JPS5849780Y2 - 炉用ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は活性炭再生炉などに用いられる炉用ノズルの改
良に関するものである。

従来、第１図に示す二段流動層型活性炭再生炉ａにおい
て主要部分は、失活炭ｂ１を流動乾燥するための上段部
Ｃ１そして乾燥後の失活炭ｂ２を流動再生するための下
段部ｄの２つの部分よりなっている。

この際の賦活ガスｅとしてはＬＰＧ等の燃焼ガスが用い
られ同ガスｅを９００℃前後で下段部ｄの下部にあるウ
ィンドボックスｆに導入しついでノズルｇから流動層中
に吹込み、約８００℃において活性炭ｂ３を流動再生さ
せながら炉床ノズルｈを経て上段部Ｃに吹込み、失活炭
ｂ１に余剰熱を供給して流動乾燥後再生炉ａ外部に排気
ｉする。

また、上段部Ｃで得られる乾燥炭ｂ２を上下段部連通管
ｊから下段部ｄに送り活性化したのち再生活性炭ｂ４と
して排出口ｋから取り出す。

従来、下段部ｄから上段部Ｃに上記ガスｅを供給する際
の炉床ｌにおけるガスを整流するための分配部には第２
図および第３図に示すような上方に数個の穴ｍを有する
ノズルｈを焼成レンガの炉床ｌに取付けていた。

このような形状のノズルｈはガスｅ中に含有する燃焼灰
ｎの付着がひどく、蓄積することによってノズル穴ｍが
閉塞するため、往々にして運転中断をもたらした。

また特公昭４５−４０９９３号公報には、下部周縁部に
スリット穴を設けたバツブルキャップを用いた例が示さ
れているが、この例の場合もスリット穴の周囲に微粒子
が付着して閉塞することになり、次第に運転不能な状態
になることは避けられない この従来の炉用ノズルの欠点を解消するための炉用ノズ
ルを、考案者らは先に実開昭５５−１５３５９３号とし
て出願した。

実開昭５５−１５３５９３号にて提案した炉用ノズルの
実施例を第４図乃至第６図に図示する。

通常焼成レンガを基材とする活性炭再生炉の炉床１にノ
ズル２の円筒３を垂直に挿着する。

円筒３上端開口部にはその周辺をとりまくフランジ４を
有し、フランジ４の上面に平面接触するキャップ５を乗
せ、円筒３の上端空洞にかぶせる。

フランジ４の一端にはストッパ６の一方端をとり付け、
ストッパ６の他方端はキャップ５の上方周辺を被い、フ
ランジ４の他端に達してとり付ける。

ストッパ６は１組または複数組とり付け、キャップ５が
上下方向に矢印りで示すように一定距離移動できる余裕
を持たせ前後左右方向にずれないようにする。

キャップ５０重量は炉床１の位置、流動層の条件等を考
慮して炉床ノズル２にもたせる圧力損失に見合うものと
する。

しかし、この炉用ノズル２の場合には、ストッパ６とキ
ャップ５との間に燃焼灰が付着することによって、キャ
ップ５の上下動が阻止され、キャップ５の上下運動がう
まく行かず、そのため燃焼ガス７の流れが円滑に行かな
いことが生じた。

また、この炉用ノズルのストッパー６の製作およびフラ
ンジ４への取付けが煩雑であった。

本考案は、微粒子を含有する気体の流通する垂設円筒の
上部外周面にフランジを環装し、キャップを同キャップ
の下端開口周縁が上記フランジの上面に当接するように
配設し、上記キャップの側面に固定された複数個のピン
が上記垂設円筒の上記フランジ環装位置よりも上記の側
面に穿設された垂直方向の長穴に上下方向に適宜移動可
能に挿通されたことを特徴とし、その目的とするところ
は、簡単な機構で従来のノズルにおけるノズル穴閉塞の
欠点を解消する炉用ノズルを提供することにある。

本考案は、上記したように構成されているため、微粒子
を含有する気体が垂設円筒内を流通すると、フランジの
上面に当接するように配設されたキャップは、同キャッ
プなどの重量と上記気体の通過時の圧力損失量とのバラ
ンスによって上記フランジの上方へ移動する。

そして上記フランジの上面と上記キャップの下端開口周
縁との間に上記微粒子が付着し始めると、上記気体の通
過降圧力損失は次第に高くなり上記垂設円筒の下方に圧
力上昇が起る。

このため上記気体の上記垂設円筒の吹出し圧力も高くな
り、上記７ランジ上面上方の上記キャップはさらに上方
に押し上げられる。

この時上記フランジの上面と上記キャップの下端開口周
縁との間隙に付着していた微粒子は剥離され、上記垂設
円筒下方の圧力は降下し、上記キャップは再び下降する
。

このようにして上記キャップは断続的に上下運動する。

また上記キャップの側面に固定されカリ上記垂設円筒の
上記フランジ環装位置よりも上部の側面に穿設された垂
直方向の長穴に上下方向に適宜移動可能に挿通された複
数個のピンは、上記フランジ上面からキャップを必要以
上に上昇させない作用をして、炉全体のノズルに対して
上記気体のノズル吹出し圧力を均衡に維持するとともに
キャップのずれ、転落を防止する。

本考案は、このようにノズルを微粒子を含有する気体の
流通する垂設円筒の上部外周面に環装されたフランジ面
に、複数個のピンが上記垂設円筒の上記フランジ環装位
置よりも上部の側面に穿設された垂直方向の長穴に上下
方向に適宜移動可能なピンを複数個側壁に固定させたキ
ャップを上記キャップの下端開口周縁が当接するように
配設させているため、ノズルにおける吐出口径が大きく
なり、また、微粒子付着によりノズル通過圧力損失が増
そうとした時１．キヤツプが上方に押し上げられる作用
が働き圧力損失が回復され、したがって、ノズル穴の閉
塞が防止され、気体の流れが円滑になる。

また微粒子が円筒のフランジ上面と上記キャップの下端
開口周縁との間に付着した場合、キャップが吹出し圧力
により上下運動をするため、その上下動により付着した
微粒子は機械的に剥離されるので、ノズルへの微粒子付
着が大幅に減少でき、したがってノズルが閉塞すること
なく長期間安全運転することが出来る。

さらに、上記キャップの側面に固定されている複数個の
ピンが、上記垂設円筒の上記７ランジ環装位置よりも上
部の側面に穿設された垂直方向の長穴に挿通されており
、上記キャップの上下運動を制限するストッパーの役割
をする上記ピンおよび上記長穴はいずれも微粒子の含有
する気体の流れにさらされているので、微粒子の付着で
上記キャップの上下運動が阻止されることはな〈従来の
炉用ノズルよりもさらに長期間安全運転することが出来
る。

さらにまた、キャップのずれ、転落を防止し、かつスト
ッパーの役割をキャップの側面に固定された複数個のピ
ンと垂設円筒のフランジ環装位置よりも上部に側面に穿
設された垂直方向の長穴とで構成されるために、従来に
比べて製作および取付は作業が容易に出来る。

以下、本考案の最も好ましい実施例を第７図および第８
図に図示する。

第７図および第８図に図示するように、通常焼成レンガ
を基材とする活性炭再生炉の炉床１にノズル２の円筒３
を銅安８を保持材として垂直に挿着する。

円筒３の上部外周面にフランジ４を環装し、フランジ４
の上面にその下端開口周縁が当接するようにキャップ５
を乗せて、円筒３の上端開口部にかぶせる。

キャップ５の側面に複数個のピン９を固定し、一方円筒
３のフランジ４環装位置よりも上部の複数個の突出側壁
に垂直方向に長い穴１０を穿設し、その長穴１０にピン
９を挿通する。

この場合、ピン９と長穴１０との関係は、キャップ５が
上下方向に矢印りで示すように一定距離移動できる余裕
を持たせ前後左右方向にずれないようにする。

また、キャップ５の重量は炉床１の位置、流動層の条件
等を考慮して炉床ノズル２にもたせる圧力損失に見合う
ものとする。

なお本実施例においては第７図及び第８図に示すような
キャップを用いたが、これの代りに中空な半球状キャッ
プを用いても良い。

このように構成された本実施例において、灰を含有する
燃焼ガス７がノズル２の垂設円筒３部を流過すると、フ
ランジ４上面に当接されたキャップ５は、同キャップ５
の重量と燃焼ガス７の通過時の圧力損失量とバランスに
よって、それに見合うだけフランジ４上方へピン９が長
穴１０を摺動しながら移動する。

また、７ランフ４上面に燃焼灰が付着し始めると燃焼ガ
ス７の通過時圧力損失は次第に高くなり、円筒３の下方
に圧力上昇が起こり、したがって再生炉下段部は圧力が
上昇する。

このため燃焼ガス７のノズル吹出し圧力も高くなり、ノ
ズル２上のキャップ５はさらに上方に押し上げられる。

この時キャップ５とフランジ４上面との間隙に付着して
いた灰は剥離され、ノズル２の円筒３下方の圧力は降下
し、したがって再生炉の下段部圧力は降下し、キャップ
５はピン９が長穴１０を摺動しながら再び下降する。

このようにしてノズル２のキャップ５は断続的に上下運
動する。

また、円筒３の軸線方向に所定の長さを有する長穴１０
は、フランジ４上面からキャップ５を必要以上すなわち
矢印り以上に上昇させない作用をして、再生炉全体のノ
ズル２に対して燃焼ガス吹出し圧力を均衡に維持すると
ともにキャップ５のずれ、転落を防止する。

このようにノズル２を灰を含有する燃焼ガス７の流通す
る垂設円筒３の上部外周面に環装されたフランジ４上面
にキャップ５を当接させたため、ノズル２における吐出
口径が大きくなり、また、燃焼灰付着によりノズル通過
圧力損失が増そうとした時、キャップ５が上方にピン９
が長穴１０に摺動しながら押し上げられる作用が働き圧
力損失が回復されるので、ノズル穴の閉塞が防止され、
燃焼ガス７の流れが定常的に円滑になる。

また、燃焼灰がフランジ４の上面に付着した場合、キャ
ップ５がノズル吹出し圧力の上昇によって上方に移動し
、燃焼灰が剥離除去した場合にはノズル吹出し圧力の低
下によってキャップ５が下方にピン９が長穴１０に摺動
しながら落下し、このようなキャップ５の上下動のゆさ
ぶりによって円筒３、フランジ４およびキャップ５に付
着しかつ燃焼ガス７の円滑な流れを随喜していた付着燃
焼灰が剥離されやすくなり、従来のようなノズル穴閉塞
による運転停止はなくなり、長期間安全運転をすること
が出来る。

さらに、従来ノズルは穴径、数量、角度及びノズルの形
状等、適当風量及び燃焼灰付着防止に考慮を要したが、
本実施例のノズル２は形状等簡単になり費用の点でも有
利である。

さらにまた、キャップ５の側面に固定されている複数個
のピン９が、垂設円筒３のフランジ４環装位置よりも上
部の複数突出側壁に穿設された垂直方向に長い穴１０に
挿通されており、キャップ５の上下運動を制限するスト
ッパーの役割をするピン９及び長穴１０はいずれも燃焼
灰を含有する燃焼ガス７の流れの中にさらされているの
で、燃焼灰の付着でキャップ５の上下運動が阻止される
ことなく、従来の炉用ノズルよりもさらに長時間安全運
転することが出来る。

また、キャップ５のずれ、転落を防止しかつストッパー
の役割を、キャップ５の側面に固定された複数個のピン
９と垂設円筒３のフランジ４環装位置よりも上部に複数
個突出した側壁に穿設された垂直方向の長穴１０とで構
成されるために、従来に比べて製作および取付は作業が
容易に出来る。

ある実プラントで上記実施例による炉用ノズルを用いて
テストしたところ、従来のノズルでの運転データでは初
期圧損８０ｍｍＨ２Ｏが成る期間で３００ ｍｍ Ｈ２
０に上昇したのに対し、上記実施例による炉用ノズルは
圧損が当初上昇したがしばらくして下降し、上昇、下降
をくり返しながらほぼ一定の圧損で運転されたという結
果を得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は活性炭再生炉における炉用ノズル使用の説明図
、第２図および第３図は従来の炉用ノズルの断面図、第
４図乃至第６図は従来の他の炉用ノズルであり、第４図
は断面図、第５図は平面図、第６図は斜視図、第７図お
よび第８図は本考案に係る炉用ノズルの一実施例であり
、第７図は断面図、第８図はそのＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿
った断面図である。 ２・・・・・・ノズル、３・・・・・・垂設円筒、４・
・・・・・フランジ、５・・・・・・キャップ、７・・
・・・・燃焼ガス、９・・・・・・ピン、１０・・・・
・・長穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 微粒子を含有する気体の流通する垂設円筒の上部外周面
   にフランジを環装し、キャップを同キャップの下端開口
   周縁が上記フランジの上面に当接するように配設し、上
   記キャップの側面に固定された複数個のピンが上記垂設
   円筒の上記７ランジ環装位置よりも上部の側面に穿設さ
   れた垂直方向の長穴に上下方向に適宜移動可能に挿通さ
   れたことを特徴とする炉用ノズル。