JPS5844155B2 - 亜硝酸塩の製造法 - Google Patents

亜硝酸塩の製造法

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JPS5844155B2
JPS5844155B2 JP53122736A JP12273678A JPS5844155B2 JP S5844155 B2 JPS5844155 B2 JP S5844155B2 JP 53122736 A JP53122736 A JP 53122736A JP 12273678 A JP12273678 A JP 12273678A JP S5844155 B2 JPS5844155 B2 JP S5844155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は亜硝酸塩の製造法に関するものであり、さらに
詳しくは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属ま
たはアンモニアの硝酸塩を含む水溶液を電解還元するこ
とにより、アルカリ金属またはアンモニアの亜硝酸塩を
製造する方法に関するものである。
亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩は医薬
、染料、顔料等の製造原料、ジアゾ化剤等として工業的
に重要な工業薬品である。
この亜硝酸塩の工業的な製造法をその代表例である亜硝
酸ナトリウムについてみると、次の反応にしたがい、硝
酸ナトリウムを鉛で還元して製造する方法NaNO3+
Pb=NaNO2+PbO あるいは次式により酸化窒素ガスを水酸化ナトリウムま
たは炭酸ナトリウム溶液に吸収させて製造されている。
Na2CO3+2NO+3AO2−2NaNO2+CO
2鉛を還元剤とする製造法では、硝酸ナトリウム中に混
入する鉛を除去して精製するために、再三結晶化分離を
繰返す必要がある。
また酸化窒素ガス法では、ガス吸収塔のpHが酸性にな
ると亜硝酸や硝酸を副生ずる等の問題がある。
本発明者等は、これら従来法の欠点を解消し、工業的に
有利に亜硝酸塩を製造すべく検討の結果硝酸塩水溶液を
特定の条件で電解還元することにより上記目的が好都合
に達せられることを見出した。
即ち本発明の骨子は、陽イオン交換膜により陰極室と陽
極室に区分された電解槽の陰極室に硝酸塩を含む水溶液
を供給し、該水溶液のpHを4以上に保持しつつ通電す
ることを特徴とする亜硝酸塩を製造する方法である。
以下本発明をさらに詳しく説明する。
硝酸イオンの電解還元はかなり難かしい反応であること
が知られている。
例えば、シャルロー著「電気化学反応」108頁には、
「水銀電極では、硝酸イオンおよび亜硝酸イオンの直接
還元は大変おそく、無関係電解質が還元される付近の電
位だけで起こる。
つまりNa+またはに+を含む溶液中では、これらは電
気的活性ではない。
」として硝酸塩系の電解還元については否定的な見解を
述べている。
硝酸アンモニウムを含む水溶液を電解還元する方法につ
いては、実験室的な規模では研究されたことがある。
例えば英国原子力委員会、開発グループ報告書AERE
−R4393(1963年)には、次式の及び■により
、硝酸アンモニウムを窒素と水とに分解できるとの記述
があり、沸点に近い温度で窒素とに分解する反応を実現
させる条件の探索実験を行っている。
NH4N03+2e+2H+→NI(4NO2+H20
■NH4NO2→N2+2H20 ■ この検討の結論として、■式の電解還元は、電解中に陰
極液のpHが次第に上昇し、液が中性もしくはアルカリ
性の領域では電流効率はほとんど零まで減少するため、
電解中は陰極液を強酸性のpH1以下に保持することが
必要であると述べている。
また特開昭50−56375号には、硝酸アンモニウム
を含有する水溶液の電解還元法が開示されているが、こ
の方法は隔膜を用いない方法である上に、同明細書に明
記されている(4頁最終行から5頁4行目)ように、亜
硝酸塩の製造が目的ではなく、現に亜硝酸塩の製造条件
は全く示されていない。
本発明においては、NOx、N2、NH3、N2等陰極
で生成する副生物の生成をできる限り抑制して、アルカ
リ金属及びアンモニアの亜硝酸塩を選択的に、安定に、
高い電流効率を維持しつつ製造する方法を提供するもの
である。
即ち本発明は、イオン交換膜により陰極室と陽極室に区
分された電解槽の陰極室に硝酸塩溶液を供給し、該水溶
液のpHを4以上に保持しつつ通電することを特徴とす
るアルカリ金属及びアンモニアの亜硝酸塩の製造法であ
る。
本発明における硝酸塩水溶液の濃度は、安定な水溶液と
して存在する範囲であれば特に制限はない。
通常は液の粘性、導電性、電解の効率等を考慮して1〜
50%(重量)の範囲が選択される。
硝酸塩の他に、重金属塩等の化合物やイオンを不純物と
して含む場合でも、電解に著しい悪影響を及ぼさない限
り、特に問題はない。
本発明の方法においては、通電量に応じ、陽極室からは
電気化学量論的な酸素ガスの発生が認められる。
陽極液としては、通常、導電性を適正な範囲に維持し、
陰極室へのプロトンの供給を容易ならしめるために硝酸
、硫酸、塩酸、その他のハロゲン化水素酸等鉱酸、の水
溶液を使用するのが好ましい。
陰極液の組成及び陽極における副生ガスを考慮すると特
に好ましい鉱酸は硝酸であり、通常0.1乃至2M程度
の濃度のものが用いられる。
その適正濃度は電槽電圧に及ぼす液抵抗の影響、比電導
度、電極の耐食性、イオン交換膜の耐久性などを総合的
に勘案した上で決定される。
陰極両極室を区分するイオン交換膜としては、鉱酸及び
発生する酸素に対する耐食性を有するものが用いられる
具体例としてはスチレンとジビニルベンゼンを母体とし
、これにスルフォン酸やカルボン酸を交換基として導入
した陽イオン交換膜、ジビニルベンゼンとアクリル酸共
重合体、ポリエチレン及びエチレンの共重合体の如き、
化学的に比較的安定なポリマーを主体とするスルフォン
化物などが挙げられる。
これらの膜は、通常、合成繊維やガラス繊維により補強
して用いる方がより好適である。
さらに長期にわたり安定なイオン交換膜としてフッ素重
合体からなるイオン交換膜が、特に優れている。
例えば、ペンダント型のスルフォン酸基またはその誘導
体を有し、下式の循環単位を有する共重合体を含むフッ
素共重合体; (イ) CF2 (R)n O3H および (ロ) C)コ(’−CF2ここ
で、Rは R′ CF−CF2−0てCFY−CF20+□で示される基
であり、R/はフッ素または炭素原子1〜10個を有す
るパーフルオルアルキルであり、Yはフッ素またはトリ
フルオルメチルであり、mは1.2または3であり、n
はOまたは1であり、Xはフッ素、塩素、水素またはト
リフルオルメチルであり、そしてXはXまたはCF3+
CF2+zであり、ZはOまたは1〜5の整数であり、
式(イ)の単位は3〜20モル%の量で存在するフッ素
化共重合体のフィルムがあげられる。
これらの膜の製法は米国特許3282875号に詳記さ
れており、米国デュポン社から商品名「ナフィオン膜」
として市販されている。
また、上記の他に交換基として弱酸性の官能基を有する
各種のフッ素化共重合体のイオン交換膜も用いられる。
例えばカルボン酸、ホスホン酸、それらの誘導体を官能
基としてフッ素化共重合体の母体もしくは部分に安定に
結合させているイオン交換膜がある。
例えば、特開昭52−24176号、同52−2417
7号に記載されたOCF2COOM型の交換基を有して
いるもの、特開昭52−48598号に開示されている
一〇でCF2)nCOOM型の交換基を有するもの等が
挙げられる。
これらの交換基は膜の表面に層状に存在することが望ま
しいが、特に限定されるものではない。
また、特開昭50−92339号に開示されたジアミン
またはポリアミンを反応させたアミド型の膜、特公昭5
2−13288号に開示されたスルフォンアミド型、特
公昭5223880号に開示されたN−モノ置換スルフ
ォンアミド基のようなフッ素化イオン交換重合体の膜で
あってもよい。
但し、アミド基や特に弱酸基を有するイオン交換膜を使
用する場合には、陽極室、陰極室の両溶液の酸濃度を調
整しそれぞれの膜を劣化させない条件を設定する必要が
ある。
これらの陽イオン交換膜は陰陽両極室を仕切ることによ
り陰極室液、陽極室液を分離し陽極における再酸化を防
止しつつ、陰極室へのプロトンの定量的供給(反応によ
る消費量と膜を通しての供給通とが同量)を行なうこと
、両室で発生するガスを分離すること等の役割を果たす
イオン交換能を有していない隔膜や素焼板等の仕切板で
は、前記の役割の全てを満たすことができず、経済的な
実施には困難を伴う。
また陰イオン交換膜は、硝酸イオン、水酸イオン等を陽
極室へ移動せしめるため、亜硝酸塩への効率的な還元を
難かしいものにするので本発明の目的には不満である。
本発明では、従来公知の耐蝕性陽極材料を使用すること
ができる。
例えば、白金族金属単体、まタハ、チタニウム、タンタ
ル、ジルコニウム、ニオブなどの耐食性金属(バルブメ
タル)ノ表面に白金族金属の1種または2種以上の合金
を被覆した電極、さらに上記耐蝕性金属の表面に白金族
金属と耐蝕性金属との混合物または混晶(固液体)を被
覆した電極などが用いられる。
白金族金属のうちイリジウムの比率の大きな電極が特に
好ましL)。
本発明で使用する陰極としては、陰極における水素発生
の少ない電極を選択することが、高い電流効率で亜硝酸
塩を取得するために重要である。
白金などの貴金属は耐食性において優れているが、水素
過電圧が低く、低電流領域では水素の発生が多いため亜
硝酸塩生成の電流効率が低い。
鉄、ステンレススチール、チタン、炭素等も水素の発生
を伴うが白金よりは高率の亜硝酸塩の生成が認められる
本発明者等は、多数の陰極材料を検討した結果、水銀、
インジウム、カドミウム、亜鉛、鉛、錫、またはこれら
の1種または2種以上の合金あるいはこれらと他の金属
の合金からなる電極を使用することにより、高い電流効
率で亜硝酸塩を取得する目的に合致することを発見した
これらの陰極材料は、水素発生の電位と硝酸イオンを亜
硝酸イオンに還元する電位の差が特に大きいことを電流
電位曲線の測定により確認した。
この測定結果と実際の電解還元の結果とはよく対応して
いる。
この電流電位曲線の測定は第1図に示したような測定回
路により行った。
すなわち、陽イオン交換膜で隔てられた電解槽の両室に
陽極液、陰極液を入れ、それぞれに陽極及び陰極を挿入
し、電流計を通して直流電源に接続する。
陰極電位及び陽極電位は、それぞれの室と塩橋で連絡さ
れた飽和塩化カリウム溶液中に挿入された比較電極と各
電極の間に設置された電位差計により測定する。
陽極と陰極の間の電位差は、両者の間に設置された電位
差計により測定する。
比較電極としては、例えばpHメーター用甘こう電極を
使用する。
電流を変化させながら、実際に電解を実施する条件範囲
で該当する陰極液組成における亜硝酸イオンへの還元の
電位を求める。
陽極、陽極液、陰極、陰極液組成等を任意に変えて、実
際の電解条件に近い条件を設定して挙動を調べることが
できる。
一方、検討すべき陰極の有する水素発生の電位は該硝酸
塩水溶液では亜硝酸イオンへの還元が優先して測定が困
難であるため、同一のアルカリ金属やアンモニウムを有
する塩酸塩溶液等を基準にして、前記と同一の陰極を使
用して、水素発生の電位を測定する。
共通の電気化学的な条件は可能な限り同様な条件を設定
する。
こうして得られた双方の電流電位曲線の同一電流におけ
る電位の差が犬なるもの程、水素の発生が少なく、同時
に亜硝酸塩生成の電流効率の高いことが判明した。
この電位の差は陰極液の溶液組成とpH1すなわち、電
解還元の対象となる硝酸塩水溶液の組成により、変化す
るため一概に言えないが、例えば、陰極液組成を硝酸ナ
トリウム2.7M、pH9、陽極液を0.5M硝酸溶液
として測定する場合には、この電位差△VはIA(電流
密度7 A/ d m )で、pbO,68V1Sn
O,30V、Cd O,44V、ZnO,68V、In
0.73V、Pb−10%Cu0.32Vであった。
ptは同じ条件で−0,20Vであった。
水素を発生させずに実施するためには、少なくとも△V
をOV以上に保持できる電極でなげればならない。
望ましくは0.1v以上の電位差を有するものがよい。
水銀については特殊な電解槽を用いて測定する必要があ
るが、最も高い△Vを有している。
水銀、カドミウム、亜鉛、インジウム、鉛、錫などはい
ずれも0.1V以上の△Vを有する電極である。
ただし、硝酸塩の種類とpHに応じて、これらの中から
陰極材料を選択することが必要である。
例えば、カドミウムや亜鉛は、硝酸アンモニウムに特異
的に溶解するため単体金属としての使用は不可能である
また、それぞれの電極はその安定性から鉛であればpH
7〜13の範囲、錫であればpH約2〜13までといっ
た好ましい使用範囲がある。
電解中の陰極室溶液のpHにより陰極材料を選択するこ
とも重要である。
通常工業用電極として、これらを使用するためには、硬
度や耐食性を改善するために他の金属の微量添加が行わ
れる。
例えば鉛であればアンチモン、銀、銅、セレン等を微量
添加する。
これらの添加は還元反応の電位と水素発生の電位の接近
をできる限り抑制するよう種類と量を選び、0. I
V以上の△Vを維持するよつ調整する。
陽極、陰極の形状は電解槽の形状や構造により任意に決
めることができる。
例えば、穿孔板、多孔板、金網状、平板状、円筒状など
を選択することができる。
多孔板にすることにより、芯材となる高価なパルプメタ
ル等の使用量を低減できるのみならず、裏面、側面も有
効な電極面として利用できる利点がある。
水銀を陰極とする場合には、水銀の形成する平面に平行
に陽極及び陽極室を設ける等の方法が有効である。
ただし水銀の工業的使用は、環境問題を発生させるおそ
れがあるので望ましくない。
本発明における電解槽としては、複極式で隔膜を挟持可
能な構造を有す電解槽が好ましい。
電解槽の材料としては、耐蝕性金属の他に塩化ビニール
、ポリプロピレン、ポリエチレン等やフン素糸樹脂が挙
げられる。
特公昭52−32866号に示されているような電解槽
、即ち、陰極液、陽極液に耐蝕性を有するチタン合金、
ステンレスなどの金属を爆着し、熱間圧延した材料によ
り構成された電解槽は特に好ましい。
この複極式電解槽は発生するガスが電極の背後に抜けて
、電流が発生ガスにより遮蔽されることを防ぎ、極間距
離を近づけることによりオーム損を少にすることができ
るため電解電圧を低く保持することができ、電力原単位
を下げられる利点を有しているからである。
本発明の原料となる硝酸塩水溶液のpHは実用的な濃度
範囲では、はぼ4ないし5である。
該水溶液を電解槽の陰極室に導入し、かつ電解槽の陽極
室に鉱酸を導入すると、陽イオン交換膜を通して鉱酸が
拡散するために、硝酸塩水溶液のpHは低下する。
また該水溶液に酸が含有されていれば、当然、該水溶液
のpHは4以下になる。
しかしながら電解槽に通電を開始すると、次式のように
、水酸化アルカリの生成または、水酸化アンモニウムの
解離により該水溶液のpHは上昇する。
NaNO3+9 H”+ 8 e −+NH4++Na
OH+2H20■ NaNO2+7H++6e−+NH4++NaOH+H
20■ ■■式の反応はpH4以下では著しい。
いずれの反応が起るにせよ、pHを成る値以下に維持し
つつ、電解還元を行うためには、硝酸の如き酸を添加し
つつ電解を行うことになる。
例えば、前記雑文AERE−R4393の実験は硝酸ア
ンモニウムを亜硝酸アンモニウムに電解還元し、同時に
加熱分解により窒素と水とに分解することを意図してい
るが、0.5M以上の強酸性下に保持することが必要で
あると述べている。
そして中性もしくはアルカリ性の条件下では、電流効率
はほとんど零になり、水素のみが生成するとしている。
しかしながらpHを維持するために、例えば硝酸を添加
することは、被還元電解質を本発明の目的に反して増量
することになり、経済的な方法とはいえず、かかる酸の
添加を行わない方法が工業的に有利であることはいうま
でもない。
したがって本発明の方法の特徴のひとつは、酸の添加を
行わずにpHを4以上、好ましくは7以上において硝酸
塩を電解還元することにある。
陰極液のpHは、使用する陰極材料の組成により限定さ
れることがある。
たとえば鉛を用いて場合はほぼpH7が下限である。
また、pH調整用にアンモニアを使用する場合には、そ
の解離の制約からpH10以上にすることは困難である
電解時の温度は95℃以下に保持しつつ実施することが
望ましい。
温度の上昇と共に、アンモニア、−酸化窒素等の副生物
の生成反応が著しくなり、その分だけ亜硝酸塩生成の電
流効率が低下するからである。
硝酸アンモニウムを原料とする場合には還元生成物たる
亜硝酸アンモニウムの窒素と水への分解反応が約75℃
前後から始まるため、生成した窒素ガスによる陰極遮蔽
により、電流効率の低下が認められることがある。
したがって、この場合には常温ないし70℃以下の温度
で電解することが好ましい。
本発明によれば、硝酸塩から亜硝酸塩を工業的有利に転
換することができるので、単に特定の亜硝酸塩の製造ば
かりでな(、例えば金属工業での表面処理工程や核燃料
処理工程の如き、溶剤として硝酸を用いるプロセスにお
いて生成する廃棄硝酸塩の処理等にも利用できるので極
めて有用な方法である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
これは本発明の内容を限定するものではない。
なお、以下の実施例は第2図のフローシートにしたがっ
て行った。
ここで21は硝酸塩水溶液の供給口、22は硝酸の供給
口、23は陰極ガス出口、24は陽極ガス出口、25は
水の供給口、26は電解槽、27は陽イオン交換膜、2
8は陰極室、29は陽極室、30は陰極室タンク、31
は陽極室タンクを示す。
電解には直流を用いた。発生ガスの組成はガスクロマト
グラフィーにより測定し、ガス量は湿式ガスメーターを
用いて測定した。
実施例 1 隔膜として、スルホン酸基を有するフッ素化重合体系強
酸性陽イオン交換膜「ナフィオン膜」(デュポン社商品
名)を用い、特公昭52−20440号の実施例1に記
載の方法で作製した電極を陽極とし、陰極として鉛を用
いた締付型の電解槽(膜面積0.3dr11″/セル)
を使用して、陽極室に硝酸31.5?/lの水溶液を、
陰極室に硝酸ナトリウム2309/を及び水酸化ナトリ
ウム3.8グ/lを含有する水溶液(pH12,9)を
各各、流速22.8 t/ hr で供給し、液温を4
0℃に保って電流密度30 A / d r11″で2
時間通電した。
定常運転において、陽極では、酸素ガスが発生し、陰極
では少量のガスの発生と水溶液の微黄色への着色が見ら
れた。
陽極における酸素発生量:0、167mol :陰極に
おける発生量:窒素0、0101 mol、−酸化窒素
0.0034mol、水素0.0005 mol。
電解後の陰極液の組成は、硝酸ナトリウム205グ/l
、亜硝酸ナトリウム17.7グ/l、水酸化ナトリウム
5.2?/l、水酸化アンモニウム0.3P/、!であ
り、亜硝酸ナトリウム生成の電流効率は76.7%であ
った。
実施例 2 隔膜としてスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を母体
にし、スルホン酸基を導入した強酸性陽イオン交換膜「
アシプレックス」(旭化成工業株式会社商品名)を、陽
極として白金板、陰極として鉛を用いた締付型の電解槽
(膜面積0.3 d m”/セル)の、陽極室に塩酸i
s、3y/zの水溶液を陰極室に硝酸ナトリウム23
Of?/l、及び水酸化ナトリウム3.8f/lを含有
する水溶液(pH12,9)を、各々流速22.8.!
/hr で供給し、その他は実施例1と同一の条件で
運転して、次の結果を得た。
亜硝酸ナトリウム濃度:16.3′?/l、電流効率ニ
ア0.5%。
また陽極室では塩素ガスが発生した。
実施例 3 陽極室液として硫酸24.5 ?/lの水溶液を用いそ
の他の条件は実施例2と同様にして、電解還元し、次の
結果を得た。
亜硝酸ナトリウム濃度:16.6グ/l、電流効率ニア
2.0%。
実施例 4 隔膜として、特開昭52−24177号により製造され
た、カルボン酸基を有するフッ素化重合体系弱酸性陽イ
オン交換膜を用い、陽極として特公昭52−20440
号の実施例2に記載の方法で作製した実験番号4と同一
組成の電極を、陰極として錫を用いた締付型の電解槽(
膜面積1.0dm’/セル)の陽極室に硝酸6.3t/
L水溶液を陰極室に硝酸ナトリウム4oo?/lを含有
する水溶液(pH5゜2)を各々流速75.2 t/
hr で供給し、電解中の液温を90℃に保って、電流
密度30 A / d rrlで2時間通電した。
定常運転において、陽極では酸素ガスが発生し、陰極で
は少量のガスの発生と水溶液の微黄色への着色が見られ
た。
発生ガス量は陽極に於いて酸素0.553mol。
陰極において窒素0.050mol、−酸化窒素0.0
27mol、水素0.042molであった。
電解後の陰極液の組成は、硝酸ナトリウム325 ?/
l、亜硝酸ナトリウム50.5 ?/l。
水酸化ナトリウム6、o′iI/、g、水酸化アンモニ
ウム0.9?/lであり、亜硝酸ナトリウム生成の電流
効率は65.1%であった。
実施例 5〜9 隔膜としては、実施例1と同一の陽イオン交換膜と、陽
極として特公昭52−20440号の実施例3に記載さ
れた方法で作製した電極を、陰極としてインジウムを使
用した電解槽の陽極室に硝酸3t5?/Lの水溶液を、
陰極室に硝酸ナトリウム230 ?/l、及び水酸化ナ
トリウム3.8yitを含有する水溶液(pH12,9
)を、各々流速201/ hr で供給し、実施例1
と同一の電解条件で通電した。
陰極としてインジウムの代りに、チタニウムの白金メッ
キ電極、炭素電極、錫、鉛−錫合金(錫10重量%)を
夫々用いて、上記と同様に電解した。
電解後の陰極液中の亜硝酸ナトリウムの濃度及び電流効
率は次表に示す通りであった。
実施例 10〜16 隔膜として、実施例1と同一の陽イオン交換膜を、陽極
として特公昭52−20440号実施例4に記載された
方法で作勢した電極を、陰極に錫を用いて締付型の電解
槽(膜面積1d77L″1モル)の陽極室に硝酸31.
5 ?/lの水溶液を、陰極室に硝酸アンモニウム21
7v/lの水溶液を各々流速50t/hrで供給し、電
解中の液温を40℃に保って電流密度3oA/a=で2
時間通電した。
この間陰極室に微量の硝酸を連続的に供給する等の方法
により、第2表に示すpHを保持した。
定常運転において陽極では酸素ガスが発生し、陰極では
少量のガスが発生した。
電解後の陰極液中の亜硝酸アンモニウムの濃度及び電流
効率は第2表に示す通りであった。
実施例 17 隔膜として、実施例1と同一の陽イオン交換膜を、陽極
としてチタニウムのロジウムメッキ電極を、陰極として
鉛を使用し、陽極室に硝酸31.5y7tの水溶液を、
陰極室に硝酸リチウム187?/1及び水酸化リチウム
2.4?/lを含有する水溶液(pH13)を各々流速
30 t/ hr で供給し、電解中の液温を70℃に
保って電流密度10A/dm”で6時間通電した。
定常運転において、陽極では酸素ガスが発生し、陰極で
は少量のガスが発生した。
電解後の陰極液の亜硝酸塩の濃度は12.3?/lであ
り電流効率は68%であった。
実施例 18 実施例17における硝酸リチウム及び水酸化リチウムの
かわりに、硝酸カリウム274 ?/を及び水酸化カリ
ウム5.6?/lを含有する水溶液(pH1,3)を実
施例17と同様の方法で電解還元した。
得られた水溶液中の亜硝酸塩の濃度は24.0 ?/l
で、電流効率は81%であった。
比較例 1及び2 実施例1における鉛陰極の代りに銅陰極(比較例1)又
は銀陰極(比較例2)をそれぞれ用いたほかは、実施例
15と同一条件で電解を行った。
電解波陰極液の亜硝酸アンモニウムの濃度から計算した
電流効率は比較例1では46%、比較例2では4.5%
であった。
これらの値は実施例15の銀陰極の場合(70%)と比
較して著しく低いものである。
亜硝酸イオンの分解が少いpH9において電流効率がこ
の程度であることは、これより低いpHにおいては電流
効率は更に急激に低下するので、これらの電極は非実用
的であることを意味している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、電流−電位測定回路を、第2図は本発明の代
表的なブローシートを示すものである。 第1図の説明、1・・・・・・直流電源、2・・・・・
・電流計、3.4,14・・・・・・電位差計、5・・
・・・・陰極、6゜15・・・・・・塩橋、7・・・・
・・陽極、8・・・・・・陽イオン交換膜、9・・・・
・・電解槽、10,16・・・・・・比較電極、11.
17・・・・・・飽和KCI溶液、12・・・・・・陽
極液、13・・・・・・陰極液。 第2図の説明、21・・・・・・硝酸塩液供給口、22
・・・・・・硝酸供給口、23・・・・・・陰極ガス出
口、24・・・・・・陽極ガス出口、25・・・・・・
水の供給口、26・・・・・・電解槽、27・・・・・
・陽イオン交換膜、28・・・・・・陰極室、29・・
・・・・陽極室、30・・・・・・陰極液タンク、 31・・・・・・陽極液タンク。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽イオン交換膜により陰極室と陽極室に区分された
    電解槽の陰極室に硝酸塩を含む水溶液を供給し、陰極と
    してカドミウム、亜鉛、鉛、錫、インジウムの1種また
    は2種以上の合金あるいはこれらの1種または2種以上
    と他の金属との合金を用い、陰極液のpHを4以上に保
    持しつつ通電することを特徴とする亜硫酸塩の製造方法
    。 2 陰極室液をpH7以上に保持することを特徴とする
    特許請求の範囲1の方法。 3 陽極室液が鉱酸水溶液である特許請求の範囲1の方
    法。 4 陽イオン交換膜がフッ素化重合体からなるイオン交
    換膜であることを特徴とする特許請求の範囲1の方法。 5 陽極が白金族金属の1種または2種以上からなる被
    覆を有する寸法安定性の優れた金属電極であることを特
    徴とする特許請求の範囲1の方法。 6 陰極室液の温度を95℃以下に保持することを特徴
    とする特許請求の範囲1の方法。 I 陰極室液の温度を室温から70℃に保持することを
    特徴とする特許請求の範囲6の方法。
JP53122736A 1978-10-06 1978-10-06 亜硝酸塩の製造法 Expired JPS5844155B2 (ja)

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