JPS5851763B2 - 圧延ロ−ルの形状制御方法および圧延ロ−ル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は板圧延等に用いる圧延ロールの形状、とりわ
けスリーブ式ロールのクラウン量を制御する方法および
その圧延ロールに関する。

一般に、ホットストリップの幅方向の板厚の均一性は製
品にとって要求される重要な要素である。

しかし、ストリップに圧下を加えるとロールのたわみが
起り、幅方向氷厚に多少の変動を生じる。

そこで従来ロールにクラウンを与える方式が採用されて
いる。

その一つの方法として、油圧力を利用して強制的にロー
ルの中空部に圧力をかけロールのクラウンをコントロー
ルする方法が知られているが、大規模な設備となり経済
的なものでない。

また近年、特公昭５０−１４９９２号のように、ロール
中心軸に沿って設けた中心孔内部を加熱する方法が提案
されている。

しかしながら、この方法は第１に中心軸部を加熱するも
のであるため、ロール表面の膨張に時間がかかること、
第２にスリーブ式ロールにおいて中心軸加熱を行うと、
アーバーとスリーブとの間にたとえ焼はめであってもズ
レを生じる危険性があり、膨張量の伝達が不整となり正
確なりラウン量制御には不向であり、また特にそれらの
間に間隙をもってスリーブを固定するようなものにあっ
ては、熱がスリーブまで到達せず制御不能となること等
の問題がある。

この発明は上記問題点を解決せんとするもので、アーバ
ーとスリーブとの間に電熱材を設けることによってスリ
ーブを膨張させて所望のロールクラウンを容易に得るこ
とができる方法およびそれを与える圧延ロールを提供す
るものである。

以下この発明を図面に示す具体例によって説明すると、
１はアーバー、２はこのアーバー１の周部を覆って固定
されたスリーブである。

アーバー１の中心軸部に沿って主導線孔３が形成され、
かつこの主導線孔３の軸方向に間隔を置いた位置におい
て、主導線孔３から分岐して放射状に枝溝線孔３ａが形
成されている。

またスリーブ２とアーバー１との間には、軸方向および
周方向に分割された偏平板状の電熱材４が配設されてい
る。

５は電熱材４相互を分割するための絶縁材である。

一方ロール端部には、求電子６が設けられ、別に設置し
た電源装置に接続されたブラシＴに摺接することによっ
て取電するようになっている。

８は主導線孔３内に配された主導線で、その一端は求電
子６に接続されている。

この主導線８から枝導線８ａが分岐しており、各電熱材
４にそれぞれ接続されている。

かくして、いま電熱材４に通電すると、それは発熱を起
しスリーブ２を膨張させるとともに、電熱材４自体の膨
張によってあわせてスリーブ２を膨張させる。

そして圧延機の後部に設けたＸ線等の放射線によって板
厚幅方向の変動を圧延ロールにフィードバックし所望の
ロールクラウン量に応じて、各電熱材４への通電量に所
定のパターンを設定することによってロール表面の形状
を制御することができる。

またその場合、軸方向に電熱材４自体の抵抗値を変えた
ものを用いたり、層厚さを変えたりすることによっても
制御が可能である。

ここで電熱材４としては、熱膨張係数の犬なるものを用
いれば、発熱によるばかりでなくそれ自体の膨張による
スリーブの膨張を図ることができる。

たとえばその材質としては、亜鉛、鉛またはマグネシウ
ムあるいはそれらの合金等を用いることができる。

一方、スリーブ２のアーバー１への固定は、第４図に示
す周知の焼ばめ方式、第５図に示すようにナツト９によ
る固定、第６図に示すように、傾斜面を有する座体ｉｏ
、ｉｏ間に楔１１．１１を介装しこれをボルト１２によ
り対向間隔を狭め座体１０，１０を拡げ固定する方法等
をとることができる。

この発明者らの実験によれば、直径１０００ｍｍのロー
ルに対して表面温度を１００℃としたところ、片側０．
５ ｍｍ１両側で１ｗｎの膨張を得た。

さらに、一例として熱延ロールの場合、ロールの温度分
布が第１図に示すようになる。

すなわち、ヒートクラウン量は約１５分頃が最も大きく
約３０分後に安定する。

したがって、圧延前に中央部を４０℃程度に加熱しその
後通電量を下げて３０分後に切る。

また、素材の形状によりクラウン量を変化させる。

すなわち、中伸び母材に対してはマイナスクラウンを与
え、（第８図参照）、耳伸びの母材にはプラスクラウン
を与え（第９図参照）を与える。

したがって、素材の形状によりロールの中央や端部を加
熱することになる。

さらに、圧延すると通板部が摩耗し、特に板端部の摩耗
が大きくなり、第１０図Ａにおいて斜線で示すような摩
耗状態となる。

このような状態のロールに対して第１０図Ｂのようなヒ
ートクラウンを与えれば平担なロール表面が得られるこ
とになる。

以上の通り、この発明によれば、従来中心軸加熱では良
好な結果が得られなかったスリーブ式ロールに対して、
スリーブとアーバーとの間に電熱材を配して膨張させる
ので、膨張が確実に伝達するばかりですく、表面近傍の
加熱であるため伝熱速度が犬であり、応答性の速いロー
ル形状の制御が可能である。

したがって、板の中伸び、耳波、キャンバ−等の発生を
防止でき、板の平担性確保にきわめて有用である。

そして予め所定のクラウンをロールに形成しておけば、
圧延時に必要なりラウン量は電熱材への通電量等を制御
することによって所望ロールクラウ湛容易に得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る圧延ロールの一部破断正面図、
第２図は取軍部の側面図、第３図はロールの横断面図、
第４〜６図はスリーブの固定態様を示す概要断面図、第
１図はヒートクラウンの時間的変化の一例を示すグラフ
、第８図、第９図はヒートクラウンの形状例を示す概略
図、第１０図Ａはロール摩耗状態を示す概略図、第１０
図Ｂはこのようなロールに与えるヒートクラウンを示す
グラフである。 １・・・・・・アーバー、２・・・・・・スリーブ、３
・・・・・・主導線孔、３ａ・・・・・・枝溝線孔、４
・・・・・・電熱材、５・・・・・・絶縁材、６・・・
・・・求電子、Ｔ・・・・・・ブラシ、８・・・・・・
主導線、８ａ・・・・・・枝導線、９・・・・・・ナツ
ト、１０・・・・・・座体、１１・・・・・・楔、１２
・・・・・・ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スリーブ式ロールのアーバーとスリーブとの間に電
   熱材を設け、その電熱材に通電し、スリーブを膨張させ
   てロールクラウン量を制御することを特徴とする圧延ロ
   ールの形状制御方法。 ２ 電熱材として熱膨張係数の犬なるものを用・いる特
   許請求の範囲第１項記載の圧延ロールの形状制御方法。 ３ 電熱材への通電量を軸方向について適宜変更する特
   許請求の範囲第１項記載の圧延ロールの形状制御方法。 ４ スリーブ式ロールのアーバーとスリーブとの間に電
   熱材を設け、この電熱材を通電可能としたことを特徴と
   する圧延ロール。 ５ 電熱材は熱膨張係数が犬である特許請求の範囲第４
   項記載の圧延ロール。 ６ 電熱材は軸方向に発熱量が異ったものである特許請
   求の範囲第４項または第５項記載の圧延ロール。