JPS5849707Y2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、飯器底部などご飯温度と密接な関係を有す
る帯熱部の温度を検知してご飯の炊き上り時期にヒータ
ー回路のスイッチにオフ動作を与えるサーモスタットユ
ニットを備える炊飯器に関し、特にサーモスタットユニ
ットを帯熱部に近い位置に設けるフェライトと、ばねに
よる離反力に抗し上記フェライトに吸着しフェライトの
磁気転移に伴ない該フェライトより離反してヒーター回
路のスイッチにオフ動作を与える磁石とで構成したもの
に関する。

上記の構成を有するサーモスタットユニットは、フェラ
イトのキュリ一点が経時的にも全く変動することのない
恒常的な値であるから、一旦所定の値のものを選定すれ
ば、サーモスタットユニットの動作温度は他の機械的な
構成などの経時的な変化に伴ないしだいに不正確になる
というようなことがなく、極めて正確なスイッチング動
作が得られるから、製作の段階で設定された炊き上がり
時期を忠実に守って作動する炊飯器であるということが
できる。

しかしながら、どのよ・うな炊き上りの状態のご飯が好
ましいかは、人それぞれによって異なり、成る人は少し
焦げのある状態に炊き上がったご飯を美味に感じ、また
成る人は焦げができることを嫌うといるように一種には
決められないがら、上記の如く所定の転移温度を有する
フェライトが組み込まれたサーモスタットユニットを備
えた従来の炊飯器は、すべての人の嗜好に適った炊飯器
であるということはできない。

一方、炊飯器の上記サーモスタットユニットにおけるフ
ェライトからの磁石の離反時期を調節しうる手段を設け
た炊飯器が提供されているも、そのような調節はもっば
ら製作者が組立時最終段階等に行うべくしたもので、使
用者が調節するには困難なため不向きであるか調節し得
ないものである。

この考案は、使用者でも内容器内がら極く簡単に磁石離
反時期を簡単に調節でき、しがも調節状態が不用意に変
化することがないようにした炊飯器を提供することを目
的とするものである。

この考案は、ご飯温度を間接的に感知するフェライトと
、ばねによる離反力に抗し上記フェライトに吸着しフェ
ライトの磁気転移に伴ないフェライトより離反してヒー
ター回路のスイッチにオフ動作を与える磁石とからなる
サーモスタットユニットを、内容器内底部へ飯器を受載
するよう設けた発熱体中央部の穴に設けた炊飯器におい
て、上記サーモスタットユニットに、ばねの離反力と磁
石の吸着力との力関係を加減しヒーター回路のスイッチ
にオフ動作を与える時期を調整する炊き上り時期調整手
段を、その調整操作部が前記発熱体中央穴から内容器内
へ操作できるように臨ませて設けたことを、前記目的達
成のための要旨としている。

説明すれば、１はご飯の炊き上がり時期を飯器１０底部
の温度により検知したヒーター回路のスイッチにオフ動
作を与えるサーモスタットユニットで、内容器１２の内
底部に設けた発熱体１１の中央部の穴１１ ａより上方
に該ユニットの上部が臨むように上記発熱体１１の下面
部に係着したスプリングワイヤ９で弾性的に保持し、発
熱体１１上に載置される飯器１０に押圧されて該ユニッ
トの上面が飯器１０底面に密着するようにする。

上記サーモスタットユニット１は、その上面部をなす蓋
部２の裏面にフェライト４を固設し、蓋部２裏面中央よ
り垂下したねじ部２ａに対し、磁石５上面に当接する垂
下片６′ａを有するばね当て板６′を螺合すると共に、
ばね当て板６′の外周部に形成した案内片６’ｂを上下
方向に案内する溝３ａを容器部３内周面に形威し、ばね
当て板６′と磁石５のフランジ部７との間にばね８を働
かせ、蓋部２を回動操作することによりばね当て板６′
を上下に位置調整し、フェライト４と磁石５とのばね８
による一離反力を調整し、これによってばね８の磁石５
への押圧力と磁石５のフェライト４への吸着力との力関
係を調節するようにしである。

第３図、第４図のものは、フェライト４と磁石５との隙
間を調節することによってばね８の磁石５への押圧力と
磁石５のフェライト４への吸着力との力関係を調節する
ようにしたもので、下端部をフェライト４の中央部に螺
合させた調整ねし部材２６の頭部を蓋部２上面に臨ませ
ると共に、フェライト４の外周に形威した案内片４ａを
上下に案内する溝２Ｃを、蓋部２の裏面中央より垂下さ
れ下端を磁石５上面に当接させる筒部２ｂの内壁に形威
し、調整ねし部材２６をドライバーなどにより回動操作
してフェライト４を上下に位置調節し、以ってフェライ
ト４と磁石５との間隔を調節すべくしである。

第５図から第７図に示される実施例は、裏面にフェライ
ト４を固定した蓋部２を容器部３に対し回動自在に装着
すると共に、フェライト４の下面と磁石５の上面とを長
円ないし長方形状に形威し、蓋部２の回動操作により第
６図、第７図に示すように磁石５のフェライト４への密
着面積が変化するように構成してあり、上記各実施例と
同様の機能を与えることができる。

１５は炊飯を開始する場合に、ヒーター回路のスイッチ
及びサーモスタットユニット１を初期状態にセットする
ための操作レバーであって、本体外枠２２の下側部に設
けた軸支板１８に軸１９により枢着し、その一端に有す
る炊飯ボタン部１７を本体外枠２２の外方に臨ませ、他
端を前記サーモスタットユニット１の連結杆１３に連結
する。

上記操作レバー１５の連結杆１３側の途中には突片１６
を設け、該突片が前記軸支板１８の下端部に固着したス
イッチ２０の可動側接片２１に当接し、該可動側接片２
１を下方に押し下げて炊飯ボタン１７を押さない状態で
はスイッチ２０がオフ状態を保つように構成する。

２３は内容器１２を本体底部２４より支える支持部材で
あって、等配位置に複数個配設する。

２５は発熱体１１の熱がスイッチ２０或いは本体底部２
４へ直接及ぶのを防止する遮熱板である。

如上の構成よりなる本考案の炊飯器の作用について説明
すれば゛、第１図に示すように、サーモスタットユニッ
ト１の磁石５がばね８により下方に押し下げられ、該磁
石５に連結杆１３によって連結される操作レバー１５が
その突片１６により図示しないヒーター回路のスイッチ
２０の可動側接片２１を下方に押し下げスイッチ２０が
オフ状態に保たれている不使用状態にある炊飯器は、操
作レバー１５の炊飯ボタン部１７を、サーモスタットユ
ニット１のばね８の押圧力にさからって押し下げると、
不使用時の常温にあってフェリ磁性を呈するフェライト
４に磁石５が吸着すると共に、可動側接片２１が操作レ
バー１５の突片１６による押圧作用から解除されてスイ
ッチ２０はオン状態となり、その後、炊飯ボタン部１７
への作用を解除しても、磁石５はばね８の押圧力に打ち
勝ってフェライト４への吸着状態を維持するから、上記
セット状態が保持され炊飯が開始される。

飯器１０内でご飯が炊き上がりの状態に達すると、この
とき飯器１０底部の温度を感知してフェライト４が常磁
性状態に磁気転移し、磁石５は吸着すべき対象を失って
ばね８の押圧力により下方に押し下げられ、この作用に
伴って操作レバー１５の突片１６がスイッチ２０の可動
側接片２１を下方に押しやりスイッチ２０をオフ状態に
戻し炊飯が終了する。

少し焦げのある状態に炊き上がったご飯を望む場合には
、炊飯器内の飯器１０を取出して発熱体中央穴１１ ａ
へ露呈する蓋部２を、直接回動操作°して該蓋部の表面
中央より垂下されるねじ部２ａに螺合されたばね当て板
６′を上方に位置替えし、フェライト４と磁石５との間
に働くばねの離反力を弱めれは゛よい。

また第３図、第４図に示すサーモスタットユニット１の
場合には、蓋部２上面に臨む調整ねし部材２６の頭部を
ドライバーなどにより回動し、調整ねし部材２６下端部
に螺合するフェライト４を下方に位置替えして、該フェ
ライト４と磁石５との間隔を狭めることにより果たすこ
とができる。

また第５図に示すサーモスタットユニット１の場合にも
、炊飯器内の蓋部２を直接回動操作することによって、
フェライト４と磁石５の密着面積が大きくなるように、
第７図に示す位置状態から第６図に示す位置状態に変化
させることにより果たすことができる。

この考案によれば、炊き上り時期調整手段を備えるが、
特にこの手段は、その調節操作部が前記発熱体中央穴か
ら容器内へ操作できるように臨ませて設けたから、飯器
を取出し内容器を露呈させた状態で外部操作することに
よって、製作者側は勿論、使用者でも簡単に炊き上り時
期を調節でき、ご飯を少しだけ焦げのある状態にも、焦
げのない状態にも使用者の好みに応じて任意に炊き上げ
ることができる。

また、炊き上り時期の異なる他の調理物の煮炊き用など
として使用する場合にも、簡単にその調理物に最適な炊
き上り時期に合うようにスイッチのオフ時期を設定でき
るから、炊飯器以外への用途が拡大される効果を奏する
。

しかも、前記調節操作部は、通常飯器等に覆われ、また
飯器取外し時も目立たずしかも人手が及び難い内容器底
部に位置しているため、いたずら操作や使用中不注意で
触れる等によって、調節状態が不用意に変更されてしま
う心配がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部を破断面で示す実施例の正面図、第２図は
第１図の実施例の要部拡大縦断面図、第３図は別の実施
例の要部拡大縦断面図、第４図は第３図の要部斜面図、
第５図は他の実施例の要部拡大縦断面図、第６図及び第
７図は第５図の実施例におけるフェライトと磁石の位置
関係を示す図である。 １・・・・・・サーモスタットユニット、２・・・・・
・蓋部（調節操作部）、２ａ・・・・・・ねじ部、２ｂ
・・・・・・筒部、２Ｃ・・・・・・溝、３・・・・・
・容器部、３ａ・・・・・・溝、４・・・・・・フェラ
イト、４ａ・・・・・・案内片、５・・・・・・磁石、
６′・・・・・・ばね当て板、５’ａ・・・・・・垂下
片、６′ｂ・・・・・・案内片、７・・・・・・フラン
ジ部、８・・・・・・ばね、９・・・・・・スプリング
ワイヤ、１０・・・・・・飯器、１１・・・・・・発熱
体、１１ ａ・・・・・・穴、１２・・・・・・内容器
、１３・・・・・・連結杆、１５・・・・・・操作レバ
ー、１６・・・・・・突片、１７・・・・・・炊飯ボタ
ン部、１８・・・・・・軸支板、１９・・・・・・軸、
２０・・・・・・スイツチ、２１・・・・・・可動側接
片。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ご飯温度を間接的に感知するフェライトと、ばね
   による離反力に抗し上記フェライトに吸着しフェライト
   の磁気転移に伴ないフェライトより離反してヒーター回
   路のスイッチにオフ動作を与える磁石とからなるサーモ
   スタットユニットを、内容器内底部へ飯器を受載するよ
   う設けた発熱体中央部の穴に設けた炊飯器において、上
   記サーモスタットユニットに、ばねの離反力と磁石の吸
   着力との力関係を加減しヒーター回路のスイッチにオフ
   動作を与える時期を調整する炊き上り時期調整手段を、
   その調整操作部が前記発熱体中央穴から内容器内へ操作
   できるように臨ませて設けたことを特徴とする炊飯器。
2. （２）サーモスタットユニット、の発熱体中央式上方へ
   露出される蓋部の裏面中央より垂下したねじ部に対し、
   磁石上面に当接する垂下片を有するばね当て板を螺合す
   ると共に、ばね当て板の外周部に形成した案内片を上下
   方向に案内する溝を容器部内周面に形成して、蓋部の回
   動操作によりばね当て板を上下に位置調整すべくした構
   成を、炊き上り時期調整手段としたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の炊飯器。
3. （３）フェライトの中央部に螺合させた調整ねし部材の
   頭部を、サーモスタットユニットの発熱体中央式上方へ
   露出される蓋部の上面に臨ませると共に、フェライトの
   外周に設けた案内片を上下に案内する溝を、蓋部の裏面
   中央より垂下され下端を磁石に当接させる筒部の内壁に
   形威し、調整ねし部材の回動操作によりフェライトを上
   下に位置調整すべくした構成を、炊き上り時期調整手段
   としたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の炊飯器。
4. （４）サーモスタットユニットの発熱体中央式上方へ膨
   出される蓋部の裏面にフェライトを固定し、該蓋部を容
   器部に対し回動自在とすると共に、フェライトの下面と
   磁石の上面とを長円ないし長方形に形成し、蓋部の回動
   操作により磁石のフェライトへの密着面積が変化すべく
   した構成を、炊き上り時期調整手段としたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の炊飯器。