JPS5843172Y2 - 電線ヒユ−ズ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電線ヒユーズに関するものである。

従来、この種電線ヒユーズは、既に周知のように防爆密
閉型であり、しゃ断時におけるヒユーズのしゃ断ガスが
ヒユーズ筒の内壁面に蒸着して、ヒユーズ端子間の絶縁
抵抗値を大きく低下せしめる欠点があった。

この点を改善し得るものとして、第１図に示すタイプの
電線ヒユーズが考案された。

これは、ヒユーズ筒１の両側を密封する絶縁物からなる
枠部２を有するリード線取付端子３の枠部２の内側凹底
部２ａに、耐熱性絶縁物、例えばセラミックペーパ４を
ヒユーズ端子５を貫通せしめて挿入し、枠部２の中心部
にリード線取付端子３とヒユーズ端子５の径の差違に相
まって空隙６を形成した構造であり、しゃ断時における
ヒユーズのしゃ断ガスはセラミックペーパ４に遮蔽され
、凹底部２ａに直接蒸着することが防止される。

これによって、しゃ断後の絶縁回復を維持するものであ
った。

しかしながら、前述構造にあっては、絶縁抵抗値の改善
はなし得るが、ヒユーズ端子とリード線取付端子とを径
の異なる別体とする必要があると共に、短絡等の大電流
しゃ断時におけるヒユーズの溶断ガス圧が、枠部２等の
絶縁物を直撃する状態にあり、絶縁物を爆破する恐れが
あった。

そこで、本考案はヒユーズしゃ断後のヒユーズ端子間の
絶縁抵抗を充分確保し得ると共に、前記欠点をも解消す
べく、絶縁筒内を周囲に通気性を有する消弧筒を配設し
た高温可溶体よりなる大電流しゃ断部Ａと、消弧筒と直
列的に配置された透明筒体内を耐熱性絶縁物よりなる仕
切板にて仕切り、低温可溶体よりなる小電流しゃ断部Ｂ
及び絶縁空間部Ｃに区分すると共に、前記各可溶体には
ノード線接続端子を直接接続し、絶縁筒内から外部へ突
出した状態で収納密封した簡単なる構造にて、前述欠陥
を皆無とする電線ヒユーズを提供するものである。

以下、本考案を具体化した一実施例を図面について説明
すると次の通りである。

第２図は本考案を実施した電線ヒユーズの縦断面図であ
る。

透明合成樹脂よりなる円筒状の絶縁筒７の両端内周面に
は、同じく合成樹脂よりなる円筒状の支持筒８，８′を
嵌合固着し、絶縁筒７より外部へ一端を突出した状態で
リード線接続端子９，１０をピン着１１．１２すると共
に、絶縁筒７の外周に内周面を接着した樹脂性からなる
保護カバー１３．１４にて密封する。

前記絶縁筒７を、大電流しゃ断部Ａ、小電流しゃ断部Ｂ
及び絶縁空間部Ｃに区分する。

大電流しゃ断部Ａは、周囲に比重の小さい軽石等の無機
物質を円筒状に接着成形した通気性を有する消弧筒１５
を配設し、前記リード線接続端子９の内端に対しカシメ
着等により接続した銀線等のしゃ断時性が優れ、しゃ断
時間も短かく発生ガス量も少ない金属からなり、短絡等
の大電流しゃ断時にしゃ断し得る高温可溶体１６より構
成する。

小電流しゃ断部Ｂ及び絶縁空間部Ｃは、前記消弧筒１５
と図中右側の支持筒８′との間に収納した透明ガラスよ
りなる筒体１７の中間に、石綿等の耐熱性絶縁部材から
なる仕切板１８を移動可能に嵌入することにより仕切ら
れた空隙である。

小電流しゃ断部Ｂにあっては、前記高温可溶体１６の先
端部に対し、消弧筒１５の筒外部にてキャップ状接続端
子１９を介してハンダ付は等のろう付は又はカシメ付け
によって接続した低溶融合金等よりなる低温可溶体２０
を内装し、過負荷等による過電流が所定時間以上流れた
時にしゃ断する。

低温可溶体２０は接続部２１にろう付は等により導体２
２を介してリード線接続端子１０の内端にカシメ付は等
により接続する。

又、前記大電流しゃ断部Ａ、小電流しゃ断部Ｂは消弧筒
１５の両側に介装した石綿等よりなる緩衝用パツキン２
３．２３’の一方パッキン２３′の中間部に設けた通孔
２４によって連通されている。

尚、本考案実施例にあっては通気性のよい消弧筒として
軽石を使用しているが、ホウ酸等の消弧性のある有機物
質を付着させるようにしてもよい ここで、前記のように構成した電線ヒユーズについてそ
の作用及び効果を説明する。

接続端子９，１０間に過負荷等による過電流が所存時間
以上流れると、低温可溶体２０が溶断する。

この溶断状態は、透明の絶縁筒７及び筒体１７を通して
容易に確認することができる。

叉、接続端子９，１０間に短絡等の大電流が流れると高
温可溶体１６が溶断し、溶断ガス及び爆音が発生する。

この際、溶断ガスの大半はガス圧により通気性を有する
消弧筒１５内に進入して消弧され、かつ爆音も吸収され
る。

一方、消弧筒１５により吸収できなかった残りの消弧力
スはガス圧により、大電流しゃ断部Ａから通孔２４を通
って小電流しゃ断部Ｂ内へ流入し、筒体１７の内周面に
金属等の融着物が蒸着し汚すので、高温可溶体１６の溶
断を筒体１７及び絶縁筒７を通して容易に確認し得る。

更に、短絡しゃ断時に発生するしゃ断ガス圧を仕切板１
８にて緩和し、支持筒等の絶縁物へのガス圧の直撃を防
止すると共に、同仕切板１８へのしゃ断ガスの直撃に伴
い、金属等の融着物を小電流しゃ断部Ｂの筒体１７の内
周に瞬時に蒸着させ、緩和に伴う仕切板１８の移動、破
損により、溶断ガスが絶縁空間部Ｃへ流入したとしても
、蒸着量は少ないため小電流しゃ断部Ｂ内における蒸着
膜は、仕切板１８の設定部分にて切離されることとなる
。

よって、両リード線接続端子９〜１０間に連通ずる絶縁
筒内面全面に金属等の融着物が付着して沿面を介して、
両端子間の絶縁抵抗が低下することにより、しゃ断不能
になることを防止できる大きな効果がある。

加えて、前述の短絡等の大電流しゃ断及び過負荷等によ
る小電流しゃ断における表示を、同一の部分、即ち、絶
縁筒内における消弧筒１５と右側支持筒８′間にパツキ
ン２３′を介して収納された筒体１７をもって、前記画
表示を行い得るため、表示対策としてのヒユーズ自体の
大型化等の構造上の問題も解消し得ると共に、部品の簡
素化もはかれるものである。

又、前記実施例では仕切板１８を製作時に筒体１７内に
挿入するだけである為、製作組立を容易に行うことがで
きる。

以上述べたように本考案は、内部を透視し得る耐爆絶縁
筒内を大電流しゃ断部、小電流しゃ断部及び絶縁空間部
とに三区分し、小電流しゃ断部及び絶縁空間部との間に
、耐熱性絶縁部材よりなる仕切板を介装した簡単なる構
造にて、従来電線ヒユーズの欠陥であったヒユーズしゃ
断時に発生するしゃ断ガスによる絶縁物への直撃を緩和
阻止し、又、ヒユーズしゃ断後の接続端子間の絶縁抵抗
を充分に保持し得る効果を有するものであり、産業上大
いに利用し得る考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来における電線ヒユーズのしゃ断後の絶縁
抵抗回復構造を示す一側リード線接続端子部の断面図で
ある。 第２図は、本考案を具体化した電線ヒユーズの縦断面図
である。 ７・・・・・・絶縁筒、８．８’・・・・・・支持筒、
９，１０・・・・・・リード線接続端子、１３．１４・
・・・・・保護カバー、１５・・・・・・消弧筒、１６
・・・・・・高温可溶体、１７・・・・・・筒体、１８
・・・・・・仕切板、２０・・・・・・低温可溶体。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）透明給縁材よりなる耐爆絶縁筒内に、周囲に通気
   性を有する消弧筒を配設した高温可溶体よりなる大電流
   しゃ断部Ａと、消弧筒と直列的に配置された透明筒体内
   を耐熱性絶縁物よりなる仕切板にて仕切り、同透明筒体
   内を低温可溶体よりなる小電流しゃ断部Ｂ及び絶縁空間
   部Ｃに区分すると共に、前記各可溶体にはリード線接続
   端子を接続し、絶縁筒内から外部へ突出した状態で収納
   密封したことを特徴とする電線ヒユーズ。
2. （２）一対の可溶体を収納している絶縁筒の内部は連通
   されている実用新案登録請求の範囲第１項記載の電線ヒ
   ユーズ。
3. （３）仕切板は絶縁空間部Ｃ内を移動可能に取り付けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項及び第２項記載
   の電線ヒユーズ。