JPS5850644Y2 - 縦振動型圧電振動子

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【考案の詳細な説明】考案は圧電振動子の構造に関する。

本考案の目的は振動子の支持部分からの振動エネルギー
のもれを防止することによりＱ値を向上させることにあ
る。

薄い圧電結晶板よりフォトエツチング法を用いて振動子
を作る方法は小型の振動子を量産するうえで有効な方法
である。

水洗によれば、複雑な形状の振動子が容易に作れるため
、振動部分と支持部分が一体的に形成されるので、実装
上も有利である。

第１図は、従来の厚い縦振動子を示すもので、振動子１
は吊り線２を３の個所で・・ンダ付けすることにより支
持している。

この場合、・・ンダ付は位置の精度が出に＜＜、渣た十
分な強度も得られにくい。

さらにハンダ付けの面積もばらつくので性能も不安定に
なる。

第２図は本考案に関する、フォトエツチング法によシ作
られた振動子で、振動部４と連結部５、固定部６は同一
圧電板より一体的に作られる。

連結部５と固定部６は本振動子の支持部分である。

この場合、連結部はかなり精度よくとり出せるし、また
幅も一定しているから、特性のばらつきは非常に少く、
従来の振動子に比べて優れている点が多い。

周知のように、この振動子は長手方向に振動し、基本モ
ードにおいては、中心線Ｔ、７′は振動の節となるので
、変位は０である。

しかしながら製造上のばらつきや、板厚の不拘、結晶の
異方性による形状の誤差などにより、重心がこの中心線
より多少ずれるのは避けられない。

この場合、振動によシ重心移動がおこり、その運動エネ
ルギーは直結部５を伝って、固定部６へと逃げ、Ｑ値は
低く抑えられる。

第３図の破線はこの様子を示すもので、連結部５の幅は
比較的細く、その屈曲振動の波長をλとすると、λ／２
は連結部２の長さより短くなるため、固定部６も振動し
、エネルギーが逃げる。

第４図はこの欠陥をのぞくために考えられた本考案の機
能を説明する図であり、連結部８の幅は前例より太くな
っている。

したがってこの部分の屈曲運動の延長をλとすれば、」
はほぼ連結部８の長さと一致している。

したがって固定部９はちようど振動の節となり、固定端
として機能する。

このため、重心移動のエネルギーは振動子外へ出ること
がなく、Ｑ値の低下はない。

この様子を第５図、第６図を用いてさらに定量的に説明
しよう。

第５図において、長さｔｌの連結部８の固定部９との結
合部分は振動の固定端となり、連結部８の他端は自由端
である。

この連結部８の屈曲運動の共振周波数はｆ＝に２ｐとな
る。

Ｗは連結部の幅、ｋは圧電材の弾性定数と形状、寸法で
決る定数である。

ｆは縦振動の振動数である。第６図は高次振動の一例で
あり、この場合、上の関係式は、ｆ＝６．３ｋ
となる。

ｆさて、上に述べた説明は単純化されたモデルであり、実
際には固定端、自由端の位置は精確ではない。

したがって上の式で表される共振周波数をもたらすｔよ
り±３０％程度ずれた長さであっても十分エネルギー損
失を防げるので実用性は大きい。

第７図は本考案の別の実施例であり、支持部分はやや複
雑な形状であるが、やはり共振構造をとっており、エネ
ルギーの損失を防いでいる。

１０は振動子、１１は連結紙１２は固定部である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例、第２図は従来の実施例、第３図
は従来の実施例の動作を説明する図、第４図は本考案に
関する実施例の動作を説明する図であり、４は振動子部
、５は連結部、６は固定部を示す。第７図は本考案の他の実施例、第５，６図は本考案の原
理を説明するための図である。

【実用新案登録請求の範囲】