無いようにし、脱型
後堰折れが製品強度、剛性に実質的に影響を与えないよ
うにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例−構成〉 次に、この考案の１実施例を図面に基づいて説明すれば
以下の通りである。

第１，２図に示すものは上型入子１であり、第６図に示
す鋳鉄パッド２鋳ぐるみアルミボディ３のアルミロッカ
ーアーム４のダイカスト金型５を成すものであり、中央
に嵌設したシャフト６の周囲には傾斜部７を有して同心
状に凸出面８が形成され、該凸出面８には９０°置きに
堰９，９・・・を介して中間温だまり１０，１０・・・
が４個凹設され、又、該層９，９・・・の外方には所定
間隔を介して前記アルミロツカ二アーム４形成用のキャ
ビティ１１が彫込まれている。

又、該キャビティ１１の外側に湯だまり１２゜１２・・
・を介してガス抜き穴１３，１３・・・が凸段されてい
る。

第３，４図に示すものは上型入子１に対応する下型入子
１５であり、両者で金型５を形成するものであり、中心
に嵌装されているシャフト１６に対して型合せ面には同
心状に傾斜部１７が設けられ、前記上型入子の傾斜部７
に対応するように凹設されてその底部に周設湯だまりと
しての中間温だまり１８が形成周設されている。

而して、該傾斜部１７から湯口１９．１９・・・を介し
て４個のキャビティ２０．２０・・・が上型入子１のキ
ャビティ１１．１１・・・に対応して彫込まれており、
該湯口１９は第６図のアルミロッカーアーム４の調整ネ
ジ穴ボス部２１の後部に接続する堰折れ部を形成するよ
うに傾斜部１７を介してキャビティ２０と中間温だまり
１８を接続するようにされている。

２２はガス抜き穴のガス抜きノツチであり、下型入子１
５の見切面２３に凹設されており、上記傾斜部１Ｔから
湯口１９．１９間に４個設けられているがその深さは極
めて僅かに設計され湯の侵入がないようにされていると
共に、上記中間温だまり１８内のガスを放出し上記キャ
ビティ２０内の圧力が高くならないようにしている。

尚、２４は他のガス抜き穴である。

〈実施例−作用〉 上述構成において、下型入子１５に対して鋳鉄パッド２
を所定にセットし上型入子１を型合せし溶湯アルミを図
示しないプランジャにより押進注湯すると該溶湯はまず
型合せ面に形成面２３に形成される中間温だまり１０，
１８に−たん充填され、該中間温だまり１０，１８はビ
スケットに連通されていることにより充填充圧された後
、均等に湯口１９，１９・・・を介して各キャビティ１
１゜１１・・・２０・・・２０・・・に充填される。

この場合、ビスケットを介して設けられた湯だまり１０
，１８が環状に周設され、放射状に湯口１９．１９・・
・を介してキャビティ１１ 、２０に接続されているた
めシリンダチップをそれ程高圧にしなくとも確実に全キ
ャビティ１１．２０に注湯圧は伝達され、充分に注湯さ
れる。

而して、注湯プロセスでキャビティ１１ 、２０のアル
ミ湯からの該キャビティ１１．２０内のガスは湯だまり
１２、ガス抜き穴１３．１４から逸出するばかりでなく
、中間温だまり１０，１８に充填される段階の該中間温
だまり１０，１ａ内のガスはガス抜きノツチ２２を介し
て逸散する。

この場合、上型入子１と下型入子１５との間のガス抜き
ノツチ２２に傾斜部１，１７が形成されであることによ
り上記中間温だまり１０，１８内のガスは逸散し易く、
上記コヤビテイ１１，２０゜１２内の圧力は高くならず
、該キャビティ１１゜２０へのアルミ湯の流入もスムー
ズに行われ、又、上記ガス抜きノツチ２２のクリアラン
スは極めて僅少であるため溶湯は漏出しない。

そして、所定時間装脱型し湯口ＩＬ１９・・・の連結部
を堰折れして第６図の鋳鉄パッド鋳ぐるみアルミロッカ
ーアーム４を得る。

この場合、堰折れのままであっても製品における稼動中
量も激しい負荷を受けるロッカーシャフト穴ボス部２５
やパッド受は面２６、或いは、ビーム部２７に堰折れ部
が無いので切欠効果の悪影響が及ばず、ロッカーアーム
の機能に何ら変化はない。

く他の実施例〉 尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るものでない
ことは勿論であり、例えば、鋳造対象はロッカーアーム
に限るものではなく、他の製品でも良く、アルミダイカ
スト以外のダイカストでも良く、低圧鋳造、重力鋳造で
も可能であり、キャビティも４個以上、３個以下の配列
でも良いことは勿論である。

〈考案の効果〉 以上この考案によれば、周設湯だまりから湯口を介して
複数のキャビティに注湯し、該キャビティが別の湯だま
りを介してガス抜き穴を有しているダイカスト用金型に
おいて、上型入子と下型入子の各々に同心状に複数対応
キャビティを形成し、該上下型入子の少くとも下型入子
に該キャビティに同心状の中間温だまりを設け、該同心
状の中間温だまりとキャビティとの間の連通湯口を該キ
ャビティによって形成されるダイカスト製品の応力集中
部や疲労発生部に影響のない、即ち、堰折れによる切欠
効果の影響の無い部分に設けるようにしたことにより、
基本的にダイカスト鋳造において中間温だまりとキャビ
ティとの距離が短く、しかも、各キャビティが等距離に
設けられるため、湯まわりが速く、同一精度で製品比重
の差が無く、表面欠陥もなく、製品間の品質に差が無い
優良品が多くできる優れた効果がある。

したがって、短い湯道で短時間でキャビティに注湯がで
き、しかも、圧損も少いためプランジャチップの注湯圧
は確実に伝達さ札その結果、プランジャ圧をそれだけ低
く押えることができ、動力節減にプラスし、装置金型の
コンパクト化に益するところ極めて犬である。

又、上述のように湯口堰折れは切欠効果の影響の少いと
ころに設けられるので製品の使用に際して耐久性の向上
、強度アップが得られる効果もある。

更に、上型入子と下型入子との上記同心状の湯だまりか
ら型合せ面はガス抜きノツチを形成して該同心状の湯だ
まり内のガス抜きを企ることかできるようにしたことに
より、キャビテイ外側の別の湯だまり接続のガス抜き穴
を介して該キャビティ内のガス抜きを企るばかりでなく
、中間温だまりの注湯からも湯の漏出なしに該中間温だ
まり内のガス波きを行うことができ、上記キャビティ内
の圧力も高くならずに溶湯がスムーズに該キャビティ内
に流入され、したがって、キャビティ注湯の前後プロセ
スでガスが抜かれ表面欠陥等が消失される効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例の説明図であり、第１図は上
型入子の平面説明図、第２図は第１図Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−
Ｅ断面説明図、第３図は下型入子の平面説明図、第４図
は第３図Ｆ−Ｇ−Ｈ−Ｉ−Ｊ断面説明図、第５図は型合
せキャビティ注湯断面説明図、第６図は製品説明図であ
る。 １０．１８・・・・・・湯だまり、１１ 、２０・・・
・・・キャビティ、１９・・・・・・湯口、１２・・・
・・・別の湯だまり、１３．１４・・・・・・ガス波き
穴、１，１５・・・・・・金型、１５・・・・・・下型
入子、１・・・・・・上型入子、１０．１８・・・・・
・同心状の湯だまり、２３・・・・・・型合せ面、２２
・・・・・・ガス抜き穴、ガス抜きノツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周設湯だまりがその周囲に複数のキャビティを形成し該
   キャビティが銭湯だまりに湯口を介して連通していると
   共に銭湯だまりとは別の湯だまりを介してガス抜き穴を
   接続しているダイカスト用金型において、下型入子と上
   型入子の各々の中心の周囲に複数のキャビティが形成さ
   れ、該下型入子と上型入子の少くとも下型入子に上記キ
   ャビティと同心状に湯だまりが周設され、而して該同心
   状の湯だまりから型合せ面にガス抜き穴が形成されるよ
   うに少くとも一方の入子にガス抜きノツチが該同心状の
   湯だまりに接続されて設けられていると共に製品の切欠
   効果の少い部位の湯口を介して前記キャビティに接続さ
   れていることを特徴とするダイカスト用金型。