JPS5851629B2 - 起動機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は起動機構に関するものである。

従来たとえば磁気脱進機、モータなどの起動機構では、
スタータを用いて輪列の１つの歯車に正回転方向の力を
与え、これにより正回転起動させるものであった。

このため起動時に与えられる力が太きいと、２倍周同期
あるいはそれ以上の倍周回期で起動し、そのまま回転を
継続してしまうことがある。

このために時計に用いられた場合には時計の進みなどの
欠陥となってあられれる。

本発明は上記欠陥を除去するもので、順方向の回転を始
めるときの力が常に所定の大きさに限られるようにし、
従って倍周回期などを生ずることの全くない起動機構を
提供するものである。

本発明の一実施例を説明する。

１は振動子２に支持体３を介して固着された永久磁石で
、その磁極間隙にガンギ歯車４の磁路が位置し、磁気的
に結合している。

ガンギ歯車４に固着されたガンギカナ５はこの例では８
個の歯形５ａ・・・・・・を有し、そのうちｌ歯の逆回
転側には逆転止歯部５ｂが形成しである。

歯形５ａ・・・・−・には２番車６の歯形６ａが噛み合
っている。

歯形６ａはその順回転側の歯部が切欠されて歯幅か細く
形成してあり、回転速度変化に伴い噛み合っている歯形
間に生ずる振動を緩和するように配慮しである。

２番カナ１の歯形７ａには３番歯車８が噛み合い、以下
順次回転力伝達の輪列を構成している。

２番カナ７の歯形７ａにはスタータ９のバネ片１０が係
合可能である。

スタータ９は軸１１に揺動自在に軸支しである。

スタータに突設した作動ピン１２は機械体ケース（図示
せず）にあけられたガイド溝１３を貫通して外部に突出
している。

このために作動ピン１２をガイド溝１３に規制された範
囲内で手動にて移動させることにより、スタータ９を揺
動させることができる。

スタータ９には戻しバネ（図示せず）により反時計方向
にバネ力が与えられているので、通常は第１図実線に示
すように作動ピン１２がガイド溝１３の下端に接する位
置にて停止している。

作動について説明する。

起動させるときには、手動にて作動ピン１２をバネ力に
抗して上方へ移動させ、第１図鎖線位置にて待機する。

起動時になったら作動ピン１２を解放する。

スタータ９はバネ力により反時計方向へ揺動し元の位置
に戻る。

このときバネ片１０′からバネ片１０へ移動し、途中２
番カナ７の歯形１ａを時計方向へはじくので、２番カナ
１．２番歯車６は時計方向へ回転するる。

歯車６の順方向の回転は第１図矢印１４に示すように反
時計方向であるので、上記の起動動作により歯車６は逆
回転方向に起動されたことになる。

２番歯車６の逆回転により、第２図示のように歯形６ａ
たとえば６ａ、がガンギカナ５の歯形５ａたとえば５ａ
、に逆回転力を伝達するので、ガンギカナ５．ガンギ歯
車４は反時計方向に起動する。

ガンギ歯車４の順方向の回転は第１，２図矢印１５に示
すように時計方向であるので、ガンギ歯車４は逆回転方
向に起動されたことになる。

ガンギ歯車４の逆回転により磁石１を介して振動子２が
振動し、電磁駆動手段により励振されるために、ガンギ
歯車４は磁石１より逆方向の回転力を与えられ、その回
転を継続する。

一方２番歯車６は上記起動動作により与えられた力によ
る慣性力で逆回転をしばらくは継続するが、その力は次
第に衰えてゆく。

２番歯車６の回転力の方がガンギカナ５の回転力よりも
勝っている間は、第２図実線のような歯形６ａ１から５
ａ１への駆動力の伝達が継続し、両者の相互位置が保た
れているが、２番歯車６の回転力の衰えにつれて、歯形
６ａ１は次第に遅れ、歯形＄ａ２の状態から遂には６ａ
３の位置に至る。

このとき駆動力の伝達は歯形５ａ２から６ａ３へ変り、
伝達方向が反転する。

すなわち磁石２に励磁されたガンギカナ５の歯形５ａに
より送られるようになる。

上記のように歯形５ａのうちの一歯は逆転止歯部５ｂが
形成しであるので、上記の伝達方向の反転により逆転止
歯部５ｂが歯形６ａ３に当接可能となる。

そして歯部５ｂが丁度歯形６ａ３に当接したとき逆転止
が働く。

すなわち歯部５ｂが歯形６ａ３に当接するときは起動時
に与えられた外力は十分に減衰している。

そこで逆転止歯部５ｂと歯形６ａ３とが十分に減衰した
弱い力でぶつかり、反発し、両者は共にその回転方向を
転じる。

すなわちガンギカナ５、ガンギ歯車４は時計方向に、２
番歯車６は反時計方向に、いずれもその順方向（矢印１
５゜矢印１４方向）で回転を始める。

その後は振動子２の振動により磁石１を介してガンギ歯
車４が順方向に回転し、ガンギカナ５の歯車５ａ、２番
車６の歯部６ａ、２番カナ１を介して３番歯車以下の輪
列へ順次順方向の回転が伝達されてゆく。

このように本発明によれば起動に際し輪列の一つの歯車
に逆方向の回転力を与えるスクータにより起動動作が行
われ、カナに設けた逆転止め歯部がこのカナと噛合する
歯車の歯部と衝突した時の反発力で順方向の回転に転じ
るようにしたので、順方向へ転じる力が常にほぼ一定と
なり、倍周同期することは決してなく、常に設定された
正しい同期を得られ、その効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例であって、第１図は要部の平面
図、第２図は作動を説明するための一部拡大平面図であ
る。 ５・・・・・・ガンギカナ、５ａ・・・・・・ガンギカ
ナの歯形、５ｂ・・・・・・逆転止歯部、７・・・・・
・２番カナ、９・・・・・・スタータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自起動性および方向性を有しない駆動手段と、この
   駆動手段によって駆動される輪列とを含み、上記輪列中
   の高速回転するカナの少なくとも一つの歯形の逆回転側
   に逆転止め歯部を形成し、かつ上記輪列の一つの歯車を
   逆回転方向に起動させるスタータを配設したことを特徴
   とする起動機構。