JPS5850559B2 - 汚染液体の電気化学的精製用装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は汚染液体の精製装置、もつと詳細には汚染液体
の電気化学的精製装置に関する。

本発明は有機物質、機械的サスペンション、界面活性剤
などで汚染された液体の精製に使用できる。

本発明は切削流体を含む廃水のようにポリマーや石油製
品で汚染された液体の精製に特に有用である。

先行技術による全ての汚染液体精製用装置の中で、液体
の電気化学的精製用装置、特にその液体が電気浮選及び
電気凝集法によって精製される装置はその高い処理能力
により、最も広く、未だに増大している用途を有してい
る。

その電気化学的液体精製法が回分式又は連続式の何れか
で行われる装置が既知であるが、後者の方が有望のよう
に思われる。

汚染液体の電気化学的精製用の先行技術による装置（ソ
連発明者証第４０７８４４号）は、電気凝集室を囲み且
つそれと連絡している沈降室を有している。

この電気凝集室は可溶電極と、汚染液を供給するために
その電極の下方に設けられた入口バイブとを持っている
。

沈降室は精製液体を排出するための出口バイブを有して
いる。

精製過程において、電解質添加物（塩酸、塩化すｌ−Ｉ
Ｊウム）の加えられた汚染液体は電流を通じた可溶電極
間を通過する。

これは可溶電極金属の水酸化物の生成をもたらし、この
生成物は被精製液体中に含まれる不純物を凝集させる。

液体はこの電気凝集室から沈降室へ通過して行き、そこ
で汚泥は液体から分離し、続いてその汚泥と液体とは別
々に排出される。

電極間を通過する際に被精製液体は電極を汚し、このこ
とは電極の不働態化を促進し、そのために電力消費を増
大させ、また屡々電極の清掃を必要とし、従って、結局
は装置の効率を減少させる。

もう一つの先行技術による装置（特開昭５２−１４３９
７３号）において、その電気凝集室は凝集剤を生成させ
るだけの役をなしており、この目的にはその中へ純粋な
電解質が供給され、一方、液体精製は別の室で行われ、
そこへは被精製液体が供給され、そこでその液体は電気
凝集室から供給される凝集剤含有電解質と混合される。

この装置のこうした構造は電極面の汚れを著しく減少さ
せる一方、電極の凝集及び浮選能力の利用を大幅に減少
させる。

それは、その電解質が電気凝集室から沈降室へ通過する
際に、その凝集剤（可溶電極金属の水酸化物）及び可溶
電極面上で生成するガス泡は凝集し、これがその比表面
を減少させ従ってその凝集及び浮選能力を阻害するから
である。

生成された凝集剤及びガス泡のかなりの部分は精製工程
で何の役にも立たないので上記の要因は装置効率に悪い
影響を与える。

当業界においては、電解質を電極間に通過させながら汚
染液体をその電極の上方に設けられた入口バイブから電
気凝集室へ供給する装置も知られている。

こうした装置での液体精製は電極を実質上汚すことなく
、凝集剤及びガス泡を生成させる電極の能力の低下をよ
り少くして達成される。

従って、上述の装置よりも高い効率が保証される。

例えば、ソ連発明者証第６４４７３８号に開示された汚
染液体の電気化学的精製用装置は精製液体を排出する出
口バイブを備えた沈降室、及びその沈降室中に取り付け
られており且つそれと連結された管状電気凝集室を有し
ており、その電気凝集室の底部には可溶電極系が設けら
れ、また電気凝集室には汚染液体を供給するためにその
可溶電極系の上方にけられた入口バイブを備えている。

汚染液体を供給する入口バイブは、汚染液体中に含まれ
る不純物によって電極が汚される可能性を排除するよう
な距離だけ電極から離して配置しなければならない。

即ち、その入口バイブが円筒状である場合にはその距離
はｄを入口バイブの直径とした時（１〜７）ｄ位でなく
てはならない。

この装置の欠点は精製効率の低いこと、可溶電極及び電
力の両者の消費の高いこと、特に著しく汚染された液体
（２０００■／ｌ及びそれ以上の不純物濃度をもつ液体
）の処理においてそうであることである。

そうした液体は高い電流密度（１，５〜２．５ Ａ ／
ｄｍ” ）で処理される：これは可溶電極金属の水酸
化物（１０〜１５％）を含有する多量（被処理液体の容
積の３０〜４０％まで）の泡の発生をひきおこし、この
ことは良好な吸収及び凝集能力の特徴である；しかしな
がら、こうした装置での泡状生成物は使用されず、そこ
にたまると装置から排出される。

本発明は、著量の凝集剤を含む泡状生成物が一層十分に
利用され、それによって高い効率と低い比電力消費とが
達成される汚染液体の電気化学的精製用装置の提供を目
的とする。

上述の目的は、精製液体及び汚泥を排出する各出口バイ
ブを備えた沈降室、及びその沈降室中に取付けられ且つ
これと連結しており、また汚染液体を供給する入口バイ
ブ、電解質を供給する入口バイブ及び可溶電極系を有す
る電気凝集室備えている汚染液体る電気化学的精製装置
において、本発明に従って、電気凝集室の壁にその周囲
に沿って且つ沈降室の液面よりも低い位置に開口か設け
られており、該装置が更に、泡の少くとも一部を電気凝
集室の頂部からその沈降室の頂部へ移行させるためのイ
ンジェクターであって圧縮ガス供給源と連結されたイン
ジェクターを備えており、その各々のインジェクターが
泡を吸引するパイプと、その電気凝集室の壁の開口の１
つに受は入れられたノズルとを持っていることによって
達成される。

本発明の装置のこうした構造は著量の凝集剤を含む泡状
生成物をより良く利用させ、それによって装置のより高
い効率とより低い比電力消費とを保証する。

電気凝集室から来る液体中に含まれる不純物と凝集剤と
の上昇を促進するために千尋電極系をその沈降室中にそ
の電気凝集室の壁の開口よりも低い位置に取り付けるこ
とが好適である。

本発明の正確な本質は添付図を参照してその態様の詳細
な説明をすることによって明らかとなろつＯ 第１図に関して本発明による汚染液体の電気化学的精製
用装置は、沈降室１とその沈降室１に取り付けられた電
気凝集室２とを備えている。

本発明の態様において、電気凝集室２は開放頂端を備え
た垂直管である。

電気凝集室２の底部には可溶電極系３が配置されている
。

この可溶電極系３の上部に配置された入口バイブ４は汚
染液体を電気凝集室２へ供給するためのものであり、そ
の系３の下部に配置された入口バイブ５はそこへ電解質
を供給するためのものである。

この装置から精製液体を取出す出口バイブ６は沈降室１
の頂部に配置され、汚泥を取出す出口バイブ７はその底
部に配置されている。

管状分離間仕切８は沈降室１に取り付けられている；こ
の間仕切８の頂端は電気凝集室２の開放端と同じ高さ化
あり、一方、底端は精製液の通り抜けのための環状ギャ
ップを形成するように沈降室の底から離れている。

泡は慣用の装置９を使用して除去されつる。

本発明に従って、開口１０が電気凝集室２の壁にその周
囲に沿って、沈降室１中の液面より低い位置に設けられ
ている。

この装置は泡の少くとも一部を電気凝集室２の頂部から
沈降室１の頂部へ移行させるための空気インジェクター
１１（第２図及び第３図も参照のこと）を備えている。

複数個のインジェクター１１はそれらの各々のノズル１
２が開口１０の１つに納まるように取り付けられている
（第３図）。

インジェクター１１（第１図及び第３図）は圧縮ガス給
源（図示されていない）と連結されている；この圧縮ガ
スとして圧縮空気の使用が好適である。

各々のインジェクター１１は電気凝集室２から泡を吸引
するための取込みパイプを備えている。

第１図に示されるように、本発明の好適な態様において
不溶電極１５，１６の系が電気凝集室２の壁の開口１０
より低い位置で沈降室１中に取り付けられている。

電極１５は直流電源の正極端子１７と連結され、電極１
６は負極端子１６と連結される。

各電極１５及び１６は穿孔されたステンレ不鋼製円板の
形態をとりうる。

電極１５と１６との間の間隔は１０〜２０ｒＩｔ１１Ｌ
である。

図示された電極接続の極性は好適である。

この装置は沈降室１から不純物と水酸化物との非凝集状
集合体を取出す出口バイブ１９も備えている。

この装置の機能は次のとうりである。

液を処理する前に、電気凝集室及び沈降室を純粋な電解
質（少量のＨ（Ｊ’又はＮａＣｌの添加された工業用水
）で満たし、続いて可溶電極３及び不酸電極１５゜１６
に電圧をかけ、若干の時間（２５〜３０秒）の後に入口
バイブ４を通して装置への汚染液の供給を開始する；液
は電気凝集室２に入り、その空間を満す。

汚染液供給と同時にインジェクター１１を通しての圧縮
空気の分配を開始する。

可溶電極３の陽極溶解の過程において、金属水酸化物が
生成され、ガス（水素）泡が電極３で発生する。

この金属水酸化物はガス泡によって電気凝集室２の上方
へ運ばれ、汚染液流と遭遇し、その液中に存在する不純
物を凝集させる。

こうして処理された液体は液中に存在する凝集した不純
物及び水酸化物の集合体と共に、ノズル１２と開口１０
の壁との間に形成される環状ギャップを通って沈降室の
中央ゾーンへ移行し、そこでノズル１２から出る圧縮空
気ジェットの作用でこの液体は沈降室の全周辺に均等に
分散される。

装置の頂部に集まり、また活性な水酸化物を含有する泡
は、パイプ１４及びノズル１２を通って、圧縮空気の供
給と同時に沈降室へ供給される。

この泡は、ノズル１２と開口１０の壁との間の環状ギャ
ップを通過する液体の流れと混合されて、不純物の凝集
及び水酸化物の利用度の両方を増強する。

液体中に存在する不純物と水酸化物との非凝集化集合体
は、電極系１５，１６を通過する際に電極で発生するガ
ス泡によって上方へ運ばれ、それが集積すると出口バイ
ブ１９を通して除かれる。

この精製液は垂直間仕切８によって形成される沈降室の
迷路を通って出口バイブ６から排出される。

その液体の一部は電気凝集室２の底部へ再循環されつる
。

装置の頂部に集積する泡は取入口を通って装置９の助け
によって除去される。

操作中にこの沈降室中に蓄積した汚泥は出口バイブ７か
ら取出される。

上記装置の試験において、電極溶解生成物及び液の電解
処理中に生じる泡の凝集能力をより良く利用しているた
めに、この精製法の効率は１５〜３５％だけ上昇しく不
純物濃度のより高い液体には比較的高い値が特徴的であ
る）、電力消費は１．２５〜１．４分の１まで減少し、
電極の消費は１．３〜１．４分の１にまで減少すること
が示された。

全体の精製度は９８，９〜９９．４％であった。

更に、圧縮空気によって液体を噴霧して沈降室内に液体
を導入すると残留する不純物の凝集に好ましい条件が生
じ、これは子爵電極系による電力消費を１．８〜２．０
分の１まで減少させうる。

上述の本発明の態様は単に例示の目的だけに示されてお
り、種々の変更が特許請求の範囲内で本発明になされう
ろことが理解されよう。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に従って構成された、汚染液体の電気化
学的精製用装置の縦断面図であり、第２図は第１図のＡ
部分の拡大図であり、第３図は第１図のＩ−Ｉ線に沿っ
てみた電気凝集室の拡大断面図である。 １・・・・・・沈降室、２・・・・・・電気凝集室、３
・・・・・・可鼎電極系、４・・・・・・汚染液体供給
用の入口バイブ、５・・・・・・電解質供給用の入口バ
イブ、６・・・・・・精製液体排出用の出口バイブ、７
・・・・・・汚泥排出用の出口バイブ、１０・・・・・
・電気凝集室の壁の開口、１１・・・・・・インジェク
ター、１２・・・・・・インジェクターのノズル、１４
八・・・・泡吸引用パイプ、１５．１６・・・・・・不
着電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 精製液体及び汚泥を排出する各出口バイブ６及び７
   を備えた沈降室１、及びその沈降室１に取り付けられ且
   つそこと連絡しており、また汚染液体を供給するための
   入口バイブ４、電解液を供給する入口バイブ５及び可酵
   電極系３を有する電気凝集室２を備えている汚染液体の
   電気化学的精製用装置において、その電気凝集室の壁に
   はその周囲に沿って且つ沈降室１内の液面よらも低い位
   置に開口１０が設けられており、その装置が更に、少く
   とも一部の泡を電気凝集室２の頂部から沈降室１の頂部
   へ移行させるためのインジェクターであって圧縮ガス給
   源と連結させた複数個のインジェクターを備えており、
   その各々のインジェクターが泡を吸引するパイプ１４と
   、その電気凝集室２の壁中の開口の１つに受は入れられ
   たノズル１２とを備えていることを特徴とする上記の装
   置。 ２ その電気凝集室２の壁の開口よらも低い位置でその
   沈降室中に取り付けられていてその電気凝集室２から入
   って来る泡に含まれた凝集剤の浮遊を促進する不溶電極
   １５及び１６の系を備えていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の装置。