JPS5851142Y2 - カプセル車両の底蓋開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はパイプライン・カプセル輸送におけるカプセ
ル車両の底蓋開閉装置の改良に関するものである。

パイプライン・カプセル輸送は周知のごとく、パイプラ
インの中を、車輪のついた数台のコンテナータイプのカ
プセルからなるカプセル列車を空気圧で走らせ荷物を運
搬する方式である。

この輸送方式におけるカプセル車両は上部に荷物積込用
の上蓋を有し、下部に荷降用の底蓋を備えている。

従来の底蓋はカプセルとの枢着部を支点にして左右に開
閉する横開き式で、その開閉はリンク機構により行って
いる。

すなわち、従来の開閉機構はカプセルの前後に設けた昇
降板の昇降に連動して左右に開閉する前後釜２個１対の
リンクの連結棒にて底蓋を支持する構造で、動作的には
昇降板が下降するとリンクが外方に回動して底蓋が自重
で開き、昇降板が上昇するとリンクが内方に回動しリン
クの連結棒により底蓋が押上げられて左右同時に閉じる
仕組みとなっている。

しかし、従来のリンク機構による底蓋開閉装置は比較的
構造が複雑でコストが高くつく上、保守点検も容易でな
かった。

この考案は上記底蓋開閉機構の簡易、軽量化とコスト低
減をはかるためになされたものである。

以下、この考案の一実施態様を図面について説明する。

なおここでは、内部が２室に区画されたカプセルに適用
した場合について説明する。

１はパイプライン、２はカプセル、３は底蓋、４はカプ
セルにパイプ断面を密閉するような形で取付けられた円
板状のブラシ、５は車輪、６はカプセル連結器、７はカ
プセル車両の引出装置をそれぞれ示す。

各カプセルの荷降用底蓋３は一枚板構造で、各室毎に設
けることにし、その取付構造は一端を支軸３にて上下方
向に回動し得るごとくカプセル２に取付ける。

この底蓋３の他端には後述する施錠装置の係止孔９を設
けている。

上記底蓋施錠装置は第２図、第３図に拡大して示すごと
く、カプセル自体に昇降可能に取付けられかっばね１１
にて常に上方に押上げられた昇降ロッド１０と、ばね１
３にて常に時針方向に回動するごとく同カプセルに軸着
された鉤１２とで構成したもので、昇降ロッド１０はそ
の上部がカプセル天井部より突出するごとく取付けると
ともに、鉤１２は下部係止爪１２１がカプセル底面より
下方に突出するごとく取付ける。

すなわち、昇降ロッド１０はカプセル２に固設した固定
ガイド１４に垂直に上下動自在に貫通するとともに、固
定ガイドに装着したばね１１にて常に上方向の力を付与
されている。

このロッドの軸線上に鉤１２を取付ける。

この鉤は上部に傾斜向１２□を、下部に係止爪１２．を
それぞれ有し、その中央部を軸ピン１５にてカプセル２
に枢着するとともに、該鉤とカプセルとの間に装着した
ばね１３にて常に時針方向に付勢されている。

そして、通常は昇降ロッド１０により垂直状態を保持さ
れており、昇降ロッドを押下げると軸ピン１５を中心に
して反時針方向に回動するようになっている。

すなわち、鉤１２が垂直状態にあるときは底蓋３の係止
孔９に該鉤の係止爪１２１が入り底蓋３が施錠され、昇
降ロッド１０に押されて鉤１２が反時針方向に回動する
と係止爪１２１が底蓋３の係止孔９より外れて底蓋３が
自重で下方に開く仕組みとなっている。

第１図中、１６は上記昇降ロッド１０の押棒を示す。

一方、底蓋３を閉じる方法として、この考案ではパイプ
ライン１を外れた荷降し部の所定下部にシリンダー１７
にて昇降するローラ１８を設け、このローラを上昇させ
、カプセル２の移動に伴って上記ローラ１８により底蓋
３が押上げられて自動的に施錠されるようにした。

Ｓｌは上記シリンダー１７の操作回路１９に作動準備指
令を送る電気的スイッチ、Ｓ２は同シリンダーに上昇作
動指令を送る電気的スイッチをそれぞれ示す。

このスイッチＳ１．Ｓ２はカプセルの前後に取付けられ
たブラシ４の接触により作動するように仕組む。

図中２０はパイプライン１を出たカプセルを支持するカ
プセル支持装置を示す。

今、カプセル車両の荷降しが終り各カプセル２の底蓋３
を閉じる際は、第１図に示すととく底蓋３を開放したま
ま引出装置７を逆作動させてカプセルをパイプライン１
側に接近移動させる。

カプセル車両が移動しカプセル２のブラシ４が先ず手前
のスイッチＳ１に接触するとシリンダー１７の操作回路
に作動準備指令が送られ、続いて次のスイッチＳ２が作
動するとシリーダー１７に上昇指令が送られてロッド先
端のローラ１８が上昇して底蓋３に当接する。

そして、カプセル車両をさらに移動させると、その移動
に伴って各カプセルの底蓋３は上記ローラ１８の作用に
より順次上に押上げられ、端部の係止孔９に鉤１２の係
止爪１２゜が嵌入して施錠される。

なお、底蓋押上げ用のシリンダー１７はカプセル１個毎
に昇降するように回路構成する。

この場合のシリンダー１７の下降指令はタブセルの後ブ
ラシ４がスイッチＳ、に接触したときに送られるように
仕組むことができる。

カプセル車両の移動速度がおそい場合は上記のスイッチ
を省略し、目視しながらボタン操作等でシリンダー１７
を昇降させるようにしてもよい。

この考案は上記のごとく、各カプセルに設けた施錠装置
の昇降ロッドを押下げるだけで底蓋を開くことができ、
またパイプライン下方に設置したシリンダーを作動させ
てその先端に取付けたローラをパイプライン内に突出さ
せておくことにより、カプセル車両をパイプライン内に
装入させるだけで底蓋を自動的に施錠することができる
。

従って、この考案は各カプセルの底蓋の開閉が簡易迅速
に、しかも確実に行なうことができる上、構造も比較的
簡単であるから従来のリンク機構に比ベコストが安価に
つく効果があり、さらに保守点検も容易であるなど、極
めて有用性に富むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施態様を示す縦断正面図、第２
図は同上要部の拡大縦断正面図、第３図は第２図ｌ１１
−１線上の縦断側面図である。 図中、１・・・・・・パイプライン、２・・・・・・カ
プセル、３・・・・・・底蓋、４・・・・・・ブラシ、
５・・・・・・車輪、６・・・・・・カプセル連結器、
７・・・・・・引出装置、８・・・・・・支軸、９・・
・・・・係止孔、１０・・・・・・昇降ロッド、１１・
・・・・・ばね、１２・・・・・・鉤、１３・・・・・
・ばね、１４・・・・・・固定ガイド、１５・・・・・
・軸ピン、１６・・・・・・押棒、１７・・・・・・シ
リンダー １８・・・・・・ローラ、Ｓｌ、Ｓ２・・・
・・・スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイプライン・カプセル輸送におけるカプセル車両にお
   いて、各カプセルの底部に一端を支点に縦方向に開閉す
   る底蓋を設け、カプセルに垂直に取付けられかつばねに
   て常に上方へ押上げられた昇降ロッドおよびばねにて常
   に時針方向に付勢されかつ昇降ロンドの下降により反時
   針方向に回動するごとく同カプセルに軸着された鉤から
   なる施錠装置にて上記底蓋他端を施錠する仕組みとなし
   、パイプラインを外れた荷降し部に上記底蓋を押上げる
   昇降自在のローラを設けてなるカプセル車両の底蓋開閉
   装置。