JPS5849935Y2 - 壜輸送用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビールや清涼飲料水用の壜を収納して輸送、貯
蔵等する壜輸送用容器に関するものである。

従来、上記のような容器において収納した壜の肩部が輸
送及び取扱中の振動や衝撃で破損するのを防止するため
に、容器内に設けられる仕切壁を堆層部近くの高さまで
延長して堆層が接衝するのを防止し、また壜収納区室へ
の収納を容易に行い得るように仕切壁がその十字形交差
部で山形をなしている構造のものが普及している。

第１図及び第２図は上記のような容器の断面図及び斜視
図を示すもので、１は側壁、２は窓、３は断面コ字状の
把手、４は壜収納区室５を形成している仕切壁、６は底
リブである。

そして、この種容器に壜を収納するには壜詰め機械ケー
サ−により所定数の壜を把持して上方がら各区室へ収納
するのであるが、該ケーサ−ヘッドのピッチは収納する
壜の直径寸法とほぼ同じであるから、壜同志は接触した
状態で把持される。

一方、容器の壜収納区室５は仕切壁４の厚さと壜収納時
のクリアランスのために、外側に向う区室はどその中心
点は壜詰め機械ケーサ−に把持された壜の中心点より外
側に位置することになる。

従って区室５に壜を収納する際、壜は仕切壁の上縁を滑
りながら案内されて外側の区室はと斜め方向から挿入さ
れ、壜の飛び出しはガイドプレート７によって防止され
ている。

この場合、仕切壁が高くなればそれだけ壜収納時の傾斜
角度は大きくなる。

その結果、第１図及び第２図に示すように外側の壜８は
ガイドプレート７の反対側の仕切壁に押しつけられ、斜
め方向から区室に挿入されて壜８は降下するに伴い、次
第に垂直に立ち上りながら収納される。

従って、壜８が区室５に収納される最初の時期では第２
図に明らかなように仕切壁４の上縁に壜８が乗り、谷部
４ａとの間に隙間が生じ、傾斜面４ｂにおける点１９口
の二点接触となる。

さらに、壜８が降下して行くと傾斜面４ｂにおける点１
９口、の間隙は次第に狭まって、ついには谷部４ａにお
ける一点において仕切壁と接触することになる。

このとき、壜に貼着されているラベル８ａには一定の厚
みがあり、一方仕切壁４の上縁は金型の製作上つけられ
る小さなアールしかついていないから、第３図に示すよ
うにラベル８ａの下端部が谷部４ａの上縁に引っ掛って
ラベルを剥離し、または損傷するという問題があった。

これは壜の挿入が機械により把持されて自動的に、しか
も相当の速度で連続的に行われることにより一層頻繁に
生じる。

この問題を解決するには仕切壁４の谷部４ａを深く切り
込んでおけばよく、そうすれば仕切壁上縁における壜の
二点接触の時間がそれだけ長くなり、谷部の一点接触の
時点では壜８は区室に完全に収納されてほぼ垂直の状態
となり、はとんどの場合ラベルの下端部は谷部より下方
に位置することになるから、ラベルの剥離や損傷の問題
はほぼ解決される。

しかし一方において堆層の接衝を防止するため堆層部ま
で仕切壁を延長した目的は達せられないという問題が生
じる。

本考案は上記問題点を解消する仕切壁を設けた容器を提
供せんとするもので、以下図示する実施態様につき説明
すると、第４図は本考案の容器の一例を示す平面図、第
５図及び第６図は同じくその部分縦断面図である。

本考案の特徴は上図に示すように仕切壁４の谷部４ａ付
近の傾斜面４ｂに、即ち側壁１に最も近接し、該側壁１
平行に走る仕切壁４の傾斜面４ｂの容器の外方に面する
稜縁をテーパー面４Ｃとし、該テーパー面４Ｃの下端４
ｄにアールを形成した点である。

尚、このテーパー面４Ｃは大きなアール面によって形成
してもよい。

また、テーパー面４Ｃは傾斜面４ｂの全体に形成する必
要はなく壜の接触する範囲に形成すればよく、区室と壜
の大きさから任意に変更付設できるものである。

ガイドプレート７によって壜８が押接される仕切壁の上
縁傾斜面にテーパー面４Ｃを形成したので、該テーパー
面４Ｃの下端は上端より高さｈだけ下方に位置すること
になり、高さｈだけ谷部４ａを深く切り込んだのと同じ
効果が得られることになる。

即ち、二点接触の時間が従来の容器に比し長くなるから
、一点接触になったときには壜８がほぼ垂直な状態にな
りラベルの下端は谷部４ａより下方に位置することが多
くなる。

そのため、仕切壁の上端にラベルの下端が引っ掛ること
が少なくなり、またテーパー面４Ｃを形成することによ
って、壜と一点接触となるテーパー面の下端４ｄに比較
的大きなアールを形成することができる。

本考案の容器と従来の容器とを比較したラベルの損傷率
を実験結果によって示せば下記の通りである。

従来の容器 本考案の容器 ラベル損傷の場数 １１２本 ０本ラベル
損傷の発生率 １．４９６ ０修（実験に使
用したビール場数、 ４００ケ一スｘ２０本人／ケース＝ ８０００本）本考
案は以上の如く構成されるので、壜収納の際壜と仕切壁
との一点接触の時点では、多くの壜においてラベルの下
端をテーパー面４Ｃの下端４ｄより下方に位置させるこ
とができるから、はとんどラベルが引っ掛ることもなく
、また、壜を斜めに挿入する際も仕切壁上縁の接触面を
テーパー面とすることによって、従来のようにいわゆる
エツジによってラベル面が擦られるのではないから、ラ
ベルの剥離損傷を防止できる。

さらに仕切壁上縁にテーパー面４Ｃを形成することによ
って、該テーパー面の下端４ｄに従来のように直角部に
アールを付ける場合より比較的大きなアールを形成する
ことができるとともに、仕切壁と壜との一点接触の部分
をテーパー面の高さｈだけ下方に位置させることになる
から、それだけ壜が垂直に近づいた状態で接触し、ラベ
ル面への押圧力は小さくなる。

本考案は上記の個々の構成による効果とともに、その相
乗的効果により一層ラベルの剥離、損傷を防止すること
ができる。

一方、本考案は上記構成とすることによって、仕切壁の
上端を堆層近くまで延長した効果もそのまま保持できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の容器への壜収納時の説明用一部省略断面
図、第２図は同じく斜視図、第３図は仕切壁と壜との接
触状態を示す部分拡大断面図、第４図は本考案に係る容
器の平面図、第５図は第４図Ａ−Ａ線における仕切壁の
拡大断面図、第６図は同じく第４図Ｂ−Ｂ線断面図であ
る。 ４・・・・・・仕切壁、４ａ・・・・・・谷部、４ｂ・
・・・・・傾斜面、４Ｃ・・・・・・テーパー面、４ｄ
・・・・・・テーパー面の下端、７・・・・・・ガイド
プレート、８・・・・・・壜。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）仕切壁４の谷部４ａの高さを堆層近くまで延長し
   た構造の容器において、側壁１に最も近接し平行な仕切
   壁４の傾斜面４ｂに容器外方に面するテーパー面４Ｃを
   形成したことを特徴とする壜輸送用容器。
2. （２）テーパー面４Ｃを壜と接触する範囲にのみ形成し
   た実用新案登録請求の範囲第１項に記載の壜輸送用容器
   。