JPS5841901B2 - 移動式集じん電極を有する電気集じん装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、移動式集じん電極を有する電気集じん装置に
係わり、特に集じん電極板の取付位置に特徴を備えた移
動式集じん電極を有する電気集じん装置に関する。

移動式集じん電極を有する電気集じん装置は産業用又は
事業用ボイラや焼結炉などから排出される電気抵抗が高
いダストを含有する排ガスの除しん装置として有効であ
る。

第１図はこの種の電気集じん装置に使われる集じん電極
移動装置の一例を示したものである。

第１図において、一対の上部スプロケット１１は駆動軸
１２上に、集じん電極板１３の長さにほぼ匹適する間隔
で固定され、駆動軸１２とともに一定方向に等速回転し
ている。

前記上部スプロケット１１には無端チェーン１４が係合
して下方に垂下している。

この無端チェーンの折り返し部には、前記上部スプロケ
ットと同一有効径の従動輪１５が配置されて、無端チェ
ーンを案内している。

この従動輪の軸１６は、水平方向の振れを制限するよう
に拘束されているが、上下方向は拘束されず無端チェー
ン１４の伸びを吸収し得るように支持されている。

前記、無端チェーン１４には、垂直矩形状の集じん電極
板１３が、その両端中央部位置で固定され、複数枚が一
定間隔を置いて直列に取付けられている。

このような構成において、前記上部スプロケット１１を
一定方向に回転させると、無端チェーン１４は上部スプ
ロケット１１と従動輪１５間を連続的に周回し、この無
端チェーンの軌跡に従動して、集じん電極板１３も移動
する。

集じん電極板１３の移動軌跡は、その両端中央部が無端
チェーイ１４に固定されているので、無端チェーンと同
一の軌跡を描き、上部スプロケットまたは従動輪を周回
する位置では、これらの外周円の接線方向に集じん電極
板が移動しながら軌跡を描く。

第２図は、第１図で説明した集じん電極移動装置と類似
のものを並列に設けた電気集じん装置の基本構成を示す
図である。

図において、２０は集じん電極移動装置であり、複数個
が並列に設けられている。

主動輪２１と従動輪２５には、同一寸法の垂直矩形状の
集じん電極板２３の複数枚を直列に一定間隔で固定した
無端索条２４が懸けられており、前記集じん電極板２３
とともに一定空間を矢印方向に周回している。

集じん電極板２３は各列毎に集合して紙面に対して垂直
方向に複数列の移動集じん電極面を形成しており、この
移動集じん電極面の各列の中間には放電極３０が設けら
れている。

この構成において、放電極３０と集じん電極板２３との
間に高電圧を印加することにより、放電極３０が存在す
る空間Ａは集じん領域を形成して、ガス中のダストを集
じん電極板２３の表面に捕集する。

放電極３０が存在しない下方の空間Ｂは卵巣じん領域で
あり、この領域では集じん電極板２３の表面に堆積した
ダストがブラシ４０によって掻き落される。

この移動式集じん電極を有する電気集じん装置は、前述
のごとく電気抵抗が高いダストを捕集する場合に有効で
あるが、従来、欠点とされていたことは、通常の静置式
平板型の集じん電極を備えた電気集じん装置と比較して
、構造が複雑なことである。

特に隣接電極間隔を狭くして集じん効率を高めようとす
ると、集じん電極板の巾（索条に沿った長さ）に制限を
受け、小さく分割する必要があるため、きわめて複雑な
構造となっていた。

本発明の目的は前記技術の集じん電極移動装置の基本構
成はそのまま踏襲しながら、集じん電極板の巾を最大限
にすることを可能にし、もって構造の複雑さを緩和した
移動式集じん電極を有する電気集じん装置を提供するに
ある。

前記の集じん電極移動装置は、第３図に示すように、主
動輪２１の外周を接するように集じん電極板が周回する
際に、集じん電極板の両先端の描く軌跡が隣りに並夕１
ルた集じん電極板のそれと互いに接触しないように、隣
りとの間隔Ｐによって巾のＷが定められていた。

従って、集じん電極板がいかなる状態にあっても、集じ
ん電極板同志が互いに接触する事態は避けることができ
るが、巾Ｗを小さく選定しなければならない。

本発明は集じん電極板の巾Ｗを最大限に大きく選定する
ために、集じん電極板が主動論を周回する際に、隣りの
集じん電極板と位相差を有して同期しながら移動するよ
うに取付位置が定められていることを特徴とする。

すなわち、上記の位相差を適当に選定することによって
、第４図に示すように、集じん電極板２３の両先端の描
く軌跡を、隣接の主動論の外周に接近させることができ
、巾Ｗを最大限に大きくとれる。

第３図に示す位相差を考慮しない従来例においては、集
じん板２３の巾Ｗは、Ｏ＜Ｗ＜△Ｐに制限される。

しかしながら、第４図に示す位相差を考慮した本発明に
於いては、集じん板２３の巾Ｖ′３ＶＦ３ Ｗは、−Ｐ ＜ｗ＜−ΣＰの範囲にまで集じん板２３の
巾を拡げることができる。

一般に、この種の集じん電極移動装置は、放電極３０の
並列取付間隔は約３００〜４００ｍｍであり、この放電
極３０の中間に集じん電極板が移動通過するように関連
寸法が定まる。

例えば前記取付間隔を３００關とした場合、第３図また
は第４図において、隣接する主動輪の中心間距離Ｐは約
６００ｍｍ、主動輪の有効外径りは約３００ｍｍに選定
され、集じん電極板の最大巾Ｗは、第３図の例では約５
００ｍｍとなり、本発明にもとづく第４図に示すもので
は約８００ｍｍとなる。

すなわち、本発明によれば、従来の集じん電極板に比べ
て、その巾を約６０％大きくすることができる。

以下、本発明の実施例を図面により説明する。

第５．図は本発明の実施例に関し、その特徴部分のみを
示したものである。

第５図において、集じん電極移動装置２０が並列に設け
られている。

各集じん電極移動装置は、それぞれ主動輪２１と従動輪
２５とを有し、これらに無端索条２４が懸けられている
。

前記無端索条２４には同一寸法の垂直矩形状の集じん電
極板２３が一定間隔で固定されている。

各主動輪２１は同一高さに並列され、定方向に等速回転
している。

従動輪２５は交互に段差を有して並列され、この段差は
、無端索条２４に固定された集じん電極板２３の固定間
隔の２分の１に等しい。

従って、無端索条２４は集じん電極板２３の固定間隔に
等しい長さだけ長短の差を有して交互に設けられている
。

集じん電極板２３は主動輪２１の回転に対して、各々位
相差を有するように取付けられており、位相差は主動輪
２１の回転周期に対して０．５πに設定されている。

すなわち、主動輪の回転方向に対して隣接する電極板は
９００ずつ遅れて回転するように設定されている。

また、集じん電極板２３の巾は、集じん電極板が主動輪
を周回する際、その両先端が描く軌跡が隣りの主動輪の
外周に当接するよりも若干小さい０ このような構成において、主動輪２１が同期して、矢印
方向に回転すると、無端索条２４、集じん電極板２３、
従動輪２５が、それぞれ従動して、移動もしくは回転す
る。

集じん電極板２３は上記のように、各々主動輪２１の回
転周期に対して、０．５πづつ位相差を有しているので
、主動輪２１付近で互いに接触することはない。

同様に、従動輪２５を周回する際にも、従動輪が交互に
段差を有しているので、集じん電極板２３が互いに接触
することは有り得ない。

なお、上記において主動輪の中心間距離は６００關、主
動輪の有効外径は３００ｍｍ、集じん電極板の巾は７０
０關、集じん電極板の取付間隔は７０７關であり、この
集じん電極の取付間隔は、主動輪有効外周の４分の３に
相当する。

従って、集じん電極の位相差が、主動輪の回転周期に対
して０．５πづつであれば、第５図で表わされるように
、３列ごとに主動輪付近における集じん電極板の位置関
係が同一となる。

主動輪を同期させて回転させる手段としては第６図に示
すごとく、電動機５１の回転を減速機５２、スプロケッ
ト５３、ローラチェーン５４により、連動軸５５に伝達
し、ベベルギヤ５６および５７を介して、単一駆動源に
より行うのが簡単であるが、他の手段を用いてもよい。

上記実施例では、位相差を主動輪２１の回転周期に対し
て０．５πに設定したが、この値は集じん電極板の巾と
の相関で±０．２π程度にづらした値を設定してもよい
。

また、上記実施例では従動輪２５の高さを交互に段差を
有するように設けたが、上記位相差や集じん電極板の巾
との相関によっては段差を設けなくてもよく、または段
階的に段差を設けるなど適宜選択して設定してもよい。

以上に述べたごとく、本発明によれば、集じん電極板の
巾を最大限に大きくし得るので、一定集じん面積当りの
集じん電極枚数を少くすることができ、構造の簡単な移
動式集じん電極を有する電気集じん装置を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は集じん電極移動装置の構成を示す斜視図、第２
図は移動式集じん電極を有する電気集じん装置の基本構
成図、第３図は主動輪と集じん電極板の相関を示す説明
図、第４図は本発明の主動輪と集じん電極板の相関を示
す側面図、第５図は本発明の実施例の特徴部分を示す側
面図、第６図は主動輪を同期させて回転させるための機
構図である。 ２０・・・・・・集じん電極移動装置、２１・・・・・
・主動輪、２３・・・・・・集じん電極板、２４・・・
・・・無端索条、２５・・・・・・従動輪、３０・・・
・・・放電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上方で所定距離を置いて配置され一定方向に回転す
   る一対の主動輪と、主動輪の下方に主動輪と対応して配
   置された一対の従動輪と、主動輪と従動輪とに張設され
   た一対の無端索条と、一対の無端索条間にその長手方向
   がガス流と平行に配置されると共に上下方向に所定間隔
   で配置され、その両端中央部が無端索条に固定されて無
   端索条と共に移動する矩形状の複数の集じん電極板とを
   備えた集じん電極板移動装置を複数個並列に設けると共
   に、上下方向に構成される複数の集じん電極板列間の中
   央位置に集じん領域を形成する放電極を設けた電気集じ
   ん装置に於いて、隣接する集じん電極板移動装置の主動
   輪の中心間距離をＰ、集じん電極板の巾をＷとすると、
   ’−’Ｐ＜Ｗ＜〆Ｑｐ２・ ２ の関係があり、集じん電極板は隣接した集じん電極板移
   動装置の集じん電極板と位相差を有して同期しながら移
   動することを特徴とする移動式集じん電極を有する電気
   集じん装置。 ２、特許請求の範囲第１項に記載のものにおいて、隣り
   に並夕１ルた集じん電極移動装置の集じん電極板の位相
   差は主動輪の回転周期に対しては〈０．５πであること
   を特徴とする移動式集じん電極を有する電気集じん装置
   。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載のものに
   おいて、並列した移動集じん電極装置の主動輪はそれぞ
   れ同一高さに並列され、従動輪は交互に段差を有して並
   列されていることを特徴とする移動式集じん電極を有す
   る電気集じん装置。