JPS5843179B2 - 縦型下部射出型ダイカストマシンの給湯法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は縦型ダイカストマシンであって、下部から射出
するようにしたダイカストマシンにおける給湯法に関す
るものである。

更に詳細には、溶湯を大径の下位のカウンタで受け、次
いで上位の小径のプランジャを下降させた後下位のカウ
ンタを上昇させて溶湯をキャビティ内に加圧充填する如
くしたダイカストマシンにおいて、溶湯の給湯にさいし
、カウンタを給湯落差量だけ降下させつつ給湯し、溶湯
の上部が上位のプランジャスリーブ内に常時滞溜する如
くシ。

給湯時湯中に滞溜するガス気泡や酸化膜等の不純物を溶
湯の上方に積極的に浮上させる如くし、巣、ひけ等の鋳
造欠陥を可及的に抑制、防止するようにした縦型下部射
出型ダイカフ、トマシンの給湯法に関する。

縦型で下部射出型のダイカストマシンの給湯方法は、従
来では下位の射出スリーブ上方から溶湯を注湯し、溶湯
貯溜後下位の射出ピストン（カウンタに相当する）を上
動し、溶湯の上位のものからキャビティ内に加圧充填し
ている。

かかる従来法は、下位の射出スリーブ上方から注湯し、
一時的にスリーブ内に溶湯を貯溜している結果、ガス気
泡□や酸化皮膜等の不純物が溶湯の上面に浮上し、この
状態のまま射出ピストンの上動で溶湯の上部からキャビ
ティ内に充填するため、上記不純物がキャビティ内に溶
湯と併せて充填される。

この結果鋳造製品部内にこれらが巻き込まれ、鋳造品に
□巣、ひけ等を生じ、品質に悪影響をもたらし、製品歩
留りの低下等好ましくない。

本発明者等はこの種ダイカストマシンにおける給湯の以
上の如き従来の問題点を効果的に解決すべく本発明をな
したものである。

本発明の゛目的は、上記ダイカストマシンにおいて、上
位のプランジャ、スリーブを小径とし、下位のカウンタ
、スリーブを大径とし、カウンタ上に溶湯を給湯するに
さいし、カウンタを予じめ適度な注湯落差量を設けて降
下させ、溶湯上部が常時上位のプランジャスリーブ内に
滞溜する如くした縦型下部射出型ダイカストマシンの給
湯法を提供する。

従って本発明の目的は、カウンタ上への給湯時に溶湯上
部が常時カウンタスリーブと区画された上位のプランジ
ャスリーブ内に滞溜し、不純物を区画保持し、爾後の加
圧充填時における不純物の製品キャビティ内への混入を
防止し、巣やひけ等の鋳造欠陥のない、品質良好な鋳造
品を得せしめる如くした給湯法を提供する。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図乃至第４図は給湯法をプロセスに従って説明する
ダイカストマシンの縦断面図である。

１は上型、２は下型で、上型１と下型２間には製品キャ
ビティ３が形成され、キャビティ３の下型側には押出ピ
ン４，４が臨んでいる。

キャビティ３への連通部５の下部は下型２の型合せ面２
ａより下位に口出する如く設けられ、連通５部５の上部
は上部１の型合せ面１ａと面一に形成されている。

上型１の一部にはプランジャスリーブ６が垂直に縦設さ
れ、スリーブ６は上型１の型合せ面１ａより所定長さ下
方へ突出し、且つ後述の下位のカウンタスリーブ９より
小径に設定する。

スリーブ６の上部側方には給湯用ホッパ８を臨ませると
ともに、これの上方にはこれと摺動自在に嵌合するプラ
ンジャ７が上下動自在に設けられている。

下型２には上記スリーブ６と対向するカウンタスリーブ
９が垂直に縦設され、スリーブ９はスリーブ６に比し大
径で、これが上端９ａは上型１の型合せ面１ａに達し、
スリーブ９の上部内にスリーブ６の下部垂下突出部６ａ
が遊合し、且つスリーブ６の下端は連通部５の底より下
位にある如く設定される。

カウンタスリーブ９の一部には既述の連通部５と連通す
る湯道開口部９ｂが形成されるとともに、スリーブ９内
には上下動自在にカウンタ１０が嵌合されている。

ここで給湯法をプロセスに従って説明すると、第１図に
示される如くカウンタ１０を上動せしめてこれ１０の上
面で上位のスリーブ６の下端面を閉じる。

ホッパ８から溶湯Ｍを給湯し、湯Ｍはカウンタ１０で塞
がれたスリーブ６内に流入し、カウンタ１０で受けられ
、これの上に貯溜される。

所定量貯溜後カウンタ１０を下動させ、第２図の如＜シ
、カウンタ１０の下動は湯Ｍの注湯と所定の落差量をも
つ如く行わせ、湯Ｍの上部は常に上位の小径なスリーブ
６内に滞溜する如くする。

この経過を第２図、第３図で示し、図示の如くカウンタ
１０の下降速度は注湯との間に予じめ設定した湯の上部
がスリーブ６内に滞溜する如き注湯落差量をもつ如く設
定する。

この落差によって溶湯内部には対流的な運動が発生し、
気泡や酸化膜等の不純物は積極的に上方へ運ばれ、表面
に浮上する。

そしてこの浮上した不純物を含む湯の上部はカウンタ１
０の下降速度が上記の如くであるために上位の小型なス
リーブ６内に保持され、下位のスリーブ９内に流入し、
移動拡散することはない。

以上はホッパー８内に湯を給湯しつつタイマ等の制御手
段で断続的にカウンタ１０を下降させて行い、給湯完了
時、、不純物を含む湯Ｍはスリーブ６内に滞溜し、この
時点では末だ気泡等の不純物が若干溝の内部に存在する
ため、射出に移行する以前に鎮静時間を若干設けた方が
良い。

これを第４図で示した。

爾後第５図乃至第８図に示される如く充填を行う。

先ず、カウンタ１０を上動させて湯Ｍを開口９ｂから溢
流せしめて連通部５に導入し、第５図？状態から上位の
プランジャ７を下降せしめ、溶湯Ｍの液面上にクリアラ
ンスをもって停止させる（第６図参照）。

次いでカウンタ１０を上動させ、湯Ｍを押し上げて連通
部５を介してキャビティ３内に充填し、このさい、溶湯
Ｍの不純物は上位のスリーブ６内に該湯のこれを含む部
分が封じ込められて保持されるためキャビティ内に移動
、流入することは可及的に防止される。

これを第７図で示した。

キャビティ３内へ湯Ｍの押し上げ充填後プランジャ７を
下降させてスリーブ６外へ突出させて湯を加圧し、最終
的な加圧を行う。

この場合、湯Ｍの最終表面の不純物は最後に押し出され
、湯中に流入、拡散するも、キャビティ内には既に湯が
充填されており、開口部９ａと連通路５、スリーブ６と
９との間に滞溜し、製品部であるキャビティ内には不純
物は流入しない。

以上で明らかな如く本発明に従えば、給湯時に発生する
気泡や酸化膜の如き不純物は溶湯表面に積極的に浮上し
、且つ隔離され、爾後のキャビティへの加圧充填時に不
純物のキャビティ充填溶湯への移動、流入を可及的に抑
制、防止し、巣、ひけ等のない品質良好な鋳造品を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は給湯初
期の状態を示すダイカストマシンの縦断面図、第２図は
中期の状態を示す同様の図、第３図は後期の状態を示す
同様の図、第４図は溶湯鎮静状態を示す同様の図、第５
図は射出充填初期の同様の図、第６図は上位プランジャ
下降の同様の図、第７図は溶湯充填状態の同様の図、第
８図は最終加圧状態の同様の図である。 尚図面中６はプランジャスリーブ、７はプランジャ、９
はカウンタスリーブ、１０はカウンタ、Ｍは溶湯である
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 溶湯を大径の下位のカウンタで受け、次いで小径の
   上位のプランジャを下降させた後、下位のカウンタを上
   昇させて給湯をキャビティ内に加工充填する如くしたダ
   イカストマシンにおいて、予めカウンタを上動せしめた
   後、上位のプランジャスリーブ内に溶湯を給湯しつつ、
   所定速変で上記カウンタを設定された給湯落差量だけ断
   続的に下降せしめ、カウンタスリーブ内の上部に臨む上
   記プランジャスリーブ内の下部に溶湯の上部が常時滞溜
   する如く給湯するようにしたことを特徴とする縦型下部
   射出型ダイカストマシンの給湯法。