JPS5846126Y2 - フライヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は紡績機用フライヤの改良に関するものである
。

一般に粗紡線機の撚糸部に使用するフライヤは軽量化を
図るため、アルミ等の軽金属製のものが使用されている
と共に、フライヤ回転のバランスをとるため、その腕部
を２股状に分岐させて垂設している。

ところが、粗糸つぎ及びボビンの挿着若しくは満管ボビ
ンの取出し時に、上記腕部が邪魔となり、その作業性を
低下させていた。

さらに、従来の両腕フライヤでは、その構造上、軽量化
にも限度があり、特に高速回転時の遠心力の作用で高速
化が阻止され、回転数の制限を受けていた。

その結果、従来のフライヤの通常の回転数は１２０Ｏｒ
−ｐ・ｍで、最高でも１６００ ｒ −ｐ−ｍであり、
粗紡機の高速化を阻止する最大の要因となっていた。

またフライヤの駆動にも多くの動力が必要となり好まし
くなかった。

この考案は従来のフライヤの上記の欠点に鑑みこれを改
良したもので、粗糸つぎ又はボビン挿着及び取出し時の
不便さを解消させると共に、フライヤの軽量化を図り、
しかも、紡績糸の通過によるフライヤ内部の摩耗を防止
し、且つ高速回転可能で動力消費の少ないフライヤを提
供せんとするものである。

以下この考案の構成を図面に示す実施例に基づいて説明
すると次の通りである。

第１図及び第２図において、１はフライヤ本体、２はフ
ライヤ本体１の金属製上端軸で、その上部外周面に、同
−材料等からなる第１のバランスウェイト３を一体に突
出させている。

４は上端軸２の下端部に垂設した略コ形状を有する腕部
で、中空状に形成している。

５は上端軸２の中央上面から腕部４の垂下部４ａの最下
端部に連通させた耐摩耗性の高い金属製、又はセラミッ
ク製材等からなる糸案内管、６は糸案内管５の外周面と
、腕部４の内周壁との間に複数個適当配置させた係止部
材で、糸案内管５を腕部４内に隙間をもたせて同心状に
且つ不動状態に保持する。

７は腕部４の水平部４ｂの側端面に接着剤或はビス等の
適宜の手段により固設した第２のバランスウェイトで、
上記第１のバランスウェイト３と共にフライヤ本体１の
重心を腕部４の水平部４ｂより上方に位置せしめる様構
成している。

上記腕部４は、第２図に示す如く、合成樹脂層８と、そ
の内部の長手方向に沿って埋設させた炭素繊維の長繊維
からなっておる。

尚、補強繊維層を埋入した合成樹脂層を複数枚積層して
もよい。

さらに、上記腕部４の垂下部４ａの内周面と、糸案内管
５の外周面とを所定寸法離間して形成する。

又、上記係止部材６も腕部４と同様、合成樹脂層８と、
これを補強するための炭素繊維層９とからなっておる。

尚、第１図中、１０はボビンを示すものである。

又、上記腕部４の水平部４ｂ上に載置固定した上端軸２
の固着要領は、上記第２のバランスウェイト７と同様接
着剤或はビス等により固定すればよい。

上記の様に構成されたフライヤ本体１は、第１図に示す
如く、ボビン１０の周囲を高速度で回転して加熱する。

この際、合成樹脂層８と炭素繊維層９とで構成された腕
部４を片腕式で且つ中空状に形成すると共に、糸案内管
５を耐摩耗性を有する金属或はセラミック等にて構成し
た為、重量の軽量化が可能となった。

その結果、フライヤ本体１の回転数が、従来の最高速度
である１６００ ｒ −Ｉ） −ｍを超え、２０００ｒ
−ｐ−ｍにおいても安定した駆動、加熱が可能となった
。

又、フライヤ本体１を］形状に形成した為、その腕部４
のバランス調整が重要であるが、本考案は上述した如く
、腕部４の水平部４ｂの側端部及び上端軸２の上方にバ
ランス調整のための第１、第２のバランスウェイト３，
７を夫々装設したため、高速回転時でも安定した駆動が
可能となった。

以上説明した様にこの考案は補強繊維を埋め込んだ合成
樹脂で形成した中空状で且つ略コ形状に屈曲させた腕部
と、上記腕部の垂下部内に挿通する、しかも腕部垂下部
の内径より小径で、且つ耐摩耗性の金属斜材又はセラミ
ック材料よりなる糸案内管と、腕部内に糸案内管を隙間
をもたせて且つ同心状に同容配置するための複数の係止
部材と、上記腕部水平部の端部に固設したバランスウェ
イトとで構成したから、糸巻ボビンのスピンドルに対す
る挿着及び満管ボビンの取出し作業、或は組糸つぎ等が
極めて容易に行なえ、これらの作業性を向上することが
できる。

また、炭素繊維の編組物からなる補強繊維層と、合成樹
脂層とで構成された腕部の肉厚が極薄状となり、その製
作コストを低減させることができると共に、フライヤ本
体の軽量化にもつながるため、その回送数を高くするこ
とができ、紡績糸の製造工程の高速化を図ることが可能
となった。

さらに、糸案内管を耐摩耗性を有する金属、或いはセラ
ミックにて構成した為、糸通過に伴なう摩耗を防止し、
耐久性のあるフライヤを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフライヤを示す縦断正面図、第２
図はその要部拡大断面図である。 １・・・・・・フライヤ本体、２・・・・・・金属製上
端軸、３゜７・・・・・・バランスウェイト、４・・・
・・・腕部、４ａ・・・・・・垂下部、４ｂ・・・・・
・水平部、５・・・・・・糸案内管、６・・・・・・係
止部材、８・・・・・・合成樹脂層、９・・・・・・補
強繊維層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 補強繊維を埋め込んだ合成樹脂で形成した中空状で且つ
   略）形状に屈曲させた腕部と、上記腕部の垂下部内に挿
   通する。 しかも腕部垂下部の内径より小径で、且つ耐摩耗性の金
   属材料又はセラミック材料よりなる糸案内管と、腕部内
   に糸案内管を隙間をもたせて且つ同心状に固定配置する
   ための複数の係止部材と、上記腕部水平部の端部に固設
   したバランスウェイトとからなるフライヤ。