JPS5846817Y2 - 歯科治療台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歯科治療台に関し、更に詳しくは、従来からの
歯科治療台、即ちインスツルメントに連なる可撓連結管
の繰出穴装置が内蔵されたバックシートを基台上のシー
ト本体に起伏自在に装備し、該シート本体内に、インス
ツルメントへ供給する圧縮空気や水の制御装置を内蔵し
てなる歯科治療台の諸欠点を全て解消するように図った
新規且つ有用な歯科治療台に関する。

従来の歯科治療台は、インスッルメントに供給する圧縮
空気や水を、電磁弁を用いた制御装置によって制御する
ようにしているが、斯る制御装置は、１個でも相当の大
きさを有する電磁弁をかなり多く使用するものであるた
め、その小型化が難しく、従ってバックシートのような
内部空間の小さいところに内蔵するのは到底無理なため
、内部空間の大きいシート本体に内蔵せざるを得なかっ
た。

しかしながら、このように制御装置をシート本体に内蔵
した歯科治療台にあっては、バックシートの肩部に脱着
自在に装備した５〜６本のインスツルメントに連なるそ
れぞれの連結管を、全てシート本体内まで引き込んで制
御装置に接続しなければならないため、バックシートが
起伏するたびに、各連結管のバックシートからシート本
体へのわたりの部分が折れ曲り、連結管の寿命が短かく
なるだけでなく、圧縮空気や水の供給にも悪影響を及は
゛すと云う問題か゛あった。

そして、このように連結管をシート本体まで引き込む分
だけ連結管が長くなり管路抵抗が増大することと相俟っ
て、せっかく制御装置で正しく制御しても、連結管先端
のインスツルメントでは所定の性能が得られないことも
しばしば生じたのである。

しがち、このような従来治療台は、連結管線出入装置を
内蔵するバックシートと、制御装置を内蔵するシート本
体の双方を点検・修理する必要があるので手間がががり
、亦、運搬する場合に於ても、このように多数本の連結
管がシート本体内で制御装置と複雑に接続されていると
、バックシートとシート本体とを分離して別個に運搬し
た場合、連結管の再接続・組立てが容易でなく、従って
治療台を組立てた状態で運搬しなければならないため非
常に嵩張り、運搬費が高くなる、等の問題もあった。

本考案は、電気配線の不要な小さい空気作動バルブを用
いて新たな制御装置を構成し、従来装置に較べて大巾な
小型化及び簡素化を可能ならしめて之をバックシートに
内蔵することにより、上記の諸問題を一挙に解決したも
のである。

以下、実施例を図に採り、之を参照しながら本考案を詳
述するに、第１図は本考案歯科治療台の一実施例の斜視
図、第２図はバックシートの内部を示す部分切欠正面図
、第３図は制御の一例を示す回路図である。

第１図に於て、１は歯科治療台であって、この治療台１
は基台２、シート本体３、バックシート４、ヘッドレス
ト５及びフートコントローラ５１から戒り、シート本体
３を基台２に対して昇降自在に、バックシート４をシー
ト本体３に対して起伏自在に、ヘッドレスト５をバック
レスト４に対して起伏自在に、それぞれ構威しである。

バックシート４の肩部には、歯科用バンドピース、シリ
ンジ等の各種インスツルメン１〜１１・・・・・・を取
出し自在に配備せしめてあり、このバックシート４の内
部には、第１図に示すように、各インスツルメント１１
・・・・・・に連なるそれぞれの可撓連結管１２・・・
・・・の繰出穴装置２１・・・・・・を２個づつ重ねて
間隔おきにほぼ平行して複数組（図では３組）並列固定
すると共に、各インスツルメント１１・・・・・・に供
給すべき圧縮空気や水をコントロールするための制御装
置３１を該バックシート４の一側方の枠フレームに沿っ
てその内側にコンパクトに配置固定しである。

繰出穴装置２１はそれ自体公知のもので、動滑車２２と
釣針状のキャッチスプリングを備えたスライド２８をガ
イド２３に摺動自在に支持せしめると共に、このガイド
２３の基端部に固定滑車２４を、先端部にキャッチ２７
を夫々設け、この固定滑車２４に内径端をフリーとした
ゼンマイバネ２５を巻装してその外径端をスライド２８
に連結して成るものであり、而して、インスツルメント
１１からの可撓連結管１２を動滑車２２に添纒してほぼ
Ｕ字状に配管し、その基端を接手３２に連結固定しであ
る。

斯る繰出穴装置２１は、インスツルメン１−１１を引出
して連結管１２を繰出していくと、スライド２８のキャ
ッチスプリング２６がガイド２３先端部のキャッチ２７
に係合するところまで、該スライド２８がバネ２５の引
張力に抗してガイド２３先端の方へ摺動し、これによっ
て該摺動距離の２倍の長さの可撓連結管１２が繰出され
るようになっている。

逆に、繰入れの場合は、可撓連結管１２をもう一度わず
かに繰出すことによってキャッチ２７とキャッチスプリ
ング２６の保合を外し、該連結管１２の弓出し力を弱め
て、スライド２８をバネ２５と引張力で元の位置まで摺
動復帰させることにより、スムーズに行なえるようにな
っている。

一方、制御装置３１は、第２図に示されているような、
分配バルブ３３、空気圧によって水管路を０Ｎ−ＯＦＦ
する空気圧作動型０Ｎ−ＯＦＦバルブ３４、空気管路の
切替バルブ３５、圧力計３６．３７、シート体側から供
給される圧縮空気及び水を分岐する多岐管３８等と、図
示されていない空気管路、水管路等からなるコンパクト
なものであって、具体例としては第３図の如きものが挙
げられる。

即ち、この第３図は圧縮空気源４１及び水源４２から各
インスツルメント１１・・・・・・に致るまでの全体制
御回路図であって、バックシート４に内蔵される上記制
御装置は３１の符号を付した二点鎖線粋の部分である。

この第３図に於て、５１．２．３及び４の符号を付した
一点鎖線枠は、それぞれフートコントローラ、基台、シ
ート本体及びバックシートを表している。

圧縮空気源４１からの空気管路は、フートコントローラ
５１内で３本の空気管路６１．６２及び６３に分岐し、
空気管路６１及び６３には、フートコントローラ５１の
ペタルを踏込むに従って圧力が高くなるようなペタルと
連動した調圧構造を有する０Ｎ−ＯＦＦバルブ５２及び
５３を設けである。

空気管路６３の０Ｎ−ＯＦＦバルブ５３の下流部からは
、更に空気管路６４が分岐しており、この空気管路６４
には０Ｎ−ＯＦＦバルブ５４を設けである。

これら４本の空気管路６１．６２，６３．６４は、水源
４２からの水管路７と共に束ねられて一本の可撓性バイ
ブロで囲繞され、基台２及びシート本体３を通ってバッ
クシート４内に引き込まれている。

空気管路６１は、制御装置３１の圧力計３７を経て、５
個のインスッルメント１１・・・・・・のうちの比較的
低速回転型エヤタービンバンドピース１１ ａに連なる
可撓連結管１２ ａ基端部の接手３２ ａに接続しであ
る。

空気管路６２は、制御装置３１内の切替バルブ３５を介
して、分配バルブ３３の一方の弁室Ａに通じる空気管路
６２１と、他方の弁室Ｂに通じる空気管路６２２とに分
岐している。

空気管路６３は分配バルブ３３に接続しており、亦空気
管路６４は、分配バルブ３３に連なる水管路７に設けた
空気圧作動型０Ｎ−ＯＦＦバルブ３４に接続しである。

分配バルブ３３の弁室Ａ及びＢと高速回転型エヤタービ
ンバンドピース１１ ｂ及び１１ Ｃの連結管１２ ｂ
及び１２Ｃの接手３２ ｂ及び３２ Ｃとは、それぞれ
空気管路６５と水管路７１．及び空気管路６６と木管路
７２によって連結してあり、亦この分配バルブ３３には
圧力計３６を設けである。

亦、インスッルメント１１・・・・・・のうち残り２個
のシリンジ１１ ｄ及び１１ ｅの連結管１２ｄ及び１
２ｅ（７）接手３２ ｄ及び３２ ｅは、いずれも圧縮
空気と水の夫々の絞り弁を内蔵したもので、これら接手
３２ ｄ及び３２ ｅには、空気管路６２の切替バルブ
３５の上流部位から分岐した空気管路６２３，６２４及
び水管路７の空気作動バルブ３４の上流部位から分岐し
た水管路７３．７４が、各一本づつ接続されている。

このような制御回路では、シー）〜コントローラ５１の
ペダルを踏み込んでバルブ５２をＯＮすると、圧縮空気
が管路６１を通ってエヤタービンバンドピース１１ ａ
に供給され、そのタービンが駆動される。

そして踏み込みを解除すると空気供給が中止され、ター
ビンが停止する。

圧縮空気の圧力調整が、ペタルの踏み込みを加減するこ
とによって行なえることは既述の通りである。

高速回転型バンドピース１１ ｂ及び１１ Ｃの駆動は
、切替バルブ３５の操作と、シーＩ・コントローラ５１
のもう一方のベタル踏み込みによって行なえる。

即ち、切替バルブ３５を図示の状態にしてペタルを踏み
込んでバルブ５３をＯＮすると、管路６３を通って分配
バルブ３３に圧縮空気が供給されるが、分配バルブ３３
の弁室Ａには管路６２及び６２１を通じて同圧の圧縮空
気が供給されているため弁が閉じたままであり、もう一
方の弁室Ｂの方がＯＮの状態となるので、管路６６を通
って圧縮空気がバンドピース１１Ｃに供給され、そのタ
ービンが駆動される。

この場合、水管路７の空気圧作動型０Ｎ−ＯＦＦバルブ
３４は、管路６４を通じて圧縮空気が供給されていない
のでＯＮの状態となっており、従って水管路７２を通じ
て水もバンドピース１１ Ｃに同時供給される。

空気管路６４の０Ｎ−ＯＦＦバルブ５４をＯＮすれば空
気作動型０Ｎ−ＯＦＦバルブ３４に圧縮空気が供給され
、該バルブ３４がＯＦＦするので水の供給は停止される
。

一方、切替バルブ３５を図示と逆に切替えれば、分配バ
ルブ３３の弁室ＡがＯＮの状態となり、弁室ＢがＯＦＦ
の状態となるので、圧縮空気及び水が管路７１及び６５
を通ってバンドピース１１ ｂに供給され、該バンドピ
ース１１ ｂが駆動される。

水の供給・停止の操作は、フートコントローラの０Ｎ−
ＯＦＦバルブ５４によって同様に行なわれる。

亦、シリンジ１１ ｄ及び１１ ｅの接手３２ ｄ及び
３２ ｅには、圧縮空気及び水が常時供給されているか
ら、これらシリンジ１１ ｄ及び１１ ｅを使用する場
合は、該シリンジ１１ ｄ及び１１ ｅに内蔵された弁
を開いてやればよい。

以上は、インスッルメウト１１・・・・・・とじて３個
のエヤタービンバンドピースと２個のシリンジを装備す
る場合の制御の一例であるが、インスッルメント１１・
・・・・・の種類と数に応じて、上記の如き空気作動バ
ルブを利用した回路からなる種々のコンパクトで簡素な
制御装置を構成し得ることは 当業者に容易に理解でき
るであろう。

本考案歯科治療台は、斜上の如く、空気作動バルブを用
いて小型で簡素な制御装置３１を構成し、之をバックシ
ート４に内蔵したため、従来治療台のように各インスツ
ルメント１１・・・・・・に連なる可撓連結管１２・・
・・・・をシート本体３内の電磁弁による制御装置まで
引き込んで接続することが不要となり、可撓連結管１２
・・・・・・がバックシート４の起伏動作によって折れ
曲がり短期のうちに損傷する欠点が解消できる。

しかも、制御装置３１がバックシー１へ４内にあると、
該制御装置３１がら各インスッルメント１１・・・・・
・までの空気管路や水管路の長さが短縮されるため管路
抵抗が減少し、上述の如くこれら管路を囲繞する可撓連
結管１２・・・・・・の折れ曲がりが皆無であることと
相俟って、性能低下を生ずることがほとんどなくなるの
で、該制御装置３１で制御した通りの駆動性能が各イン
スッルメント１１・・・・・・で発揮されるのである。

亦、圧縮空気源４１及び水源４２から制御装置３１に通
ずる空気管路６１．６２，６３．６４及び水管路７を構
成する細いチューブ類は、一束にして可撓性バイブロで
囲繞してバックシート内に引き込むことが゛で゛きるの
で゛、シート本体３とバックシート４間にわたるパイプ
の本数を大巾に減らすことが可能となり、従ってこの可
撓性バイブロのバックシー１−４への引き込み口の近傍
位置で、適宜接手によって接続・離脱自在どなせば、専
門技術者でなくともまちがいなく管路接続できるように
なるので、バックシー１−４を取り外して別個に運搬す
ることも可能であり、嵩張らない分だけ運搬費を節約す
ることができる。

更に、制御装置３１を可撓連結管線出入装置２１・・・
・・・と共にバックシート４に内蔵しであると、バック
シート４のみを分解すれば双方の修理・点検が行なえる
ので便利である。

尚、このように制御装置をバックシートに内蔵した場合
には、従来のシート本体３の制御装置内蔵部分が空にな
るので、この空間部分に他の装置を内蔵する等の有効利
用が可能となる利点もある。

以上の如く、本考案歯科治療台は、従来治療台の欠点を
解悄し得るものであり、すこぶる有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案歯科治療台の一実施例の斜視図、第２図
はバックシートの内部を示す部分切欠正面図、第３図は
制御の一例を示す回路図である。 図面の主要符号の説明 １・・・・・・本考案歯科治療
台、２・・・・・・基台、３・・・・・・シー１〜本体
、４・・・・・・バックシート、５・・・・・・ヘッド
レスト、６・・・・・・可撓性パイプ、７・・・・・・
水管路、１１・・・・・・インスツルメント、１２・・
・・・・可撓連結管、２１・・・・・・可撓連結管線出
入装置、３１・・・・・・制御装置、３２・・・・・・
接手、３３・・・・・・分配バルブ、３４・・・・・・
空気圧作動型０Ｎ−ＯＦＦバルブ、３５・・・・・・切
替バルブ、３６゜３７・・・・・・圧力計、５１・・・
・・・フートコントローラ、３８・・・・・・多岐管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各インスツルメントに連なる夫々の可撓連結管の繰出穴
   装置を内蔵したバックシートを基台上のシート本体に起
   伏自在に装置してなる歯科治療台に於て、上記、シート
   本体側よりバックシート内に供給される圧縮空気及び水
   を分岐する多岐管、空気作動バルブ、エヤータービン・
   バンドピースへの供給圧縮空気圧を測定する圧力計、各
   インスツルメントへ供給する圧縮空気及び水の流量制御
   を行なう絞り弁、上記各インスツルメントに連なる可撓
   連結管を接続する接手を具備し、上記各インスツルメン
   トへの圧縮空気、水の供給・停止をコントロールする制
   御装置を上記バックシートに内蔵したこと及びこれによ
   り上記シート本体から上記バックシート内に連なる圧縮
   空気及び水の配管を最少としたことを特徴とする歯科治
   療台。