JPS5850541Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気テープの帯電を防止したテープカセット
に関する。

従来、磁気テープを使用する磁気記録再生装置にあって
は、記録密度を高めるため種々の方法が採用されている
。

特に近時にあっては垂直記録方式が開発され、この方式
に用いられる磁気テープの磁性層はｃｏ−Ｃｒのスパッ
タによる金属の薄膜である。

また、Ｃｏ系合金による蒸着磁性膜をもったテープも実
用化が可能な状態となっている。

このような良導電体を磁性層とした磁気テープはテープ
の巻取時に発生する静電気が、磁気テープの静電気発生
部分に留まらず、テープ全長に亘つて電位をもつ事にな
る。

このためテープの磁性面に接触している導電体部分で放
電を生じ、その際バチバチと云う放電音を発する事にな
る。

しかしながら、カセットタイプの磁気記録再生装置にあ
っては、磁気テープの磁性面が接触するものとしてピン
チローラと磁気ヘッドが考えられるが、ピンチローラは
一般にゴムなどの材料で出来ているため、ここでの放電
は考えられない。

また磁気ヘッドでもフェライト系では導電性がなく、パ
ーマロイ系でも樹脂で注型されているのでアースされる
事なく、一般には金属が出来たテープガイドにより放電
されるケースが多くなっている。

上記テープガイドでの放電は、テープとガイドとの接触
が確実ではなく、テープのおどりなどにより、テープと
テープガイドが接離を繰り返しながら移動するので、こ
の接離により、不規則な放電現象を生じ、放電時におけ
るバチバチと云う放電音がノイズとして磁気ヘッドから
テープに記録されてしまうと云う欠点を有していた。

この考案は上記の欠点を除去し、磁気テープの磁性面に
導電部材を接触させ、この導電部材を磁気記録再生装置
にアースさせる事により、磁気テープを一様にアースす
る事が出来、磁気テープと導電材の接離による放電音を
無くし、ノイズの発生を防止して極めて良好な記録を行
う事のできるテープカセットを提供する事を目的とする
。

以下この考案の一実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は、所謂コンパクトカセットを使用した例で、カ
セットハーフ１内に収納された磁気テープ２は、その磁
性体層を金属の薄膜を付着させたものである。

この金属の薄膜はプラスチックフィルムベースに塗布あ
るいは蒸着などにより形成したものである。

上記磁気テープ２は、カセットハーフ１内で一対のテー
プガイドピン３及びテープガイドローラ４にテープ２の
フィルムベース面を接触させた状態で配設されている。

また上記磁気テープ２のフィルムベース面が接触するも
のとしてテープパッド５もカセットハーフ１の前面略中
夫に設けられている。

上記カセットハーフ１は、更に一対のキャプスクン軸挿
入孔６及びカセットの位置決を行うためのカセットガイ
ドピン挿通孔７を夫々穿っている。

このように形成されたカセットハーフ１内に第２図で示
すような導電体が配設されている。

即ち、導電体の導電レバー８は、その一端をカセットガ
イドピン挿通孔７上に延在させており、他端には金属接
触体としての導電ピン９を植立させ、導電ピン９が磁気
テープ２の磁性面に接触するように配設させている。

上記導電レバー８は、その中央部８で回動自在に軸支さ
れており、その軸１０に巻装した弱いバネ１１により常
時時計方向への回動習性を与えている。

なお、１２は導電体レバー８のストッパーで、導電体レ
バー８がカセットガイドピン挿通孔７上の所望の位置で
停止するように設けられている。

このように構成されたテープカセットを使用する場合、
先ず磁気記録再生装置のカセット装置室にセットする事
により、カセット装填室内に突設している金属よりなる
カセットガイドピン１３が挿通孔７内に挿入される。

この時、カセットガイドピン１３のテーパー状の先端で
導電体レバー８を反時計方向に回動させながら、導電体
レバー８とガイドピン１３が接触した状態で、テープカ
セットは磁気記録再生装置内にセットされる。

上記カセットガイドピン１３は金属で形成されており、
このガイドピン１３は磁気録音再生装置のシャーシーな
どの金属体から植立しているものであり、従ってカセッ
トがイドピン１３は磁気記録再生装置にアースされてい
る。

このようにカセットガイドピン１３が磁気記録再生装置
にアースされているので、例え磁気テープ２に静電気が
起きていたとしても、磁気テープ２の磁性面に常時接触
している導電ピン９一導電レバー８−カセットガイドピ
ン１３と云うように導通し、静電気はアースされる。

従って、磁気ヘッドに移送される磁気テープ２には静電
気が帯電されていないので、例え金属製のテープガイド
に接触してもバチバチと云う放電音を発しないのでノイ
ズとして記録される虞れもなく、極めて良好な磁気記録
を行う事ができる。

第３図乃至第７図はこの考案の異る実施例を示すもので
、第３図乃至第４図はコンパクトカセットの改良である
。

即ちカセットハーフ１の背面中央部に方形状の透孔３１
を穿ち、この透孔列を介して導電体の一端を導出させる
ようにしている。

上記導電体３０は略り字状に折り曲げた金属帯からなり
、その折曲部３０ａを円筒状に曲げ、カセットハーフ１
内に植設したピン１４に、その円筒部分を差し込んでカ
セット内に導電体３０を固定する。

上記導電体３０は第３図、第４図に示すように一方の端
部３０ｂを、磁気テープの磁性面に接触する金属接触体
として形成し、他端部３０ｃを略■字状に折り曲げ、折
曲端部をカセット背面の透孔３１から突出させるように
したものである。

このように構成する事により、カセット冬磁気記録再生
装置内に装填した際、カセットを磁気ヘッド側に押圧す
る為のカセット押えバネ３２に導電体３０の突出端部３
０ｃが接触する。

上記カセット押えバネ３２は、一般に金属材で形成され
、しかも磁気記録再生装置の金属本体に、ビスなどで固
定されているので、所謂ボディアースとして働きをなす
ものである。

従って上記バネ３２に導電体３０が接触していると云う
事は、磁気テープ２に帯電していた静電気がアースされ
てしまうものである。

上記カセット押えバネ３２は一般にはカセットの背面中
央部上縁を押圧するようにしているので、カセットの互
換性に関係なくアースを取る事ができる。

第５図から第６図に示すものは、所謂マイクロカセット
（商品名）と云われるもので、カセットハーフ２０内に
植設した一対のテープガイドピン２１．２２間に導体ガ
イドピン２３を有した略り字状の導電体２４の一端を配
設し、他端をカセットガイドピン挿通孔２５上に位置さ
せている。

即ち、導電体２４は第５図に示すように、一対のピン２
１，２２間に設けられた導体ガイドピン２３が常時磁気
テープ２６の磁性面に接触しており、しかも挿通孔２５
上に配設された導電体２４の端部からはガイドピン挿通
孔２５に沿って弾性を有した立上り片２７が設けられて
いる。

このように構成されたマイクロカセットをテープレコー
ダのカセット室内に装填すると、カセットガイドピン２
８が挿通孔２５よりカセット内に挿入され、導電体の立
上り片２７に接触する。

従って磁気テープ２６の磁性面は導電ガイドピン２３に
常時液しており、カセットガイドピン２８を介してテー
プレコーダにアースされているので、たとえ磁気テープ
に静電気が帯電されていたとしても磁気ヘッド付近で放
電音を発する虞れがない。

よって、極めて良好な磁気記録再生を行うことができる
。

第７図は第３図に示した実施例をマイクロカセットに応
用したもので、このように構成する事により、簡単な構
成で磁気テープに帯電した静電気をアースさせる事がで
きる。

なお、上記実施例において第１図に示したようカセット
ガイドピンと導電体の接触が点接触のような構成では、
カセットを反転した時に同様な位置に導電体を配設する
必要がある。

このためカセットがイドピンとの接触を第６図に示すよ
うに導電体の弾性立上り片を設けておき、しかもその立
上り片を略く字状にわずかに折り曲げておく事により、
カセットを反転した際もカセットガイドピンが接触する
ので構成も簡単にして容易にアースを取る事ができる。

なお、この考案は上記実施例に限定される事なく導電体
をカセットの両側に設け、反転しても常にテープがヘッ
ドの手前でアースされるようにし、また形状やテープと
の接触ピンなどの形状、配置を種々変更しても差し支え
ない。

以上詳述したように、この考案によると、金属の薄膜を
磁性層とする磁気テープにおける静電気の・帯電を、テ
ープカセットの使用時には必ずアースし、しかも常に一
様にアースし得るので、放電音などによるノイズの発生
を防止し得、構成も簡単にして極めて良好な磁気記録再
生を行うことできるテープカセットを提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図はこの考案の一実施例を説明するため
の図、第３図乃至第７図はこの考案の他の実施例を示す
説明図である。 １．２０・・・・・・カセットハーフ、２，２６・・・
・・・磁気テープ、４・・・・・・ガイドローラ、７，
２５・・・・・・カセットガイドピン挿通孔、８，２４
，３０・・・・・・導電体、９，２３・・・・・・導電
ピン、１３．２８・・・・・・カセットガイドピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属の薄膜をフィルムベースに付着させた磁気テープを
   有するテープカセットにおいて カセットを磁気記録再
   生装置に装填した際、押圧される一端と、ガイドローラ
   の近傍で磁性面に接触する他端とを有した金属接触体を
   テープカセット内に配設し、テープカセットを磁気記録
   再生装置に装填した際、磁気記録再生装置の金属材によ
   り、金属接触体の一端を押圧偏倚させて金属接触体を磁
   気記録再生装置本体にアースさせるようにした事を特徴
   とするテープカセット。