JPS5845439B2 - 安定な鉄錯塩水溶液の製法

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【発明の詳細な説明】本発明はナトリウムペンタシアノアンミンフェロエート
またはニトロプルジッドナトリウム鉄錯塩水溶液の安定
化に関するものである。

鉄錯塩水溶液は、例えば芳香族第１級アミンの誘導体を
基質とした酵素活性測定法における呈色試液として用い
られ、この安定化は重要な課題となっている。

ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエートやニトロ
プルジッドナトリウム等の鉄錯塩は水に溶解して保存す
ると不安定で、短期間で褐色の沈殿を生成し、呈色液と
しての呈色作用は減少する。

従来、鉄錯塩水溶液を安定化する方法としては過酸化物
を添加して処理する方法（特開昭５２１４６６９３）が
知られているが、その安定性において十分とはいい難く
、実用上は凍結乾燥製剤として用いられている。

本発明者は、これらの欠点を取り除くため、種種検討の
結果、ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエートま
たはニトロプルジッドナトリウム鉄錯塩の水溶液にキレ
ート剤を添加することによって長期間安定に保存し得る
ことを発見し、本発明を完成した。

本発明の方法において使用されるキレート剤としては、
クエン酸塩類、酒石酸塩類、ピロリン酸塩類、エチレン
ジアミン四酢酸塩類等があげられるが、好適にはクエン
酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等が用いられ、
単独または２種以上の混合で用いられる。

キレート剤の添加量については、特に制限はないが、好
ましくは鉄錯塩に対して２〜２５％が用いられる。

次に本発明の方法を実施例をあげて説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。

さらに実施例３〜５のように過酸化物処理を併用すると
さらに良好な結果が得られる。

実施例１ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエート２００ｍ
９を蒸溜水９０１ｒＬｌに溶解し、ｐＨ調整剤として炭
酸水素ナトリウム２００■、キレート剤としてクエン酸
ナトリウム５０ｒｒＩ９を添加溶解する。

蒸溜水で全量を１００ｍ１に調整する。

実施例２ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエート２００ｍ
９を蒸溜水９０ｍ１に溶解し、ｐＨ調整剤として炭酸水
素ナトリウム２００ｒＩＩＧＩ、キレート剤として酒石
酸ナトリウム５０ｒｒＩＩｉｌを添加溶解する。

蒸溜水で全量を１００ｍ１に調整する。

実施例３ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエート、２００
ηを３％過酸化水素水１縦に溶解し、別に蒸溜水５０ｍ
１に炭酸水素ナトリウム２００■、ピロリン酸ナトリウ
ム３０■を溶解し、この液を加える。

全量を蒸溜水で１００ｒＩＬｌに調整する。実施例４ニトロプルジッドナトリウム２００■を３％過酸化水素
水１ｒｎｌに溶解し、別に蒸溜水５０ｍ１に炭酸水素ナ
トリウム２００ｍ９、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム３０ηを溶解し、この液に加え全量を蒸溜水で１００
ｒｆＬｌに調整する。

実施例５ ※ ナトリウムペンタシアノアンミンフェロエート２０
０ｍ９を３％過酸化水素水１ｍＡ’に溶解し、別に蒸
溜水５０ｒｒｌｌに炭酸水素ナトリウム２００■、クエ
ン酸ナトリウム３０■、酒石酸ナトリウム２０ｑを溶解
し、この液に加え全量を蒸溜水で１００１ｒｌｌに調整
する。

以上の様にして調製した鉄錯塩の水溶液は第１表に示す
ように長期間経時しても沈澱物や濁りを生成しないばか
りでな（、芳香族第一級アミンの呈色作用も失なわれな
い。

【特許請求の範囲】