JPS5850286B2 - 高炉炉底底板下への充填材圧入方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高炉炉底底板下への充填材圧入方法に係り、特
に圧入時に炉底構造物にかかる圧力を軽減し得る高炉炉
底底板下への充填物圧入方法に関する。

高炉において、高炉設備の寿命延長は重要課題であり、
その高炉寿命の決定要因の一つに炉底耐火物の損傷の進
行が挙げられていることは周知のことである。

炉底耐火物の延命策の一つに冷却能の改善があり、この
ため冷却を司る炉底埋設の冷却パイプ周辺に熱伝導性の
すぐれた不定形耐火物を注入して冷却能を高めることが
行われている。

添付図面によって高炉炉底の構造を説明する。

第１図は高炉炉底の模式垂直断面図、第２図は炉底の模
式平面図である。

高炉炉内は操業時に高圧となるため炉底側壁鉄皮２およ
び炉底底板４で包被されており、炉底側壁鉄皮２と炉底
底板４を連絡するベースプレート６はアンカーボルト８
によって基礎コンクリート１０に固定されている。

側壁鉄皮２と底板４の内部は炉底煉瓦１２で内張すされ
ており、操業時にはこの炉内面が溶銑滓と接触し高温と
なる。

底板４の下に給水側管寄１４と排水側管寄１６とを結ん
で炉底冷却用パイプ１８が埋設されている。

第３図は炉底底板下の一部拡大模式正面図、第４図は同
じく炉底底板下の一部拡大模式側面図であるが、底板４
は固定用型鋼２０に連結し、さらにアンカーボルト８で
基礎コンクＩＪ−ＮＯに固定されている。

底板４と基礎コンクリート１０の間にある冷却用パイプ
１８の周辺の空隙は耐火性充填材２２でうめられている
。

この充填材２２には耐熱性のあるアルミナコンクリート
を使用し、従来は炉底煉瓦１２の冷却よりも基礎コンク
ＩＪ −１−１０への炉内からの熱伝達によるコンクリ
ートの脱水劣化を防止することを目的としていた。

第１の施工法は下部から施工する方法を実施していたが
、底板４下面と充填材２２の間に空隙を生じ放熱が十分
にできなかった。

従って炉底寿命の延長を図るために熱伝導性にすぐれた
充填材例えばカーボン系のスタンプ材を使用してもこの
空隙の生成によって冷却用パイプ１８の炉底煉瓦１２の
冷却能力が著しく低下してしまう問題があった。

冷却用パイプ１８による炉底煉瓦１２の冷却効果を向上
させるためには底板４の下に隙間なく熱伝導性のすぐれ
た充填材２２を充填する必要がある。

従って第２の施工法として底板４を施工後に充填材２２
を圧入する方法が採用された。

この場合充填材２２の特性として硬化時とその後の熱影
響による容積変化が少なく、かつ圧縮強度の犬なること
か要求される。

第５図は従来法の充填材２２の圧入方法を示す模式図で
あって、充填材２２は圧入管座２４、圧入口２６を通っ
て空隙に圧入され、空気は空気抜目２８より放出される
。

従来、充填材２２を圧入する場合、粘性の大きい性状の
ため空隙なく広範囲に圧入するためには大きな圧入圧力
が必要となり、この強大な圧力により、底板４の変形、
溶接部の破損および固定用型鋼２０およびアンカーボル
ト８に上向の力が発生し炉底構造自体を破損してしまう
おそれがでてきた。

第６図に炉底底板４下の充填材圧入時の圧力負荷を示す
模式図を示したが、矢印の方向に上向の力が発生し底板
４が点線の如く変形することを示している。

このため炉底底板４、固定用型鋼２０およびアンカーボ
ルト８の板厚、径の増加が必要となり工事費の大巾な増
加を余儀なくされた。

本発明の目的は、上記の従来法の問題点を解消するため
、圧入時に炉底構造物にかかる圧力を軽減し、しかも末
端まで充填できる効果的な高炉炉底下の充填材圧入方法
を提供するにある。

本発明の要旨とするところは次のとおりである。

すなわち高炉炉底底板と基礎コンクリート間に設けられ
た炉底冷却用パイプの周囲に形成される空隙に該炉底底
板に設けられた圧入口を通じ耐火性充填材を圧入する高
炉炉底底板下への充填材圧入方法において、前記炉底底
板下の空隙の端部に達する圧入パイプを設は該圧入パイ
プの途中に設けられた複数個の開孔部を通じ前記充填材
を圧入することを特徴とする高炉炉底底板下への充填材
圧入方法である。

本発明の実施例を添付第７図を参照して説明する。

すなわち炉底底板４に設けられた充填材の圧入口２６に
本発明の圧入パイプ３０を接続し、炉底底板４と基礎コ
ンクＩＪ−）１０間の炉底冷却用パイプ１８周辺の空隙
の端部に達する如く前記圧入パイプ３０を敷設するので
ある。

充填材２２は圧入口２６、圧入パイプ３０を通り圧入パ
イプ３０の途中に設けられた複数個の開孔部３２から前
記空隙に圧入される。

流動に用いられる圧力の大半はこの圧入パイプ３０内で
発生する。

しかも圧入パイプ３０によって充填材２２は空隙の端部
まで誘導されるので流動に用いられる圧力は従来法に比
して著しく軽減すること可能であり、底板４、固定用型
鋼２０およびアンカーボルト８に圧入のための強大な負
荷を与えることなく充填作業を行うことができる。

又従来法では圧入口２６から距離の遠い末端の充填には
十分な圧力のかからない懸念があったが、本発明におい
ては前記の如く圧入パイプ３０によって空隙の末端近く
までパイプ内を流動するので末端においても十分な充填
が可能となった。

なお圧入パイプ３０は通常の強度のものを使用すること
ができ、充填処理後底板より露出している部分は切断除
去し、残部は炉底部に残置せしめればよい。

以上に説明した如く、本発明法は炉底底板下に敷設され
た圧入パイプを使用することによって軽量な底板構造で
充填材の圧入が可能になり、炉底の冷却効果を著しく向
上させることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は高炉炉底の模式垂直断面図、第２図は高炉炉底
の模式平面図、第３図は従来法の炉底底板下の一部拡大
模式正面図、第４図は従来法の炉底底板下の一部拡大模
式側断面図、第５図は従来法の充填材の圧入方法を示す
模式図、第６図は従来法の充填材圧入時の圧力負荷を示
す模式図、第７図は本発明法を示す模式図である。 ４・・・・・・炉底底板、１０・・・・・・基礎コンク
リート、１８・・・・・・炉底冷却用パイプ、２２・・
・・・・充填材、２６・・・・・・圧入口、３０・・・
・・・圧入パイプ、３２・・・・・・開孔部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高炉炉底底板と基礎コンクリート間に設けられた炉
   底冷却用パイプの周囲に形成される空隙に該炉底底板に
   設けられた圧入口を通じ耐火性充填材を圧入する高炉炉
   底底板下への充填材圧入方法において、前記炉底底板下
   の空隙の端部に達する圧入パイプを設は該圧入パイプの
   途中に設けられた複数個の開孔部を通じ前記充填材を圧
   入することを特徴とする高炉炉底底板下への充填材圧入
   方法。