JPS5840859Y2 - 漁業用刺し網

Info

【考案の詳細な説明】本考案は、漁業用刺し網の改良に関する。

従来漁類、カニ、エビ等を捕獲するための刺し網を構成
する糸は細い糸を複数本撚って１本の糸とした撚糸であ
るが、本考案はこれに代えてたとえばポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの熱可塑性樹脂製の連糸を用いて編網
した刺ｔＪであり、つぎにこれを詳述する。

従来の刺し網では網目の大きさにより捕獲できる魚類の
大きさが決っていた。

即ち網目を通り抜けられるような網目より小さい魚体あ
るいは網目に突き当っても頭部も入らぬような大きな魚
体は網にか＼らず逃げてしまい、ある程度頭部が網目に
つっこみ、しかも通り抜けられぬ程度の魚体の大きさの
魚しか刺し網に掛らなかった。

本考案はこの刺し網をつぎに述べる連糸にて編成したも
のである。

こ＼で述べる連糸とは実施例である第１図に詳示するよ
うに、複数本の熱可塑性樹脂製の糸１が巾方向に一列に
連接してあたかも１本のようになっているものをいい、
使用しているうちに連接部分２から自然に分離すること
ができる。

連糸Ａを構成する各糸１は熱可塑性樹脂を溶融もしくは
軟化し、加圧して細孔から押出すことにより得られ、連
糸Ａは並設したノズルの細孔から押出し底形された各糸
１を直ちに互いに引っ付けることにより得ることができ
る。

なお、連糸な用いて網体を編成するにあたりその編み方
、編成装置は撚糸を用いる場合と何ら異なるところはな
く、編み方を蛙又編みとしても、目ずれ、目の移動等が
な鴨第２図はこの連糸を使用した刺し網の全体図および一部
拡大図を示し、図中３は浮子、４は沈子であり、円内は
部分拡大図である。

本考案による網は、これを構成する糸が連糸であるため
、以下に述べるような効果がある。

（１）糸を撚る手間が省け、それだけ製品である刺
し網を廉価することができ、使い捨ても可能となる。

したがって、その補修等の手間も省ける。

捷た数本の素線で編んであるので、そのｌ。

２本が１ケ所で切断してもオだ残りの素線があり、刺し
網の使用に差し支えなく、゛長持がする。

（２）連糸Ａが使用しているうちにその連接部分２から
自然に分離して多数本の糸１となっても、網を張ると、
そお張力によりぴんと張って１本の糸のようにより、補
強的には編成時と変らない状態で使用し得る。

（３）刺し網を構成する糸は撚ってない力・ら、糸
１の長さをフルに使うことができて経済的でありオた、
軽量である。

（４）この刺し網は網目を通り抜けられるような魚体の
小さい魚でも或は頭も網目に入らないような魚体の大き
な魚でも、魚の鰭や鱗等が分離した細い糸に絡み、魚の
逃げようとする習性に依り魚体に網が絡みつき捕獲でき
る。

即ちこの刺し網を使うことで捕獲できる魚体の大きさと
種類の範囲が拡大され、魚獲量が増えることになる。

またこの刺し網は水の抵抗も比較的小さく、軽量である
から、刺し網を回収するウィンチの能力も小容量でよい
から経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による漁業用刺し網を構成する糸の拡大
横断面図、第２図は刺し網の全体固転よび一部拡大図を
示す。１は糸、２は連接部分。

【実用新案登録請求の範囲】