JPS5851650Y2 - マスタシリンダのピストンストツパ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマスクシリンダのピストンストッパ装置の改良
に関するものである。

一般に、自動車用等の液圧ブレーキシステムや液圧クラ
ッチシステムに使用されるマスクシリンダにおいては、
マスクシリンダボディの内壁部に環状溝を形成し、この
環状溝にサークリップを嵌合し、作動パストンの後退位
置を規制するピストンストッパをこのサークリップによ
り固定してピストンカップのリップ部がサプライポート
に到達することにより破損することを防止するとともに
液圧が開放されないために生ずるブレーキの引ずりを防
止している。

また、マスクシリンダボディの内壁部とピストン間にダ
ストブーツを設けて、ピストンとシリンダ間に塵芥等が
侵入することを防止している。

しかし、このピストンストッパ及びダストブーツ等の取
付けは、マスクシリンダボディの内壁部にサークリップ
嵌合溝及びダストブーツ嵌合溝を形成して取付けている
ため、マスクシリンダボディの加工工程が複雑でしかも
ピストンストッパ及びダストブーツの組付作業に手数を
要する等の不都合があった。

本考案はかかる点に鑑み考案されたもので、作動ピスト
ンと摺合するシリンダのレバー側開口縁に該シリンダ径
よシ大径のピストンストッパ取付段部を形成し、一端縁
に外周方向へ突出するブーツ嵌着フランジを、他端縁に
内周方向へ突出するシリンダ径より小径のストッパ部を
形成したピストンストッパ部材を、前記ピストンストッ
パ取付部に圧入嵌着して、該ストッパ部材のブーツ装着
フランジとシリンダのレバー側開口縁端面との間にブー
ツフランジ取付溝を形成したことを特徴とし、マスクシ
リンダボディにピストンストッパを固定するためのサー
クリップ嵌合溝やダストブーツ嵌合溝等の加工を必要と
せず、もってマスクシリンダの加工工程を簡単にし、し
かもダストブーツ及びピストンストッパをマスクシリン
ダボディに簡単確実に設けることができるピストンスト
ッパ装置を提供するにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する０ １はシリンダボディで、ハンドル取付部１ａによりハン
ドルバー（図示せず）を挾み、ボルト２を螺着してハン
ドルバーに固定される。

３はシリンダボディ１と別体に形成したリザーバで、下
部に形成したボディ取付部３ａをシリンダボディ１に嵌
挿して取付けられている。

４はシリンダボディ１のレバー側に形成した側壁１ｂよ
り挿通したピンで、リザーバの取付位置決めを容易にし
ている。

５はシリンダボディ１に形成したシリンダ、６はシリン
ダ５内に摺合している作動ピストンで、シリンダ５内は
この作動ピストン６により圧力室７と補給室８に画成さ
れている。

１０．１１は作動ピストン６に設けられたピストンカッ
プである。

１２はシリンダ５のレバー側開口縁にシリンダ径より大
径に切欠いて段部状に形成したピストンストッパ取付部
、１３はピストンストッパ部材で、このピストンストッ
パ部材１３は前記のピストンストッパ取付部１２に相対
して外方へ折曲する折曲部１３ａと内方へ折曲する折曲
ｍ１３ｂを設けると共に、該折曲部１３ａより延設して
外周方向へ突出する段部状のピストンストッパ部材より
大径のブーツ装着フランジ１３ｃが、また該折曲部１３
ｂより延設して内周方向へ突出するシリンダ径より小径
のストッパ部１３ｄがそれぞれ形成されている。

そしてこのピストンストッパ部材１３をピストンストッ
パ取付部１２に圧入嵌着して固定すると、これによりシ
リンダボディ１の側壁とブーツ装着フランジ１３ｅとの
間にダストブーツ嵌合溝１４が形成される。

１５はダストブーツで、一端１５ａを作動ピストン６に
形成した環状溝６ａに嵌合し、他端１５ｂを前記のダス
トブーツ嵌合溝１４に嵌合して取付けられている。

１６は作動ピストン６のリターンスプリングで、作動ピ
ストン６は非作動時にあっては、該リターンスプリング
１６により作動ピストン６の外端鍔部６ｂの端面６ｃが
ストッパ部１３ｄに当接している。

１Ｔはリザーバ３と補給室８とを連通ずるようにシリン
ダボディ１に設けられたサプライポー）、１８は同じく
リザーバ３と圧力室７とを連通ずるようにシリンダボデ
ィ１に設けられたリリーフポー）、１９，２０ｕシリン
ダボデイ１の外周に形成したそれぞれの環状溝に嵌合し
ている０１７ングで、シリンダボディ１の外周とリザー
バ３のボディ取付部３ａの内周との間から液が外部へ漏
れることを防止している。

２１はホイルシリンダ等への配管（図示せず）の接続口
である。

２２はシリンダボディ１のレバーホルダ部１ｅにレバー
軸支ピン２３により回動自在に取付けられたブレーキレ
バーで、シリンダボディ１の外側に形成した位置規制部
１ｆに当接する当接部２２ａと、作動ピストン６の頭部
６ｄに当接して作動ピストン６を抑圧作動する抑圧部２
２ｂとを有している。

２４はシリンダボディ１のストップランプスイッチ取付
孔１ｇに圧入固定したストップランプスイッチで、スイ
ッチ片２４ａにブレーキレバー２゜２の当接部２２ａに
延設した作動片２２ｃが当接しており、制動操作によっ
てブレーキレバー２２が回動して、スイッチ片２４ａか
ら作動片２２ｃが離れるとストップランプ（図示せず）
は点灯する。

次に上記の作用について説明する。

ブレーキレバー２２をバンドル方向に引き寄せるように
回動させると、ブレーキレバー２２の抑圧部２２ｂが作
動ピストン６の頭部６ｄを押圧し、これにより作動ピス
トン６はリターンスプリング１６に抗してシリンダ５内
を移動する。

この作動ピストン６の連続的な移動によってリリーフポ
ート１８の圧力室７への連通は遮断され、該圧力室７内
の液は加圧されて接続口２１から配管を介してホイルシ
リンダへ圧送され制動が行われる。

ブレーキレバー２２を開放すれば、作動ピストン６はリ
ターンスプリング１６により復帰行程を行い、外端鍔部
６ｂの端面６ｃがストッパ部１３ｂに当接することによ
りその行程を終了する。

このとき、作動ピストン６の後退限はブレーキレバー２
２の当接部２２ａがシリンダボディ１の位置規制部１ｆ
に当接することにより規制され、ピストンストッパ部材
１３はリターンスプリング１６のセット荷重よりやや高
い抜は荷重でピストンストッパ取付部１２に圧入固定さ
れているので、抜けることばない。

そして、このピストンストッパ部材１３の圧入固定によ
って形成されるブーツ嵌合溝ば、常に一定の間隙が保た
れるので、ダストブーツ１５の取付はダストブーツの端
部１５ｂの潰れを防ぎ、この部分に切れが生ずることな
く、また弛みを生ずることなく簡単確実で、しかも前記
の制動作動によってもゆるんだり脱落することはない。

以上のように本考案は一端に外周方向へ突出するブーツ
装着フランジを、他端に内周方向へ突出するシリンダ径
より小径のストッパ部を形成したピストンストッパ部材
を、シリンダの開口縁にシリンダ径より大径のピストン
ストッパ取付段部に嵌着し、ストッパおよびダストブー
ツを取付けるようになしたから、シリンダボディにスト
ッパ取付溝やダストブーツ取付溝を加工する必要がなく
、従来に比較して、シリンダボディの加工工程を著しく
削減することができる。

また、ストッパおよびダストブーツの取付構造が極めて
簡単となり、組付能率の向上を図ることができると共に
その取付は確実で容易に脱落することばなく、また、ダ
ストブーツの耐久性を増すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は平面図
、第２図は側面図、第３図は第１図■−■断面図である
。 １はシリンダボディ、３はリザーバ、５はシリンダ、６
は作動ピストン、１２はピストンストッパ取付段部、１
３はピストンストッパ部材で、１３ｃはそのブーツ装着
フランジ、１３ｄばそのストッパ部、１５はダストブー
ツである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作動ピストンと摺合するシリンダのレバー側聞口縁に該
   シリンダ径より大径のピストンストッパ取付段部を形成
   し、一端縁に外周方向へ突出するブーツ装着フランジを
   、他端縁に内周方向へ突出するシリンダ径より小径のス
   トッパ部を形成したピストンストッパ部材を、前記ピス
   トンストッパ取付部に圧入嵌着して該ストッパ部材のブ
   ーツ装着フランジとシリンダのレバー側聞口縁端面との
   間にブーツフランジ取付溝を形成したことを特徴トスる
   マスクシリンダのピストンストツバ装置。