JPS58481B2 - 低酸素鉄系金属粉末の製造方法および装置 - Google Patents

低酸素鉄系金属粉末の製造方法および装置

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JPS58481B2
JPS58481B2 JP51026708A JP2670876A JPS58481B2 JP S58481 B2 JPS58481 B2 JP S58481B2 JP 51026708 A JP51026708 A JP 51026708A JP 2670876 A JP2670876 A JP 2670876A JP S58481 B2 JPS58481 B2 JP S58481B2
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    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • B22F9/16Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
    • B22F9/18Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds
    • B22F9/20Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from solid metal compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は純鉄粉、合金鋼粉またはこれらの混合粉末を包
含する鉄系金属粉末から焼結鍛造を含む粉末冶金用の低
酸素鉄系金属粉末を製造する方法および装置に関する。
ここに「鉄系金属粉末」と称するは該粉末を構成する成
分のうち、金属鉄が重量百分率で第1位を占めるもので
、純鉄系或いは合金元素を含む合金鋼、合金鉄を意味す
る。
最近の粉末冶金技術は、従来小型焼結機械部品を中心と
していた用途から次第に、高密度化、高強度化を進めて
高靭性の機械部品、工具、あるいは、大型の機械部品や
素材製品(例えば、粉末圧延による板材など)を製造す
る技術へと領域を広げつつあり、これら高強度の製品を
得るため種々研究が行なわれている。
この場合において最も重量な要因の一つが、粉末中の酸
素含量の問題である。
例えば、鉄系粉末では、純鉄粉においてすら、通常、1
000〜5000p、p、mの酸素を含有し、かような
粉末を原料にして高密度の機械部品を製造した場合疲労
強度や靭性に悪影響が及ぼされることは、従来良く知ら
れているとおりである。
また、低合金鋼粉、高合金鋼粉になると一般に酸素含量
は、一段と増加の傾向を示し、これらの酸素低減策は、
粉末製造技術者の最も苦労するところであった。
従来、これら粉末を脱酸して低酸素粉末を得る方法とし
て、(i)水素などの還元性ガスを還元剤として用い、
(n)この還元性ガスと被還元粉末とを間接的に加熱し
て脱酸せしめ(この時、粉末は焼結してケーキ状になる
)、(iii)生成した焼結ケーキを粉砕、粉末化する
プロセスが広く採用されている。
また、粉末に還元剤として黒鉛粉を混合して得られた混
合粉末を輻射熱により間接的に加熱して脱酸せしめる方
法等も提案されている。
これら従来法は何れも外熱方式により粉末を間接的に加
熱するものであるため、炉体構成材料の耐熱性等の装置
的な制約を受けて加熱温度をあまり高くすることができ
ず、従って今一つ有効な脱酸を期待し得ない。
また、個々の粉末粒子についても輻射熱や還元ガスとの
熱交換(すなわち対流)および熱伝導等による粒子外部
からの加熱であるので、還元に長時間を必要とし、粉末
粒子間の焼結が必然的に進行して仕上還元後におけるケ
ーキの解砕性が悪化する問題が生じる。
このような事情から、安価に低酸素の鉄系粉末を大量生
産することは至難であった。
そこでとくに例えばNiやMoを主体とする合金成分を
加えるなど、脱酸を容易ならしめるような方向へと成分
を調整する傾向にある。
それ故、溶製鋼材に極く当り前に合金化される安価なM
n sCrなどを水アトマイズ法の如き工業的に低コ
ストな方法によって製造される粉末に予め合金化させた
場合、これら元素が容易に酸化されることの防止法はな
く、したがって、かかる粉末を通常の方法によって仕上
還元しようとすると、温度、雰囲気、処理時間などの条
件を厳しくする必要があり、必然的にコスト上昇を招く
に至っていた。
さらにまた、仕上還元工程に引続くケーキの解砕性は、
還元工程が長びくために粉末粒子間の焼結が進行するこ
とによって極端に悪く、かつ著しく硬くなり、従ってこ
の解砕のあと、解砕粒子に加工歪が残り粒子自体も硬化
するので、このようにして得られる製品粉末の成形性が
害された。
本発明者等は先に原料粉末を直接誘導加熱還元して低酸
素鉄系金属粉末を製造する方法を発明し、特開昭50−
145943号および特開昭51−1353号を開示し
た。
これらの発明によれば予備加熱せず直接誘導加熱還元す
るため、誘導加熱還元時の仕上鉄粉の焼結状態にバラツ
キを生じ易く、かつ誘導加熱炉内の耐火物裏当材と仕上
鉄粉とが接触して耐火物による汚染を防止することがで
きなかった。
本発明は本発明者等による前記方法の改良に係り、前記
方法に予備加熱工程を加えて、さらに効率よく原料粉末
の仕上還元を行わせようとするものである。
本発明はこのような問題の解決を図ることを目的とする
ものであって、種々の方法で製造される鉄系金属粉末を
非酸化性雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下に予熱して
仕上還元前の粉末粒子中の酸素の一部を還元すると同時
に、筒殻ケーキ状に軽度の焼結化を計り、かつそれに応
じ粉末粒子中に合金化されている炭素も含めた合計の炭
素を減少して還元条件を整え、次いで該ケーキに同じ雰
囲気下で粉末の自己発熱による加熱(誘導加熱)を適用
することによって加熱所要時間を著しく短縮し、その結
果として還元を経たケーキの解砕を容易ならしめ、引い
ては成形性にすぐれた低酸素鉄系金属粉末の製造を容易
ならしめたものである。
すなわち、本発明は充填状態の見掛密度が理論真密度の
16〜57%で、6重量係以下の酸素含量を有する粒度
が1mm以下の仕上還元焼鈍に供すべき鉄系金属粉末に
、最終製品の目標合金炭素量(重量%)+仕上還元直前
の粉末の酸素含量(重量%)×1.35以下の分量に相
当する炭素を予め合金化するかおよび/または炭素質粉
末の状態で混合して原料粉末を形成し、この原料粉末を
理論酸素分圧が2.lX10−lmmHg以下および露
点が+5℃以下の非酸化性雰囲気において780〜12
00℃の温度に予備加熱して予熱筒殻状焼結ケーキ(以
下Pケーキと略記する)を形成し、このPケーキを前記
非酸化性雰囲気下で50ヘルツ〜500キロヘルツの交
番電力により850〜1400℃の温度に誘導加熱しな
がら脱酸、脱炭せしめて誘導加熱焼結ケーキ(以下Iケ
ーキと略記する)を形成し、このIケーキを冷却後粉砕
、粉末化することにより上記目的を達成するものである
本発明においては、(1)還元剤が原料粉末中に内装し
た炭素であること、(2)本格的かつ効果的な脱酸を生
起させる必要な温度を誘導加熱により得ること、(3)
誘導加熱を効率的に行うため原料粉末を予熱してPケー
キに焼結化すること、(4)脱酸を有効に遂行すると同
時に、Pケーキおよびエケーキの再酸化を防止するため
非酸化性の雰囲気、好ましくは真空雰囲気を保持するこ
とが必須条件である。
本発明の方法によれば、鉄系金属粉末の効果的かつ効率
的な脱酸を原料粉末自体の直接誘導加熱により原料粉末
中に合金化した炭素(混合炭素の場合は、予熱工程で粉
末中に合金化される。
)と、該粉末が含有する酸素(通常酸化物)との直接反
応により進行せしめる還元剤内包方式により行うもので
、従来のガス還元の如き気体と固体との反応、すなわち
粉末粒子が還元剤を内包せずして、外部からの還元性ガ
スで脱酸される還元方式と全く異なる。
すなわち、本発明は原料粉末自体を直接発熱させる誘導
加熱方式を採用しているため、装置反応部の耐熱性、耐
酸化性等の材料上の制約をほとんど受けず、可能な限り
の高い加熱温度を達成することができ、それだけ有効な
脱酸を遂行せしめることができる。
しかも、単に高温加熱が可能なほかに、Pケーキ全体の
昇温か極めて短時間のうちに行われ、また誘導渦電流が
粉末粒子内に誘起されて、粒子内部が発熱する結果、粉
末に合金化された炭素の拡散が促進され、脱酸反応がき
わめて短時間のうちに進行し、完了することである。
この短時間の昇温と、短時間の脱酸とは、仕上還元にお
いてきわめて重要な要因であり、これにより高温に加熱
するにもかかわらず、■ケーキの過度の焼結が防止され
、また、急激なガス発生の結果として降温後における■
ケーキの解砕性が十分よく保たれるのである。
本発明によれば鉄系金属粉末の最終還元に相当する仕上
還元に供すべきあらゆる原料粉末(以下原料粉末という
)、たとえば還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、機械的粉砕法
によった鉄粉、電解鉄粉等を用いることができ、これら
の製造方法若しくは合金組成又は酸化物の存在形態等と
まったく無関係に使用することができる。
次に、還元鉄粉およびアトマイズ鉄粉を例にとり本発明
の詳細な説明する。
還元鉄粉は、通常−次の粗還元工程と二次の仕上還元工
程とを経て製造される。
一次の粗還元工程で製造された海綿鉄を粉砕して得た粗
還元鉄粉は、0.7〜2%程度の酸素を含有していた。
この酸素は鉄粉粒子中に島状に介在する酸化鉄が主体で
あり、ほかに独立した酸化鉄粒子として存在する場合も
ある。
海綿鉄は粗還元工程における浸炭現象により幾分炭素を
含有しており、この炭素量の増減調節は可能である。
しかし通常の海綿鉄では炭素含量が酸素含量よりも低目
のため、かかる粗還元鉄粉に、本発明を適用するにはた
とえばガス浸炭などの前処理を施すことにより、適量の
炭素を合金化するか、あるいは黒鉛粉のような炭素質粉
末を混合する必要がある。
また粉砕前の海綿鉄に粗還元工程もしくは粗還元終了後
に後処理工程を設けて浸炭量を増加せしめ、然る後粉砕
してもよい。
上記の処理に続いて、本発明の方法を原料粉末に適用す
れば、効果的な脱酸を行うことができる。
なお黒鉛粉の混合により不足炭素量を補償しようとする
場合には、本発明の予熱工程で炭素を原料粉末中へ十分
合金化させることが有利である。
アトマイズ鉄粉(合金鋼粉を含む)の場合には炭素を溶
鋼中に合金化してのち粉末化することが可能なため、本
発明の方法を該原料粉末の仕上還元に一層有効に活用化
することができる。
アトマイズ法によるアトマイズ直後の粉末では、粉末粒
子表面に酸化物および/または水酸化物のいわゆる非金
属被膜が形成されているため、本発明の方法と従来のガ
ス還元法とでは還元機構が全く異なってくる。
即ち、アトマイズ鉄粉にガス還元法を適用した場合には
、還元室外部からの加熱により粉末粒子の表面から還元
されるので、還元生成物である金属部分も粒子表面に形
成される。
その結果、還元の途中においては未還元部分が粒子中心
部と粒子表面の金属部分間にはさまれて、サンドインチ
状態になる。
従って、還元はたとえば(i)粉末粒子表面近傍でのガ
ス境膜中における還元ガスと還元生成ガスとの相互拡散
、 (ii)還元ガスと粉末粒子との熱交換(輻射熱および
粉末粒子内、粉末粒子間の熱伝導による加熱も含む)、 (iii)還元ガスから粉末粒子表面の金属生成層中へ
の炭素や水素の固溶化、 (iv)固溶した炭素や水素の、反応界面への拡散、(
v)反応界面における還元反応、 (vi)還元生成ガスの粒子外部への放出、などの一連
の複雑なプロセスを経て進行する。
しかも、いずれかの過程が律速段階となり(通常、拡散
過程が律速段階となる。
)、かつその過程の進行が遅いため、脱酸速度も遅くな
る。
本発明は、鉄系金属粉末の仕上還元を還元性、中性若し
くは不活性ガス又は減圧(真空)など種種の非酸化性雰
囲気下で行うが、通常は、減圧雰囲気下、就中真空下で
の実施が、より好ましいので全理論酸素分圧が2.lX
10−lmmHg以下の減圧雰囲気、すなわち真空度で
lmmHg以下の高真空(この場合、雰囲気の露点は必
然的に+5℃以下となる)を例にとり、アトマイズ鉄粉
の還元機構を説明する。
本発明は従来のガス還元と異なり、前述したように粉末
粒子内部に誘起される誘導渦電流を利用し、それにより
発生するジュール熱を用いて粉末の加熱を行なうもので
あり、被還元物たる原料粉末の自己発熱によって還元が
進行する。
このように、粉末粒子自体を直接発熱させる結果、粒子
内部に合金化した炭素の拡散も促進され、粒子表面の非
金属被膜との界面における還元反応もまた速やかに進行
する。
すなわち、還元は粒子内部から進行する。
さらに上記界面でのガス生成反応が早いことから、界面
での生成ガスの圧力が急激に高まり、粒子外部が真空で
あることも手伝って、表面の非金属被膜が容易に破れ、
還元生成ガスは粒子外部に速やかに放出される。
その結果、界面反応の速度もまた早い状態に保たれる。
このように、本発明では、粉末粒子の個々が還元剤を含
有し、かつ誘導加熱により迅速かつ強制的に熱せられる
ため、ガス還元法のように、還元の進行につれて還元速
度が著しく低下するといった現象は見られない。
さらに、還元生成ガスは真空下のため、粉末粒子の表面
近傍から速やかに逸散するので、ガス境膜を形成するこ
とがない。
ただし充填層内部の粉末粒子表面付近には、ガス境膜が
多少形成されることも考えられるが、この場合には生成
したCOガスにより、さらに一部還元が進行することも
あり得よう。
上述のように、還元が粒子内部から生じることは、甚だ
好都合である。
第一に、従来のガス還元のごとく、未還元部分を金属部
分でサンドインチにすることがないため、還元プロセス
は単純化され、かつ還元速度が早い状態に保たれる。
第二に、粒子内部から表面に向って生成する金属部分は
常に炭素濃度が低く、したがって粒子内部から表面に向
けた炭素の濃度勾配が常時形成される。
しかも、粒子内部は常に誘導加熱されているので、炭素
は粒子内部から表面に向けた強制的な拡散を受け、拡散
律速の度合が軽減される。
なお、アトマイズ粉末において合金炭素量が酸素含量に
対して相対的に不足する場合には、前述した粗還元鉄粉
の例と同様に、不足分を黒鉛粉などで補償する。
つぎに、本発明法と従来のガス還元法との明瞭な相違点
を説明する。
本発明では、還元剤の含有も熱発生もすべて粉末粒子内
であるが、還元剤自体は、熱担体でないことが一つの特
徴である。
これに対して、従来のガス還元法では、輻射熱による加
熱分を別にすれば、粉末加熱用の熱は外部の熱源からま
ず還元ガスに与えられ、ついで還元ガスから粉末に熱交
換される。
つまり還元剤自体が同時に熱担体でもある間接加熱方式
であり、この点で本発明と従来のガス還元法とは異なっ
ている。
次に、本発明を具体的に詳述する。
本発明の仕上還元焼鈍に供すべき鉄系金属粉末としては
粉末冶金用の純鉄系あるいは合金元素を含む合金鋼、合
金鉄の粉末等のような公知方法により得た未仕上還元状
態の鉄系粉末素材で、たとえば電解法における陰極上板
状析出鉄、還元法における粗還元ケーキ、すなわち海綿
鉄等またはこれらの粉砕物、噴霧法におけるアトマイズ
粉末、機械的粉砕法による搗砕のままの粉末等大半が対
象となる。
更に本発明ではこれら粉末を仕上還元して市販できる状
態にした最終製品もまた対象となる。
その理由は、従来の仕上還元により製造した最終製品と
靴も、必ずしも低酸素粉末ばかりとは限らず、難還元性
粉末では、高酸素量のものも存在し、市販純鉄粉におい
てすら酸素量は1000〜5000p、p、mもあるな
ど、溶製鋼材に較べて普通1乃至2桁高い値であり、脱
酸の不十分なものが存在するからである。
本発明に用いる鉄系金属粉末は、後述する理由により1
mm以下の粒度で、理論真密度の16〜57%の範囲の
充填密度および6重量%以下の酸素含量の各条件を満足
する必要がある。
本発明では、原料粉末中の炭素の拡散を誘導加熱により
粉末粒子内部から表面へ向けて速かに行なう必要があり
、このため粉末粒子の粒度をできるだけ小さくすべきで
、1mm以下の粒度が好ましい。
このように炭素の平均拡散距離を短縮することにより、
誘導加熱時の所要脱酸時間、すなわち粉末の加熱保持時
間の短縮化が可能になり、その結果、生成するIケーキ
の過度にわたる焼結が防止され、必然的にIケーキの解
砕性が良好な状態に保持される。
また、Iケーキの解砕性を良好に保持する要因としてI
ケーキの焼結密度があり、これは原料粉末の密度と密接
に関係する。
本発明では後述する理由から原料粉末の予熱による筒殻
状焼結ケーキ化の工程が必要不可欠であり、該工程で生
成するPケーキの密度が高いものほど、Iケーキの焼結
強度が増加し、その結果Iケーキの解砕性が次第に損な
われる。
これに対し、Pケーキの密度が低い場合、Iケーキの解
砕性は良好に保持される。
しかし、Pケーキの密度が低すぎて予熱焼結時における
Pケーキの焼結性が不良になると、Pケーキを次工程で
誘導加熱する際に加熱効率が低下するほか上部からの圧
力で該Pケーキが挫屈し、その結果粉末が誘導加熱部の
炉内耐火物壁に接触して、不純物が混入し、誘導加熱の
効率が一層低下する。
すなわち、Pケーキが挫屈したり、これに亀裂が入った
りすると、誘導渦電流が無駄に消費されて加熱に有効に
寄与せず、また亀裂先端部に該渦電流が集中する結果、
局部加熱を生じ、これにより粉末が局部的に溶融して過
度に焼結が進行する。
このように、Iケーキの解砕性はPケーキの密度に左右
され、このPケーキの密度を支配する因子が粉末の充填
密度そのものである。
従って、粉末の充填密度の上限及び下限を上述した理由
及び実験結果からそれぞれ57%及び16%とした。
すなわち、見掛密度がかかる範囲内にあると、所望のP
ケーキ密度が達成され、従ってIケーキの過度の焼結が
防止され、また解砕性も良好に保ち得る。
なお、鉄系粉末素材は自然充填したものや、成形を目的
とせず充填状態の改善を計るように1t/cm2以下の
圧力で圧縮充填したもの、あるいはタップ充填したもの
なども含むが、いずれにしても見掛密度が上記範囲にあ
れば差支えない。
次に、鉄系金属粉末に含有される酸素量は第1に、予備
加熱段階における原料粉末のPケーキ化に要する時間、
すなわちある程度の強度を持つ状態まで原料粉末を筒殻
状に焼結せしめるに要する時間を短縮し、また第2に誘
導加熱段階における脱酸、脱炭反応の所要時間を短縮し
てIケーキの過度の焼結を極力防止するために6重量%
以下にする必要がある。
即ち原料粉末を調製するに当り、酸素含量を6重量%以
下に抑制することが肝要である。
なお、原料粉末の酸素含量が6重量係を越えても、本発
明の適用は可能であるが、かかる粉末を本発明になる仕
上還元に供する場合、予備加熱による焼結化に長時間を
要し、生産性が低下するのみならず、誘導加熱による脱
酸、脱炭反応にも比較的長時間を要するので、Iケーキ
の焼結が過度にわたり、必然的にIケーキの解砕性も損
なわれてしまう。
従って、原料粉末の酸素含量は6重量%以下が好ましい
一般に、原料粉末の含有する酸素は単独、複合あるいは
混合状態の酸化物および/または水酸化物として存在す
る。
これらのうち、850℃以上における解離酸素分圧が1
0−39気圧以上となるものはすべて、本発明により還
元可能である。
一例を示せば、FeO,MnO,Cr2O3,SiO2
などは容易に還元される。
いっぽう、850℃以上における解離酸素分圧が10−
39気圧より低い酸化物(水酸化物を含む)は本発明の
方法により一部還元されるが、完全に還元することは不
可能である。
もつとも、鉄系粉末に本発明を適用する際、原料粉末中
にこれら還元不能な酸化物が多少存在しても、とくに支
障はない。
次に、本発明では原料粉末の酸素量の調節が重要である
たとえば、還元鉄粉を使用する場合には、粗還元工程に
おける温度や還元時間を変えることにより、また水アト
マイズ鉄粉の場合には、噴霧室内を不活性や中性の雰囲
気に保持することにより粉末中の酸素量を調節すること
ができる。
本発明では、原料粉末には上述した鉄系金属粉末に還元
剤として予め炭素を、最終製品の目標合全炭素量(重量
%)+仕上還元直前の粉末の酸素含量(重量%)×1.
35以下の分量に合金化するかおよび/または炭素質粉
末を混合したものを使用する。
ただし可能な限りにおいて、炭素は上記範囲内の分量で
鉄系金属粉末に予め合金化されていることが望ましい。
しかし、粉末の製造様式によっては、予め合金化するこ
とが困難な場合があり、黒鉛粉の如き炭素質粉末をあと
で混合して本発明を実施しても差支えない。
この場合、原料粉末中に混合した炭素は予備加熱段階で
一部粉末中の酸素と反応するが、残部は予熱中に粉末粒
子内へ浸炭、合金化する。
この合金化された炭素が還元剤として次の誘導加熱段階
で脱酸、脱炭を効果的に行わしめる。
混合する炭素質粉末としては、粒度が150μm以下、
好ましくは44μm以下で、固定炭素が95値以上を占
めるものを使用すると好都合である。
粒度が150μmを越えると、反応速度が遅くなり、還
元剤としての機能が低下し、また固定炭素が95%以下
になると、仕上還元粉中の不純物が増大するので好まし
くない。
炭素質粉末の代りに、有機質粉末や油などを使用するこ
とができるが、後述するような連続運転装置では問題点
が多く、好ましくない。
本発明において、脱酸に直接寄与する炭素量は最大で原
料粉末中の酸素含量の1.35倍あればよいことを実験
により確かめた。
このような還元剤として作用する炭素は、上述した如く
原料粉末中に予め合金化されていることが望ましい。
この理由を原料粉末として水アトマイズ鉄粉を例にとり
説明すると、次の通りである。
(i) 炭素が粉末粒子内に合金化されていると、誘導
加熱時に■ケーキの局部的溶融、すなわち粉末粒子表面
の溶融による粉末粒子間の融着が防止でき、したがって
■ケーキの過度の焼結を防止することができる。
その結果、■ケーキの解砕性を良好に保ち得る。
(i)混合した炭素の場合と異なり、原料粉末の移送途
中における炭素の偏析現象を生じない。
(iii)溶鋼へ炭素を添加することにより、溶鋼の融
点が低くなり、溶解温度を下げることができ、溶解炉の
耐火物寿命が長くなる。
さらに熱量原単位が低下するほか、溶湯粘性の低下によ
るアトマイズ時の溶湯ノズル閉塞も防止できるので好都
合である。
その結果、たとえばCrのような溶湯粘性を高める元素
を合金化した鋼粉の製造が容易になる。
(iv)溶解中の湯の酸化が防止できる結果、Si。
Mn、Crなどの合金元素について溶解歩留の向上が計
れると同時に、水アトマイズ中の粉末の酸化も相当程度
に防止することができる。
従来、上記(iv)の理由から、溶鋼に炭素を添加して
水アトマイズした例が見受けられるが、この場合仕上還
元として従来の水素ガス還元法を用いたため、面倒な問
題を生じている。
すなわち、露点の低い乾水素を用いると、脱酸はある程
度進行するが、脱炭ができないので、炭素含量の多い粉
末が得られる。
このような粉末は圧縮性、成形性が極端に劣り、従来の
粉末冶金の分野には使用不可能である。
これに対し、脱炭に比重を置き、露点の高い湿水素を用
いると、脱酸が不十分となり、低酸素の粉末を得ること
が困難になる。
このため、これまで溶鋼に炭素を添加してアトマイズす
ることは、むしろ極力避けられてきた。
しかるに、本発明では、逆に原料粉末に炭素を積極的に
合金し、しかもこの合金炭素を還元剤として用いること
から、アトマイズ上、あるいは脱酸上非常に有利となる
このように本発明が、従来のガス還元法と較べて有利に
脱酸を行ない得る点について、水素還元法と対比しなが
ら説明する。
金属酸化物を一般式MOで表わすと、炭素と水素による
還元反応は、それぞれ(1) 、 (2)式で表わすこ
とができる。
MO+C→M+CO(1) MO+H2→M+H20(2) (1) 、 (2)それぞれの場合について、被還元物
にFed。
Cr2O3,MnO,SiO2を選び、還元の難易を比
較した結果を第1表に示す。
この表は還元温度を1350℃と想定して反応の自由エ
ネルギー変化から計算したCOガス分圧ならびにH2と
H20ガス分圧との比を示したものである。
第1表の結果から、炭素による還元が水素による還元に
較べて有利なことがわかり、また本発明を真空中で実施
する場合には、一段と効力を発揮することが理解できる
たとえば、SiO2を還元する場合、従来の水素還元法
ではH2Oガスの分圧をH2ガス分圧の約10000分
の1以下としなければならないのに対して、本発明の炭
素による還元法では約10mmHg以下の減圧雰囲気で
還元が進行するので非常に有利となる。
なお、SiO2の解離酸素分圧は、1350℃では2.
6×10−19気圧、850℃では1.4 X 10−
31気圧であり、ともに、前述した10−39気圧より
高い。
1350℃の加熱温度は誘導加熱方式により容易に実現
し得るものである。
さらに、比較のため、炭素をほとんど含有しない原料粉
末を誘導加熱しながら、水素により還元する場合につい
て説明する。
本例は、本発明に含まれないものであり、この場合、粉
末粒子は、内部から加熱されても、粉末粒子の個々が還
元剤を含有しないため、炭素を含有した粉末に較べて還
元速度は遅くなる。
すなわち、還元剤としての水素ガスが粉末充填層内へ浸
入するのに一定時間を必要とし、また個々の粉末粒子が
表面から還元されるので還元速度は著しく遅くなり還元
に長時間を要する。
そのため、たとえば1350℃のような高温に加熱した
場合、粉末粒子間の焼結が一段と進行するので、生成し
た■ケーキの解砕性はきわめて劣化する。
この例からもわかる通り、本発明では、粉末粒子の個々
に脱酸に要する所定量の炭素を誘導加熱以前に予め合金
化しておくことが肝要である。
本発明に供すべき鉄系金属粉末は、前述した通り、如何
なる製造方法によったものでも、また如何なる合金組成
のものでもよく、さらにこれらの任意の混合粉末でも構
わない。
このほか金属鉄が重量百分率で第1位を占めるように配
合された鉄粉(合金鋼粉を含む)と、非鉄金属粉(単体
、合金いずれの場合も含む)、非金属粉(単体、化合物
いずれの場合も含む)などとの任意の混合粉末であって
も差支えない。
なお、原料粉末の酸素含量の調節は、たとえば水アトマ
イズ鉄粉の場合には、噴霧室の雰囲気や水位の調節、ア
トマイズ後の脱水、乾燥条件の調節などによって行なう
ことができ、還元法による粗還元鉄粉などの場合には、
粗還元条件の変更以外に散水法により、水分量と乾燥条
件を適当に選ぶことによって行なうことができる。
このように、本発明方法の実施に当り目的に応じて原料
粉末の適切な事前処理を行なうことは大切である。
本発明において、上述したように調製した原料粉末を予
備加熱を経て誘導加熱により脱酸、脱炭せしめて低酸素
鉄系金属粉末を製造するには、理論酸素分圧が2.1×
10−lmmHg以下および露点が+5℃以下の非酸化
性の雰囲気に保持する必要がある。
本発明では、誘導加熱により、高温はどCOガスの発生
率が高まり、その量も多くなるので、■ケーキの高温加
熱時における再酸化は防止できるが、比較的低温の場合
には、還元生成ガス中のCO2量が増し、理論酸素分圧
も高くなるので、■ケーキは再酸化され易くなる。
すなわち、理論酸素分圧および露点がそれぞれ2.1×
10−lmmHgおよび+5℃を越えると、還元の進行
に伴ないIケーキの再酸化を生じ、低酸素粉末を得るこ
とができない。
従って、■ケーキの再酸化を防止し、効果的な脱酸を行
うには、理論酸素分圧および露点をそれぞれ2.1×1
0−lmmHg以下および+5℃以下に抑制して雰囲気
を非酸化性に保持する必要がある。
かかる非酸化性雰囲気には、上記条件を満足する中性、
不活性又は還元性ガス雰囲気若しくは減圧(真空)雰囲
気等があるが、脱酸効率やケーキの解砕性と再酸化防止
、あるいは取扱いの便利さや経済性、安全性等を総合す
ると減圧(真空)雰囲気が有利となる。
つぎに、本発明の方法により最終製品の酸素含量が0.
18重量%以下の粉末を製造する場合には、脱酸に要す
る炭素量の最低を原料粉末の酸素含量(%)×0.35
以上の分量とし、さらに誘導加熱後のIケーキの冷却工
程における雰囲気の理論酸素分圧および露点をより一層
厳しく管理する必要がある。
特に600℃以下における冷却時間が長くなることがら
Iケーキが雰囲気中の微量酸素または微量水分により再
酸化される機会が多くなるので、十分注意することが肝
要である。
つぎに、Pケーキ焼成のための予備加熱工程について説
明する。
この予備加熱工程は基本的には原料粉末の筒殻状焼結化
を目的とし、脱酸に主眼を置いたものではない。
従って、予熱温度の下限は焼結化に必要な最低温度の7
80℃であり、上限温度は原料粉末、特に炭素合金量が
約1.8%を越える粉末、炭素質粉末を混合したものな
どの溶融または過度の焼結を防止する必要があることか
ら1200℃に限定される。
予熱時間は多くの実験の結果から予熱温度の関数である
ことを確かめた。
すなわち、予熱時間の下限はPケーキがある程度の強度
を持つに要する時間、具体的に述べれば表面から約5m
m以上内側が焼結状態となるに要する最低時間で、当然
予熱温度によって異なる。
上記予熱温度範囲において、予熱時間の下限値はTpを
予熱温度とすると1750/(Tp−1030)分(T
pは絶対温度)で表わされる実験式に従って定めること
により、上記したPケーキ強度の要請が充足され、ここ
に1750゜1030の数値は実験で適合が確認された
定数である。
なお、粉末の焼結化と混合した炭素の合金化とはある程
度脱酸、脱炭が進行した後で生ずるので、この予熱時間
の下限はかかる予備の脱酸、脱炭を行う上でも必要な時
間である。
これに対し、予熱時間の上限はPケーキの過度にわたる
焼結を防止する上から限定されなければならないが、P
ケーキの直径と原料粉末の酸素量により異なってくるの
で、特定の数値、式を与えることは難しい。
ただし、つぎの誘導加熱工程で焼成される1ケーキの冷
却後における解砕性を損なわない限りにおいて、また、
生産性や熱経済性を十分考慮した上で決定することが望
ましい。
上述の如き予備加熱工程は下記に述べる重要な役割りを
担っている。
(1)原料粉末を予備加熱して予め筒殻状ケーキに焼結
させておくことにより、次の誘導加熱工程で、該粉末を
誘導加熱炉内の耐火物等に接触させることなく加熱する
ことができ、その結果脱酸粉末(製品粉末)の、耐火物
等による汚染を防止し得る。
このようにPケーキを細物にも接触させずに誘導加熱し
得ることから、該ケーキの誘導加熱温度を可能な限り高
くとれる。
また、誘導加熱炉内における無接触降下を通じて、連続
操業化が可能となる。
(2)予備加熱により生成するPケーキに、予め熱を与
えるので、次の誘導加熱工程における昇温時間を一層短
縮化することができる。
さらに、かかる蓄熱化により、誘導加熱時の急速昇温に
おいてもケーキの割れ発生や局部溶融が防止できる利点
がある。
たとえば完全に冷却し切ったPケーキを直接誘導加熱し
て室温から高温に昇温せしめる際には、昇温速度が早く
なるほど、該Pケーキに熱応力と変態応力および芯部か
らの急激なガス放出に起因した割れ発生が見られるよう
になるので、誘導加熱に供するPケーキは、蓄熱状態に
あることが望ましい。
なお、Pケーキに割れを発生した場合には、その箇所が
局部的に溶融し、生成する■ケーキの解砕性が劣化する
と同時に粉末の歩留りもまた低下する。
また、極端な場合には、挫屈崩壊して、連続操業に支障
を来すことがある。
(3)予備加熱により、予め原料粉末の脱酸、脱炭を進
めておくことにより、上記(2)の効果と合わせて誘導
加熱時の所要脱酸時間の短縮化が計れ、同時に■ケーキ
の過度の焼結を防止することができる。
(4)炭素質粉末を混合した原料粉末では、混合炭素に
よる予備脱酸と、該炭素の原料粉末中への合金化の上か
らも、予備加熱工程が必要となる。
また、かかる合金化を通じて、■ケーキのミクロ溶融現
象、すなわち過度の焼結化を防止することができる。
(5)予熱筒殻状焼結ケーキの形成を通じて、誘導加熱
工程における所要周波数の、原料粉末性状、とくに粉末
酸素量への依存度合軽減化を計り得る。
次に、誘導加熱工程について説明する。
上記の如く焼成したPケーキを非酸化性雰囲気好ましく
は真空雰囲気に保持した誘導加熱工程に通し、ここで5
0ヘルツ〜500キロヘルツの交番電力により850〜
1400℃の温度に誘導加熱しながら仕上還元してIケ
ーキを形成する。
この工程では、Pケーキの粉末粒子内に誘起された誘導
渦電流によって粉末粒子は直接加熱され、このため粉末
に合金化された炭素の拡散も促進されて、脱酸脱炭反応
が極めて短時間のうちに進行して仕上還元が完了する。
すなわち、有効かつ効率的な脱酸を行なうため、誘導加
熱温度は最低850℃でなければならず、これ以上の高
温加熱が望ましい。
850℃未満の温度では脱酸に長時間を要すると同時に
、効果的な脱酸ができない。
しかし、加熱温度が1400℃を越えて高くなり過ぎる
と、たとえ短時間の加熱といえども焼結が一段と進み、
過焼結状態となったり、あるいは一部溶融したりして、
生成するIケーキの解砕性が損なわれるので、上限は1
400℃でなければならない。
なお、原料粉末の種類によって融点が異なるので、この
ことを考慮しながら、誘導加熱温度を上記温度範囲内に
決定しなければならないことは当然である。
つぎに、誘導加熱工程における保持時間は、効果的な脱
酸の遂行と■ケーキの解砕性とを加味して決定すればよ
い。
つぎに、誘導加熱工程における使用周波数の限定理由を
述べる。
本発明においては、適切な誘導加熱を行なうため、周波
数は50ヘルツ〜500キロヘルツの範囲内で使用せね
ばならない。
本発明では、原料粉末を直接誘導加熱することなく予備
加熱してPケーキを形成し、次にこのPケーキを誘導加
熱する方法を採用しているため、たとえば特開昭51−
1353号に開示した原料粉末を直接誘導加熱する場合
のように、使用周波数が粉末の含有する酸素量の多寡に
よって左右されることはなく、むしろP−ケーキの見掛
密度によって影響を及ぼされるようになる。
したがって、Pケーキの見掛密度に適合した周波数の選
択が必要である。
たとえば、Pケーキの見掛密度が理論真密度の16%、
すなわち原料粉末の最低値の場合には、最低50ヘルツ
の周波数を必要とし、これ未満の周波数では、効率的な
加熱が不可能になる。
これに対し、Pケーキの見掛密度が原料粉末の最高値た
る57%の場合には、最高500キロヘルツの周波数で
十分であり、これを超える周波数では、Pケーキの皮相
部分のみが加熱されて、中心部まで均熱することはでき
ない。
以上の理由から、本発明における周波数の範囲を50ヘ
ルツ〜500キロヘルツに限定した。
なお、周波数は500ヘルツから10キロヘルツの範囲
が好ましい。
さて、誘導加熱時の昇温はできるだけ短時間に行なうこ
とが望ましいが、逆に余り急熱すると、生成する■ケー
キに熱応力と変態応力および芯部からの急激なガス発生
に起因して割れを発生するので、適度な昇温速度を選ぶ
ことが肝要である。
この昇温速度は誘導加熱温度および時間ならびに周波数
を適当に選定することにより調節することが可能である
このような誘導加熱は本発明の構成に必須の事項の1つ
で、従来のガス還元法に較べて次のような利点がある。
(i)誘導加熱法は間接加熱法に較べて被加熱物のみを
加熱することができる。
従来の間接加熱法では、炉芯管、バースローラー、ベル
ト、トレイなと加熱炉の主要部分に金属を使用すること
から、工業的に実現可能な最高温度は、1100℃前後
とされている。
しかるに、本発明では後述する如く、誘導加熱部には水
冷の加熱コイル以外は、一切の金属を使用せず、またP
ケーキをあらゆる物体に接触させることなく、直接誘導
加熱できるので、■ケーキが溶融する温度にまで昇温す
ることが可能であり、炉体構造上からは加熱温度上の制
約をまったく受けない。
(ii)Pケーキを、目標とする高温まで急速昇温させ
ることができ、かつ短時間のうちにケーキの中心部まで
均熱することが可能である。
そのため、脱酸、脱炭反応が急激に起り、かつ促進され
るので、脱酸所要時間がきわめて短縮化され、生成する
Iケーキの過度の焼結が防止される。
その結果、■ケーキの解砕性が良好状態に保持される。
また急速昇温により、粉末粒子内の、たとえばパーライ
ト部分などは炭素濃度の高いまま、高温のオーステナイ
ト状態に加熱されるため、急速な脱酸、脱炭反応を生じ
易くなる。
いずれにしても、抵抗発熱体もしくはガスや重油の燃焼
方式を用いた間接加熱方式のガス還元法と比較して、脱
酸速度がきわめて早く、還元効率がよい。
さらに還元率の面でも優れており、きわめて有効な脱酸
を遂行し得る。
(iii)誘導加熱法はガス還元法に較べて装置に無駄
な空間を設ける必要がなく、装置のコンパクト化が可能
である。
その結果、建屋面積の縮小化を計り得る。
このようにして得た■ケーキを粉砕、粉末化するに十分
な温度まで冷却し、次いで粉砕・粉末化して低酸素鉄系
金属粉末を得る。
この冷却工程においても、■ケーキの再酸化を防止する
ため前述した非酸化性雰囲気を保持するのが好ましい。
この冷却した■ケーキの粉砕・粉末化は従来公知の種々
の方法により行うことができる。
本発明において、Pケーキ、■ケーキの形状は普通円柱
形状もしくは中心部が中空の円筒形状が標準であるが、
場合によっては、四角でも三角でも差支えなく、また断
面寸法も、生産性や目的を考慮して適宜決定すればよい
本発明に係る誘導加熱工程及び冷却工程の処理を繰返し
て一層低い酸素量の粉末を得ることができる。
しかし、かかる処理を繰返す度に毎回の脱酸率は徐々に
低下し、一方ケーキの焼結性が良くなり、解砕性が劣下
する。
また1ケーキを粉砕して得た粉末の一部を原料粉末と混
合して本発明の方法を実施することができる。
この場合、予備加熱工程における保持時間を更に短縮化
することが可能である。
本発明はまた、上述の低酸素鉄系金属粉末を製造する方
法を実施するだめの装置をも包含するので、以下に、該
装置について説明する。
本発明になる装置は原料粉末の供給手段を上方に配し、
該供給手段から逐次に切出された原料粉末を、予備加熱
して予熱筒殻状焼結ケーキを形成するための予熱焼結手
段と、この直下に、前記予熱筒殻状焼結ケーキを、連続
的に降下させながら誘導加熱して仕上還元し、かつ誘導
加熱焼結ケーキを形成するための誘導加熱手段を設け、
さらに、予熱焼結手段内における粉末ストックラインの
検出と定位置保持および、焼成ケーキの、下方への移送
を兼ねたプッシャーと、始動時における、予熱焼結手段
内での粉末支持および該支持を通じて焼成した種ケーキ
の支持降下を司る支持降下手段と、定常操業時における
脱酸焼結ケーキの挟圧支持降下手段と少なくとも本装置
内を理論酸素分圧が2.1×10−lmmHg以下およ
び露点が+5℃以下の非酸化性雰囲気に調節保持するた
めの手段と、前記誘導加熱焼結ケーキを降下せしめつつ
冷却するための手段と、冷却された誘導加熱焼結ケーキ
を切断もしくは粉砕するための手段と該切断ケーキの貯
蔵手段とで構成したことを特徴とする。
本発明の装置を用いることにより、低酸素鉄系金属粉末
を連続的に又は半連続的に製造することができる。
本発明の方法を工業的に実施するに当り、装置は横型、
竪型、傾斜型の3通りが考えられるが、次に述べる理由
から竪型の装置が最も好ましい。
(i) 原料粉末は流動性を備えているので、重力に
より上から下へ送る方が好都合である。
(ii)横型装置の場合、予備加熱工程や誘導加熱工程
において、粉末や焼結ケーキが重力方向に移動したり、
たわんだりして、場合によっては装置の一部に接触する
ので取扱いが難しく、かつ焼結ケーキの断面が真円とな
らないので、均熱性がきわめて悪くなる。
これに対し、竪型装置では、ケーキ断面の真円度に優れ
、ケーキ密度も均一なため、加熱時の均熱性がきわめて
良好である。
(iii)横型や傾斜型の装置では、焼結ケーキを横や
斜め方向に押し出すには、大きな力を必要とするが、竪
型装置では、重力の作用する鉛直方向に押し出すので、
もつとも合理的で、無理がない。
次に、本発明の竪型装置の機構の概略を第1図により物
の流れを中心にして説明する。
原料粉末は、粉末装入設備Aを介して、粉末貯蔵ホッパ
ーBに一時的に貯蔵され、次いで粉末供給用フィーダー
Cにより予備加熱用の焼結炉りへ断続的に供給され、か
つその量を制御される。
予熱焼結炉りでは、原料粉末が下方向への移動を受けな
から筒殻状に焼結され、Pケーキを形成する。
かくして得たPケーキの下方向への移送をプッシャーK
により断続的に行なう。
Pケーキは、幾分温度降下しつつ、普通400〜850
℃の間の温度で誘導加熱炉Eの部分に到達し、ここで誘
導加熱が開始される。
Pケーキの移送降下速度は原料粉末の種類や、炭素およ
び酸素含量およびケーキ寸法により適宜調節する必要が
ある。
この調節は、具体的には、単位時間当りの原料粉末の供
給量並びにプッシャーにの動作回数とそのストローク距
離の調節とによらて行なわれる。
また、Pケーキの降下移送速度を決定するだめの要因と
しては、主として予備加熱工程における原料粉末の焼結
性、すなわち筒殻層の焼結の進行速度と、次の誘導加熱
工程における脱酸、脱炭および焼結反応速度と生成する
エケーキの解砕性とが関与する。
従って、これらと加熱温度とを勘案の上、Pケーキの降
下移送速度を適切に決定せねばならない。
なお、予備加熱時の保持時間は、一定長さの予備加熱炉
り中を原料粉末が通過する時間そのものであるから、生
成したPケーキの降下移送速度の調節により変わる。
誘導加熱時の保持時間は予備加熱時の保持時間とまった
く同様に誘導加熱コイル中を通過する時間そのものであ
る。
誘導加熱コイルの長さは、コイルの取替えにより変える
ことが可能であるから、予備加熱と誘導加熱の保持時間
を適切に整合させることができる。
このほか、予備加熱と誘導加熱との温度の組合わせを通
じて保持時間の整合を十分行うことができる。
なお、本発明の装置においては、Pケーキと■ケーキが
連続棒状に上下一体につながっているので、Pケーキと
エケーキの移送降下速度はまったく同じである。
すなわち、この両ケーキの移送はプッシャーKにより同
時に行なわれる。
次に、誘導加熱工程で得られたIケーキは下方の冷却帯
F、G、H,Iへ移送されながら、カッターGにより適
当な長さに切断され、■ケーキ貯蔵槽Hに一時的に貯え
られる。
貯蔵槽Hにおける■ケーキの温度は普通300〜850
℃の範囲にあり、再酸化防止がとくに重要な場合には、
■ケーキを速やかに移送設備しにより特別に管理された
冷却室エヘ送る。
冷却室工では、理論酸素分圧と露点を厳重に管理しなが
ら、■ケーキを冷却する。
最後に、■ケーキの@度が十分常温まで冷却されてのち
、取出し設備Jにより装置外に取出し、適当な粉砕機を
用いて粉砕、粉末化する。
本発明の装置には、ダミーバーM、Iケーキ保持降下設
備F、ダミーバーMもしくは該設備Fとプッシャーにと
を同期させる同期設備O1雰囲気調整設備Nなどが配置
されており、すべて必要不可欠の設備である。
ダミーバーMは始動時においてのみ必要なもので、定常
の連続運転状態に入れば不要となる。
したがって、ダミーバーMは定常運転中は装置下部に格
納されている。
本発明装置の始動時においては、原料粉末を予熱炉りへ
供給するに際し、該粉末の下方への落下を防止し、かつ
予備加熱帯へ一定時間保持するための設備が必要である
この役割りを担うのがダミーバーMである。
ダミーバーMは、その先端に粉末の落下を防止するよう
な工夫がなされており、原料粉末の焼結の進行につれて
、同期設備0によりプッシャーにと同期しながら、間け
つ的に所定速度で降下するように設計されている。
このようにして、Pケーキの成長と降下が続き、やがて
ダミーバーの上端が誘導加熱コイルの下端を通過し終え
る頃、該Pケーキの先端部分から誘導加熱が開始される
さらにダミーバーMは降下を続け、■ケーキの先端が誘
導加熱コイルを出て、■ケーキ保持降下設備Fの部分を
通過する際、■ケーキの先端部分が上記設備Fのガイド
ロールによりクランプされる。
この時点でダミーバーMはエケーキの先端部を離れて、
一気に下部の格納庫まで降下し、格納終了後ダミーバー
M上部の孔を閉塞するように、シュータ−がせり出し、
かぶさる。
ガイドロールによりクランプされた■ケーキは、同期設
備OによりIケーキ保持降下設備Fとブツシャ−にの同
期駆動関係に切換えられ、下方への自然落下を防止され
つつ降下を続ける。
このようにして、■ケーキはカッターGの部分を通過し
、カッターGによりその都度一定の長さに切断され、然
る後シュータ−を介してIケーキ貯蔵槽Hに放り込まれ
、一時的に貯えられる。
かくして装置は連続運転状態に入り、定常運転が続く。
また、本発明装置は、運転中内部が、非酸化性のガス雰
囲気もしくは真空状態に保たれるように雰囲気調整設備
Nを備える。
前述したように、本発明装置は通常真空条件下で運転す
ることが好ましく、したがって上記設備Nには通常メカ
ニカルブースター(スチームエジェクターなどでも可)
とロータリーポンプの二段排気機構が採用されている。
さらに必要に応じて油拡散ポンプなど配備してもよい。
このほかにも、設備Nには脱酸、脱湿設備をともなうガ
ス自動切換調整設備が配置されているので、ガス雰囲気
と真空の選択、切換えは常時可能である。
更に、予熱焼結炉りに付帯する予備加熱用付帯設備Pや
誘導加熱炉E用の誘導加熱用電源設備Qなども配備され
、また計測、制御、記録、駆動、気密保持、除塵、保守
、保安などを目的とした各種の付帯設備が配置されてい
る。
つぎに、本発明装置を構成する各設備の主要部分を第2
図および第3図により説明する。
粉末装入設備Aはパケットコンベヤー1と原料粉末の配
分充填機2とからなり、雰囲気を一定条件に保持したま
ま装置内に原料粉末を装入し得る。
3は装入された粉末を一時的に貯蔵するホッパーであり
、ここに貯蔵された粉末はスクリューフィーダー4によ
り分岐管5を経て予備加熱帯に供給される。
予熱焼結炉りは炉本体14と、金属製反応管(通常、ス
テンレス鋼を使用)6とからなる。
この予熱焼結炉としては、電気抵抗加熱方式のもの、ガ
スや重油の燃焼方式によるものなど種々の様式のものが
あるが、経済性と加熱効率を考慮して、本発明では、ガ
ス燃焼式のものを採用している。
反応管6の材質は、目的遂行上支障がなければ、如何な
るものでもよいが、耐熱性と耐酸化性を有し、かつ熱伝
導性に優れているものを選択することが望ましい。
誘導加熱炉Eは高気密性の不誘導耐火材料管(通常石英
管を使用)7と、誘導加熱コイル15とで構成される。
8は■ケーキの保持、移送用のガイドロールであり、図
示しない同期設備によりブツシャ−13と連動できるよ
うに設計されている。
この場合、■ケーキに引張応力が作用すると、上部のP
ケーキ部分で破断するので、■ケーキに多少の圧縮応力
が負荷される状態で同期するように配慮されている。
なお、プッシャー13の駆動方式には油圧駆動と機械的
駆動の両様式があり、本装置にはこの両様式が備わって
いる。
その理由は、ストローク調整、押下げ圧力の調整、押下
げ速度の調整を必要に応じて自在に行う必要があるため
である。
9は■ケーキの切断用カッター、10はシュータ−であ
る。
シュータ−10は運転開始時には後退しており、その間
ダミーバー格納庫22から押し上げられたダミーパー2
1が、予熱焼結炉り中に挿入されている。
したがって、ダミーバーの先端も反応管6と同様に耐熱
性のある金属を使用することが望ましい。
切断されたIケーキは1ケーキ貯蔵槽11に落とされ、
冷却室12に移送される。
図中19は上部タンク、20は下部タンクであり、相互
に配管23で接続してその内部の雰囲気を同一状態に保
つように工夫しである。
反応管6と耐火材料管7の接続箇所、上部タンク19と
分岐管5あるいは反応管6との接続箇所、下部タンク2
0と耐火材料管7の接続箇所などの熱的な負荷のかかる
箇所は、すべて水冷されており、装置内の気密保持が可
能なように工夫しである。
また、反応管6や耐火材料管7および誘導加熱コイル1
5などの装脱着方式や、加熱時における反応管6や耐火
材料管7の熱膨張吸収方法などに種々の工夫を凝らして
あり、そのような部品が使用しであるが、本発明装置の
主要事項からそれるので説明を省略する。
第2図に示す如く、本発明の装置を真空状態で運転する
場合、メカニカルブースター17とロータリーポンプ1
8が使用され、ダストキャツチャ−16を介して装置内
が真空に排気される。
また、第3図に示す如く、本発明の装置を非酸化性ガス
雰囲気下で運転する場合、上部導気管24、下部導気管
25、排気管26によって非酸化性のガスを装置内に貫
流させる。
本発明の装置は全自動、半自動、手動いずれの様式にも
切換えることができ連続もしくは半連続の運転が可能で
ある。
つぎに本発明を実施例により説明する。
実施例 仕上還元前における供試粉末の化学組成を次の第2表に
示す。
粉末Aは、1610℃の溶鋼を150 K17cm2の
高圧水で噴霧して得たMn−Cr−Mo系低合金鋼粉を
噴霧後に脱水し、赤外線乾燥したものである。
粉末Bと粉末Cは、ミルスケールをコークスにより還元
して海綿鉄を製造し、これを粉砕することにより得た、
いわゆる粗還元鉄粉であるが、粉末Bは還元温度が11
00℃、粉末Cは還元温度が1140°Cのものである
これら供試粉末の見掛密度と粒度分布とを次の第3表に
示す。
これら供試粉末を次の第4表に示す還元条件下で仕上還
元して低酸素粉末を得た。
第4表において、粉末Aを用いた実験例1から5までと
、粉末Bを用いた実験例7、および粉末Cを用いた実験
例8は、本発明方法の適用例である。
実験例6は従来法に属し、粉末Aを用いて、水素ガスに
より還元した例であり、比較のため示した。
本発明方法に属する各実験例では、誘導加熱用の周波数
には、いずれも8.3キロヘルツを用い、かつ装置には
、第2図に示した構造を有する地上高約6mの竪型のも
のを用いた。
脱酸は、上記装置を用いて連続的に行なった。
実験例6の従来法では、バッチ式の大型水素焼鈍炉を使
用した。
このようにして得た仕上還元後の粉末および原料粉末の
炭素および酸素量を次の第5表に示す。
また、第6表には、参考までに、仕上還元後の粉末の見
掛密度と、成形圧力5t/cm2における圧粉密度およ
び粉末の粒度分布とを示し、さらに第7表には実験例2
と実験例6による仕上還元後の粉末を焼結鍛造して得た
密度比100%の鋼材の焼入性と機械的性質を示す。
第7表において、実験例2の粉末には一部黒鉛粉を混合
し、実験例6の粉末は黒鉛粉を混合することなく、その
まま使用し、両者とも焼結鍛造鋼の炭素量が0.4%に
なるように調整した。
プレフォームの圧粉密度を6.5g/cm3にし、その
後水素雰囲気中で1150℃に1時間加熱して焼結し丸
このプレフォームを、Ar+3%H2中で1100℃に
誘導加熱し、9t/cm2の圧力を用いて30口X15
0L−および150X120L(mm)の素材に鍛造し
た。
焼結鍛造鋼の熱処理はつぎの方法により行なった。
焼入性試験用の試験片については、870℃で1時間加
熱して焼鈍した後845℃に30分加熱してジョミニー
一端焼入れ試験に供し、機械的性質試験用の試験片では
850℃に30分間加熱して焼鈍した後830℃に40
分間再加熱して油焼入れし、600℃で1時間の焼もど
し処理をした。
ジョミニー試験には、25.4φ×100100L(の
試験片を用い、引張試験は平行部寸法が8φ×5OL(
mm)のJIS4号準拠試験片で、また衝撃試験は10
口日×55L(mm)の2mmVノツチシャルピー試験
片を用いて行なった。
第7表において、焼入性は焼入端から13mの位置にお
けるロックウェルCスケールの硬さで表示してあり、機
械的性質の各値は室温における試験結果である。
次に、各試験例につき順次説明する。
なお、実験例1〜実験例5および実験例8において、還
元剤はいずれも粉末中に予め合金した炭素であり、実験
例7では、粉末中の合金炭素と、粉末に混合した黒鉛粉
とを還元剤として用いた。
これに対し、実験例6では、還元剤の主体は水素ガスで
ある。
実験例 1 炭素量0.72%、酸素量0.86%を含有するMn−
Cr−Mo系の水アトマイズのままの低合金鋼粉末Aを
本発明の方法により仕上還元した。
還元は、真空中で1050℃に30分間予熱した後、8
.3キロヘルツの周波数を用いて1310℃に10分間
誘導加熱して行ない、脱酸、脱炭した■ケーキを降温後
にハンマーミルで粉砕して粉末化した。
なお、還元には前述のごとく、第2図に示した竪型装置
を用い、■ケーキの断面寸法は90闘φとした。
得られた粉末の炭素および酸素量は、それぞれ0.12
%と0.083%であり、見掛密度は、2.74g/c
m3であった。
実験例 2 原料粉末Aを実験例1と同じ条件下で脱酸、脱炭せしめ
た。
ただし、■ケーキの温度が600℃に達した際、■ケー
キを冷却室に移し、水素ガスを噴射して冷却した。
この冷却Iケーキをハンマーミルで粉砕して得た粉末の
炭素量と酸素量はそれぞれ0.15係と0.025%で
あり、見掛密度は、2.71g/cm3であった。
このように、■ケーキの降温時における再酸化をほぼ完
全に防止することによって、粉末の酸素量をきわめて低
くすることができる。
実験例 3 実験例1と同じ原料粉末Aを用いて本発明の方法により
仕上還元を行なった。
装置内は、N2+3%H2の中性雰囲気に保ち、装置内
圧力を、大気圧より0.1気圧高目とした。
粉末を1050℃で30分間予熱し、引続いて1310
℃に10分間誘導加熱し、次いで同一雰囲気中で冷却し
た。
生成したIケーキをハンマーミルで粉砕して得た粉末の
見掛密度は2.87 g/cm3であり、炭素量と酸素
量はそれぞれ0.13%と0.089%であった。
炭素および酸素量は実験例1と較べて大差なく、この例
から中性雰囲気での本発明方法の適用もまた、有効なこ
とがわかる。
実験例 4 実験例1と同じ原料粉床入にアルゴンガスによる不活性
雰囲気中で本発明方法を実施した。
装置内圧は、実験例3と同様、大気圧より0.1気圧高
目とした。
予熱および誘導加熱の条件は実験例1〜3と同一にした
なお、雰囲気の露点を実験例3の一20℃より低く、−
40℃とした。
そのため、仕上還元後の粉末の酸素量も低く、0.05
4チであった。
炭素量は0.14%で、上記の各実験例と大差なかった
粉末の見掛密度は2.81g/cm3であった。
実験例 5 原料粉末として実験例1と同じ粉末Aを使用した。
装置内を露点が一50℃より低い純水素雰囲気とし、内
圧を大気より0.1気圧だけ高くした。
予熱および誘導加熱の条件は実験例1と同一にした。
生成した■ケーキをハンマーミルで粉砕して得た粉末の
炭素および酸素量は、それぞれ0.12係および0.0
36%であり、見掛密度は、2.85g/cm3であっ
た。
このように酸素量が低いのは、■ケーキの冷却を純水素
中で行なったためであり、■ケーキの降温中における再
酸化は実験例2の場合と同様にほぼ完全に防止できた。
なお、本実験例の還元機構は、つぎの通りである。
(i) 本発明方法では、雰囲気が還元性であっても、
本質的には粉末に合金した炭素によって脱酸が進行する
(ii)予備加熱工程では、粉末粒子は外部から間接的
に加熱されるので、雰囲気の還元ガスにより幾分脱酸が
進行する。
ただし、予備加熱工程での保持時間が短く、かつ円柱状
充填体なので、その量は少ない。
(iii)本格的な脱酸は、誘導加熱工程において、粉
末中の合金炭素により生じる。
すなわち誘導加熱段階では、粉末は粒子内部から急速か
つ強制的に加熱されるため、還元ガスによるよりも、む
しろ合金炭素による脱酸の方が優先して起る。
(iv)予備加熱、誘導加熱のいずれの保持時間も比較
的短いが、一部水素ガスにより粉末中の合金炭素の脱炭
も生じる。
(v)粉末中の炭素量と酸素量は最終的には真空中で本
発明方法を適用した実験例2の場合と大差がなくなる。
本発明方法を適用した上記実験例1〜5は脱酸に寄与す
る推定炭素量と原料粉末中の酸素量との重量比が0.6
6の場合の例である。
これらの実験例では、脱酸後における製品粉末中の目標
合金炭素量を0.15%にして仕上還元を行なった。
その結果、炭素量はいずれも0.12〜0.15%の範
囲の値を示して、はぼ目標値に合致していた。
このように、本発明方法では、最終製品粉末中の炭素量
を調節することが可能である。
この場合本発明方法を適用する以前に、原料粉末の炭素
量と酸素量を十分に調整しておくことが大切である。
実験例1〜5においては、仕上還元後の粉末中の酸素量
がいずれも11000pp未満で、かなり低い。
原料粉末Aのように、比較的安定な酸化物を形成するM
n、Crなどの元素を合金した銅粉に対して従来のガス
還元法では、効果的な脱酸を期待し得す、したがって、
このような低酸素の粉末を得ることは困難である。
なお、第5表から明らかな如く、実験例1〜5では、脱
炭量と脱酸量の重量比△C/△Oが大体0.68〜0.
77の範囲にあり、これはモル比に換算して0.91〜
1.03である。
本発明方法では、製品粉末の炭素量を目標値に合わせ、
かつ酸素量を可能な限り低くするには、原料粉末の炭素
量と酸素量の厳密な調整に加えて、還元を実施する雰囲
気の理論酸素分圧と露点を厳重に管理することが大切で
ある。
実験例 6 本例は原料粉床入に従来公知のガス還元法を適用した例
であり、還元ガスとして露点が一50℃より低い純水素
を用いた。
還元に使用した装置は大型のバッチ式電気炉であり、炉
芯管には25%Cr−20%Niのオーステナイト系ス
テンレス鋼が使用されている。
炉の昇温には約2時間を要し、還元は1150℃で5時
間保持して行なった。
脱酸後の焼結ケーキをハンマーミルで粉砕して得た粉末
の炭素量と酸素量はそれぞれ0.46%および0.24
8%であり、見掛密度は2.93g/cm3であった。
本例における見掛上の脱炭量と脱酸量の重量比は0.4
25と低かった。
なお、還元温度における保持時間が5時間と長かったた
め、焼結ケーキの解砕性は本発明方法の場合に較べてや
や劣っていた。
本例の如く、従来の水素ガスによる還元法では、(i)
炉芯管材質などから制約を受け、加熱温度を一定限度以
上に高くすることができない、(i)間接的な加熱法で
、しかも、還元剤が粉末粒子の外側にあるため、粉末粒
子の表面から還元が進行する、(iii)前述したよう
に、炭素による還元に較べて熱力学的にも本質的に劣っ
ていることなどの理由により、理論酸素分圧と露点の低
い水素を使用するにもかかわらず、粉末の酸素量を十分
には低減し得す、実験例1〜5に較べてかなり高い値と
なっている。
なお、本例では、炭素も多少は脱酸に寄与していると考
えられるが、本質的には水素によるガス還元であり、し
たがって相対的に脱炭量が少なく、そのため製品粉末中
の残留炭素量が多くなっている。
このような粉末の圧縮性は劣り、ラトラー特性もまた悪
い。
従来のガス還元法によって、粉末中の炭素を脱炭して除
去するには、露点を高めた湿水素を用いる必要があるが
、逆に脱酸が困難となるので好ましくない。
この理由から、従来のガス還元法に供する原料粉末中の
合金炭素量は可能な限り低目とせねばならず、必然的に
粉末AのようなMnやCrを合金した鋼粉の製造は、技
術的に困難となってくる。
すなわち、Mn、Crを合金化し、炭素量を低目に抑制
した溶鋼は粘性が相当に高く、したがって水噴霧時に溶
湯ノズルの閉塞を生じるので、溶鋼温度を1700℃あ
るいはそれ以上に高くせねばならない。
このような高温溶解では、溶解炉の耐火物寿命が極端に
短かくなるのみならず、溶損した耐火物が鋼中にまき込
まれ、また、溶鋼自体の、空気による酸化もひどくなる
ので、噴霧後の鋼粉における非金属介在物量がきわめて
多くなり、汚染状粉末となる。
このような原料鋼粉は、ガス還元後も、一段と介在物量
が多く従ってこの銅粉を用いた焼結鍛造鋼の材質は著し
く劣り、歓迎されないところとなる。
なお、従来のガス還元法では、加炭鋼粉を原料とした場
合でも脱酸は不十分であり、たとえば実験例2と実験例
6で得た鋼粉を用いた0、4係炭素量の焼結鍛造鋼の材
質を比較すると、第7表のようになり、焼入性あるいは
伸び、絞り、衝撃値などのじん性向で本発明法を適用し
た低酸素鋼粉の方が優れており、粉末の脱酸が如何に重
要であるかが理解される。
なお、これらの焼結鍛造鋼の炭素量はほぼ同じであるが
、酸素量はそれぞれ85ppmと1890ppmであり
、後者が前者の22倍の値を示した。
これら第7表の結果からもわかる通り、焼結鍛造用の銅
粉では、可能な限り酸素量の低減を計ることが望ましい
多くの実験結果を総合すると、焼結鍛造用鋼粉における
許容酸素量の上限値は大体1800p、p、m、である
と考えられる。
つぎに、粗還元鉄粉に対する本発明方法の適用例を説明
する。
実験例 7 原料粉末として第2表の粉末Bを使用した。
この粉末はミルスケールをコークスで還元して得た海綿
鉄を粉砕したものであり、粉末の炭素含量および酸素含
量はそれぞれ0.31%および1.32%であった。
この場合、還元剤としての炭素量が相対的に不足するた
め、さらに黒鉛粉を1.28%混合することにより、脱
酸に寄与する炭素量と、原料粉末の酸素量との重量比を
1.20に調整して本発明方法を適用した。
非酸化性雰囲気として理論酸素分圧が2.94X10−
2mmHgの真空を用い、予熱および誘導加熱の条件は
それぞれ980℃×30分および1200℃×10分と
した。
仕上還元後における粉末の炭素量と酸素量は、それぞれ
0.008%および0.211%であり、見掛密度は2
.62g/cm3であった。
なお、本例のごとく、還元剤としての合計炭素量が十分
な場合でも、理論酸素分圧が2.1×10−2mmHg
を越える場合には、仕上還元後の粉末酸素量を0.18
%以下にすることができない。
すなわち、装置内にリークして入る微量の酸素が誘導加
熱中に脱炭を促進し、かつエケーキの降温中における再
酸化を促進する形で作用するためと考えられる。
したがって、本例では、脱炭量と脱酸量との重量比が見
掛上1.43と大きくなっている。
なお、本例から明らかなように、還元剤としての炭素の
大部分を混合法により補償した場合でも、本発明方法を
きわめて有効に実施することが可能である。
実験例 8 第2表の粉末Cを本発明方法により仕上還元した。
この粉末はミルスケースを原料とした粗還元鉄粉である
が、炭素量と酸素量はそれぞれ0.15係と0.82%
であり、ともに粉末Bより少ない。
本例では、実験例7と異なって、黒鉛粉による炭素の補
償を行なわず、相対的に炭素量の少ないまま、仕上還元
に供した。
したがって、脱酸に寄与すると考えられる炭素量と原料
粉末の酸素量との重量比は零に近い0.17である。
非酸化性雰囲気として実験例7と同様に真空を用いたが
、理論酸素分圧を1.91×10−2mmHgとして実
験例7より低目にした。
なお、予熱および誘導加熱の条件は実験例7と同一にし
た。
仕上還元後、生成したIケーキをハンマーミルで粉砕し
て得た粉末の炭素および酸素量は、それぞれ0.006
%および0.433%であり、見掛密度は2.55g/
cm3であった。
本例のごとく、雰囲気の理論酸素分圧が十分低くても、
還元剤としての炭素量が相対的に少ない場合、すなわち
脱酸に寄与すると考えられる炭素量と原料粉末の酸素量
との重量比が0.35未満の場合には、仕上還元後の粉
末の酸素量を0.18係以下にすることができない。
なお、本例により得た鉄粉は粉末冶金用に十分低し得る
ものであった。
実験例1〜5および7,8から明らかなごとく、本発明
の方法による脱炭量と脱酸量のモル比は大体0.45〜
2.00の範囲に含まれており、その他多くの実験結果
も同様であった。
しかし、上記の下限値を下廻るデータも二、三あるので
、下限値の0.45は決定的意味を持つものではない。
なお、本発明の方法の実施に当って、原料粉末の酸素量
と仕上還元後の粉末における目標酸素量を勘案して合金
炭素量や混合炭素量あるいは使用雰囲気や還元条件など
を決定することが大切である。
これら実験例からも明らかな如く、本発明は単に鉄系金
属粉末の仕上還元における脱酸方法を提供するに止まら
ず、本発明法の適用によって鉄系金属粉末の品質改善と
、新規粉末の提供が可能である。
すなわち、粉末の見掛密度や粒度分布、圧縮性、成形性
などを、恣意的に変えることも可能である。
このように、本発明は応用範囲のきわめて広いことが特
徴である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するだめの装置の機構を示す
ブロック図、第2図および第3図はそれぞれ本発明方法
を実施するための竪型装置の一例を示す配置図である。 1…パケツトコンベヤー、2…粉末の装入配分機、3…
ホツパー、4…スクリユーフイーダー、4…粉末供給用
の分岐管、6…予備加熱用の金属製反応管、7…誘導加
熱帯における耐火材料管、8…Iケーキの保持、降下用
のガイドロール、9…■ケーキ切断用のカッター、10
…ケーキシュータ−111…■ケーキ貯蔵槽、12…1
ケーキ冷却室、13…ケーキ降下用および粉末供給タイ
ミング指示用のプッシャー、14…予備加熱用の炉、1
5…誘導加熱コイル、16…ダストキャツチャ−117
…メカニカルブースタ、18…ロータリーポンプ、19
…上部タンク、20…下部タンク、21…ダミーバー、
22…ダミーバー格納庫、23,24,25,26…装
置内導、排気用の配管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 充填密度が理論真密度の16〜57%で、6重量%
    以下の酸素含量を有する粒度が1771J以下の、仕上
    還元焼鈍に供すべき鉄系金属粉末に、最終製品の目標合
    金炭素量(重量%)十仕上還元直前の粉末の酸素含量(
    重量%)Xl、35以下の分量に相当する炭素を予め合
    金化するかおよび/または炭素質粉末の状態で混合する
    かして、原料粉末を形成し、この原料粉末を理論酸素分
    圧が2.1×10−lmmHg以下および露点が+5℃
    以下の非酸化性雰囲気において780〜1130℃の範
    囲の温度に予備加熱し予熱筒殻状焼結ケーキを形成し、
    この予熱筒殻状焼結ケーキを前記非酸化性雰囲気下で5
    0ヘルツ〜500キロヘルツの交番型カニより850〜
    1400℃の温度に誘導加熱しながら脱酸、脱炭せしめ
    て誘導加熱焼結ケーキを形成し、この誘導加熱焼結ケー
    キを冷却後粉砕、粉末化することを特徴とする低酸素鉄
    系金属粉末の製造方法。 2 原料粉末の供給手段と、前記供給手段からの原料粉
    末を予備加熱して予熱筒殻状焼結ケーキを形成するため
    の予熱焼結手段と、前記予熱筒殻状焼結ケーキを誘導加
    熱しながら脱酸、脱炭せしめて誘導加熱焼結ケーキを形
    成するための誘導加熱手段と、原料粉末の供給タイミン
    グの指示および焼成ケーキを移送するためのプッシャー
    と、始動時における予熱焼結手段内での原料粉末支持お
    よび該支持を通じて焼結した種ケーキの支持降下を司る
    支持降下手段と、定常操業時における脱酸焼結ケーキの
    挟圧支持降下手段と少なくとも前記予熱焼結手段および
    誘導加熱手段内を理論酸素分圧が2.1×10−lmm
    Hg以下および露点が+5℃以下の非酸化性雰囲気に調
    節保持するための手段と、前記誘導加熱焼結ケーキを冷
    却するための手段と、冷却された誘導加熱焼結ケーキを
    粉砕、粉末化するだめの手段とで構成したことを特徴と
    する低酸素鉄系金属粉末を製造する装置。
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