JPS5842763Y2 - 湯沸器の水制御器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は低圧導入路に部品を加えることなく、簡単な工
夫により緩点火機能を付与することを目的とする湯沸器
の水制御器に関する。

瞬間湯沸器はガス側の操作により種火に点火した状態で
主弁を開き、あとは水の開閉により水圧応動弁を自動的
に開閉して出湯を行っているが、この水圧応動弁の開弁
は、水圧応動装置によリー気行なわれて爆発的な着火に
なるので、従来大型湯沸器を中心として緩点火が行なわ
れているものが多い。

緩点火として、水側の水圧応動ダイヤフラムを開弁側の
み徐々に作動させ、且つガス側の水圧応動弁も２重弁構
造にして、ガスを２段階に分けてバーナに供給し、２段
燃焼で緩点火を行なわしめるものは従来よく知られてる
。

この際水側水圧応動ダイヤフラムの緩動作装置として、
第１図に示すように低圧導入路の途中に略逆止弁構造を
もちいることもよく知られている。

第１図に於いて、ａはダイヤフラム高圧室等を有する主
体の通路の一部を示し、ｂはその通路内に挿入されたベ
ンチュリー、Ｃは主体内に低圧導入孔である。

またｄはダイヤフラム低圧室等を有するキャップの低圧
導入部で、ｅはその導入孔を示す。

ｆはキャップ側の低圧導入孔Ｃの途中に別部品として挿
入された緩動作装置で、ボールｇと共に略逆止弁を形成
している。

すなわちダイヤフラム低圧室からベンチュリー側へ向う
水の流出はボールｇで阻止され、細孔りを流れるので、
ダイヤフラム（図示せず）はゆっくり動作し、水圧応動
弁をゆっくり開く。

逆に低圧室へ水が流入する場合は、ボールｇは逆止弁に
ならず流入抵抗が少さいので、ダイヤフラムは瞬時に動
作し、水圧応動弁も瞬時に閉弁する。

以上従来の緩動作装置は略逆止弁部品を別途設ける必要
があり、また細孔りが水に混入した異物等により詰まり
易い欠点も有していた。

本考案は上記従来例の欠点を解消したもので、以下その
実施例を添附図面とともに説明する。

第２図において１は水制御器の主体で、水入口部２、水
圧応動ダイヤフラム３により仕切られた高圧室４、主体
に一体に形成されたベンチュリ一部５で水通路を構成し
たもので、熱交換器６を通過した湯は主体１に設けられ
た湯通路７を経て出湯口８から出湯管及び出湯蛇口（図
示せず）へ向う。

９は熱交換器６のバイパス通路で、高圧室４から出湯口
８へ直通で設けられ、その途中にバイパス流量を開閉す
るバイパス弁１０を設けである。

湯と水は混合部１１で混合して出湯口８から設定された
湯温となって流出する。

１２はダイヤフラム３により仕切られた低圧室１３を構
成するキャップで、低圧導入路１４を有している。

１５はダイヤフラム３で生じた力を外部に伝達する操作
杆である。

また１６はベンチュリー５の低圧発生部１７で生じた低
圧を低圧室１３へ導く主体側の低圧導入孔で、ベンチュ
リー低圧発生部１７の流れの方向に対し対抗する向きに
斜めに設けられており、その一端はキャップ側低圧導入
路１４に連通されている。

次に動作を説明する。

従来例の所でも述べたように、ガス瞬間湯沸器は図示し
てない種火を常燃焼しておいて、水側の開閉によりメイ
ンバーナ燃焼をオンオフして使用される。

この水側の動作を検出するのが水圧応動ダイヤフラム３
である。

図示してない水栓を開くと水が入口部２、高圧室４、ベ
ンチュリ一部５、熱交換器６を経て再び主体の湯通路７
、出湯口８を通って出湯されるが、この間、ベンチュリ
一部５の低圧発生部１７で生じた低圧により、低圧導入
孔１６及び導入路１４を通じて低圧室１３に低圧が生じ
、高圧室４との圧力差が水圧応動ダイヤフラム３で拡大
され、得られた作動力が操作杆１５を通して図示してい
ないガス回路側の水圧応動弁を開き、バーナにガスが供
給されて燃焼が開始される。

この時、ある一定以上の流量はバイパス弁１０が開いて
バイパス通水路９を流れている。

次に水栓を閉じると、高圧室４と低圧室１３は同圧にな
り、ダイヤフラム３で生じていた力が零になるので、水
圧応動弁はその弁スプリングにより閉弁し、燃焼は止ま
る。

このダイヤフラム往復の動作に対し、低圧室１３内の水
の流動は、ダイヤフラムが開弁側に変位する時は、低圧
室１３内の水は低圧導入孔１６を通してベンチュリー２
内に流出され、逆にダイヤフラム３が閉弁側に動作する
時は、低圧導入路１６から流入することになる。

この時、上記の構成では低圧導入孔１６は低圧発生部１
７の水流方向に対し、対抗する方向に斜めに設けられて
おり、その傾斜角度は４５°以下としており、この部分
では数ｍ／ｓｅｃの流速が生じているので、低圧導入路
１６から低圧発生部１７への水の流出に対しては非常に
大きな抵抗になり、逆に流入に対しては抵抗なく流動す
る。

すなわち、ダイヤフラム３が開弁方向に変位する時は緩
動作となり、閉弁方向に変位する時は瞬時動作となるの
で、水側の緩点火機能を有することになる。

消火の場合は、後沸き、沸騰の点から瞬時動作が必要な
ことは従来よく知られている。

この緩動作の度合は、低圧導入孔１６の穴径が小さい程
、また傾斜角α（通常４５°以下）が小さい程大きくな
ることは明らかであるが、逆に瞬時動作はそれ程影響を
受けないので、緩点火に最適である。

以上のように本考案はベンチュリーの低圧発生部と低圧
室とを低圧導入孔を介して連通させ、この低圧導入孔は
ベンチュリー低圧発生部の流れ方向に対し対向する方向
に斜めに形成するとともに、前記ベンチュリー通路との
なす角度を４５°以下としたものであるので、燃焼初期
に高圧室の圧力が上がり、低圧室から低圧発生部への水
の流出がおきるのに対しては非常に大きな抵抗となり、
緩点火機能が行われ、また消火時には水はスムーズに流
入するので瞬時に消火を行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図は本考案の実施例を示
す水制御器の断面図である。 １・・・・・・主体、３・・・・・・ダイヤフラム、４
・・・・・・高圧室、５・・・・・・ベンチュリ一部、
１６．１６’、１６”・・・・・低圧導入孔、１７・・
・・・・連通路、１８・・・・・・逆止弁、１９・・・
・・・流体ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイヤフラムにより仕切られた高圧室と低圧室を有し、
   前記高圧室を形成する主体の通水路の一部にベンチュリ
   一部を形成し、さらに前記ベンチュリーの低圧発生部と
   前記低圧室を連通ずる低圧導入孔を前記主体に形成し、
   前記低圧導入孔はベンチュリーの低圧発生部の流れの方
   向に対し対向する方向に斜めに形成するとともに、前記
   ベンチュリー通路とのなす角度を４５°以下にしてなる
   湯沸器の水制御器。