JPS5849703B2 - 閉ル−プによる空燃比制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は気化器式ガソリンエンジンの空燃比を定められ
た範囲内に自動的に制御する閉ループによる空燃比制御
装置に関するものである。

一般に自動車から排出される排出ガス汚染物質ＣＯ，Ｈ
Ｃ，ＮＯｘは空燃比と深い関連がある。

したがって現在の浄化手段としては、処理のむずかしＬ
）ＮＯｘの低い領域、すなわち濃混合気領域か、希薄混
合気領域での対策が一般的手段として提案されているが
、濃混合気での対策においては触媒による二次公害、燃
費の増大などの問題があり、また希薄混合気域での対策
においては、出カ低下に伴なう運転性の悪化や、点火エ
ネルギーの増大やエンジン改造に伴なうコストの上昇な
どがあり、まだ多くの検討すべき点が残されている。

このため燃費や運転性に影響をおよぼすことな＜、ＮＯ
ｘ，Ｃｏ，ＨＣを同時に低減する新らしい形の浄化シス
テムが要求されているが、このような情勢のなかで、単
一の触媒でＣＯ，ＨＣを酸化すると同時にＮＯｘを還元
する三元触媒を使用したシステムが有力視されている。

三元触媒は第１図に示す如く、理論空燃比付近ではＮＯ
ｘ，ＣＯ，ＨＣの浄化率がすべて９０％以上になるので
、この三元触媒を使用することにより、高性能の浄化シ
スデムが得られることになる。

第２図はその制御システムの一例で、エンジン１からの
排気管２に三元触媒３を設け、該三元触媒３の上流側に
、排出ガス中の一成分を検出するガスセンサ４を設け、
この出カを制御回路５を介して、気化器６に付属した電
磯弁７を駆動し、気化器空燃比を三元触媒が最も効率良
く作動する理論空燃比付近に制御するシステムである。

この例としては、例えば、特開昭５１−６２２３０、特
開昭５１−６２２３１、特開昭５１−６４１３６、特開
昭５１−５４１３１、特開昭５１−５４１３２などが知
られている。

このシステムには、空燃比を制御する手段として、アナ
ログ式とデジタル式とがあり、それぞれ一長一短がある
。

例えば第３図に示す如く、吸入空気量あるいは車速に対
する気化器の空燃比制御幅は、デジタル方式の場合は点
線イの如く狭い範囲に設定しなければならないため、気
化器自身の空燃比精度を予め高めておく必要がある。

一方アナログ式の場合は、極少、極大間のある範囲内で
平衡するため、制御幅は実線口の如く、大きくとれるた
め、気化器の精度は多少低下するものでも良いという特
長がある。

しかしアナログ式ではアクチュエータや制御回路が複雑
高価となる欠点があり、現在は両者の効果を引き出すよ
うな方式を模索中である。

ここで両方式とも問題になるのが、閉ループ系のむだ時
間要素である。

第４図は車速に対するむだ時間を示したもので、このむ
だ時間はほとんどが吸気系において占められる値であり
、吸気管を含む気化器式エンジンでは、この値を小さく
出来ないのが現状である。

そのため、アイドリング時にゲインを高める必要がある
が、ゲインを高めると制御系がハンチングを起し易く、
燃料の噴出が間欠的となって、円滑な運転が阻害される
。

そのため、アイドリング時には、閉ループ制御機能を停
止し、アクチュエタに一定電流を流して空燃比が理論空
燃比となるようにホールドする方法が考えられるが、デ
ジタル式の場合、オンーオフ電磁弁を用いているため、
中間付近にホールドすることが出来ないという原理的欠
陥を有している。

本発明の目的は以上のような点に着目し、デジタル式の
場合でもアイドリング時のホールドを可能にした手段を
提案するもので、以下図面に示す実施例本発明の詳細を
説明する。

第５図は本発明を適用した閉ループ制御装置のブロック
図で、第２図と同一符号は同一物あるいは均等物を示す
。

０２センサ４の出力は、バツファ回路８に入力され、イ
ンピーダンス整合されたのち、コンデンサ９、抵抗１０
からなる積分回路１１に与えられる。

一方基準電圧によって常時三角波を発生する三角波発生
回路１２を備え、前記積分出力と三角波発生回路１２と
の出力を比較回路１３において比較する。

該比較回路１３の出力を電磁弁駆動回路１４に与えると
、電磁弁７は第６図に示す如く零を中心として見掛け上
プラス入力とマイナス入力が与えられたと等価となり、
Ａ点、Ｂ点間をオンオフ駆動される。

ここで入力を零にすると、電磁弁はＣ点に静止するので
、オンオフ制御でありながら、その中点に静止すること
が可能となる。

一般のオンオフ電磁弁では、このような機能は全く期待
出来ないことは勿論で、本発明では、比例作動電磁弁を
オンオフ作動したところに特徴がある。

第７図は本発明装置に適用された電磁弁の構造を示した
もので、磁石１５．１６で形成される磁場内に、針弁１
７の固着された可動コイル１８が設置され、該可動コイ
ル１８には外部端子１９，２０を介して、入力電気量が
与えられる。

一方針弁１７の先端部は気化器６に設けた燃料制御ジェ
ット２１（本発明ではメインエアーブリードを示す）に
挿入され、該ジェット２１を約２０〜５０ＨＺの周期で
オン、オフしたときの平均エアーブリード量によって吸
入空気量に対する燃料を計量し、その空燃比は、オンあ
るいはオフ時間を変化することによって制御する。

ただし電磁弁自体は、０〜＋１２Ｖの自動車用バツテリ
電源で駆動されるため、通常の駆動回路では第６図Ｃ−
Ａ間のみしか動作しない。

これではデジタル制御の場合、中点に保持することは出
来ないので、本発明では、第８図の如く、見掛け上マイ
ナス入力となるような回路構或を用いた。

２２〜２５はトランジスタで、これら４個のトランジス
タでブリッジ回路を構成し、その中間に電磁弁７を設け
た。

いま、トランジスタ２４と２５とのベースに比較回路１
３の出力すなわちデュテイ信号を与えると入力信号２６
の最高値２６ａとのときにはトランジスタ２３．２４が
オンし、矢印２７の方向に電流が流れ針弁１７は矢印２
８方向に移動して、ジェット２１を全閉とする。

一方入力信号２６が最低値２６ｂのときにはトランジス
タ２２．２５がオンし、矢印２９の方向に電流が流れ、
電磁弁針弁は矢印３０方向に移動し、ジェット２１を全
開する。

このような動作によりデジタル制御が為されているとき
、前述の条件で、アイドリング時には針弁１７をジェッ
ト２１の全開、全閉位置の希望する中間位置に保持する
必要がある。

このときには第５図に示す如く、気化器ストロットルバ
ルブ３１の全閉位置を検出するアイドル検出スイッチ３
２を設け、入力源スイッチ３３，３４を開路すると、電
磁弁７に入力する電気量は零となるので、第６図に示す
如く、Ａ点とＢ点との中間位置に保持される。

この中間点Ｃのとき、気化器空燃比が理論空燃比となる
よう予め設定しておくと、アイドリング時には理論空燃
比にホールドすることが可能となる。

本発明は以上の如く、０２センサを用い排ガス中の酸素
濃度分圧から気化器空燃比を理論空燃比付近に制御する
閉ループによる空燃比制御装置とくに、実用性の高いデ
ジタル制御方式における最犬の欠点であるアイドリング
時の空燃比ホールドを実現したものである。

これによってむだ時間の存在する気化器式ガソリンエン
ジンのアイドリングには、アイドルホールドによってそ
の空燃比を理論空燃比に維持することが可能となり、ア
イドリング時の円滑な運転性の回復とともに、１０モー
ドテストの如き、アイドリング、減速を含む運転モード
での排出ガス濃度を大幅に低下し、この種装置の開発目
標である運転性と排気浄化性との両立が得られるとの大
きな効果が期待出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は三元触媒の空燃比に対する浄化性能を示す特性
図、第２図は閉ループによる空燃比制御システムの一例
図、第３図は、気化器を用いたエンジンの車速に対する
むだ時間の一例図、第４図はアナログ式とデジタル式と
の空燃比制御幅の一例図、第５図は本発明閉ループ装置
の一実施例図、第６図は電磁弁の動作説明図、第７図は
本発明に適用した電磁弁の構造図、第８図は本発明に適
用した電磁弁駆動回路図である。 符号の説明、４・・・・・・０２センサ、６・・・・・
・気化器、７・・・・・・電磁弁、８・・・・・・バツ
ファ回路、１１・・・・・・積分回路、１３・・・・・
・比較回路、１４・・・・・・電磁弁駆動回路、３２・
・・・・・アイドル検出スイッチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排出ガス中の一成分を検出し、気化器空燃比を理論
   空燃比付近に制御する閉ループにょる空燃比制御システ
   ムにおいて、気化器空燃比をエアープリードのオンオフ
   時間変換によってデジタル制御する比例作動オンオフ電
   磁弁と、この電磁弁に入力されるオンオフ電気信号を信
   号反転する回路と、アイドリング時に前記電磁弁に入カ
   する電気信号を遮断する手段とを備え、アイドリング時
   に気化器空燃比を理論空燃比付近にホールドするように
   したことを特徴とする閉ループにょる空燃比制御装置。