JPS5851782B2

JPS5851782B2 - ダイカストマシンの射出方法

Info

Publication number: JPS5851782B2
Application number: JP55002048A
Authority: JP
Inventors: 元三河島; 正行西本; 孝彦竹嶋
Original assignee: Ube Industries Ltd
Current assignee: Ube Corp
Priority date: 1980-01-14
Filing date: 1980-01-14
Publication date: 1983-11-18
Also published as: JPS5699062A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、ダイカストマシンの射出方法に関するもの
であり、射出スリーブ内の金属溶湯の保温のためと、射
出スリーブ中でプランジャチップを円滑に摺動させるた
めに、射出スリーブ中に薄い可燃性材料である紙製の筒
状体を入れ、この中に溶湯を注湯して射出するようにし
たものである。

つぎに、図面に示した１実施例によって、この発明を説
明する。

図面は竪型ダイカストマシンの射出装置の主要部の１実
施例を示すもので、１は従来より公知の特殊鋼製の射出
スリーブ、２は鋳鉄製などのプランジャチップであり、
プランジャチップ２は射出スリーブ１中に摺動自在に設
けた。

射出スリーブ１中には、射出の各サイクル毎に、薄い可
燃性材料である紙製の筒状体３を入れ、この筒状体３内
に金属溶湯４を注湯し、プランジャチップ２を作動させ
て図示していない金型内に射出するようにした。

筒状体３は、円筒状のものか、カップ状のものを用いる
ようにし、射出スリーブ１の内周面にほぼ密着させた状
態で射出スリーブ１中に入れうるものを用いる。

図示したような状態で、射出スリーブ１中の可燃性材料
からなる筒状体３の中に、上方から、金属溶湯４を入れ
れば、筒状体３が燃えて炭素膜ができる。

この場合、筒状体３が灰になる前に、金属溶湯が入るの
で、筒状体３が燃えてできた炭素膜は、その形がくずれ
ることなく、射出スリーブ１の内周面と金属溶湯４の外
周面との間に、そのまま残る。

この炭素膜は、射出スリーブ１中の金属溶湯４の保温の
役目をはたすので、射出前の金属溶湯４は温度がほとん
ど下がらず、この状態で射出すれば極めて良質の射出製
品が得られる。

また、この炭素膜は、固体潤滑剤の役目をはたすので、
プランジャチップ２は射出スリーブ１中を円滑に摺動し
、かじり現象がおきることはない。

この発明では、保温体としての筒状体３に、断熱性は必
要であるが、耐熱性は必要でないので、その材料として
紙である可燃性材料を用いた。

しかも、ダイカストにおいては、給湯してから射出する
ま゛での射出スリーブ１内の溶湯の滞留時間は数秒であ
るので、その間のみ断熱性を有しておれば良く、セラミ
ックス系のように耐熱性の材料を必要としていない。

なお、射出スリーブ１内に入れる保温体としての円筒体
３として耐熱性のものを用いれば、それは溶けたり燃え
たりすることがなく、射出時に、その円筒体は溶湯とい
っしょに移動し変形するが、その一部または破片が溶湯
内に混入して射出製品の中に入るおそれがおおいにある
。

そして、それにともなって、射出製品の機械的性質の劣
下を招き、また、それが加工面にある場合は、機械加工
時に刃物の切損などのトラブルを引起こす。

したがって、射出スリーブ１内に溶湯を充填する数秒間
で保温体である円筒体３はやわらかく、また、微細な物
質に変化するものが望ましいが、この発明では保温体で
ある円筒体３として紙を用いているので、それらを充分
に満足しており、さらに好都合なことに、全く無害な炭
素に分解するので、プランジャチップの潤滑にも役立つ
。

また、この発明では、射出スリーブ１の内周壁面と、紙
からなる暫定的な保温体である円筒体３の外周面との間
の空気が入っているわずかなすき間によるエアギャップ
、および、円筒体３が燃えて熱分解または炭化して発生
するガスの作用により、総合的な断熱を行っている。

このように、この発明においては、射出スリーブ中に、
可燃性材料である紙製の筒状体を入れ、この中に金属溶
湯を入れて射出するようにしたので、可燃性材料の筒状
体は金属溶湯のために燃え、炭素膜となる。

そして、この炭素膜が、金属溶湯の保温と、固体潤滑剤
の役目をはたすので、良質の射出製品が得られるととも
に、プランジャチップは射出スリーブ中を常に円滑に摺
動し、かじり現象も起きず、射出作動が安全であり、か
つ、プランジャチップの寿命も延びる。

また、この発明では、保温体としての円筒体３に紙を用
いているので、それは燃えて無害な炭素に分解してビス
ケットランナの中に残ることにより、回収地金の中にセ
ラミックスの破片などのようにかたい物が残って、それ
を用いて成形した射出製品の機械加工時に刃物の切損が
起こるなどという心配は全くする必要がなく、ビスケッ
トランチをそのまま溶解炉や保温炉に投入して再使用で
き、円筒体の分解されたものが含まれているビスケット
ランナから地金を回収するのを極めて容易に行える。

さらに、この発明においては、保温体である円筒体とし
て、ごく一般的に使用されている紙を用いれば良いので
、使用済の紙でも使用でき、極めて容易に得られ、かつ
、実質的にただに近く、加工もやさしく、極めて経済的
で実用的である。

なお、この発明は、竪型ダイカストマシンだけでなく、
横型のダイカストマシンでも実施できる。

その場合は、固定盤側から射出スリーブ中に、円筒状ま
たは注湯口部に相当する部分を切欠いだ円筒状の筒状体
３を装入した後、給湯すると良い。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の方法を実施するための装置の１実施例
を示す縦断面図である。１・・・・・・射出スリーブ、２・・・・・・プランジ
ャチップ、３・・・・・・筒状体、４・・・・・・溶湯
。

Claims

【特許請求の範囲】

１射出スリーブの中に、紙製の筒状体を入れ、この筒
状体内に金属溶湯を入れた後、射出するようにしたダイ
カストマシンの射出方法。